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コルトの持っている石
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魔法の鏡でわかったことはキャスリンにとってある意味衝撃だった。コルトが首飾りにしていたあの石はどうやら魔道具の一部の様だ。コルトはどこであの石を手に入れたのだろうか。キャスリンは昨日コルトが話していた女とのやり取りを思い出した。確か探しているけど見つからなかったといっていた。
キャスリンは、鏡に別のいくつかの魔法の使い方も聞いていた。
キャスリンは部屋を出てマークを探した。
「マーク!明日のお勉強はお休みしたいの!」
マークはキャスリンのいつもにない真剣な表情にちょっとびっくりしていたが、キャサリンが男爵邸での出来事を話すとすぐ了承してくれた。
「それにしても魔力に反応する石なんてあるんですね」
「そうねえ。びっくりしたわ」
キャスリンは確証がなかったので、あいまいに返事しておいた。明日になればいろいろわかるはずだ。それからキャスリンはじっくりと予定を練ると、翌日のためにちょっとだけ準備しておいた。
キャスリンは翌日は朝早くからストラ男爵邸にトウメイニンゲンになって転移した。急いで使用人部屋のほうに走っていく。昨日覚えた魔法でコルトをイメージした。ぼんやりとコルトが浮かび上がる。どうやらこの先の部屋にいるようだった。
キャスリンは急いでドアが並んでいる二つ先のドアの前に立った。そしてバリアーと心の中で呪文を唱えた。これは前に女性がある街へ向かう途中、山賊に攻撃を受けた時に使っていたものだった。どうやらこの魔法は、自分の魔力が外にもれなくすることもできるらしい。キャスリンはコルトの部屋に入っていった。
コルトはちょうど支度が終わったところだった。今から食事に行くところだったようだ。
キャスリンは時間を止める魔法をかけた。コルトが固まった。キャスリンは急いでコルトの首の後ろに回り首飾りの紐をひっぱった。やはりコルトは昨日と同じように首に石をぶら下げていた。キャスリンは急いでそれを首からとった。
そして魔法で石を紐から外し、昨日準備しておいたただの石ころを、またイメージしてコルトが持っていた石と同じものに変えた。もちろんその石は見た目だけ同じになったが、ただ道に落ちていただけの石ころだ。それをまた魔法で付け替えた。
コルトの首に戻して、キャスリンはちょっと後ろに下がって時を止める魔法を解除した。
コルトは一瞬首をかしげて見せたので、キャスリンははっとしたが、コルトは洋服の下にしまってある首飾りを洋服の上から直しただけだった。もしかしたら何か違和感があったのかもしれないと、キャスリンはじっとコルトを見ていたが、コルトはキャスリンに気づくこともなく、首飾りもそのあと確認することもなかった。
コルトは、部屋を出て食堂に向かった。食堂では、同僚たちと他愛ない話をしていた。これからほかの使用人とふたりで男爵家の馬車の修理でどこかに出かける予定のようだったので、キャスリンは一度戻ることにした。
自分の部屋に戻り、コルトが持っていた石をもう一度よく見てみた。
近くで見ると、石というより何かの破片に見える。じっくり見ると何かの模様が描かれている。破片が小さいので何が描かれているのかよくわからないが。やはり魔道具の一部なのだろう。
キャスリンはその破片をもって部屋を出た。マークを探そうとした時だ。破片が少しだけ光った。前にコルトが持っていたときに光った時よりは暗いが、確かにかすかに光っている。キャスリンがびっくりしていると、前から声がした。
「キャスリン様どうかしましたか」
声の主はマークだった。マークが近づくにつれわずかながら明かるさが増した。
「ねえマーク?この破片見覚えある?とっても小さいんだけど、何かわかる?」
マークはキャスリンが差し出した破片をびっくりして見た。
「お嬢様、これをどこで?」
「コルトが持っていたの。この前も光ったけど今も光っているわ。マークに反応したのね。私は魔力防御をかけているから」
キャスリンは、念のため自分の魔力に反応しないように魔法をかけていた。もしかしたら魔力のあるマークに反応するのではないかと思ったのだ。予想は当たっていた。
「この色や模様からしてサイモクが我々を転移させたときに使ったものかと思われます」
「そうなの?」
「はい、この魔道具はサイモクの家に代々伝わってきた魔道具です。何度も見たことがありましたから」
「コルトはどこで手に入れたのかしら?でもこれが光っているところをきっと見たことがあるのよ。だってこの前も言ったけどこの破片、私に反応して光った時コルトはあたりをきょろきょろしたの。誰だ?って言ったのよ」
「コルトがどこから手に入れたのか、どこで光るのを見たのか気になりますね」
「大丈夫よ、マーク!試したい魔法があるの。その魔法できっと何かわかるはずよ。コルトのところに行って試してみるわ。コルトが持っているのは、偽物だからもう光らないし安心だし」
「気を付けてくださいませ」
マークはそう心配そうにいったが、この前のキャスリンの転移の魔法を見てから、キャスリンの魔法に絶対の信頼を置いているようで反対されなかった。
キャスリンはすぐさままたコルトの元へ行きたかったが、マークにこういわれてしまいあきらめざるおえなかった。
「お嬢様!どうやら明日もお忙しそうですので、今からお勉強をやっておきましょう!」
キャスリンは、鏡に別のいくつかの魔法の使い方も聞いていた。
キャスリンは部屋を出てマークを探した。
「マーク!明日のお勉強はお休みしたいの!」
マークはキャスリンのいつもにない真剣な表情にちょっとびっくりしていたが、キャサリンが男爵邸での出来事を話すとすぐ了承してくれた。
「それにしても魔力に反応する石なんてあるんですね」
「そうねえ。びっくりしたわ」
キャスリンは確証がなかったので、あいまいに返事しておいた。明日になればいろいろわかるはずだ。それからキャスリンはじっくりと予定を練ると、翌日のためにちょっとだけ準備しておいた。
キャスリンは翌日は朝早くからストラ男爵邸にトウメイニンゲンになって転移した。急いで使用人部屋のほうに走っていく。昨日覚えた魔法でコルトをイメージした。ぼんやりとコルトが浮かび上がる。どうやらこの先の部屋にいるようだった。
キャスリンは急いでドアが並んでいる二つ先のドアの前に立った。そしてバリアーと心の中で呪文を唱えた。これは前に女性がある街へ向かう途中、山賊に攻撃を受けた時に使っていたものだった。どうやらこの魔法は、自分の魔力が外にもれなくすることもできるらしい。キャスリンはコルトの部屋に入っていった。
コルトはちょうど支度が終わったところだった。今から食事に行くところだったようだ。
キャスリンは時間を止める魔法をかけた。コルトが固まった。キャスリンは急いでコルトの首の後ろに回り首飾りの紐をひっぱった。やはりコルトは昨日と同じように首に石をぶら下げていた。キャスリンは急いでそれを首からとった。
そして魔法で石を紐から外し、昨日準備しておいたただの石ころを、またイメージしてコルトが持っていた石と同じものに変えた。もちろんその石は見た目だけ同じになったが、ただ道に落ちていただけの石ころだ。それをまた魔法で付け替えた。
コルトの首に戻して、キャスリンはちょっと後ろに下がって時を止める魔法を解除した。
コルトは一瞬首をかしげて見せたので、キャスリンははっとしたが、コルトは洋服の下にしまってある首飾りを洋服の上から直しただけだった。もしかしたら何か違和感があったのかもしれないと、キャスリンはじっとコルトを見ていたが、コルトはキャスリンに気づくこともなく、首飾りもそのあと確認することもなかった。
コルトは、部屋を出て食堂に向かった。食堂では、同僚たちと他愛ない話をしていた。これからほかの使用人とふたりで男爵家の馬車の修理でどこかに出かける予定のようだったので、キャスリンは一度戻ることにした。
自分の部屋に戻り、コルトが持っていた石をもう一度よく見てみた。
近くで見ると、石というより何かの破片に見える。じっくり見ると何かの模様が描かれている。破片が小さいので何が描かれているのかよくわからないが。やはり魔道具の一部なのだろう。
キャスリンはその破片をもって部屋を出た。マークを探そうとした時だ。破片が少しだけ光った。前にコルトが持っていたときに光った時よりは暗いが、確かにかすかに光っている。キャスリンがびっくりしていると、前から声がした。
「キャスリン様どうかしましたか」
声の主はマークだった。マークが近づくにつれわずかながら明かるさが増した。
「ねえマーク?この破片見覚えある?とっても小さいんだけど、何かわかる?」
マークはキャスリンが差し出した破片をびっくりして見た。
「お嬢様、これをどこで?」
「コルトが持っていたの。この前も光ったけど今も光っているわ。マークに反応したのね。私は魔力防御をかけているから」
キャスリンは、念のため自分の魔力に反応しないように魔法をかけていた。もしかしたら魔力のあるマークに反応するのではないかと思ったのだ。予想は当たっていた。
「この色や模様からしてサイモクが我々を転移させたときに使ったものかと思われます」
「そうなの?」
「はい、この魔道具はサイモクの家に代々伝わってきた魔道具です。何度も見たことがありましたから」
「コルトはどこで手に入れたのかしら?でもこれが光っているところをきっと見たことがあるのよ。だってこの前も言ったけどこの破片、私に反応して光った時コルトはあたりをきょろきょろしたの。誰だ?って言ったのよ」
「コルトがどこから手に入れたのか、どこで光るのを見たのか気になりますね」
「大丈夫よ、マーク!試したい魔法があるの。その魔法できっと何かわかるはずよ。コルトのところに行って試してみるわ。コルトが持っているのは、偽物だからもう光らないし安心だし」
「気を付けてくださいませ」
マークはそう心配そうにいったが、この前のキャスリンの転移の魔法を見てから、キャスリンの魔法に絶対の信頼を置いているようで反対されなかった。
キャスリンはすぐさままたコルトの元へ行きたかったが、マークにこういわれてしまいあきらめざるおえなかった。
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