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lll.オソードとアルゼレア
リビア会館
しおりを挟む アスタリカ国土にあるエシュの聖地。一体どういうことなんだろう。駐車場に自動車が三台停まっている。ちょうど家族連れだろうか、車に乗り込んで山を降りていった。こんな辺鄙な場所にもやってくる人がいるんだな、なんて思う。
小さめの会館は『リビア会館』という看板を掲げている。お洒落な扉が開いていて来客を呼び込んでいるけど、中に入る前に僕は近くにあった女性像が気になった。
よくある女神様って感じの銅像だ。足元にはリビアの文字。人の名前なのかと思って会館の中に入ったら、すぐさま家系図のようなものが壁に貼り出されている。
「神様の家系図……?」
ひとつの夫婦から子供が生まれるっていう人間の常識とは違うみたい。とにかく線が複雑で、血縁関係は破綻している。リビアという神様は結構上の方にあった。言うなれば、ほとんどの神様の産みの親って感じかな。
「いらっしゃいませ」
「あ。大人ひとりで」
一応ちゃんとした施設らしくて入場料が取られる。
「トマトの木もご覧になられますか?」
「えっと。トマトって……」
カウンターの案内板にトマトの木のポスターがあった。危うく菜園でもあるのかと思って尋ねるところだった。ここで言うトマトの木とは、この星で最古の植物と言われる貴重な遺産のこと。
「割引チケットが買えますよ」
「あ、じゃあ。それをお願いします」
トマトといったら壁画を思い出すなぁ。期待していたよりも何の捻りもなかったトマトの絵だった。今回のトマトの木っていうのも、あまり期待しない方がいい気がしている。
史料館では、古代に使われていた道具や衣服の展示がされていた。とても簡素な生活なのかなって勝手な想像があったけど、実際には現在に近いぐらいの生活がされていたそうだ。
服にはボタンが付いていたり、コップとグラスの使い分けがされていたり、流行りの挨拶なんてものも毎年変わっていたらしい。
発展を促したのがナヴェール王三世。ちなみに何度か訪れたナヴェール神殿は、元々ナヴェール一世のお墓だったんだって。人類が初めて起こした戦争での弔いの館だったみたい。
神聖な場所も事実の上に立っているんだね。……なんて考えてしまう。空想の神話と現実が混同していると、どうしても現実の方に引っ張られてしまうから厄介だ。
「エシュってあのエシュ?」
ふと、そんな声が聞こえた。歴史をまとめたパネルの裏側で、親子がしている会話だ。僕も気になったからそっと聞き耳を立てることにする。
「ねえ、パパ。ここにエシュって書いてあるでしょ? この人が隣の国の王様なの?」
「そうだな。同じ名前だけど、もう三千年も昔の話だよ。今も生きている訳がないだろう」
「じゃあ同じ名前だけど違う人?」
「そうだ」
親子が歩みを進めるので僕もそろりと歩き出す。彼らが見ていたパネルに辿り着き、僕も『エシュ』の文字を探した。
すると石像の写真と一緒に名前を見つける。エルサの息子たち、なんて一括りの中に入っていたみたい。
確かに僕も、エルシーズの感謝祭で蝋燭の儀式に参加した時、ちょっと疑問に思ったことがあったんだよな。その時もエルサ神の家族という内訳にエシュが入っていてハテナが浮かんでいた。
さっきの親子を疑うわけじゃないけど、この展示室の監視官の人に聞いてみようか。
「あの。ちょっと聞いても良いですか?」
監視官の女性はこっちに歩み寄ってくれた。
「このエシュって人は、あのエシュですか?」
さっきの子供とまるっきり同じことを聞いてしまう自分が恥ずかしい。それに、この女性も親子のやり取りを聞いていたみたいだ。少し笑われてしまった。
「様々な言われがありますね。先ほどのお父さんのように考える方もいらっしゃるようです。しかし伝説に基づいた話ですと、ここに書いているエシュという方は、あのエシュで間違いありません」
「えっ? っていうことは三千年生き続けているってことですか?」
「はい。その通りです」
そんな馬鹿な……。
「伝説ですけどね」と、女性はにこりと笑う。この人もすっごく信じているというわけでもないみたい。なんだかちょっと安心した。
「エシュについては謎が多いんです。特に決して姿を見せないことがその言われで、世代交代もどのようになっているのかエリシュしか知り得ません」
「あの。その、エリシュって何なんですか?」
「エシュ神都における王様ですね」
「じゃあ、エシュってどの立ち位置……?」
えーっとですね、と少々困られる。そしてとんでもないことを言われた。
「エシュはそもそも、私たちと同じ人間だという認識から外さなくてないけません」
言いながら女性の指がパネルを突く。ここでエルサ神家族であるという情報が生きるということみたい。だとしても僕は何も言えなくなるばかりだ。
「エシュ神都はそもそも国という括りにはなりません。エシュ教と呼ばれるものがありますが、宗教とは全く違います。あの土地は『エシュという名の神』が住まう土地であり、『エシュという名の神』に仕える人々が教会に行って祈る風習があるんです。そのような、国でも宗教団でもない土地をまとめる役割として、エリシュが担当している。そういうことです」
「へ、へえ……」
アスタリカからは道路や電車の交通も続いているし、建物や人もほとんど変わらないのに。隣にある土地が神様のものだって言われて、僕はポカンとしていたかもしれない。
マーカスさんが言っていた、神は実在するって話。エシュって人物が三千年も生き続けている説を信じて話したんだろう。意外とそういうのを信じる人なんだ。何でも理詰めで考えていそうなのに。
オソードとエシュ。それからエリシュの鍵……。そういえばオソードが神様に近付く糸口になるって話だった。その神様っていうのがエシュの事だったなら、エリシュの鍵が関わってくるのもちょっと分かるような。
ロウェルディ大臣は神様に会ったら何をお願い事するんだろう。まさか甘味をお腹いっぱい食べたいなんては願わないだろうな。世界を破滅させる力を望むのかな。そんなファンタジーみたいな事を大臣が考えそうもないけど。
考え事はほどほどに、僕はエリシュの鍵について知りたくて探した。そうしているうちに会館から出てしまった。再入場してまで探しても見当たらない。人に聞くのも色々怖いからやめておいた。
「ありがとうございましたー。トマトの木はこちらの道です」
「あ、どうも」
外の小道。トマトの木があるという看板を追うことになる。チラッと見えた駐車場にもう二台の車がやって来ていた。意外にも人気のあるスポットなんだろうか。だとしてもアルゼレアを連れて来たいとは思わないんだけど。
「はぁ……」
アルゼレアのことを考えると嫌になるなぁ。どうして状況はいつも僕とアルゼレアを離そうとばかりするんだろうな。ようやく落ち着けたと思ったのにさ……。こんなことになるなら、あの時、聞かずに抱きしめておけばよかった。
裏庭のような場所は花壇や休憩スペースで綺麗にしてある。そして、目立つ中央に立居入り禁止の柵があった。円を描いた中にあるものこそトマトの木だと言う。
だけどあったのは枯れ木の一部。大木の切り株のようなものしか無かった。正直、これはトマトのものじゃないと思う。参考イメージとして描かれたトマトのイラストを見ても、アーティスティックだけど現実的じゃない。
近くで眺めていた一人のおじさんがいた。その人がそっと僕に声をかけたんだ。
「トマトってどんな枝でしたっけ?」
僕は別に詳しくないけど。確かあんな感じでしたと、小道の方に咲いている大ぶりの花を指差した。くねくねじゃなく、真っ直ぐに上へ伸びた葉っぱの多い花だ。
僕とおじさんは黙ってトマトの木を見つめる。そのうちにおじさんは去った。僕も期待していた通り予想を超えてこなかったから、帰ることにした。
神様ならもっとちゃんとした木を作るよ。これじゃまるで失敗作だ。エシュって神様は不器用なんだろうか。
(((次話は明日17時に投稿します
Threads → kusakabe_natsuho
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小さめの会館は『リビア会館』という看板を掲げている。お洒落な扉が開いていて来客を呼び込んでいるけど、中に入る前に僕は近くにあった女性像が気になった。
よくある女神様って感じの銅像だ。足元にはリビアの文字。人の名前なのかと思って会館の中に入ったら、すぐさま家系図のようなものが壁に貼り出されている。
「神様の家系図……?」
ひとつの夫婦から子供が生まれるっていう人間の常識とは違うみたい。とにかく線が複雑で、血縁関係は破綻している。リビアという神様は結構上の方にあった。言うなれば、ほとんどの神様の産みの親って感じかな。
「いらっしゃいませ」
「あ。大人ひとりで」
一応ちゃんとした施設らしくて入場料が取られる。
「トマトの木もご覧になられますか?」
「えっと。トマトって……」
カウンターの案内板にトマトの木のポスターがあった。危うく菜園でもあるのかと思って尋ねるところだった。ここで言うトマトの木とは、この星で最古の植物と言われる貴重な遺産のこと。
「割引チケットが買えますよ」
「あ、じゃあ。それをお願いします」
トマトといったら壁画を思い出すなぁ。期待していたよりも何の捻りもなかったトマトの絵だった。今回のトマトの木っていうのも、あまり期待しない方がいい気がしている。
史料館では、古代に使われていた道具や衣服の展示がされていた。とても簡素な生活なのかなって勝手な想像があったけど、実際には現在に近いぐらいの生活がされていたそうだ。
服にはボタンが付いていたり、コップとグラスの使い分けがされていたり、流行りの挨拶なんてものも毎年変わっていたらしい。
発展を促したのがナヴェール王三世。ちなみに何度か訪れたナヴェール神殿は、元々ナヴェール一世のお墓だったんだって。人類が初めて起こした戦争での弔いの館だったみたい。
神聖な場所も事実の上に立っているんだね。……なんて考えてしまう。空想の神話と現実が混同していると、どうしても現実の方に引っ張られてしまうから厄介だ。
「エシュってあのエシュ?」
ふと、そんな声が聞こえた。歴史をまとめたパネルの裏側で、親子がしている会話だ。僕も気になったからそっと聞き耳を立てることにする。
「ねえ、パパ。ここにエシュって書いてあるでしょ? この人が隣の国の王様なの?」
「そうだな。同じ名前だけど、もう三千年も昔の話だよ。今も生きている訳がないだろう」
「じゃあ同じ名前だけど違う人?」
「そうだ」
親子が歩みを進めるので僕もそろりと歩き出す。彼らが見ていたパネルに辿り着き、僕も『エシュ』の文字を探した。
すると石像の写真と一緒に名前を見つける。エルサの息子たち、なんて一括りの中に入っていたみたい。
確かに僕も、エルシーズの感謝祭で蝋燭の儀式に参加した時、ちょっと疑問に思ったことがあったんだよな。その時もエルサ神の家族という内訳にエシュが入っていてハテナが浮かんでいた。
さっきの親子を疑うわけじゃないけど、この展示室の監視官の人に聞いてみようか。
「あの。ちょっと聞いても良いですか?」
監視官の女性はこっちに歩み寄ってくれた。
「このエシュって人は、あのエシュですか?」
さっきの子供とまるっきり同じことを聞いてしまう自分が恥ずかしい。それに、この女性も親子のやり取りを聞いていたみたいだ。少し笑われてしまった。
「様々な言われがありますね。先ほどのお父さんのように考える方もいらっしゃるようです。しかし伝説に基づいた話ですと、ここに書いているエシュという方は、あのエシュで間違いありません」
「えっ? っていうことは三千年生き続けているってことですか?」
「はい。その通りです」
そんな馬鹿な……。
「伝説ですけどね」と、女性はにこりと笑う。この人もすっごく信じているというわけでもないみたい。なんだかちょっと安心した。
「エシュについては謎が多いんです。特に決して姿を見せないことがその言われで、世代交代もどのようになっているのかエリシュしか知り得ません」
「あの。その、エリシュって何なんですか?」
「エシュ神都における王様ですね」
「じゃあ、エシュってどの立ち位置……?」
えーっとですね、と少々困られる。そしてとんでもないことを言われた。
「エシュはそもそも、私たちと同じ人間だという認識から外さなくてないけません」
言いながら女性の指がパネルを突く。ここでエルサ神家族であるという情報が生きるということみたい。だとしても僕は何も言えなくなるばかりだ。
「エシュ神都はそもそも国という括りにはなりません。エシュ教と呼ばれるものがありますが、宗教とは全く違います。あの土地は『エシュという名の神』が住まう土地であり、『エシュという名の神』に仕える人々が教会に行って祈る風習があるんです。そのような、国でも宗教団でもない土地をまとめる役割として、エリシュが担当している。そういうことです」
「へ、へえ……」
アスタリカからは道路や電車の交通も続いているし、建物や人もほとんど変わらないのに。隣にある土地が神様のものだって言われて、僕はポカンとしていたかもしれない。
マーカスさんが言っていた、神は実在するって話。エシュって人物が三千年も生き続けている説を信じて話したんだろう。意外とそういうのを信じる人なんだ。何でも理詰めで考えていそうなのに。
オソードとエシュ。それからエリシュの鍵……。そういえばオソードが神様に近付く糸口になるって話だった。その神様っていうのがエシュの事だったなら、エリシュの鍵が関わってくるのもちょっと分かるような。
ロウェルディ大臣は神様に会ったら何をお願い事するんだろう。まさか甘味をお腹いっぱい食べたいなんては願わないだろうな。世界を破滅させる力を望むのかな。そんなファンタジーみたいな事を大臣が考えそうもないけど。
考え事はほどほどに、僕はエリシュの鍵について知りたくて探した。そうしているうちに会館から出てしまった。再入場してまで探しても見当たらない。人に聞くのも色々怖いからやめておいた。
「ありがとうございましたー。トマトの木はこちらの道です」
「あ、どうも」
外の小道。トマトの木があるという看板を追うことになる。チラッと見えた駐車場にもう二台の車がやって来ていた。意外にも人気のあるスポットなんだろうか。だとしてもアルゼレアを連れて来たいとは思わないんだけど。
「はぁ……」
アルゼレアのことを考えると嫌になるなぁ。どうして状況はいつも僕とアルゼレアを離そうとばかりするんだろうな。ようやく落ち着けたと思ったのにさ……。こんなことになるなら、あの時、聞かずに抱きしめておけばよかった。
裏庭のような場所は花壇や休憩スペースで綺麗にしてある。そして、目立つ中央に立居入り禁止の柵があった。円を描いた中にあるものこそトマトの木だと言う。
だけどあったのは枯れ木の一部。大木の切り株のようなものしか無かった。正直、これはトマトのものじゃないと思う。参考イメージとして描かれたトマトのイラストを見ても、アーティスティックだけど現実的じゃない。
近くで眺めていた一人のおじさんがいた。その人がそっと僕に声をかけたんだ。
「トマトってどんな枝でしたっけ?」
僕は別に詳しくないけど。確かあんな感じでしたと、小道の方に咲いている大ぶりの花を指差した。くねくねじゃなく、真っ直ぐに上へ伸びた葉っぱの多い花だ。
僕とおじさんは黙ってトマトの木を見つめる。そのうちにおじさんは去った。僕も期待していた通り予想を超えてこなかったから、帰ることにした。
神様ならもっとちゃんとした木を作るよ。これじゃまるで失敗作だ。エシュって神様は不器用なんだろうか。
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