87 / 104
87 なんだか周りが恋の予感でいっぱいです
しおりを挟む
清徳さんは、そのままうちの車で送っていきました。途中私の別荘の前で私だけ先におろしてもらいます。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。じゃあまた」
清徳さんは、シートにどっかりと座ったまま首だけ動かしています。お互いに早く筋肉痛よくなるといいですね。
私は、皆さんが自転車で帰ってくるのを待つことにしました。赤池さんに玄関先に椅子を出してもらってそこで待ちます。
飲み物まで用意してもらったので、飲みながらゆっくりと待っていました。時間がかかるかと思いきや想像よりもずいぶん早く皆さん帰ってきました。元気ですね。
「お帰りなさい」
「「「ただいま」」」
まず女性陣が来ます。その後ろを男性陣がやってきました。
「どう? まだ痛むの?」
青木さんが私のもとにやってきて、心配してくれます。
「いえ。ずいぶんよくなりました」
そういいましたが、本当はまだ痛いです。明日起きれるか心配です。
「そういえば前に言った絵画見てないですよね?」
「いや。昨日皆で見せてもらったよ。お兄さんの解説付きでね!」
まあ~! お兄様、変なこと言ってないといいんですけど。私の気がかりを察したのか、青木さんがくすりと笑いました。いやな予感です。私と清徳さんがボートに乗っている間に、お兄様が見せたのですね。
「実はね、千代子さんいわくつきの絵画も解説してくれたよ。みんなでじっくりと見たけれど、全く問題なかったよ。よかったね」
あらっ、お兄様全部しゃべってしまったんですね。でもあの絵画、皆さんの目で確認してもなんともなかったんですね。一応別荘に着いてすぐに私も確認しましたがよかったです。
「昨日今日とありがとうございました。とても楽しく過ごせましたわ」
久子さんが、女性陣を代表してお兄様にご挨拶しています。
「こちらこそ、楽しいひと時を皆さんと過ごせて何よりです」
お兄様の言葉に久子さんの顔が少し赤くなっていませんか? 久子さん、お兄様どうですか? ただお兄様の笑顔にやられているのは久子さんだけではありませんでした。久子さんの後ろにいる花蓮さんもほんのり顔が赤いです。お兄様、ずいぶん人気ですね。
「楽しかったよ。ありがとう!」
「とても楽しかったわ。いろいろ手配してくださってありがとう」
白井さんと京香さんが私に挨拶してくれました。いつの間に白井さんと仲良くなったのか、京香さんが隣に仲良く並んでいます。もうあのお守りのご利益が出たんでしょうか。いい雰囲気ですね。
私がふたりのいい雰囲気にあてられていると、久子さんがこちらを見てにっこりしています。またいろいろ聞かないといけませんね。
「押村君、うちの車で送っていくよ」
清徳さんが一足先に帰ってしまったので、お兄様が押村さんをうちの車で送るといっています。
「うちの車でお送りしますわ」
「ありがとう」
そこに舞子さんが、飛んできました。先ほどまで久子さんの後ろにいたはずですが。舞子さんが押村さんをうるうるしたまなざしで見ています。押村さんもまんざらではないようで、送ってもらう事にしたようです。あらっ、皆さん昨日今日でずいぶん仲が良くなりましたね。押村さん、清徳さんには健康守りを買って自分は縁結びのお守りを買っていませんか?
皆さん、私とお兄様に挨拶して帰っていきました。後にはなぜか青木さんが一人残っています。
「じゃあ」
「ありがとうございました」
お兄様は、皆さんをお見送りした後、なぜか私の方を見てにやりとしてから青木さんに挨拶をしてひとり家の中に入って行ってしまいました。青木さんもお兄様に普通に挨拶しています。
「明日もまだいるんでしょう?」
「ええ」
「じゃあ明日ドライブにでも行かないかい? もちろん車で」
青木さんが残ったのは、私にドライブのお誘いを言いたかったからなんですね。嬉しいです。でもとても残念です。
「すみません。筋肉痛がひどくて。明後日からは、家族でまた出かける予定があって」
「そうか。残念だけど、仕方ないね。痛そうだものね。じゃあ戻ったらまた食事にでも行こう!」
「はい!」
せっかく青木さんが誘ってくださったのに残念です。でも両親とも約束していたので仕方ありませんね。両親とも、三日ほど近場ですが、旅行に行く予定なのです。だから明日はもう家に一度戻らなくてはいけないんです。
私の残念そうな顔を見た青木さんは、明日一緒に行けないにもかかわらず少しうれしそうです。またの約束をして青木さんも帰っていきました。
翌日はやはりというべきかあまりの筋肉痛に起きるのもやっとでした。体中湿布の匂いに包まれながら車に乗って帰りました。
「目が覚めそうな匂いだね」
隣に座ったお兄様が、そう感想を漏らしました。確かにこれ以上張るところ、塗るところがないほど湿布の匂いを体にまとわりつかせていますからね。
車のシートに筋肉痛の体をあずけて、車窓から見える景色を楽しみながら帰る途中、あの赤い鳥居が見えました。ふと清徳さんのことを思い浮かべました。きっと彼も今日は私と一緒で湿布とお友達でしょうね。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。じゃあまた」
清徳さんは、シートにどっかりと座ったまま首だけ動かしています。お互いに早く筋肉痛よくなるといいですね。
私は、皆さんが自転車で帰ってくるのを待つことにしました。赤池さんに玄関先に椅子を出してもらってそこで待ちます。
飲み物まで用意してもらったので、飲みながらゆっくりと待っていました。時間がかかるかと思いきや想像よりもずいぶん早く皆さん帰ってきました。元気ですね。
「お帰りなさい」
「「「ただいま」」」
まず女性陣が来ます。その後ろを男性陣がやってきました。
「どう? まだ痛むの?」
青木さんが私のもとにやってきて、心配してくれます。
「いえ。ずいぶんよくなりました」
そういいましたが、本当はまだ痛いです。明日起きれるか心配です。
「そういえば前に言った絵画見てないですよね?」
「いや。昨日皆で見せてもらったよ。お兄さんの解説付きでね!」
まあ~! お兄様、変なこと言ってないといいんですけど。私の気がかりを察したのか、青木さんがくすりと笑いました。いやな予感です。私と清徳さんがボートに乗っている間に、お兄様が見せたのですね。
「実はね、千代子さんいわくつきの絵画も解説してくれたよ。みんなでじっくりと見たけれど、全く問題なかったよ。よかったね」
あらっ、お兄様全部しゃべってしまったんですね。でもあの絵画、皆さんの目で確認してもなんともなかったんですね。一応別荘に着いてすぐに私も確認しましたがよかったです。
「昨日今日とありがとうございました。とても楽しく過ごせましたわ」
久子さんが、女性陣を代表してお兄様にご挨拶しています。
「こちらこそ、楽しいひと時を皆さんと過ごせて何よりです」
お兄様の言葉に久子さんの顔が少し赤くなっていませんか? 久子さん、お兄様どうですか? ただお兄様の笑顔にやられているのは久子さんだけではありませんでした。久子さんの後ろにいる花蓮さんもほんのり顔が赤いです。お兄様、ずいぶん人気ですね。
「楽しかったよ。ありがとう!」
「とても楽しかったわ。いろいろ手配してくださってありがとう」
白井さんと京香さんが私に挨拶してくれました。いつの間に白井さんと仲良くなったのか、京香さんが隣に仲良く並んでいます。もうあのお守りのご利益が出たんでしょうか。いい雰囲気ですね。
私がふたりのいい雰囲気にあてられていると、久子さんがこちらを見てにっこりしています。またいろいろ聞かないといけませんね。
「押村君、うちの車で送っていくよ」
清徳さんが一足先に帰ってしまったので、お兄様が押村さんをうちの車で送るといっています。
「うちの車でお送りしますわ」
「ありがとう」
そこに舞子さんが、飛んできました。先ほどまで久子さんの後ろにいたはずですが。舞子さんが押村さんをうるうるしたまなざしで見ています。押村さんもまんざらではないようで、送ってもらう事にしたようです。あらっ、皆さん昨日今日でずいぶん仲が良くなりましたね。押村さん、清徳さんには健康守りを買って自分は縁結びのお守りを買っていませんか?
皆さん、私とお兄様に挨拶して帰っていきました。後にはなぜか青木さんが一人残っています。
「じゃあ」
「ありがとうございました」
お兄様は、皆さんをお見送りした後、なぜか私の方を見てにやりとしてから青木さんに挨拶をしてひとり家の中に入って行ってしまいました。青木さんもお兄様に普通に挨拶しています。
「明日もまだいるんでしょう?」
「ええ」
「じゃあ明日ドライブにでも行かないかい? もちろん車で」
青木さんが残ったのは、私にドライブのお誘いを言いたかったからなんですね。嬉しいです。でもとても残念です。
「すみません。筋肉痛がひどくて。明後日からは、家族でまた出かける予定があって」
「そうか。残念だけど、仕方ないね。痛そうだものね。じゃあ戻ったらまた食事にでも行こう!」
「はい!」
せっかく青木さんが誘ってくださったのに残念です。でも両親とも約束していたので仕方ありませんね。両親とも、三日ほど近場ですが、旅行に行く予定なのです。だから明日はもう家に一度戻らなくてはいけないんです。
私の残念そうな顔を見た青木さんは、明日一緒に行けないにもかかわらず少しうれしそうです。またの約束をして青木さんも帰っていきました。
翌日はやはりというべきかあまりの筋肉痛に起きるのもやっとでした。体中湿布の匂いに包まれながら車に乗って帰りました。
「目が覚めそうな匂いだね」
隣に座ったお兄様が、そう感想を漏らしました。確かにこれ以上張るところ、塗るところがないほど湿布の匂いを体にまとわりつかせていますからね。
車のシートに筋肉痛の体をあずけて、車窓から見える景色を楽しみながら帰る途中、あの赤い鳥居が見えました。ふと清徳さんのことを思い浮かべました。きっと彼も今日は私と一緒で湿布とお友達でしょうね。
0
お気に入りに追加
634
あなたにおすすめの小説
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
【1/23取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの。
朝霧心惺
恋愛
「リリーシア・ソフィア・リーラー。冷酷卑劣な守銭奴女め、今この瞬間を持って俺は、貴様との婚約を破棄する!!」
テオドール・ライリッヒ・クロイツ侯爵令息に高らかと告げられた言葉に、リリーシアは純白の髪を靡かせ高圧的に微笑みながら首を傾げる。
「誰と誰の婚約ですって?」
「俺と!お前のだよ!!」
怒り心頭のテオドールに向け、リリーシアは真実を告げる。
「わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの」
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
忘れられた薔薇が咲くとき
ゆる
恋愛
貴族として華やかな未来を約束されていた伯爵令嬢アルタリア。しかし、突然の婚約破棄と追放により、その人生は一変する。全てを失い、辺境の町で庶民として生きることを余儀なくされた彼女は、過去の屈辱と向き合いながらも、懸命に新たな生活を築いていく。
だが、平穏は長く続かない。かつて彼女を追放した第二王子や聖女が町を訪れ、過去の因縁が再び彼女を取り巻く。利用されるだけの存在から、自らの意志で運命を切り開こうとするアルタリア。彼女が選ぶ未来とは――。
これは、追放された元伯爵令嬢が自由と幸せを掴むまでの物語。ざまあ要素たっぷりの胸がすくような展開と、新たな一歩を踏み出す彼女の成長を描きます!
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる