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II.セルジオの落とし穴
白銀の妙獣
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ナヴェール神殿の入り口にはものすごい人だかりが出来ている。主に新聞社の関係が集まっていた。マイクやカメラを向け続けて、通りすがりのものでも情報にしようと押し合う形になっていた。
一般の野次馬も集まっているけど彼らの勢いには負けている。しかし最も負けているのはナヴェール神殿の役員。急ごしらえで設置したバリケードが無念にも倒されて踏まれていた。
「ここはダメだ。別の入り口にしよう」
情報機関と僕らの相性は悪過ぎる。良からぬ騒ぎになったら大変だ。僕はアルゼレアを連れて神殿の壁沿いを迂回した。
出入り口で入場規制をかけているものの参拝客を突っぱねるようなことはしない。僕らは比較的落ち着いた場所からすんなり中へ入れた。
さて。これからどうしようか……と、入場して早々悩んでしまうことにはなるけどね。
「ナヴェール神殿には来たことある?」
「あります」
まあそうだよねと思うんだけど。理由は「兄の奥さんがここの職員だから」と話した。そういえばアルゼレアのお兄さん……クオフさんのお宅では奥さんが不在で、修行が何とかって言っていたっけ。そんな記憶があるかも。
「それじゃあ奥さんを探して、僕らの話を聞いてもらったら早いね」
「宗派が違うので居ません」
「ああ、そうなんだ」
青葉のしげる神殿内をなんとなく歩いていたと思ったら、僕らは立派な突き出し屋根の礼拝所に入っていく。
「左回りでお願いします」
アルゼレアが言った。薄暗くて煙がうっすら立ちこめた館内。入ってすぐに受付があるなんて初めて知った。とは言わない方が良さそう。
「あなたは?」
「あっ、えーっと。僕も左回りで」
すると受付の人から白い蝋燭と緑の蝋燭を手渡される。「お進みください」と言われたら、何も分からないままアルゼレアの後にピッタリついて歩いた。
蝋燭に火を付けて、決まった場所に蝋燭を置いていく。創造神エルサ象の前でお祈りをして礼拝所から外に出た。全部、見よう見まねだよ。
一応僕だけ振り返ってエルサ神に「ごめんね」と謝っておいた。礼儀作法の知らない悪い観光客なんだよ。次に来る時までにはちゃんと勉強しておくから。ってね。
「フォルクスさん。中に入りましょう」
「う、うん。そうだね」
彼女に遅れを取っていた。急いでそっちへ向かうけど、彼女が入ろうと指をさしている場所は、悪い観光客から見ても一般向けの入り口じゃないと思う……。
「中に入ってどうするの」
「ゼノバ教皇に理由を伝えて本を返します」
そんな大物にすんなり出会えるかな。だったら他の教徒の人に頼んで合わせてもらった方が早い気がする。周りを見回してみるけど生憎近くじゃそれっぽい人が見つからない。
「ちょっと行ってきます」
「あっ、待って!」
行動派の彼女を引き止めるものがないまま、僕らは質素な片手ドアを開けた。
外観は遺跡のような建物だけど、内装にもギャップはないみたい。役員向けに看板や張り紙が廊下に備わっている点を除けば、僕らはまるで遺跡探検に出かけているみたいだった。
「罰当たりと思われませんように……」
「こっちに廊下があります」
心意気は全く正反対の僕たちだけど。
「君たち。こんなところで何をしている?」
僕たちは人と出くわしてしまう。それが警察じゃなく信徒の人だったことに感謝しなくちゃいけないかも。信徒のご老人はこの遭遇にとても驚いているけど、まだ僕らのことを悪だとは決めつけていない。
「すみません。どうしても話さないといけないことがあって。勝手に入るのは良くないとは思ったんですが」
「うん?」
言い訳がましい僕の文言はほどほどに。アルゼレアが踏み出して肝心のオソードを見せる。ご老人は一瞬で言葉を失っていた。これがその盗まれた物だって証拠なのか。
「……話を聞きましょう。別室で」
僕らは多目的室と書かれた部屋に入れられた。このまま鍵を掛けられて警察沙汰なんてことも予想できたけど、ちゃんとご老人も一緒に部屋の中に入って来た。
「お茶を出している暇は無くてね。もう一度さっきの本を見せてくれますか?」
アルゼレアが渡すと「ありがとう」と礼を告げた。老眼メガネを通してよくよく眺めて、深い唸り声を出す時がある。
多目的の部屋は物置きだった。机も椅子もあるけどどれも使えない。部屋の隅に重ねて埃をかぶっていたから。きっとすぐにオソードの状態を確認したくて、一番近くの空いた部屋に押し入ったんだと思う。
しばらく経つとご老人は独り言を呟いた。
「そうか……よかった」
そして本はアルゼレアの方へと返されている。
「君たちは幸運ですね。私はゼノバという者です。聞いたことはありますか?」
それはとんでもない幸運だった。
「あります!」僕とアルゼレアが声を揃えた。
ゼノバ教皇は優しい人相で頷いていた。確かにニュースで少し見た顔と同じかもしれない。だけどそれよりも「不法侵入はよくありません」と叱ってくれるオーラが一流で、そっちの方がよっぽど僕は本物だと感心した。
「あ、あの。オソードは」
アルゼレアが心配している。
「大丈夫です。これは改正版です。ここから盗んだものとは違いますよ」
柔らかな言葉で心配事が一気に解消された。特にアルゼレアの方はよほど安心してか少しよろけてしまうほどだった。
「よかった……。すみません。勘違いを」
「いえいえ。君たちは観光の方ですか。ニュースを見てさぞ驚いたことでしょうね」
ゼノバ教皇は白髪を片手で撫でながら困ったように笑う。
出口を案内すると言いつつ、遺跡のような神殿が素晴らしいと話に花が咲く。ゼノバ教皇は進んでこの神殿のスポットを教えてくれた。それとオソードについても。
「テアとメリックという兄弟の冒険記です。二人は競争好きですが、時々喧嘩をして協力をすることで、数々の難題を一緒に乗り越えていくというお話なんですよ。その兄弟の冒険記録を付けた人物の名前がオソード。なので正しくは『オソードの記録書』と呼ぶべき書物なんですが、我々エルシーズは親しみを込めて『オソード』と呼んでいます」
そう聞くと実在した人物のような話だ。だけどエピソードのひとつを聞いたらやっぱり神話だなと思う。兄弟の冒険は命ひとつじゃ足りない危険すぎる行動だった。
「オソードは私たちの基盤で、特にエルサ教においては最も大事にすべき考え方だと重きを置いています。オソードに記録された人物の教訓を我々が引き継いでいるのですよ……とは、まあ。君たちに教えを説きたいのではありませんからね。冒険ストーリーは子供達にも人気なので、是非その本は一読してみて下さい」
布教活動とそれは別だとゼノバ教皇は考える。
「盗まれたものは大丈夫なんですか?」
僕は気になって聞いた。基盤にもなる大事な書物が盗まれたというのに、どうして教皇は悠々としていられるのかずっと不思議だった。
「犯人は分かっています。それにいずれ戻ってくるでしょう」
答えはすごく意外だ。
「戻ってくる?」
「ええ。犯人は白銀の妙獣です」
妙獣……? なんだそれ。
「聞いたことがありませんか? 物を盗んでいく白銀色をした獣。姿は色々な言われ方がありますよ。跳ねるウサギのようだとかイタチのようだとか様々。髪の長い老婆の姿で遭遇したと言う人もいて、幽霊だと信じる人は宙に浮いていたと言いますね」
「困るんじゃないですか?」
「ええ、捕まえようとするなら。しかし獣は妙なことをするので大丈夫です。物を盗んだら必ず本人のところへ戻してきます。ただし戻されたものはいつも何かが足りない。指輪の刻字だったり、時計の針だったり……」
ただのイタズラじゃないか。
「どうしてそんなことをするんですか?」
「きっと何かメッセージが隠されているんでしょう」
* * *
僕が恐れていたような、追われるとか捕らわれるという事態にはならなかった。しかし問題はまた別に浮かび上がっていた。
「フォルクスさん」
帰り道にアルゼレアがそっと僕の名前を呼ぶのが少し恐ろしくも感じる。「白銀の妙獣を見つけませんか」「オソードを取り返さないと」だいたいそんなことをアルゼレアは言い出しそうだ。
犯人が白銀の妙獣だったとして、本から何か足りない状態で返すとしたら、それは文字かページしかないだろう。まさか表紙の皮だけ剥いで戻ってくるなんて考えにくいからね。
本のことならアルゼレアが放置出来るはずがないんだ。でも僕はそろそろアスタリカを出航しないといけない。じゃないとまた仕事がクビになる……。
「アルゼレア、とりあえず頼まれごとを済ませてから考えない? ロウェルディ大臣が甘味を欲してまた指名手配を掛けて来ちゃうかも」
それはさすがに荒手だけど。幸いにもアルゼレアは分かってくれた。
とはいえ……だよな。
先送りしただけで何の説得にもなっていない。アルゼレアの本への執着は時々困ってしまう。それかアスタリカに滞在するから良くないのかな。
(((次話は来週月曜17時に投稿します。
Twitter →kusakabe_write
Instagram →kusakabe_natsuho
一般の野次馬も集まっているけど彼らの勢いには負けている。しかし最も負けているのはナヴェール神殿の役員。急ごしらえで設置したバリケードが無念にも倒されて踏まれていた。
「ここはダメだ。別の入り口にしよう」
情報機関と僕らの相性は悪過ぎる。良からぬ騒ぎになったら大変だ。僕はアルゼレアを連れて神殿の壁沿いを迂回した。
出入り口で入場規制をかけているものの参拝客を突っぱねるようなことはしない。僕らは比較的落ち着いた場所からすんなり中へ入れた。
さて。これからどうしようか……と、入場して早々悩んでしまうことにはなるけどね。
「ナヴェール神殿には来たことある?」
「あります」
まあそうだよねと思うんだけど。理由は「兄の奥さんがここの職員だから」と話した。そういえばアルゼレアのお兄さん……クオフさんのお宅では奥さんが不在で、修行が何とかって言っていたっけ。そんな記憶があるかも。
「それじゃあ奥さんを探して、僕らの話を聞いてもらったら早いね」
「宗派が違うので居ません」
「ああ、そうなんだ」
青葉のしげる神殿内をなんとなく歩いていたと思ったら、僕らは立派な突き出し屋根の礼拝所に入っていく。
「左回りでお願いします」
アルゼレアが言った。薄暗くて煙がうっすら立ちこめた館内。入ってすぐに受付があるなんて初めて知った。とは言わない方が良さそう。
「あなたは?」
「あっ、えーっと。僕も左回りで」
すると受付の人から白い蝋燭と緑の蝋燭を手渡される。「お進みください」と言われたら、何も分からないままアルゼレアの後にピッタリついて歩いた。
蝋燭に火を付けて、決まった場所に蝋燭を置いていく。創造神エルサ象の前でお祈りをして礼拝所から外に出た。全部、見よう見まねだよ。
一応僕だけ振り返ってエルサ神に「ごめんね」と謝っておいた。礼儀作法の知らない悪い観光客なんだよ。次に来る時までにはちゃんと勉強しておくから。ってね。
「フォルクスさん。中に入りましょう」
「う、うん。そうだね」
彼女に遅れを取っていた。急いでそっちへ向かうけど、彼女が入ろうと指をさしている場所は、悪い観光客から見ても一般向けの入り口じゃないと思う……。
「中に入ってどうするの」
「ゼノバ教皇に理由を伝えて本を返します」
そんな大物にすんなり出会えるかな。だったら他の教徒の人に頼んで合わせてもらった方が早い気がする。周りを見回してみるけど生憎近くじゃそれっぽい人が見つからない。
「ちょっと行ってきます」
「あっ、待って!」
行動派の彼女を引き止めるものがないまま、僕らは質素な片手ドアを開けた。
外観は遺跡のような建物だけど、内装にもギャップはないみたい。役員向けに看板や張り紙が廊下に備わっている点を除けば、僕らはまるで遺跡探検に出かけているみたいだった。
「罰当たりと思われませんように……」
「こっちに廊下があります」
心意気は全く正反対の僕たちだけど。
「君たち。こんなところで何をしている?」
僕たちは人と出くわしてしまう。それが警察じゃなく信徒の人だったことに感謝しなくちゃいけないかも。信徒のご老人はこの遭遇にとても驚いているけど、まだ僕らのことを悪だとは決めつけていない。
「すみません。どうしても話さないといけないことがあって。勝手に入るのは良くないとは思ったんですが」
「うん?」
言い訳がましい僕の文言はほどほどに。アルゼレアが踏み出して肝心のオソードを見せる。ご老人は一瞬で言葉を失っていた。これがその盗まれた物だって証拠なのか。
「……話を聞きましょう。別室で」
僕らは多目的室と書かれた部屋に入れられた。このまま鍵を掛けられて警察沙汰なんてことも予想できたけど、ちゃんとご老人も一緒に部屋の中に入って来た。
「お茶を出している暇は無くてね。もう一度さっきの本を見せてくれますか?」
アルゼレアが渡すと「ありがとう」と礼を告げた。老眼メガネを通してよくよく眺めて、深い唸り声を出す時がある。
多目的の部屋は物置きだった。机も椅子もあるけどどれも使えない。部屋の隅に重ねて埃をかぶっていたから。きっとすぐにオソードの状態を確認したくて、一番近くの空いた部屋に押し入ったんだと思う。
しばらく経つとご老人は独り言を呟いた。
「そうか……よかった」
そして本はアルゼレアの方へと返されている。
「君たちは幸運ですね。私はゼノバという者です。聞いたことはありますか?」
それはとんでもない幸運だった。
「あります!」僕とアルゼレアが声を揃えた。
ゼノバ教皇は優しい人相で頷いていた。確かにニュースで少し見た顔と同じかもしれない。だけどそれよりも「不法侵入はよくありません」と叱ってくれるオーラが一流で、そっちの方がよっぽど僕は本物だと感心した。
「あ、あの。オソードは」
アルゼレアが心配している。
「大丈夫です。これは改正版です。ここから盗んだものとは違いますよ」
柔らかな言葉で心配事が一気に解消された。特にアルゼレアの方はよほど安心してか少しよろけてしまうほどだった。
「よかった……。すみません。勘違いを」
「いえいえ。君たちは観光の方ですか。ニュースを見てさぞ驚いたことでしょうね」
ゼノバ教皇は白髪を片手で撫でながら困ったように笑う。
出口を案内すると言いつつ、遺跡のような神殿が素晴らしいと話に花が咲く。ゼノバ教皇は進んでこの神殿のスポットを教えてくれた。それとオソードについても。
「テアとメリックという兄弟の冒険記です。二人は競争好きですが、時々喧嘩をして協力をすることで、数々の難題を一緒に乗り越えていくというお話なんですよ。その兄弟の冒険記録を付けた人物の名前がオソード。なので正しくは『オソードの記録書』と呼ぶべき書物なんですが、我々エルシーズは親しみを込めて『オソード』と呼んでいます」
そう聞くと実在した人物のような話だ。だけどエピソードのひとつを聞いたらやっぱり神話だなと思う。兄弟の冒険は命ひとつじゃ足りない危険すぎる行動だった。
「オソードは私たちの基盤で、特にエルサ教においては最も大事にすべき考え方だと重きを置いています。オソードに記録された人物の教訓を我々が引き継いでいるのですよ……とは、まあ。君たちに教えを説きたいのではありませんからね。冒険ストーリーは子供達にも人気なので、是非その本は一読してみて下さい」
布教活動とそれは別だとゼノバ教皇は考える。
「盗まれたものは大丈夫なんですか?」
僕は気になって聞いた。基盤にもなる大事な書物が盗まれたというのに、どうして教皇は悠々としていられるのかずっと不思議だった。
「犯人は分かっています。それにいずれ戻ってくるでしょう」
答えはすごく意外だ。
「戻ってくる?」
「ええ。犯人は白銀の妙獣です」
妙獣……? なんだそれ。
「聞いたことがありませんか? 物を盗んでいく白銀色をした獣。姿は色々な言われ方がありますよ。跳ねるウサギのようだとかイタチのようだとか様々。髪の長い老婆の姿で遭遇したと言う人もいて、幽霊だと信じる人は宙に浮いていたと言いますね」
「困るんじゃないですか?」
「ええ、捕まえようとするなら。しかし獣は妙なことをするので大丈夫です。物を盗んだら必ず本人のところへ戻してきます。ただし戻されたものはいつも何かが足りない。指輪の刻字だったり、時計の針だったり……」
ただのイタズラじゃないか。
「どうしてそんなことをするんですか?」
「きっと何かメッセージが隠されているんでしょう」
* * *
僕が恐れていたような、追われるとか捕らわれるという事態にはならなかった。しかし問題はまた別に浮かび上がっていた。
「フォルクスさん」
帰り道にアルゼレアがそっと僕の名前を呼ぶのが少し恐ろしくも感じる。「白銀の妙獣を見つけませんか」「オソードを取り返さないと」だいたいそんなことをアルゼレアは言い出しそうだ。
犯人が白銀の妙獣だったとして、本から何か足りない状態で返すとしたら、それは文字かページしかないだろう。まさか表紙の皮だけ剥いで戻ってくるなんて考えにくいからね。
本のことならアルゼレアが放置出来るはずがないんだ。でも僕はそろそろアスタリカを出航しないといけない。じゃないとまた仕事がクビになる……。
「アルゼレア、とりあえず頼まれごとを済ませてから考えない? ロウェルディ大臣が甘味を欲してまた指名手配を掛けて来ちゃうかも」
それはさすがに荒手だけど。幸いにもアルゼレアは分かってくれた。
とはいえ……だよな。
先送りしただけで何の説得にもなっていない。アルゼレアの本への執着は時々困ってしまう。それかアスタリカに滞在するから良くないのかな。
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