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1.召喚からの廃棄
魚4:何の聖女か判明しました。
しおりを挟む鑑定ってやつかね。ああいうのって漫画とかだとシュパッて表示されるものだと思ってたが、実際の魔法って実はものすごく大変なんだなぁ。
割と時間かかってた。
石の板みたいなのを持ってるのが薄青ローブさんの中でリーダーなのかな。
あれにいろいろメモってあるのだろう。読み上げていく。
「まず、眼鏡の女性レン様。回復魔法を得意とする”慈愛神の聖女”様でございます。」
オオーーと歓声が上がる。
眼鏡ちゃん…もといレンさんが薄青ローブさんに促されて立ち上がり、胸の前で腕をクロスさせられる。
すると、薄青ローブさんが突然自分の腕をペンのようなもので刺した!
びっくりしたレンさんが悲鳴を上げると、オレンジ色の光が彼女を包み込み、光が玉になって飛んでいく!
薄青ローブさんに直撃した光が腕に集約されていったかと思えば、その腕はツルリンときれいに治った。
大勢のローブさんや鎧さんたちが拍手喝さいを送る。
レンさんは自分の手と薄青ローブさんを交互に見ながら腰が抜けたのかぺちゃんっと座ってしまった。
「続きまして、白黒の御髪の女性、ジュン様。炎属性をまとった攻撃要員、”武神の聖女”様でございます。」
うおおおおおーー!と、今度は鎧さんたち側からやや大きめに歓声が上がった。もちろんローブさんたちも拍手してる。でも武神となれば、やっぱ戦う皆さんのほうがテンション上がるか、そらそうだ。
これまた薄青ローブさんに促され立ち上がったジュンさんは、素振りをしてみてほしいと剣のようなものを渡されたが、要らないと断っている。
大きな盾を持っている鎧さんに構えてもらうようお願いし、呼吸を整えているのか目を閉じた。そしてーーー
「ふぅっ は!」
ボボーン ドカーーーン!
あれは、RPGゲームのコマンドにでてくる正拳突きという奴だろうか。カッコイイ!武術知らんけど!
炎をまとった拳が風を切って突き出され、そのままの勢いで炎の玉、いや拳型の炎が盾に激突した!
大盾さんは後ろに2メートルくらい押し出されたが、よろめきはしなかった。
さすが守護に特化した騎士さんだ。じゃなかったらあんなでっかい盾、持たないよね!
ジュンさんはすげーすげー!といいながらさっさと座ってしまう。
歓声がすんごいので、一応手は振ってる。かっこいい!大盾さんも立ち上がって拍手している。
「続きまして、金の御髪の女性、メアリー様。なんと闇・光を含む全属性の加護をお受けになっている、”全属性聖女”様でございます!」
どわあああああああああああ!!!!!!!!
時間が止まったかのような空白ののち、その場にいた全員大歓喜している。
もう大号泣大歓声狂喜乱舞。ものすげぇわ。
この子一人いれば全部終わるんじゃね?
そそくさと薄青ローブさんに黒い石が刺さったいかにもな魔法使いの杖らしきものを渡されて、目をぱちくりしているメアリーさんに頭上へ杖を掲げるように促す。
キラキラと輝いたかと思えば真っ黒な靄がズゴゴゴゴと集まってきたり、炎が噴き出したりそれを水がかき消して、舞い上がる木の葉を風が切り刻み、金属が飛び出したかと思えば土がうねり出て飲み込み、最初の光が大きくなってすべてを飲み込んですっきりと消えた。
もうなんじゃこれ、あれか、バグ技かチートか。
この子一人で魔王倒せそうだよマジで。
いや、魔王なんだから魔法が効かない場合あるか。ジュンさん要るね。大けがしたらレンさんに治してもらわなきゃ。三人とも必要だわ。おお、すごいなぁ。
恥ずかしがって縮こまっちゃってかわいいわ、大歓声止まないわどうすんのこれ。
巻き込まれたの私で決定じゃーん。
「そして最後に、最年長のアユ様です。」
読み上げないでくれーやめろぅ。
「”釣りの聖女”様でございます。」
「はい?」
「ええと、魚が存在する水場であれば、絶対に一匹以上魚を釣り上げることができるそうです。レベルが上がりますとどんな場所でも、魚など居るはずのない水たまりやバケツの水でも釣りが成功するそうです。行軍において重要な食料供給に無くてはならない存在でございます。」
おおーーーぱちぱちぱち。
あっれー?巻き込まれた一般人とかじゃないの?一応聖女なんだ。
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