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3.仲間ができました。

魚24:聖女ですぅ!  …あ。

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ぐっちゃぐちゃになった道をえんやこらさと歩くこと数十分。
無事に荷物が見つかりました。
踏みつぶされてしまったものもあるけどとりあえず使えそうなものの選別なんかは町についてから、という事に。
エコバックさんにスポポポーっと回収。

「アイテムバックってやっぱり便利だなぁ。ポーターがいるチームがうらやましかったけど、実際目の当たりにすると本当に助かるよ。ありがとうなあ!」
「『荷物持ちだけのお荷物』ーだなんて蔑んでるおバカさんもいるけど、とんでもないことよね。戦闘要員が身軽でいられるのがどれだけありがたいことか。」
「おまけにあんなすっげぇ魔法使えちゃうんだから、お嬢ちゃん上級職だったんじゃねえのか?」
「ああ、あの魔法?はサポちゃんっていうわたしの相棒がやってくれ、て…あれ、  サポちゃん!?」
「うおっ どうした!?」
「サポちゃん!サポちゃんが居ない!なんで!?」
「相棒?あなたしかいなかったわよね…?」
「えと、えっと…黒い宝石みたいな子です!なんていったらいいのか…そうだ、宝石の妖精さんです!そういうことにしておきます!」
「おおー?よくわからんけど、妖精が相棒なのか。で、そいつがいなくなっちゃった、と。」
「妖精が、人間に従ってるっていうの…?え、すごいことなんだけど…!」

わたしのばかばかばか!!
なんですぐにサポちゃんが居ないことに気が付かなかったの!
怒涛の展開に頭ショートしかけてたのかな!?
えええ、どうしよう、どうしよう!
そ、そうだ!

「いん…じゃなかった、アイテムバックさ―――ん!再雇用です!もどってきてぇ!!」 カムバーック!

インベントリさんなら、あのおしゃべりさんならきっとなにかわかるかも!

※ご用命ありがとうございまーーーーーす!インベントリ改めアイテムバックでございます!!※
「よかった、アイテムバックさん!えっと、今後はエコバックさんって呼ばせてもらいます。お兄さんたちにもお話を聞こえるようにすることは可能?」
【もちろんでございます!】
  ピッコーン! アイテムバックの呼称を『エコバック』に指定しました。
  ピッコーン! エコバックとの通話が指定された対象三名に認識できるようになりました。

「え、え?お嬢ちゃん何を…」
「あーっと、詳細は省きますが、このアイテムバックに妖精さんが憑いたと思ってください、エコバックさんです!」
※【エコバックと申します、以後よろしくお願いしますー!】
「「    はーーーー?!   」」

「エコバックさん、サポちゃんがいなくなっちゃった!どどどどうしよう!」
※【マスター、落ち着いてください。こういう時はまずステータス画面の確認です!】
「すてーたす…そ、そうか!『サポちゃんにお問い合わせ』表示!」

・・・・現在、顕現力の過負荷により『サポちゃん』は表示できません・・・・

「のぉーーーーーー!」

絶対「あれ」のせいだー!本当にごめん!!

「え、ええっと、えこばっく、さん? 彼女はどうしたのかしら?」
※【簡易ログを確認中!  ……『サポちゃん』氏が、皆さんを救助するために使った反撃結界の反動で、姿を現すことができなくなった事実を受け止めるのに必死なようです!】
「あのすごい魔法を使ってくれたのが、宝石の妖精っていってた…サポちゃん殿なんですね。そうか、妖精の小さな体で俺たちを助けてくださったのか…」
「お亡くなりになったわけではないんですよね?ちゃんとお礼言いたいわ!」
※【ハイ。数時間後には表示が復活するようです!】
「ほ、本当?サポちゃん大丈夫なの?返事もお知らせも更新されないよう…!」
※【ご安心ください!こちらにデータが届いております。マスターがそちらの三名とともに行動することを推奨していますね、ワタクシも賛成いたします!また、追っ手をくらませるためにも変装と別称を推奨しています!】
「変装…」
※【ひとまずは、安全な町への移動を提案いたします。詳しくはそれからで!】
「それもそうだわ。もう疲れちゃったし、転送石つかっちゃいましょ。」
「いいね、そうしよう。 あ、転送石ってのは記録した地点に戻れる使い捨てアイテムだよ。知ってる?」
「いえ、それは便利なアイテムですね!あ、でも…移動先がぼっつナントカっていう城下町は困るんですが…」
「あなた何やらかしちゃったの…?とりあえず王都にはいく用事無いから大丈夫よ。 」

はーーーーよかった!サポちゃん、消えちゃったわけじゃないんだね!
エコバックさんを呼び戻せて本当に良かった…

「ごめんね、エコバックさん…昨日、サポちゃんのほうがいいなんて失礼なこと言っちゃって。今後ふたりが私に力を貸してくれるのがものすごく頼もしいよ!」
※【ありがとうございます! 昨日さくじつの時点、少々興奮していたのは事実でございます。不審がられたのは仕方ありませんでした!】

「なあアビー、おまえずーっと黙ったまんまだけどどうした?」
「え、ああ。いやぁさすが天女様だなぁって思いまして。勝手に動く腰袋にあっけにとられてたってのもあるけど、つまり妖精をふたりも従えていらっしゃるわけですから。徳の高い者が好かれやすいっていうのは聞いたことあったけどこういう事なんだなぁと感動しておりました。」

………おうっふ。

「ちが、ちがうよ!?そうだった、訂正してなかった!わたし人間だよ!!死んじゃった誤解を解くのに必死で「天女」のこと忘れてたー!」
「ああ、天のお国の方が地上に居られるのはきっと理由がおありなのですよね。大丈夫です深くは聞きませんから。」
「違うちがうチガウ! 天女じゃないって、聖女ですぅ!」

「「「え?」」」
「あ。」
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