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91 皆さんのおかげです
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それから私は、ずっと家の中にいることにしました。というのも一歩外に出ると、カメラを構えた記者たちが家の外で待ち構えていたからです。うちの顧問弁護士が再三注意しても消えては現れ、消えては現れという感じで一向にいなくなる気配がありません。
家から一歩も出られない私を家族特に久美ちゃんが、心配してくれて今私の部屋にはいろいろなグッズであふれています。少し本を読もうかなといえば、いろいろなジャンルの本が、何か手作りでもやってみようかなといえば、なぜかミニチュアハウスの手づくり用のキッドが、そのほかにはいつでも絵が描けるように画材まであるのです。
あとは地下室に、いつのまにやらトレーニングルームとシアタールームまでできていてびっくりです。おかげで快適な生活を過ごしています。
中庭もあるので、そこで毎朝ラジオ体操も始めました。久しぶりにやるラジオ体操は、特におすすめで家族にも勧めて、今では毎日久美ちゃんも私に付き合ってくれています。たまにお兄様も参加してくれます。
父と母は、最近私の事でいろいろ忙しいせいか、朝早く起きるのが大変の様で一、二回ほどの参加にとどまっています。
唯一気になることといえば、会社の事でしたがメールで青木さんが近況を連絡してくださるので安心しました。会社の前には、当日以降一人の記者も来ていないそうです。会社としてもあれからすぐに箝口令が敷かれたそうで、外で待っていた記者たちには誰一人としてインタビューに応じなかったそうです。青木さんも早く問題が解決するように協力をしているとありました。
あと、夏休みに会った皆さんからも心配や励ましのメールが次々に送られてきました。単調な毎日の中とても嬉しいことです。
お兄様からは、皆さんの実家の会社もうちに協力をしてくれていると聞きました。ありがたいことです。ただあの清徳さんにはメールアドレスを教えていないので、久子さん達に清徳さんからクレームが来ているそうです。久子さんは、「アドレスは絶対に教えないわ!」とあり、メールの最後に鬼マークがついていて私の代わりに怒ってくれているようです。
以前の私は、清徳さんに毎日のようにメールを送っていました。ですが最低でもここ五年くらいは、全く返信がなかったんですよね。まあ毎日送っていた私もどうかと思いますので、仕方のないことですが。前世を思い出してからは、すぐにメールアドレスを変更したので、清徳さんは私のメールアドレスを知らないのです。
「あの清徳グループもうちに協力をしてくれているよ。本音を言うと、助かるね」
昨日お兄様と話をした時に聞きました。あの巨大企業に対抗するには、日本の大手の企業を総動員しないととても対抗できそうもないようで、すごく助かっているそうです。まあ他の国の大手の企業にも働きかけているそうですが。
「あと少し辛抱してね。絶対に勝つからね」
お兄様の目の色が違います。どんな手を使っても勝つ気の様で、心強い限りです。
私が毎日ミニチュアハウスを作り続けてほぼ完成に差し掛かったころです。ちなみに作っているのは、昔の駄菓子屋さんです。ほかにも昔の~シリーズ がいくつか部屋にあります。完全に久美ちゃんの趣味ですね。まあ私もこれを作っているときにはずいぶん心が和んでいます。
「お嬢様、もう外出できますよ!」
久美ちゃんが満面の笑みで部屋に入ってきました。思いっきり部屋のノックを忘れています。声のトーンもいつもより高くてそれだけであの件が成功したことがよくわかります。
「いいの?」
「はい! 今までお疲れさまでした」
私はそれまで玄関から一歩も外に出ていなかったので、急いで玄関に行きました。玄関のドアを開けて外に出て、門から表の道路をこっそりのぞいてみました。確かに誰もいません。少し遠くも見てみましたが、やはりいません。
もう一度家に戻り、久美ちゃんに抱きつきました。
「久美ちゃ~ん!」
「よかったですね」
久美ちゃんとハグを交わします。快適な生活をしていたとはいえ、少しストレスが溜まっていたようです。
それから久美ちゃんに経過を聞きました。お兄様が言っていた通り、ずいぶんいろいろな方々に協力をいただいたようで、あの巨大企業があきらめたようでした。日本の企業もなかなかですね。
その夜は、久しぶりに家族皆が集まりました。
「よかったね」
お兄様からも食事をしながら話を聞くことが出来ました。お父様は勿論の事、お母様もずいぶんと尽力をつくしたそうです。お母様は、日ごろから社交の場によく顔を出していたので、協力してくださる方々も多かったようです。お母様のお人柄ですね。お兄様はといえば、今回の事で自分の会社の責任感を痛感したようで、ついこの前までとは顔つきが違っています。やり手の経営者というオーラが漂ってきています。どちらかといえば今までは、御曹司という言葉がぴったりの穏やかな風貌でしたが、今はどこか鋭さを感じます。お父様にずいぶん似てきた気がします。やはり血は争えませんね。
その日は久しぶりにぐっすりと眠ることができました。皆さんのおかげですね。
家から一歩も出られない私を家族特に久美ちゃんが、心配してくれて今私の部屋にはいろいろなグッズであふれています。少し本を読もうかなといえば、いろいろなジャンルの本が、何か手作りでもやってみようかなといえば、なぜかミニチュアハウスの手づくり用のキッドが、そのほかにはいつでも絵が描けるように画材まであるのです。
あとは地下室に、いつのまにやらトレーニングルームとシアタールームまでできていてびっくりです。おかげで快適な生活を過ごしています。
中庭もあるので、そこで毎朝ラジオ体操も始めました。久しぶりにやるラジオ体操は、特におすすめで家族にも勧めて、今では毎日久美ちゃんも私に付き合ってくれています。たまにお兄様も参加してくれます。
父と母は、最近私の事でいろいろ忙しいせいか、朝早く起きるのが大変の様で一、二回ほどの参加にとどまっています。
唯一気になることといえば、会社の事でしたがメールで青木さんが近況を連絡してくださるので安心しました。会社の前には、当日以降一人の記者も来ていないそうです。会社としてもあれからすぐに箝口令が敷かれたそうで、外で待っていた記者たちには誰一人としてインタビューに応じなかったそうです。青木さんも早く問題が解決するように協力をしているとありました。
あと、夏休みに会った皆さんからも心配や励ましのメールが次々に送られてきました。単調な毎日の中とても嬉しいことです。
お兄様からは、皆さんの実家の会社もうちに協力をしてくれていると聞きました。ありがたいことです。ただあの清徳さんにはメールアドレスを教えていないので、久子さん達に清徳さんからクレームが来ているそうです。久子さんは、「アドレスは絶対に教えないわ!」とあり、メールの最後に鬼マークがついていて私の代わりに怒ってくれているようです。
以前の私は、清徳さんに毎日のようにメールを送っていました。ですが最低でもここ五年くらいは、全く返信がなかったんですよね。まあ毎日送っていた私もどうかと思いますので、仕方のないことですが。前世を思い出してからは、すぐにメールアドレスを変更したので、清徳さんは私のメールアドレスを知らないのです。
「あの清徳グループもうちに協力をしてくれているよ。本音を言うと、助かるね」
昨日お兄様と話をした時に聞きました。あの巨大企業に対抗するには、日本の大手の企業を総動員しないととても対抗できそうもないようで、すごく助かっているそうです。まあ他の国の大手の企業にも働きかけているそうですが。
「あと少し辛抱してね。絶対に勝つからね」
お兄様の目の色が違います。どんな手を使っても勝つ気の様で、心強い限りです。
私が毎日ミニチュアハウスを作り続けてほぼ完成に差し掛かったころです。ちなみに作っているのは、昔の駄菓子屋さんです。ほかにも昔の~シリーズ がいくつか部屋にあります。完全に久美ちゃんの趣味ですね。まあ私もこれを作っているときにはずいぶん心が和んでいます。
「お嬢様、もう外出できますよ!」
久美ちゃんが満面の笑みで部屋に入ってきました。思いっきり部屋のノックを忘れています。声のトーンもいつもより高くてそれだけであの件が成功したことがよくわかります。
「いいの?」
「はい! 今までお疲れさまでした」
私はそれまで玄関から一歩も外に出ていなかったので、急いで玄関に行きました。玄関のドアを開けて外に出て、門から表の道路をこっそりのぞいてみました。確かに誰もいません。少し遠くも見てみましたが、やはりいません。
もう一度家に戻り、久美ちゃんに抱きつきました。
「久美ちゃ~ん!」
「よかったですね」
久美ちゃんとハグを交わします。快適な生活をしていたとはいえ、少しストレスが溜まっていたようです。
それから久美ちゃんに経過を聞きました。お兄様が言っていた通り、ずいぶんいろいろな方々に協力をいただいたようで、あの巨大企業があきらめたようでした。日本の企業もなかなかですね。
その夜は、久しぶりに家族皆が集まりました。
「よかったね」
お兄様からも食事をしながら話を聞くことが出来ました。お父様は勿論の事、お母様もずいぶんと尽力をつくしたそうです。お母様は、日ごろから社交の場によく顔を出していたので、協力してくださる方々も多かったようです。お母様のお人柄ですね。お兄様はといえば、今回の事で自分の会社の責任感を痛感したようで、ついこの前までとは顔つきが違っています。やり手の経営者というオーラが漂ってきています。どちらかといえば今までは、御曹司という言葉がぴったりの穏やかな風貌でしたが、今はどこか鋭さを感じます。お父様にずいぶん似てきた気がします。やはり血は争えませんね。
その日は久しぶりにぐっすりと眠ることができました。皆さんのおかげですね。
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