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66 動物園の動物たちがびっくりです
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翌朝もきれいな青空で朝日がまぶしかった。
敦子は気持ちのよい朝に歌でも歌いだしたいほどだった。
朝早く起きたので、軽く掃除をして支度を始めた。
この前帰省した時に買った洋服を着た。
今までだったら絶対に買っていないちょっと明るい色合いの洋服だ。
いつものように玉山の部屋に向かう。
出てきた玉山の洋服は、敦子の洋服と色合いが似ていた。まるで対の様に見える。
驚きで敦子が目を見張っていると、玉山も自分が着ている洋服と色合いが似ていることに気が付いたのか笑顔で言った。
「あっちゃん、今日もかわいいね。その洋服お揃いだね」
玉山はいつの間にか日本人ではなくイタリア人になったようだ。
敦子は朝から天に上る気持ちになった。これからは鼻に何か詰め物が必要ではないかと真剣に考えた。
「じゃあ行こうか」
二人で車に乗り出発した。
この前車に乗ったときとは違う曲が流れている。
「いつも違う曲ですね」
「そうだよ。あっちゃんと出かけるとき用に選曲してるんだ。準備も楽しいよ」
もう玉山は生粋のイタリア人になったらしい。
今日の玉山は話すたび、敦子を悶絶させる気じゃないかというぐらいほめてくれるので、時々気が遠くなりそうになった敦子だった。
敦子が何度か気を失いかけているうちに、いつの間にか動物園についていた。
お天気が良く暖かい陽気のせいか駐車場は車がいっぱいだった。
場所も場所なだけに子供がいる家族連れも多かった。
玉山はここでもまたチケットを買いに行ってくれた。
玉山から渡されたパンフレットを見る。
ふたりでこの動物がいいね、あの動物が見たいねなどと歩いていると、孔雀がいる場所に来た。
敦子が柵のそばに行くと、それに気づいた一羽のオスの孔雀が優雅に羽を揺らしながらやってきた。
そして敦子の前できれいな羽根を広げて見せるではないか。
敦子がきれいだと思いながら見ていると、ほかのオスもやってきて次々に羽を広げ始めた。
その優雅な孔雀の様子を見ようと、他の人たちも集まり始めみんなでその様子を楽しんだ。
中にはその映像を撮ろうとスマホで撮影している人たちもいる。
羽を広げた孔雀の前に立って記念撮影をしている家族も出てきた。
ただ敦子が見ていると、孔雀は映らないはずなのに敦子の後ろにいる玉山を映そうとしている人まで出てきた。
あまりの騒ぎにあちこちから人がやってきてだんだん敦子の周りが窮屈になってきたので、敦子が後ろに下がると敦子のすぐ後ろに立っていた玉山も一緒についてきた。
敦子たちが別な場所に行こうと歩いていると、先ほどの孔雀たちがいる場所から声が聞こえた。
「ママ~、孔雀さんたちもう羽しまっちゃったよ」
「パパ、もう孔雀さんあっち行っちゃった」
どうやら孔雀たちは柵のそばから去ったようで、みんな嘆いているようだった。
「もう終わっちゃったんですね。よかったですね。きれいな姿を見られて」
「そうだね」
敦子と玉山は次の動物を見るべく歩き始めた。
次に向かったのは象がいる場所だった。
象はほりにめくらされた場所にいて、ちょうどそばも水を飲んでいた。
敦子たちが柵のそばに行くと、ちょうど象も堀のそばまで近づいてきた。
そして何やら鼻を動かしたかと思うと、鼻を大きく回し始めた。
敦子がびっくりして見ていると、象はますます鼻を大きく回しはじめた。
思わず後ずさると玉山が、敦子の手をしっかり握ってくれた。
「なんだか不思議な行動をしているね」
「そうですね」
敦子たちがそう話していると、また象の珍しい行動に人が集まり始めた。
象は疲れたのか、鼻を回すのをやめて急に前足を折り曲げると、こちらの方を向いてお辞儀するような恰好をした。そして後ろ脚も折り曲げて座り始めた。
それを見ていた人たちは、またその様子をスマホで撮影したり、象をバッグに子供を前に立たせて撮影し始めた。
それと同時に一番よく見える敦子たちの周りが混み始めたので、敦子たちは別の動物を見ようと後ろに下がった。
そして歩いていると、また象がいるあたりから声が聞こえた。
「パパ、象さん起きちゃったよ」
「ママ~象さんあっち行っちゃった」
そう嘆く子子供の声や残念がる人の声が聞こえた。
「よかったですね」
「そうだね。ちょうどタイミングが良かったんだね」
こうして敦子たちはまた別な動物を見るべく歩いていった。
次に向かったのは、ライオンがいるところだった。
これまた掘の向こうに何頭かのライオンがいた。
敦子と玉山が柵のそばまで来ると、一頭の立派な鬣を持ったライオンがやってきた。
ライオンは、急にごろんと仰向けになったかと思うと、腹を出しもぞもぞし始めた。
ちょうど敦子たちの隣で見ていた家族連れの女の子が、その様子を見てお父さんにいった。
「あのライオンさん、背中かゆいの?」
敦子にもその声が聞こえてしまい、敦子はついちょっと吹き出してしまった。
隣でそれを聞いていたお父さんが、敦子のほうをちらりと見て恥ずかしそうに顔を赤らめた後、女の子に向かっていった。
「そうかもな」
敦子がその様子をほほえましく見ていると、なぜかつながれていた玉山の手の感触がちょっときつくなった。
敦子が玉山の方を向けば、玉山はなぜか女の子と話しているお父さんをにらんでいた。
敦子も視線をそちらに向けると、女の子のお母さんは玉山のほうを凝視しているのが目に入った。
「見て~。他のライオンさんたちもかゆいんだって」
その声で敦子も周りの人たちもライオンのほうを見ると、そこにいるライオンすべてが腹を出して寝転がりはじめた。
皆がびっくりして見ていると、腹を出していたライオンたちが一斉に起き上がり、お座りを始めた。
まるでエジプトのスフィンクス像のように、こちらを見て座っているのである。
見ていた敦子をはじめほかの人たちもはじめ唖然と見ていたが、あまりに珍しい光景にまたスマホを向け始めた。もちろん敦子たちの周りにも人が増え始めた。
敦子たちは人の生垣から出て、また別な動物を見ることにした。
「ママ~、ライオンさんたちいっちゃった~」
「パパ~、ライオンさん起きちゃったよ」
敦子の後ろでそう嘆く子供たちや大人の声が聞こえた。
敦子と玉山はふたり顔を見合わせた。
思わず立ち止まる。
「偶然ですよね」
「ああ、そうだよ」
玉山の敦子をつなぐ手に力が入った。
ふたりは今度は、サル山を見ることにした。
サルたちがほりの向こうで、ロープによじのぼっていたり毛づくろいをしていたりと思い思いに過ごしていた。
敦子が柵に近づいた。
すると一匹の大きいさるがこちらに近づいてきて、ほりのすぐそばまでやってきた。
サルは立ち上がりまるで人間のように、こちらをじっと見ている。
敦子もまたそのサルを見つめた。
立っていたサルが、急に一声叫んだ。
すると先ほどまでいろいろな場所にいたサルたちが、大きなサルのほうに一目散に走ってやってくる。
大きなサルは、後ろに集まってきたサルに向かってまた吠えるような叫び声をあげたかと思うと、人間のようにこちらに向かってお辞儀をしてきた。
その様子を見ていた人たちの中から、びっくりした声とともに拍手を送る人たちが出てきた。
サルたちの不思議な行動にまた人が集まってきた。
「ママ~さるさんたちおじぎしてるよ~」
「パパ~この前見たライオンの映画みたいだね」
「ほんとだ。こんな映画のシーンあるなあ」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
敦子と玉山も唖然として来ていると、別のところから声がした。
「ママ~おじぎあの人たちのところにしてるんだよ。サルさん」
「あの人たちって?」
「あそこにいるお兄さんとお姉さんだよ。僕見たもん」
「パパ~僕も見たよ。象さんやライオンさんがあのお兄さんたちにおじぎしてたよ」
1人の男の子が敦子と玉山を指さして言った。
ほかの子も言い出した。
周りにいた大人たちからも声がした。
「そういえばあの人たちさっきもいたわね」
「そうだ。さっき孔雀のとこでもいたなあ」
玉山の手が引かれて敦子と玉山は、そんな声がする中から慌てて抜け出した。
ふたりで急いで動物園の出口へと向かった。
そんな中また後ろの方で声が聞こえた。
「ほらあ~やっぱりあのお兄さんたちがいなくなったら、サルたちおじぎやめちゃったよ」
「わたし見たもん。あのお姉さんのとこに寄ってきたんだよ」
敦子と玉山はなかば走るようにして動物園を後にしたのだった。
敦子は気持ちのよい朝に歌でも歌いだしたいほどだった。
朝早く起きたので、軽く掃除をして支度を始めた。
この前帰省した時に買った洋服を着た。
今までだったら絶対に買っていないちょっと明るい色合いの洋服だ。
いつものように玉山の部屋に向かう。
出てきた玉山の洋服は、敦子の洋服と色合いが似ていた。まるで対の様に見える。
驚きで敦子が目を見張っていると、玉山も自分が着ている洋服と色合いが似ていることに気が付いたのか笑顔で言った。
「あっちゃん、今日もかわいいね。その洋服お揃いだね」
玉山はいつの間にか日本人ではなくイタリア人になったようだ。
敦子は朝から天に上る気持ちになった。これからは鼻に何か詰め物が必要ではないかと真剣に考えた。
「じゃあ行こうか」
二人で車に乗り出発した。
この前車に乗ったときとは違う曲が流れている。
「いつも違う曲ですね」
「そうだよ。あっちゃんと出かけるとき用に選曲してるんだ。準備も楽しいよ」
もう玉山は生粋のイタリア人になったらしい。
今日の玉山は話すたび、敦子を悶絶させる気じゃないかというぐらいほめてくれるので、時々気が遠くなりそうになった敦子だった。
敦子が何度か気を失いかけているうちに、いつの間にか動物園についていた。
お天気が良く暖かい陽気のせいか駐車場は車がいっぱいだった。
場所も場所なだけに子供がいる家族連れも多かった。
玉山はここでもまたチケットを買いに行ってくれた。
玉山から渡されたパンフレットを見る。
ふたりでこの動物がいいね、あの動物が見たいねなどと歩いていると、孔雀がいる場所に来た。
敦子が柵のそばに行くと、それに気づいた一羽のオスの孔雀が優雅に羽を揺らしながらやってきた。
そして敦子の前できれいな羽根を広げて見せるではないか。
敦子がきれいだと思いながら見ていると、ほかのオスもやってきて次々に羽を広げ始めた。
その優雅な孔雀の様子を見ようと、他の人たちも集まり始めみんなでその様子を楽しんだ。
中にはその映像を撮ろうとスマホで撮影している人たちもいる。
羽を広げた孔雀の前に立って記念撮影をしている家族も出てきた。
ただ敦子が見ていると、孔雀は映らないはずなのに敦子の後ろにいる玉山を映そうとしている人まで出てきた。
あまりの騒ぎにあちこちから人がやってきてだんだん敦子の周りが窮屈になってきたので、敦子が後ろに下がると敦子のすぐ後ろに立っていた玉山も一緒についてきた。
敦子たちが別な場所に行こうと歩いていると、先ほどの孔雀たちがいる場所から声が聞こえた。
「ママ~、孔雀さんたちもう羽しまっちゃったよ」
「パパ、もう孔雀さんあっち行っちゃった」
どうやら孔雀たちは柵のそばから去ったようで、みんな嘆いているようだった。
「もう終わっちゃったんですね。よかったですね。きれいな姿を見られて」
「そうだね」
敦子と玉山は次の動物を見るべく歩き始めた。
次に向かったのは象がいる場所だった。
象はほりにめくらされた場所にいて、ちょうどそばも水を飲んでいた。
敦子たちが柵のそばに行くと、ちょうど象も堀のそばまで近づいてきた。
そして何やら鼻を動かしたかと思うと、鼻を大きく回し始めた。
敦子がびっくりして見ていると、象はますます鼻を大きく回しはじめた。
思わず後ずさると玉山が、敦子の手をしっかり握ってくれた。
「なんだか不思議な行動をしているね」
「そうですね」
敦子たちがそう話していると、また象の珍しい行動に人が集まり始めた。
象は疲れたのか、鼻を回すのをやめて急に前足を折り曲げると、こちらの方を向いてお辞儀するような恰好をした。そして後ろ脚も折り曲げて座り始めた。
それを見ていた人たちは、またその様子をスマホで撮影したり、象をバッグに子供を前に立たせて撮影し始めた。
それと同時に一番よく見える敦子たちの周りが混み始めたので、敦子たちは別の動物を見ようと後ろに下がった。
そして歩いていると、また象がいるあたりから声が聞こえた。
「パパ、象さん起きちゃったよ」
「ママ~象さんあっち行っちゃった」
そう嘆く子子供の声や残念がる人の声が聞こえた。
「よかったですね」
「そうだね。ちょうどタイミングが良かったんだね」
こうして敦子たちはまた別な動物を見るべく歩いていった。
次に向かったのは、ライオンがいるところだった。
これまた掘の向こうに何頭かのライオンがいた。
敦子と玉山が柵のそばまで来ると、一頭の立派な鬣を持ったライオンがやってきた。
ライオンは、急にごろんと仰向けになったかと思うと、腹を出しもぞもぞし始めた。
ちょうど敦子たちの隣で見ていた家族連れの女の子が、その様子を見てお父さんにいった。
「あのライオンさん、背中かゆいの?」
敦子にもその声が聞こえてしまい、敦子はついちょっと吹き出してしまった。
隣でそれを聞いていたお父さんが、敦子のほうをちらりと見て恥ずかしそうに顔を赤らめた後、女の子に向かっていった。
「そうかもな」
敦子がその様子をほほえましく見ていると、なぜかつながれていた玉山の手の感触がちょっときつくなった。
敦子が玉山の方を向けば、玉山はなぜか女の子と話しているお父さんをにらんでいた。
敦子も視線をそちらに向けると、女の子のお母さんは玉山のほうを凝視しているのが目に入った。
「見て~。他のライオンさんたちもかゆいんだって」
その声で敦子も周りの人たちもライオンのほうを見ると、そこにいるライオンすべてが腹を出して寝転がりはじめた。
皆がびっくりして見ていると、腹を出していたライオンたちが一斉に起き上がり、お座りを始めた。
まるでエジプトのスフィンクス像のように、こちらを見て座っているのである。
見ていた敦子をはじめほかの人たちもはじめ唖然と見ていたが、あまりに珍しい光景にまたスマホを向け始めた。もちろん敦子たちの周りにも人が増え始めた。
敦子たちは人の生垣から出て、また別な動物を見ることにした。
「ママ~、ライオンさんたちいっちゃった~」
「パパ~、ライオンさん起きちゃったよ」
敦子の後ろでそう嘆く子供たちや大人の声が聞こえた。
敦子と玉山はふたり顔を見合わせた。
思わず立ち止まる。
「偶然ですよね」
「ああ、そうだよ」
玉山の敦子をつなぐ手に力が入った。
ふたりは今度は、サル山を見ることにした。
サルたちがほりの向こうで、ロープによじのぼっていたり毛づくろいをしていたりと思い思いに過ごしていた。
敦子が柵に近づいた。
すると一匹の大きいさるがこちらに近づいてきて、ほりのすぐそばまでやってきた。
サルは立ち上がりまるで人間のように、こちらをじっと見ている。
敦子もまたそのサルを見つめた。
立っていたサルが、急に一声叫んだ。
すると先ほどまでいろいろな場所にいたサルたちが、大きなサルのほうに一目散に走ってやってくる。
大きなサルは、後ろに集まってきたサルに向かってまた吠えるような叫び声をあげたかと思うと、人間のようにこちらに向かってお辞儀をしてきた。
その様子を見ていた人たちの中から、びっくりした声とともに拍手を送る人たちが出てきた。
サルたちの不思議な行動にまた人が集まってきた。
「ママ~さるさんたちおじぎしてるよ~」
「パパ~この前見たライオンの映画みたいだね」
「ほんとだ。こんな映画のシーンあるなあ」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
敦子と玉山も唖然として来ていると、別のところから声がした。
「ママ~おじぎあの人たちのところにしてるんだよ。サルさん」
「あの人たちって?」
「あそこにいるお兄さんとお姉さんだよ。僕見たもん」
「パパ~僕も見たよ。象さんやライオンさんがあのお兄さんたちにおじぎしてたよ」
1人の男の子が敦子と玉山を指さして言った。
ほかの子も言い出した。
周りにいた大人たちからも声がした。
「そういえばあの人たちさっきもいたわね」
「そうだ。さっき孔雀のとこでもいたなあ」
玉山の手が引かれて敦子と玉山は、そんな声がする中から慌てて抜け出した。
ふたりで急いで動物園の出口へと向かった。
そんな中また後ろの方で声が聞こえた。
「ほらあ~やっぱりあのお兄さんたちがいなくなったら、サルたちおじぎやめちゃったよ」
「わたし見たもん。あのお姉さんのとこに寄ってきたんだよ」
敦子と玉山はなかば走るようにして動物園を後にしたのだった。
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