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19 青木視点3
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「友一か。俺だ。青木拓弥だ」
俺は、真相を知っているはずの押村友一に電話した。
「おう。拓弥か。何か用か」
「ああ。今日検針に言ったんだが、草がすべて刈ってあった。あれはお前の仕業か?」
俺は、メーター付近の草刈りなどの不思議な事件は、すべて清徳グループがやったものだと思っていた。しかしおかしいとも少し感じていた。なぜなら押村は言っていたはずだ。お嬢様には早く会社を辞めてもらいたいと。だからこそ真相を聞くことにしたのだ。
「草? 刈る? 検針? いったい何のことだ?」
押村は、全く訳が分からないというような声を出した。俺は、すべてを説明した。
「なるほど。それで電話してきたわけね。清徳グループはやっていない」
「やっぱりか。なら柳さん関係か?」
「それしかないな。それにしてもさすがだね」
「どういうことだ?」
「お前だってびっくりしただろう? 普通に考えて出来ることじゃない」
「ああ。彼女は何者なんだ?」
「その前に、どうだ? 彼女辞めそうか? 仕事」
「いや。毎日楽しそうに仕事をしている。会社にも溶け込んでいるしな」
「そうなのか?...」
「そんなに不思議なのか? 彼女の立場を考えたら」
「ああ。まあな」
押村の言葉に切れがなかった。何やら電話の向こうで考えているようだ。
「で、彼女は何者なんだ?」
「お前、やけに気にするな。まさか彼女に気でもあるのか? 彼女はやめておけ。無理だぞ」
「それで!」
俺は押村の言葉にかぶせるようにまた強く尋ねた。最後にいった押村の言葉を聞いてもいなかった。
「彼女は、上柳グループのご令嬢だ!」
「上柳グループ? まさか...」
「そうだよ。そのまさかだ」
「上柳グループと言ったら清徳正樹さんの婚約者じゃなかったか?」
「婚約者ではなかったが、いいなずけだったな。最近解消されたが」
「解消?」
「ああ。向こうからな。まあ正樹には好きな彼女もいて、正樹あのお嬢さまにずいぶん冷たい態度をとっていたしな」
半分傲然として電話を切った。
聞いたことがあった。上柳グループのお嬢様の事は。ずいぶん清徳グループの御曹司にお熱だと。俺もどこかのパーティーで遠くから見たことがあった。でも今とずいぶん印象が違う。あの時には噂通り清徳正樹に張り付いていて、清徳正樹に近づく他の女性たちを威嚇していた気がする。しかし清徳正樹は、われ関せずで付き合っている彼女と二人で仲良く語り合っていた。確かその横で、ひとり張り付いていたっけ。まさか? あの彼女が?
いやいや。どう見ても別人だろう。別人にしか見えない。解消したってことは、もう好きではなくなったのか? それとも? 俺は何を考えているんだ。それにしても彼女が、上柳グループのお嬢様だったとは。上柳グループと言ったら、清徳グループよりもずいぶん各上の日本どころか世界有数の会社じゃないか。俺は真実を知ってなんとなく気持ちが落ち込んだことを、自分で気が付かないふりをした。
翌日からそのつもりで彼女を見るが、彼女の様子からは全然わからない。あまりに擬態がうまいのか。それともこちらが素なのか。俺はついつい彼女を何度も見てしまった。そのたびに近藤さんの面白がるような視線と、彼女の不思議がるような視線に出会ってしまった。
食堂で、彼女たちがいつものように世間話をしていた。皆で杉さんという女性の話で盛り上がっていた。皆がお嬢様といっていた時につい彼女を見てしまった。彼女は俺の方を首をかしげてみてきたが、俺は彼女のあまりの擬態のうまさにちょっとだけ怯えてしまった。あまりにうますぎる。
俺と彼女の歓迎会は居酒屋でやることになった。そもそも彼女は居酒屋に行ったことがあるのか? そう思った時だった。会社の玄関から出てきた彼女が、支店長に話しかけられた。
俺は、考える間もなく彼女の腕をつかんでいた。彼女を連れて部署の皆がいるところに行くと、近藤さんとばっちり目が合った。うんうんとうなづいている。やばい。俺は今、彼女の腕をつかんでいる。俺としたことが。俺は慌ててつかんでいた腕を離した。
ただあの時の俺は、彼女が純粋に割烹九十九にいってしまうのが嫌だった。俺は彼女と一緒にいたかったんだ。きっと。
自分で自分の心がよくわからなくなった。早くこの支店を辞めたかったはずなのに。
そして居酒屋で、彼女の新しい面を見た。
メニュー表を見ている彼女に俺は聞いてみた。飲めるものはあるかと。彼女は悩んでいるようだった。それはそうだろう。彼女は居酒屋に行ったことはないはずだ。俺は勝手に彼女の分まで注文していた。
そんな自分に少しびっくりしている。俺は人の面倒なんか見るのは嫌いだ。人に面倒みられるのも見るのも嫌いだったはずなのだが、彼女の面倒を見るのは別に嫌いではないことに気が付いた。
彼女は、ビールを何口か飲んだ。俺は確認することにした。彼女をそっとうかがう。彼女はビールを飲めるのか。予想に反して彼女が何口も飲んでいるのを見てびっくりした。
彼女は少し酔っぱらったのか、大皿を手に取りテーブルを回って、皆の皿に均等に料理を置きはじめた。とても楽しそうに。鼻歌でも飛び出しそうな勢いだ。本当に手際がいい。どこで覚えたんだ? あまりの手際の良さに誰かが聞いた。
彼女はありえない設定の話を始めた。自分には弟や妹がいるというものだ。話し出した彼女にびっくりして、俺はむせてしまった。苦しくでぜいぜいしていると、背中が温かくなった。そのおかげか咳が止まってきた。
目の前に水の入ったグラスを差し出されて、慌てて飲む。のどに気持ちいい。
その時だ。いくつもの視線を感じた。背中の温かさは、彼女がさすってくれていたからだと分かった。水も彼女自ら取りにいってくれたようだ。
彼女はどうしてお嬢様なのだろう。ふと思った。
俺は、真相を知っているはずの押村友一に電話した。
「おう。拓弥か。何か用か」
「ああ。今日検針に言ったんだが、草がすべて刈ってあった。あれはお前の仕業か?」
俺は、メーター付近の草刈りなどの不思議な事件は、すべて清徳グループがやったものだと思っていた。しかしおかしいとも少し感じていた。なぜなら押村は言っていたはずだ。お嬢様には早く会社を辞めてもらいたいと。だからこそ真相を聞くことにしたのだ。
「草? 刈る? 検針? いったい何のことだ?」
押村は、全く訳が分からないというような声を出した。俺は、すべてを説明した。
「なるほど。それで電話してきたわけね。清徳グループはやっていない」
「やっぱりか。なら柳さん関係か?」
「それしかないな。それにしてもさすがだね」
「どういうことだ?」
「お前だってびっくりしただろう? 普通に考えて出来ることじゃない」
「ああ。彼女は何者なんだ?」
「その前に、どうだ? 彼女辞めそうか? 仕事」
「いや。毎日楽しそうに仕事をしている。会社にも溶け込んでいるしな」
「そうなのか?...」
「そんなに不思議なのか? 彼女の立場を考えたら」
「ああ。まあな」
押村の言葉に切れがなかった。何やら電話の向こうで考えているようだ。
「で、彼女は何者なんだ?」
「お前、やけに気にするな。まさか彼女に気でもあるのか? 彼女はやめておけ。無理だぞ」
「それで!」
俺は押村の言葉にかぶせるようにまた強く尋ねた。最後にいった押村の言葉を聞いてもいなかった。
「彼女は、上柳グループのご令嬢だ!」
「上柳グループ? まさか...」
「そうだよ。そのまさかだ」
「上柳グループと言ったら清徳正樹さんの婚約者じゃなかったか?」
「婚約者ではなかったが、いいなずけだったな。最近解消されたが」
「解消?」
「ああ。向こうからな。まあ正樹には好きな彼女もいて、正樹あのお嬢さまにずいぶん冷たい態度をとっていたしな」
半分傲然として電話を切った。
聞いたことがあった。上柳グループのお嬢様の事は。ずいぶん清徳グループの御曹司にお熱だと。俺もどこかのパーティーで遠くから見たことがあった。でも今とずいぶん印象が違う。あの時には噂通り清徳正樹に張り付いていて、清徳正樹に近づく他の女性たちを威嚇していた気がする。しかし清徳正樹は、われ関せずで付き合っている彼女と二人で仲良く語り合っていた。確かその横で、ひとり張り付いていたっけ。まさか? あの彼女が?
いやいや。どう見ても別人だろう。別人にしか見えない。解消したってことは、もう好きではなくなったのか? それとも? 俺は何を考えているんだ。それにしても彼女が、上柳グループのお嬢様だったとは。上柳グループと言ったら、清徳グループよりもずいぶん各上の日本どころか世界有数の会社じゃないか。俺は真実を知ってなんとなく気持ちが落ち込んだことを、自分で気が付かないふりをした。
翌日からそのつもりで彼女を見るが、彼女の様子からは全然わからない。あまりに擬態がうまいのか。それともこちらが素なのか。俺はついつい彼女を何度も見てしまった。そのたびに近藤さんの面白がるような視線と、彼女の不思議がるような視線に出会ってしまった。
食堂で、彼女たちがいつものように世間話をしていた。皆で杉さんという女性の話で盛り上がっていた。皆がお嬢様といっていた時につい彼女を見てしまった。彼女は俺の方を首をかしげてみてきたが、俺は彼女のあまりの擬態のうまさにちょっとだけ怯えてしまった。あまりにうますぎる。
俺と彼女の歓迎会は居酒屋でやることになった。そもそも彼女は居酒屋に行ったことがあるのか? そう思った時だった。会社の玄関から出てきた彼女が、支店長に話しかけられた。
俺は、考える間もなく彼女の腕をつかんでいた。彼女を連れて部署の皆がいるところに行くと、近藤さんとばっちり目が合った。うんうんとうなづいている。やばい。俺は今、彼女の腕をつかんでいる。俺としたことが。俺は慌ててつかんでいた腕を離した。
ただあの時の俺は、彼女が純粋に割烹九十九にいってしまうのが嫌だった。俺は彼女と一緒にいたかったんだ。きっと。
自分で自分の心がよくわからなくなった。早くこの支店を辞めたかったはずなのに。
そして居酒屋で、彼女の新しい面を見た。
メニュー表を見ている彼女に俺は聞いてみた。飲めるものはあるかと。彼女は悩んでいるようだった。それはそうだろう。彼女は居酒屋に行ったことはないはずだ。俺は勝手に彼女の分まで注文していた。
そんな自分に少しびっくりしている。俺は人の面倒なんか見るのは嫌いだ。人に面倒みられるのも見るのも嫌いだったはずなのだが、彼女の面倒を見るのは別に嫌いではないことに気が付いた。
彼女は、ビールを何口か飲んだ。俺は確認することにした。彼女をそっとうかがう。彼女はビールを飲めるのか。予想に反して彼女が何口も飲んでいるのを見てびっくりした。
彼女は少し酔っぱらったのか、大皿を手に取りテーブルを回って、皆の皿に均等に料理を置きはじめた。とても楽しそうに。鼻歌でも飛び出しそうな勢いだ。本当に手際がいい。どこで覚えたんだ? あまりの手際の良さに誰かが聞いた。
彼女はありえない設定の話を始めた。自分には弟や妹がいるというものだ。話し出した彼女にびっくりして、俺はむせてしまった。苦しくでぜいぜいしていると、背中が温かくなった。そのおかげか咳が止まってきた。
目の前に水の入ったグラスを差し出されて、慌てて飲む。のどに気持ちいい。
その時だ。いくつもの視線を感じた。背中の温かさは、彼女がさすってくれていたからだと分かった。水も彼女自ら取りにいってくれたようだ。
彼女はどうしてお嬢様なのだろう。ふと思った。
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