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敦子は林とファミレスに行った。
お昼になっていたので、ふたりランチセットを注文した。
注文が終わると、待ちきれないように林が言った。
「 さっきのノートの事だけど。ちょっとノート見せてくれる? 」
林に言われて敦子は、バッグから先ほどのノートを取り出し林に渡した。
林は、今度はじっくりとページをめくり、ノートの中身を真剣な表情で読んでいた。
敦子は暇なので、林に断りドリンクバーに向かった。
一応林に声をかけていったのだが、林はおざなりに返事するだけで、目はノートにくぎ付けだった。
敦子がドリンクバーから持ってきた飲み物をのんびり飲んでいると、やっと一段落した林がこちらを向いた。
そしてノートを敦子のほうに返してきた。
敦子がノートを受け取り、聞こうとしたとき、ちょうど二人の料理が運ばれてきて、敦子と林は先に食べることにした。
ただ敦子は途中我慢できずに林に尋ねた。
「 何かわかった? 」
「 うん、たぶんね。 」
そう意味深なことを言って、林はそれでも食べながらまだ考えているようで、時々眉間にしわができたりしていた。
2人食事を終わると、林もドリンクバーに飲み物を取りに行った。
もちろん敦子もまた別な飲み物を取りに行った。
ふたり飲み物をもってきて席に座ったところで、林が言った。
「 さっき気になることがあるっていただろう?
それでさっき確かめてみたんだけど、ノートには瀬川さんが聞き取りをした人の年齢・聞き取りをした日、それに亡くなった日時が書いてあっただろう?
それがすべて共通していたんだ。 」
瀬川さんとはお亡くなりになった郷土史家のお名前らしい。
「 共通? 」
「 そう。第一に聞き取りをした人はみんな高齢の人ばかりだった。
まあこれは昔の話を聞くんだから当たり前だけど。
よく見ると、聞き取りをした日と亡くなった日が近いんだよ。
まるで話し終わるのを待っていたかのように亡くなってる。
もしかしたら瀬川さんも何回目かで気づいたのかもしれない。
初めの方のメモには、亡くなった日は年と月だけだったのが、後ろに行くと日にちまで書いてあるんだ。
あと読んでいて不思議なのは、聞き取りをした人たちみんな、まるで自分が見てきたこととのように話している。
だからか瀬川さんのはじめの方のメモの書き方は、要点しか書かれていなかった。
けれど後にいくにしたがって、聞いたことすべて一期一句漏らさないように書いてあるんだ。
このメモを見る限り、話している人たちも、自分の話していることになんだか絶対の自信を持っていたように感じるんだ。
たぶんまた聞きだったり、ほぼ昔話のように伝承でしかないはずなのにね。
もしかしたら瀬川さんも最初は、昔話や伝承ぐらいに聞いていたのかもしれない。
けど、何か瀬川さんに起こったのか、それとも事実と思えるようなことがあったのかわからないけど、後に行くにしたがって書き方が変わってきてるんだよね。
このノートに書いてあることは、昔話としか思えない内容だけど、実際この前湖で水柱を見たりしたからかな、僕もこのノートに妙に信ぴょう性を感じるんだ。
不思議だよね。 」
敦子は黙って林の話を聞いていたが、もう一度ノートを取り出し読んでみた。
確かにノートのはじめと途中からでは、ずいぶん書き方が違う気がする。
それに聞き取りをした日とお亡くなりになった日もずいぶん近い。
これほど多くの人がそうだと、皆高齢だったからとは、一概に片づけられない気がする。
ふたりで飲み物を飲みながら、お互い考え事をしていると、不意に林のスマホが鳴った。
林がポケットからスマホを出して、内容を確認していた。
それから何やら相手に連絡していた。
「 ねえ滝村さん、南さんって知ってる? 前にデパートで化粧品売り場にいた子。今幼稚園で勤務してるんだけど。 」
はじめ敦子は、南さんと名前を言われてもぽかんとしていたが、化粧品売り場と幼稚園勤務という言葉で思い出した。
「 あっ、覚えてる。いつもそこの化粧品売り場でネイル買ってた。そう、地元がこっちの子だったよね。そうだ私、林君の名前出したんだった。 」
「 そうそう、その彼女。この前小学校と幼稚園の合同研修会があったんだけど、その時に知り合ったんだ。滝村さんから僕の名前が出たって言ってたよ。 」
「 そうだった。勝手に名前出してごめんね、すっかり忘れてた。 」
「 いや、いいんだけど。実は・・・。彼女と付き合うことにしたんだ。 」
「 そうなの~! 」
敦子は、急な展開に驚いてしまった。化粧品売り場の南の名前が出たと思ったら、今目の前にいる林とお付き合いしてるなんて。
世間は広いようで狭いなあと一人感心していると、林が言った。
「 ここに彼女呼んでいい?せっかくだから彼女が会いたいって。 」
「 えっ、いいけど。反対に私お邪魔じゃない? 」
せっかく彼女と会えるのに敦子がいたらお邪魔じゃないだろうか。
しかもお付き合い始めたばかりらしいのに。
敦子が心の中でいろいろ考えていると、それを見透かしたように林が言った。
「 彼女が会いたがってるんだ。それに滝村さんが僕の名前出してくれたから、話すきっかけができたようなものだし。 」
「 そう? じゃあ会おうかな。ねえ、彼女がいる前じゃあ聞けないから、今聞くけど、前の彼女の事もう整理できたの? 」
「 あ~あ、もう大丈夫。彼女に会ってから思い出しもしないんだ。じゃあ彼女に連絡する。 」
そういって林はスマホで連絡し始めた。
嬉しそうに連絡をしている林を見ているうち、敦子はそういえばと思いだしたことがあった。
前に湖で話した時には、なんだかまだ苦しそうな切なそうな表情を浮かべることがあった。
しかし今日は、会ってから今までの事を思い出すと、そんな表情をすることは一度もなかったのだ。
吹っ切れたんだなあと思い、なんとなく温かな気持ちになった。
「 来るって。 」
「 じゃあ、私ドリンクバーで何か飲み物持ってくる。 」
また敦子は、飲み物を取りにいったのだった。
敦子が林とノートの事をまた話していると、南がやってきた。
改めてみると、やはり化粧品売り場でお勤めしていただけあって、すごく垢抜けしていた。
「 こんにちは。お久しぶりです。 」
「 こんにちは。聞いたよ、林君に。びっくり。 」
南は敦子に言われて、ぽっと顔を赤くした。
南は林の隣に座り、すごく恥ずかしそうに敦子を見た。
「 林君はおすすめよ。性格よし、顔よしだからね。 」
敦子が、南に林を持ち上げるように言うと、南は満面の笑みで待ってましたとばかりに語りだした。
最初の恥ずかしがっていた様子はどこへやら、林のここがいい、あそこがいいととにかく林をべたほめしてくる。
反対に聞いている敦子が、聞いててくすぐったくて地面に潜りこみたいぐらいだった。
言われている林はといえば、恥ずかしさもちょっとありながらも、これだけ恋人に褒められてまんざらでもない様子で、今度は林が南のここがかわいい、あそこがいいと敦子に語りだした。
敦子はもうやめてほしいと思うぐらいに、とにかく二人の話は長かった。
もう飲み物と何か別なものでおなかがたぷたぷという感じで、まだ喜々として話している南と林にいった。
「 ありがとう。もう十分聞いたから、私を家に送っていってくれる? 」
そういって二人の話をぶった切った敦子だった。
結局、帰りの車の中でも、近況報告の筈がいつのまにかのろけ話に話がすり替わっていて、敦子はシートにもたれて帰ったのだった。
2人と別れて家に入ると、別な意味でどっと疲れが出た敦子だった。
お昼になっていたので、ふたりランチセットを注文した。
注文が終わると、待ちきれないように林が言った。
「 さっきのノートの事だけど。ちょっとノート見せてくれる? 」
林に言われて敦子は、バッグから先ほどのノートを取り出し林に渡した。
林は、今度はじっくりとページをめくり、ノートの中身を真剣な表情で読んでいた。
敦子は暇なので、林に断りドリンクバーに向かった。
一応林に声をかけていったのだが、林はおざなりに返事するだけで、目はノートにくぎ付けだった。
敦子がドリンクバーから持ってきた飲み物をのんびり飲んでいると、やっと一段落した林がこちらを向いた。
そしてノートを敦子のほうに返してきた。
敦子がノートを受け取り、聞こうとしたとき、ちょうど二人の料理が運ばれてきて、敦子と林は先に食べることにした。
ただ敦子は途中我慢できずに林に尋ねた。
「 何かわかった? 」
「 うん、たぶんね。 」
そう意味深なことを言って、林はそれでも食べながらまだ考えているようで、時々眉間にしわができたりしていた。
2人食事を終わると、林もドリンクバーに飲み物を取りに行った。
もちろん敦子もまた別な飲み物を取りに行った。
ふたり飲み物をもってきて席に座ったところで、林が言った。
「 さっき気になることがあるっていただろう?
それでさっき確かめてみたんだけど、ノートには瀬川さんが聞き取りをした人の年齢・聞き取りをした日、それに亡くなった日時が書いてあっただろう?
それがすべて共通していたんだ。 」
瀬川さんとはお亡くなりになった郷土史家のお名前らしい。
「 共通? 」
「 そう。第一に聞き取りをした人はみんな高齢の人ばかりだった。
まあこれは昔の話を聞くんだから当たり前だけど。
よく見ると、聞き取りをした日と亡くなった日が近いんだよ。
まるで話し終わるのを待っていたかのように亡くなってる。
もしかしたら瀬川さんも何回目かで気づいたのかもしれない。
初めの方のメモには、亡くなった日は年と月だけだったのが、後ろに行くと日にちまで書いてあるんだ。
あと読んでいて不思議なのは、聞き取りをした人たちみんな、まるで自分が見てきたこととのように話している。
だからか瀬川さんのはじめの方のメモの書き方は、要点しか書かれていなかった。
けれど後にいくにしたがって、聞いたことすべて一期一句漏らさないように書いてあるんだ。
このメモを見る限り、話している人たちも、自分の話していることになんだか絶対の自信を持っていたように感じるんだ。
たぶんまた聞きだったり、ほぼ昔話のように伝承でしかないはずなのにね。
もしかしたら瀬川さんも最初は、昔話や伝承ぐらいに聞いていたのかもしれない。
けど、何か瀬川さんに起こったのか、それとも事実と思えるようなことがあったのかわからないけど、後に行くにしたがって書き方が変わってきてるんだよね。
このノートに書いてあることは、昔話としか思えない内容だけど、実際この前湖で水柱を見たりしたからかな、僕もこのノートに妙に信ぴょう性を感じるんだ。
不思議だよね。 」
敦子は黙って林の話を聞いていたが、もう一度ノートを取り出し読んでみた。
確かにノートのはじめと途中からでは、ずいぶん書き方が違う気がする。
それに聞き取りをした日とお亡くなりになった日もずいぶん近い。
これほど多くの人がそうだと、皆高齢だったからとは、一概に片づけられない気がする。
ふたりで飲み物を飲みながら、お互い考え事をしていると、不意に林のスマホが鳴った。
林がポケットからスマホを出して、内容を確認していた。
それから何やら相手に連絡していた。
「 ねえ滝村さん、南さんって知ってる? 前にデパートで化粧品売り場にいた子。今幼稚園で勤務してるんだけど。 」
はじめ敦子は、南さんと名前を言われてもぽかんとしていたが、化粧品売り場と幼稚園勤務という言葉で思い出した。
「 あっ、覚えてる。いつもそこの化粧品売り場でネイル買ってた。そう、地元がこっちの子だったよね。そうだ私、林君の名前出したんだった。 」
「 そうそう、その彼女。この前小学校と幼稚園の合同研修会があったんだけど、その時に知り合ったんだ。滝村さんから僕の名前が出たって言ってたよ。 」
「 そうだった。勝手に名前出してごめんね、すっかり忘れてた。 」
「 いや、いいんだけど。実は・・・。彼女と付き合うことにしたんだ。 」
「 そうなの~! 」
敦子は、急な展開に驚いてしまった。化粧品売り場の南の名前が出たと思ったら、今目の前にいる林とお付き合いしてるなんて。
世間は広いようで狭いなあと一人感心していると、林が言った。
「 ここに彼女呼んでいい?せっかくだから彼女が会いたいって。 」
「 えっ、いいけど。反対に私お邪魔じゃない? 」
せっかく彼女と会えるのに敦子がいたらお邪魔じゃないだろうか。
しかもお付き合い始めたばかりらしいのに。
敦子が心の中でいろいろ考えていると、それを見透かしたように林が言った。
「 彼女が会いたがってるんだ。それに滝村さんが僕の名前出してくれたから、話すきっかけができたようなものだし。 」
「 そう? じゃあ会おうかな。ねえ、彼女がいる前じゃあ聞けないから、今聞くけど、前の彼女の事もう整理できたの? 」
「 あ~あ、もう大丈夫。彼女に会ってから思い出しもしないんだ。じゃあ彼女に連絡する。 」
そういって林はスマホで連絡し始めた。
嬉しそうに連絡をしている林を見ているうち、敦子はそういえばと思いだしたことがあった。
前に湖で話した時には、なんだかまだ苦しそうな切なそうな表情を浮かべることがあった。
しかし今日は、会ってから今までの事を思い出すと、そんな表情をすることは一度もなかったのだ。
吹っ切れたんだなあと思い、なんとなく温かな気持ちになった。
「 来るって。 」
「 じゃあ、私ドリンクバーで何か飲み物持ってくる。 」
また敦子は、飲み物を取りにいったのだった。
敦子が林とノートの事をまた話していると、南がやってきた。
改めてみると、やはり化粧品売り場でお勤めしていただけあって、すごく垢抜けしていた。
「 こんにちは。お久しぶりです。 」
「 こんにちは。聞いたよ、林君に。びっくり。 」
南は敦子に言われて、ぽっと顔を赤くした。
南は林の隣に座り、すごく恥ずかしそうに敦子を見た。
「 林君はおすすめよ。性格よし、顔よしだからね。 」
敦子が、南に林を持ち上げるように言うと、南は満面の笑みで待ってましたとばかりに語りだした。
最初の恥ずかしがっていた様子はどこへやら、林のここがいい、あそこがいいととにかく林をべたほめしてくる。
反対に聞いている敦子が、聞いててくすぐったくて地面に潜りこみたいぐらいだった。
言われている林はといえば、恥ずかしさもちょっとありながらも、これだけ恋人に褒められてまんざらでもない様子で、今度は林が南のここがかわいい、あそこがいいと敦子に語りだした。
敦子はもうやめてほしいと思うぐらいに、とにかく二人の話は長かった。
もう飲み物と何か別なものでおなかがたぷたぷという感じで、まだ喜々として話している南と林にいった。
「 ありがとう。もう十分聞いたから、私を家に送っていってくれる? 」
そういって二人の話をぶった切った敦子だった。
結局、帰りの車の中でも、近況報告の筈がいつのまにかのろけ話に話がすり替わっていて、敦子はシートにもたれて帰ったのだった。
2人と別れて家に入ると、別な意味でどっと疲れが出た敦子だった。
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