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Ⅱ.王位継承者
倒れた監視役
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中にカイセイが先にいるかもしれんと思い、先に扉に手をかけておく。
だが当然扉には鍵が掛かっていて中に入ることは出来なかった。
俺はふらふらと歩き、傍に転がっていた木樽を立ててそこに座った。
「疲れた……」
上には円形の空が見えている。
あまり良い天気とは言えなく雨が降り出しそうで地上はジメジメしていた。
ペタ付く汗は乾いた布で拭っても不快感が残る。
俺の内心もそんな感じだ。
非常用の信号弾を手元で転がしながらカイセイを待っていた。
待てども待てどもカイセイのみならず何者も現れなかった。
「立ちっぱなしは辛くないか? お前も適当な場所に座ればどうだ」
監視役にわざわざ気をきかせてみても、視界の端に佇む男は一歩たりとも動きはしない。
「ベンブルク王国……兵士を機械みたく育て上げて、何が楽しいのだかさっぱり分からん」
その国の王はどうかしているぞ。とまで言いたいくらいだが、こいつの忠誠心を汲んでやめておいた。
俺は木樽からスクッと立ち上がり小屋を見回ろうと歩き出した。
「他国の監視役とはいえ、立たせたまま休んでいるのは気が引ける」
そう告げて歩くと監視役も後を付いて来た。
するとだ。
ちょうど正面入口の真裏に裏戸があったのに驚いている。
草に隠れて遠目に見ているだけでは気づけなかった。何者かにこじ開けられた跡のある扉であった。
軽く触れるだけで扉はぐらんぐらんと揺れ動き、ついには老朽化した金具ごと外れてしまったのだ。
「しまった! こ、壊してしまった!」
外れた扉は横に立て掛けておいて、俺のせいでは無いぞと逃げるように屋内へと飛び込んだ。
「アルバート!!」
思い通りになる展開であった。
生活の跡がそのまま残る部屋の中で、アルバートが倒れ込んでいるのである。
それもキルト地で飾られた人のベッドの中でだが。
「おい、何を寝ている。起きろ」
手加減なしに頬を打つと、アルバートは「ううぅ」とうめき声を上げていた。
監視役が特に止めてこないので俺はアルバートが起きるまで頬を平手打ちだ。
するとアルバートがハッと目覚めて目を見開く。
「は! 生きている!」
「……変わった目覚めだな、お前」
アルバートはそのまま小動物のように首を動かし俺の方を見た。
「バル様!? バ……バル様ぁああ!!」
俺が居るのに驚いたのかと思えば、布団を蹴り上げて飛び出し急に抱きしめられているのだ。
「は、離れろ! 気持ち悪いな!」
長年放置された部屋のホコリが急激に舞い上がるのも最悪だ。
アルバートは腫れ上がった頬を俺の服にこすりつけて泣きじゃくっていた。
「警察や兵隊に捕まりかけるし、夜中もずっと追いかけられるしで辛くて。ようやく国境を越えられたと思ったら今度は獣に襲われてて、本当にもう死ぬかと思ったんですよ~!」
泣いて言うから本当なのだろうが、言い方なのかアルバートだからなのか少し笑い話のような感覚がある。
命の危険があったのと、今さっきこの小屋の良質なベッドで睡眠していたのと話が噛み合わんから余計にそう思うのだ。
「ああ、そうだ!!」
突然大きめの声を上げたアルバートは涙の目で俺のことを見上げた。
「エセル様が大変なんですよ!」
「エセル!?」
その名を口にした二人は同時にハッとなる。
ここで監視役の顔を見ようものなら不審がられてしまう。
しかしアルバートはマズイと言わんばかりに監視役を眺めてしまう男であった。
もうこれは隠し通すのは無理だと俺は思った。
「ああ! 師匠~!!」
よかった。カイセイがやって来たのか。
カイセイは頭が切れるから何か上手くごまかせるかもしれん。……と、希望をかけたのだ。
だが、アルバートが指差す窓を見ても誰も居ない。
代わりに俺の視界の端で何かが動いた。そして足元に地響きが走る。
何か重いものでも落ちたのかと、俺は振り向いた。
同時に金物が鳴るような音も聞こえたかと思う。あれは一体何の音だ?
状況を理解するよりも先に、すぐ傍の足元に監視役の兵士が転がっていたのを俺は見つけた。
「ぼ、僕まさか。や、やっちゃいましたか!?」
アルバートが言った。急に慌てだしている。
もう俺から離れていて、手にはいつの間にか銅の水差しを持っていた。
「お前、まさかそれで殴ったのか」
「な、な、な、殴っちゃいました!?」
鈍器になった水差しを、置いて良いのやら持っていた方が良いのやら、あたふたするアルバートだ。
「人から出る音じゃなかったぞ。頭を殴ったんじゃないだろうな。死ぬぞ!?」
「えっ、えええ、ど、どうなんでしょう……」
本人は咄嗟の行動だったため覚えが無いようだ。
監視役から出血は無く意識を失っている。
鼻のところに耳を近づければかすかに空気が通っていた。
「おそらく生きているが、お前。こいつに何かあったら、それこそ国際問題なんだぞ」
アルバートはひれ伏して、俺とこの横たわる男に必死に謝罪の念を伝えていた。
「謝っても時が戻るわけでも無い」
「すみません……」
だが、やってしまったものも仕方が無い。
ちょうど良いから俺は倒れた監視役の身の回り品を物色することにした。
「で、エセルが何だって?」
「えっ」
「大変なことになっていると言っていただろうが」
アルバートは顔を上げてぼーっと俺を見ていたが、そうだと我に戻ってくれたようだ。
「エセル様が捕まってしまったんです」
「捕まった? 誰にだ」
俺は手を動かしつつ冷静に問う。
監視役のポケットからは意外な物として煙草の箱が見つかった。
「誰に捕まったんだ。言えんのか。知らんのか」
アルバートが急に喋らなくなったので俺からまた静かに聞いている。
軽く目線を向けてみると、アルバートは少しバツの悪そうな顔をして俯いていた。
「エセル様がどこかに行ってしまうのを見てから急いで戻ってきたので、誰に連れて行かれたのかまでは分からなくて……」
俺から「はあぁ」とデカめの溜息が出ると、アルバートは身を固くした。
再び打たれるとでも思ったのだろうか。それも楽しそうだが今はやめておく。
「さすが叩き込まれているな。護身用の剣と煙草しか持っていないとは。まるで秘密部隊の鏡のような男でつまらん」
金装飾の趣味の悪いオイルライターを指先で転がして遊んだ後、監視役のポケットに戻しておいた。
「……なんだ。そっちの話か」と、何やら胸を撫で下ろしている愚兵には信号弾を渡してやる。
アルバートは初めて持たされる銃の形をしたものに怯えており、水をすくうような手のひらに慎重に乗せていた。
「信号を打ってカイセイを呼べ。とにかくその男を城に運ぶのだ」
「僕がですか!?」
「引き金を引けば発砲する。くれぐれも人の頭には打つなよ」
俺はひとりで裏口から小屋を飛び出して、そのまま真っ直ぐを目指して突き進んだ。
木柵を越えて樹海に入ってもとにかく真っ直ぐだ。
途中でアルバート捜索中の兵士と出くわし、ヤツの居場所を告げて森の出口を聞いた。
そのうちに雲が耐えきれずにシトシトと雨を降り落とす。
もう木々の向こうには民家の壁が見え始めている。
だが当然扉には鍵が掛かっていて中に入ることは出来なかった。
俺はふらふらと歩き、傍に転がっていた木樽を立ててそこに座った。
「疲れた……」
上には円形の空が見えている。
あまり良い天気とは言えなく雨が降り出しそうで地上はジメジメしていた。
ペタ付く汗は乾いた布で拭っても不快感が残る。
俺の内心もそんな感じだ。
非常用の信号弾を手元で転がしながらカイセイを待っていた。
待てども待てどもカイセイのみならず何者も現れなかった。
「立ちっぱなしは辛くないか? お前も適当な場所に座ればどうだ」
監視役にわざわざ気をきかせてみても、視界の端に佇む男は一歩たりとも動きはしない。
「ベンブルク王国……兵士を機械みたく育て上げて、何が楽しいのだかさっぱり分からん」
その国の王はどうかしているぞ。とまで言いたいくらいだが、こいつの忠誠心を汲んでやめておいた。
俺は木樽からスクッと立ち上がり小屋を見回ろうと歩き出した。
「他国の監視役とはいえ、立たせたまま休んでいるのは気が引ける」
そう告げて歩くと監視役も後を付いて来た。
するとだ。
ちょうど正面入口の真裏に裏戸があったのに驚いている。
草に隠れて遠目に見ているだけでは気づけなかった。何者かにこじ開けられた跡のある扉であった。
軽く触れるだけで扉はぐらんぐらんと揺れ動き、ついには老朽化した金具ごと外れてしまったのだ。
「しまった! こ、壊してしまった!」
外れた扉は横に立て掛けておいて、俺のせいでは無いぞと逃げるように屋内へと飛び込んだ。
「アルバート!!」
思い通りになる展開であった。
生活の跡がそのまま残る部屋の中で、アルバートが倒れ込んでいるのである。
それもキルト地で飾られた人のベッドの中でだが。
「おい、何を寝ている。起きろ」
手加減なしに頬を打つと、アルバートは「ううぅ」とうめき声を上げていた。
監視役が特に止めてこないので俺はアルバートが起きるまで頬を平手打ちだ。
するとアルバートがハッと目覚めて目を見開く。
「は! 生きている!」
「……変わった目覚めだな、お前」
アルバートはそのまま小動物のように首を動かし俺の方を見た。
「バル様!? バ……バル様ぁああ!!」
俺が居るのに驚いたのかと思えば、布団を蹴り上げて飛び出し急に抱きしめられているのだ。
「は、離れろ! 気持ち悪いな!」
長年放置された部屋のホコリが急激に舞い上がるのも最悪だ。
アルバートは腫れ上がった頬を俺の服にこすりつけて泣きじゃくっていた。
「警察や兵隊に捕まりかけるし、夜中もずっと追いかけられるしで辛くて。ようやく国境を越えられたと思ったら今度は獣に襲われてて、本当にもう死ぬかと思ったんですよ~!」
泣いて言うから本当なのだろうが、言い方なのかアルバートだからなのか少し笑い話のような感覚がある。
命の危険があったのと、今さっきこの小屋の良質なベッドで睡眠していたのと話が噛み合わんから余計にそう思うのだ。
「ああ、そうだ!!」
突然大きめの声を上げたアルバートは涙の目で俺のことを見上げた。
「エセル様が大変なんですよ!」
「エセル!?」
その名を口にした二人は同時にハッとなる。
ここで監視役の顔を見ようものなら不審がられてしまう。
しかしアルバートはマズイと言わんばかりに監視役を眺めてしまう男であった。
もうこれは隠し通すのは無理だと俺は思った。
「ああ! 師匠~!!」
よかった。カイセイがやって来たのか。
カイセイは頭が切れるから何か上手くごまかせるかもしれん。……と、希望をかけたのだ。
だが、アルバートが指差す窓を見ても誰も居ない。
代わりに俺の視界の端で何かが動いた。そして足元に地響きが走る。
何か重いものでも落ちたのかと、俺は振り向いた。
同時に金物が鳴るような音も聞こえたかと思う。あれは一体何の音だ?
状況を理解するよりも先に、すぐ傍の足元に監視役の兵士が転がっていたのを俺は見つけた。
「ぼ、僕まさか。や、やっちゃいましたか!?」
アルバートが言った。急に慌てだしている。
もう俺から離れていて、手にはいつの間にか銅の水差しを持っていた。
「お前、まさかそれで殴ったのか」
「な、な、な、殴っちゃいました!?」
鈍器になった水差しを、置いて良いのやら持っていた方が良いのやら、あたふたするアルバートだ。
「人から出る音じゃなかったぞ。頭を殴ったんじゃないだろうな。死ぬぞ!?」
「えっ、えええ、ど、どうなんでしょう……」
本人は咄嗟の行動だったため覚えが無いようだ。
監視役から出血は無く意識を失っている。
鼻のところに耳を近づければかすかに空気が通っていた。
「おそらく生きているが、お前。こいつに何かあったら、それこそ国際問題なんだぞ」
アルバートはひれ伏して、俺とこの横たわる男に必死に謝罪の念を伝えていた。
「謝っても時が戻るわけでも無い」
「すみません……」
だが、やってしまったものも仕方が無い。
ちょうど良いから俺は倒れた監視役の身の回り品を物色することにした。
「で、エセルが何だって?」
「えっ」
「大変なことになっていると言っていただろうが」
アルバートは顔を上げてぼーっと俺を見ていたが、そうだと我に戻ってくれたようだ。
「エセル様が捕まってしまったんです」
「捕まった? 誰にだ」
俺は手を動かしつつ冷静に問う。
監視役のポケットからは意外な物として煙草の箱が見つかった。
「誰に捕まったんだ。言えんのか。知らんのか」
アルバートが急に喋らなくなったので俺からまた静かに聞いている。
軽く目線を向けてみると、アルバートは少しバツの悪そうな顔をして俯いていた。
「エセル様がどこかに行ってしまうのを見てから急いで戻ってきたので、誰に連れて行かれたのかまでは分からなくて……」
俺から「はあぁ」とデカめの溜息が出ると、アルバートは身を固くした。
再び打たれるとでも思ったのだろうか。それも楽しそうだが今はやめておく。
「さすが叩き込まれているな。護身用の剣と煙草しか持っていないとは。まるで秘密部隊の鏡のような男でつまらん」
金装飾の趣味の悪いオイルライターを指先で転がして遊んだ後、監視役のポケットに戻しておいた。
「……なんだ。そっちの話か」と、何やら胸を撫で下ろしている愚兵には信号弾を渡してやる。
アルバートは初めて持たされる銃の形をしたものに怯えており、水をすくうような手のひらに慎重に乗せていた。
「信号を打ってカイセイを呼べ。とにかくその男を城に運ぶのだ」
「僕がですか!?」
「引き金を引けば発砲する。くれぐれも人の頭には打つなよ」
俺はひとりで裏口から小屋を飛び出して、そのまま真っ直ぐを目指して突き進んだ。
木柵を越えて樹海に入ってもとにかく真っ直ぐだ。
途中でアルバート捜索中の兵士と出くわし、ヤツの居場所を告げて森の出口を聞いた。
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