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3章 2週間前
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(殿下のご無事をお祈りしています)
『あぁ、私にはもう、不要なものだ』
『では、捨て置きくださいませ』
シェイラが13歳の時、1つの縁が断ち切られた。
まだ幼かったシェイラが唯一、縋り付いていた縁だった。
あの日からシェイラはジークヴァルトに会っていない。いや、遠目には数度見たことがある。シレジアに赴任していたジークヴァルトは年に2、3度は王都に戻ってきているようで、嫌々ながらのエルンストのエスコートを受け、晩餐の末席についたこともある。
優しい風貌の穏やかな人だった。
青の双眸が柔らかく細まるのが、一番好きだった。
が、何年も続く国境での日々は、ジークヴァルトのその、柔らかな視線を奪ってしまった。いや、本質的なところは変わっていないのかもしれない。けれど、年を重ねる度、軍人らしい厳しさと険しさが前面に押し出されていった。昔より低くなった声は、戦場でもよく通るのだろうものに変わっていった。
何よりも、シェイラに向けられる双眸が、声が、他の人に向けられるそれと同じになってしまった。
ジークヴァルトとは従兄弟関係にあるソフィアが、あれでも年頃のご令嬢達には人気があるらしいわよと苦笑していた。
黒の軍服姿が素敵なのですって。
そうなのですかと何気ない返事をしつつも、シェイラの目はジークヴァルトを追っていた。
シェイラは知らない。
断ち切られたのだと受け入れた縁が、あの時はまだ、つながれていたことを。
彼女とのやり取りの違和感に、預かり物の小袋をついに開けたジークヴァルトがエメラルドを見つけたことを。
ジークヴァルトはシェイラの守り石の存在を知った時、ヴィリーに手紙を託した。本当ならば直にあって話したかったけれど、そう簡単に会える立場ではなかったからだ。
託されたヴィリーは最初、その手紙をシェイラに渡そうとした。
が、手紙は渡されなかった。
手を回したフェルディナンドにより、取り上げられたのである。何故、フェルディナンドが手紙の存在に気づいたのか、自分の行動など筒抜けだったと思い出したジークヴァルトは、声ならぬ声で泣き、縁が断ち切られたことを受け入れた。
それでも、今なお、互いの守り石は互いの手の中にあった。
2週間後にエルンストが学術院を卒業する。
その卒業パーティーでシェイラの手を取れば、貴族社会は王太子妃してシェイラを受け入れることになる。
その時には返すしかないと受け入れながら、断ち切られてなお、ぎりぎりのところで糸の端にしがみついていた。
「陛下」
「あぁ、そなたに任せたい仕事はそこに置いてある」
「承知いたしました」
シェイラに一瞥を与えた後、アーデルベルトは再び視線を書類を落とした。それを確認した後、シィエラは国王の執務机の前にある円卓テーブルへと移動する。
国王の執務室に入れる者は多くない。
この円卓テーブルも、重臣が集められ機密事項が話し合われる場であって、本来であれば王太子の婚約者、しかも未成年の令嬢が来られるような場所ではない。
にも係わらず、表立っては宰相府の父の元に妃教育に訪れているとしながら、週に一度は此処を訪れている。
最初に呼ばれたのは学術院の4年生になってしばらくたってだったから、16の頃だった。
アーデルベルトはシェイラを自らの執務室に呼び、本来は王妃が自身の執務室で行うべき仕事のうちの幾らかを渡した。語学に長けているから、他国の女性王族とのやり取りなどが多い。ちなみに残りは既に王妃の座から降りた王太后カテリーナが請け負っている。
本来王になるはずではなかったアーデルベルトの妃、マルグリッドは妃教育を受けていない。更には、子爵家の出であるため、貴族の令嬢としての十分な教育を受けていない。
戦時に国王となったアーデルベルトには、平時においても執政者としての才があった。が、マルグリッドにそれはなく、既に妃となってしまった彼女を教育できる者もいなかった。
もちろん、シェイラ自身が署名をすることは滅多にないが、その直前までは彼女の手で執務は処理されていた。
更には、フェルディナンドが直に叩き込んでいるだけあって、まだまだ拙い部分もあれど、問えば、時折アーデルベルトがはっとさせられるような鋭い回答が戻ってくる。
最初、自身だけではこなせない執務をシェイラに回そうとしたのはカテリーナだったが、今ではすっかりアーデルベルトが重宝し、自身の秘書のように扱うとともに、王太子妃となった場合には必要な能力ろ知るシェイラ自身も、与えられた仕事を丁寧にこなしていった。
この日も、テーブルの右端、いつもの椅子に座り、まず、積み上げられた書類の仕分けから行っていく。
アーデルベルト、というよりその秘書官の仕分けは雑で、時折シェイラには手に負えないような書類も混ざっている。そういうものを分け、執務机に戻すのが最初の仕事だ。
もう3年になる。慣れた作業で仕分けを行い、アーデルベルトに戻す分を取りまとめ立ち上がると、ふと、視線にぶつかる。
「陛下?」
シェイラはたじろぐ。
仕事を続けているはずのアーデルベルトはいつの間にか仕事を止め、執務室内にいたはずの彼の秘書官と女官は室内から下がっている。
いつの間にやら国王と執務室に2人になっていたという状況に驚くより前に、恐怖心が生じる。
この日、シェイラが王宮に呼ばれたのは、予定されたものだった。
今の状況もまた、想定されたものだった。
シェイラは胸の下で痛いほどに指を組み合わせつつ、アーデルベルトの次の言葉を待つ。
「あれにも困ったものだ」
「陛下」
「あの娘、アリアだったか」
「カラフェ男爵令嬢ですわ」
椅子に座ったままのアーデルベルトはシェイラは見上げる形となる。鋭いアンバーの視線は、値踏みするようにシェイラを見、面白げに口角を上げる。
シェイラの左腕にはめられた腕輪の鈴が鳴る。
こらえ切れない動揺が鈴を鳴らす。
「確かに、あれにも困ったものだが、そなたともあろう者があまりに手際が悪いのではないか」
「申し訳ございません。ただ」
「ただ、なんだ」
発言することを許すと視線に命じられ、シェイラは迷いつつも続きを述べる。
「王太子殿下は初めてお会いした時より私のことを嫌っていらっしゃいます」
「その目が気持ち悪いとか言っていたな」
「陛下」
アーデルベルトは視線をぎょろりと巡らせた後、自身の顔面で指を組み、改めてシェイラを見る。
「それでもマティアス侯爵令嬢としては、男爵令嬢ごときがティトゥーリアの青を持っていることを咎め、珍しく声を荒げたわけか」
シェイラはまだ何も告げていない。
それでもまるで、その場にいたかのようにアーデルベルトは告げる。
「そなたの言い分はわからないわけではない」
が、知っているか。
「あのサファイアを用意したのはエルンストではなく、…マルグリッドを言えばそなたはどうする?」
『あぁ、私にはもう、不要なものだ』
『では、捨て置きくださいませ』
シェイラが13歳の時、1つの縁が断ち切られた。
まだ幼かったシェイラが唯一、縋り付いていた縁だった。
あの日からシェイラはジークヴァルトに会っていない。いや、遠目には数度見たことがある。シレジアに赴任していたジークヴァルトは年に2、3度は王都に戻ってきているようで、嫌々ながらのエルンストのエスコートを受け、晩餐の末席についたこともある。
優しい風貌の穏やかな人だった。
青の双眸が柔らかく細まるのが、一番好きだった。
が、何年も続く国境での日々は、ジークヴァルトのその、柔らかな視線を奪ってしまった。いや、本質的なところは変わっていないのかもしれない。けれど、年を重ねる度、軍人らしい厳しさと険しさが前面に押し出されていった。昔より低くなった声は、戦場でもよく通るのだろうものに変わっていった。
何よりも、シェイラに向けられる双眸が、声が、他の人に向けられるそれと同じになってしまった。
ジークヴァルトとは従兄弟関係にあるソフィアが、あれでも年頃のご令嬢達には人気があるらしいわよと苦笑していた。
黒の軍服姿が素敵なのですって。
そうなのですかと何気ない返事をしつつも、シェイラの目はジークヴァルトを追っていた。
シェイラは知らない。
断ち切られたのだと受け入れた縁が、あの時はまだ、つながれていたことを。
彼女とのやり取りの違和感に、預かり物の小袋をついに開けたジークヴァルトがエメラルドを見つけたことを。
ジークヴァルトはシェイラの守り石の存在を知った時、ヴィリーに手紙を託した。本当ならば直にあって話したかったけれど、そう簡単に会える立場ではなかったからだ。
託されたヴィリーは最初、その手紙をシェイラに渡そうとした。
が、手紙は渡されなかった。
手を回したフェルディナンドにより、取り上げられたのである。何故、フェルディナンドが手紙の存在に気づいたのか、自分の行動など筒抜けだったと思い出したジークヴァルトは、声ならぬ声で泣き、縁が断ち切られたことを受け入れた。
それでも、今なお、互いの守り石は互いの手の中にあった。
2週間後にエルンストが学術院を卒業する。
その卒業パーティーでシェイラの手を取れば、貴族社会は王太子妃してシェイラを受け入れることになる。
その時には返すしかないと受け入れながら、断ち切られてなお、ぎりぎりのところで糸の端にしがみついていた。
「陛下」
「あぁ、そなたに任せたい仕事はそこに置いてある」
「承知いたしました」
シェイラに一瞥を与えた後、アーデルベルトは再び視線を書類を落とした。それを確認した後、シィエラは国王の執務机の前にある円卓テーブルへと移動する。
国王の執務室に入れる者は多くない。
この円卓テーブルも、重臣が集められ機密事項が話し合われる場であって、本来であれば王太子の婚約者、しかも未成年の令嬢が来られるような場所ではない。
にも係わらず、表立っては宰相府の父の元に妃教育に訪れているとしながら、週に一度は此処を訪れている。
最初に呼ばれたのは学術院の4年生になってしばらくたってだったから、16の頃だった。
アーデルベルトはシェイラを自らの執務室に呼び、本来は王妃が自身の執務室で行うべき仕事のうちの幾らかを渡した。語学に長けているから、他国の女性王族とのやり取りなどが多い。ちなみに残りは既に王妃の座から降りた王太后カテリーナが請け負っている。
本来王になるはずではなかったアーデルベルトの妃、マルグリッドは妃教育を受けていない。更には、子爵家の出であるため、貴族の令嬢としての十分な教育を受けていない。
戦時に国王となったアーデルベルトには、平時においても執政者としての才があった。が、マルグリッドにそれはなく、既に妃となってしまった彼女を教育できる者もいなかった。
もちろん、シェイラ自身が署名をすることは滅多にないが、その直前までは彼女の手で執務は処理されていた。
更には、フェルディナンドが直に叩き込んでいるだけあって、まだまだ拙い部分もあれど、問えば、時折アーデルベルトがはっとさせられるような鋭い回答が戻ってくる。
最初、自身だけではこなせない執務をシェイラに回そうとしたのはカテリーナだったが、今ではすっかりアーデルベルトが重宝し、自身の秘書のように扱うとともに、王太子妃となった場合には必要な能力ろ知るシェイラ自身も、与えられた仕事を丁寧にこなしていった。
この日も、テーブルの右端、いつもの椅子に座り、まず、積み上げられた書類の仕分けから行っていく。
アーデルベルト、というよりその秘書官の仕分けは雑で、時折シェイラには手に負えないような書類も混ざっている。そういうものを分け、執務机に戻すのが最初の仕事だ。
もう3年になる。慣れた作業で仕分けを行い、アーデルベルトに戻す分を取りまとめ立ち上がると、ふと、視線にぶつかる。
「陛下?」
シェイラはたじろぐ。
仕事を続けているはずのアーデルベルトはいつの間にか仕事を止め、執務室内にいたはずの彼の秘書官と女官は室内から下がっている。
いつの間にやら国王と執務室に2人になっていたという状況に驚くより前に、恐怖心が生じる。
この日、シェイラが王宮に呼ばれたのは、予定されたものだった。
今の状況もまた、想定されたものだった。
シェイラは胸の下で痛いほどに指を組み合わせつつ、アーデルベルトの次の言葉を待つ。
「あれにも困ったものだ」
「陛下」
「あの娘、アリアだったか」
「カラフェ男爵令嬢ですわ」
椅子に座ったままのアーデルベルトはシェイラは見上げる形となる。鋭いアンバーの視線は、値踏みするようにシェイラを見、面白げに口角を上げる。
シェイラの左腕にはめられた腕輪の鈴が鳴る。
こらえ切れない動揺が鈴を鳴らす。
「確かに、あれにも困ったものだが、そなたともあろう者があまりに手際が悪いのではないか」
「申し訳ございません。ただ」
「ただ、なんだ」
発言することを許すと視線に命じられ、シェイラは迷いつつも続きを述べる。
「王太子殿下は初めてお会いした時より私のことを嫌っていらっしゃいます」
「その目が気持ち悪いとか言っていたな」
「陛下」
アーデルベルトは視線をぎょろりと巡らせた後、自身の顔面で指を組み、改めてシェイラを見る。
「それでもマティアス侯爵令嬢としては、男爵令嬢ごときがティトゥーリアの青を持っていることを咎め、珍しく声を荒げたわけか」
シェイラはまだ何も告げていない。
それでもまるで、その場にいたかのようにアーデルベルトは告げる。
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