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Ⅰ.最後の宴
町‐真実2‐
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町の中心部である広場が前に見えてくると、何か町の様子が違うとエセルが気付いたようだ。
「催しでもあるのでしょうか?」
人々の手で飾られていく町の雰囲気につられてエセルは嬉しそうに言った。
俺もそろそろかと思いながら近くの様子を眺めている。
金銀の飾りがぶら下がる針葉樹がある。その傍で大量の風船を膨らます人物がいた。
また、家々の景観も夏の頃と違い、花かごは仕舞われて代わりに木の実のリースを吊るし、軒の下には根菜でこしらえた人形などが置いてあった。
「皆、収穫祭の準備をしている。今日まで食べて生きられた”実り”への感謝と共に、これから冬を無事に越せるよう神に祈る行事だ」
へえ、と感心するエセルには悪いが「それは形式だけで」と続けることになる。
「これから雪が積もれば、しばらくは広場に人が集まることも無いからな。この祭のうちに今年の揉め事は酒を飲んで帳消しにする。これが一番大事な目的だったりするな」
つまりは神に感謝するよりも、人間らの娯楽を優先した行事だということである。
改めて口に出してみると、なかなか罰当たりなことを集団で行っているのではないかと思った。
「へえ! なんだか楽しそうですね!」
しかし素直なエセルは感心したようである。ならばそれで良いか、と思考をしまう俺も罰当たりの一人だ。
エセルが飾った町を見物をしている間に、俺はさっそく仕事に取り掛かるとする。
まずはそこで風船を膨らませている若者に声をかけに行った。彼は酸欠でふらついていたから第一声は「大丈夫か?」から始まった。
この時期の人の集まりは忙しいはずであるが、逆に仕事をしない輩も出てくる。
「だからな? 婆さん。ここの蝋燭の売上額がなぁ? おかしいんじゃねえのって王子は聞いてんだ」
この威勢の良い男は魚屋の長男であった。やや煽りのような口調で老婆に言い聞かせている。
そんな彼のことを老婆は、寝ているのか起きているのか分からんくらい重くなった瞼で見上げていた。
「ちょっとどきなさい。」
躍起になっている彼の肩を押しのけて今度は違う男が顔を出した。金融関係の羽振りの良さそうな男である。
ちなみに彼は、今年の売上を若干偽っていたので、さっき高そうな壺をひとつ押収させてもらったところだ。
「商売しているんだから数字が分からないわけじゃないだろう? ひとつの蝋燭にこんな高い金を付けているのか? 糸に蝋を塗っただけのただの蝋燭だ。この額じゃ一本で一食分食えるんだぞ」
「ほぁ……そうだかねえ」
老婆は困りながら、自身で制作し値付けた蝋燭を眺めていた。
金融の男はめげずに、もう一度さっきのと同じ言葉を頭から始めて言い聞かせた。そして老婆もさっきと同じような言葉を返し、どっち付かずの態度で変わらなかった。
「バル様、これはきっとお婆の間違いです。多分桁をひとつ間違えているんじゃないだろうか。なあ、お婆?」
最後はこの老婆のひ孫にあたる男の言葉で締めくくられた。この男の足には幼い双子の姉妹がくっついていた。つまり老婆の玄孫というわけだ。ではこの老婆はいったい何歳になるというのだ。
ひ孫の男は、俺の手にある資料に指を伸ばし、おかしいとされている数字をひとつ隠して桁を変えた。
「多分こうです。もうそれで通して下さい。必要なら我が家の花瓶でも押収してもらってかまいませんから」
しかしこれに魚屋の長男が黙っていない。
「おいおい。それじゃあ何の解決にもなってねえじゃねえか。おめえはこんな小せえ娘を育ててよう、母ちゃんも身籠ってんのに、そんなのあんまりだぜ……」
怒っているのかと思ったら、最後には涙を拭っていた。その肩を金融の男が叩いてやっている。その純真な心に打たれたようだ。
「分かった。じゃあ私が彼の肩代わりをするよ。花瓶でも絵画でも何でもくれてやる。バル殿、それで手を打ってくれるだろうか」
突然こちらに振られ、ハッとなった。途中で俺はたぶん老婆と同じ顔をしていただろう。
「え。で、何だって?」
こんなやりとりばかりだ。まったく骨が折れる。
むちゃくちゃのようだが話はまとまったのか。ぼんやりする俺に、金融の男が話をまた頭から熱弁してくれた。それを新鮮な気持ちで聞き、とりあえず聞いたままに資料へ書き綴っておいた。
男三人は不思議な友情が生まれたらしく、熱い抱擁の末、祭で飲み明かそうと約束までして別々に去っていった。老婆は終始そこに立っていただけであるが、用事を思い出したと言って店の中に戻った。
すっかり放置気味になってしまったエセルを探す。広場に人だかりが出来ていた。思った通りその中心にエセルの後ろ姿を見つける。
町の人と会話が弾んでいるようであった。時々盛大な笑い声がこちらまで届いてきた。
初めは物珍しさに集まった人だかりだろうが、エセルの物腰の柔らかさに友達のような感覚で話の輪が出来ている。
「エセル。そろそろ移動するぞ」
その輪に声をかけると、エセルが笑顔のままで振り返った。あのシンプルさを買っているエセルだが、振り返ったエセルは頭に帽子と花とを乗せ、飾りを巻いた腕にぬいぐるみを抱いている。
「こんなに頂いてしまいました」
困りながら笑うエセルの元に、子供の団体が走って押しかけてきた。もう手の空いていないエセルに菓子と花を渡したがっている。
いったいどうなるのだろうと見守っていると、子供は嬉しそうにエセルの周りをぐるぐる回って、最後にはポケットの中へお菓子を詰めだした。
俺はその光景を、珍しく純粋に微笑ましい気持ちで眺めていた。
のどかな田舎風景を横に見ながら、俺たちは川の横をゆっくりと歩いていた。浅瀬では釣りを楽しむ親子がおり、こちらに気付いて手を振ってくれている。
「王子は人気なんですね」
俺とエセルは手を振り返していた。
「なあに、お前ほどでは無い」
エセルは苦笑で返した。先程の貰い物は大きな袋に入り膨れ上がっている。
「みんないい人ですね。こんなに良くしてもらえるなんて思いませんでした」
エセルはしみじみと言うのであった。
この頃は日が短く、時間のわりに空は暗くなりかけている。あと少し離れたところの家をふたつほど訪ねるつもりでいたのだが、俺はここで腹をくくることに決めた。
「話したいことがある」
俺は足を止めて告げる。先に行こうとする背中が振り返りエセルは立ち止まった。しばしせせらぎの音が間を持ってくれる。この間をエセルは沈黙して待った。おそらく、今から俺がしようとする話が分かっているからだ。
深呼吸をした。水の匂いがすると共に、鼻の奥がツンと痛むほどに冷たい。ゆっくりと口を開いた。
「王は二年前に戦で死没した。最高権力は王の妻であり、俺の母である王妃の手に渡っている。俺は後にこの権力を継がない。次に王座に座るのは俺じゃなく兄なんだ」
「でもお兄様は失踪中なのだと」
「シャーロットから聞いたか」
言うとエセルは慌てて口をつぐんだ。別に兄の事は俺にとって秘密でも何でも無い。
「兄は必ず戻ってくる。あの人は俺が優位なのが気に食わない性分だからな。これは必ずだと断言しても良い」
エセルは黙ったまま地面に目を伏せていた。だらりと下ろしたその髪が風になびいているのを、今は何とも思わないようにし、俺は詰まる胸を抑えながら続けた。
「カイリュがお前に取らせようとするのは、俺の心臓なんかでは無いだろう。この国の権力を。そして国そのものを我が物にするために、お前に最高権力を持つ俺の命を取らせるのだ」
「分かっています。分かっていますが、私はそんなことをしたく無い」
「なら自分の決心に従ったらどうなんだ。俺はお前の決心を覚えている。父であるカイリュを討ちたいのだろう」
エセルは返す言葉を詰まらせた。そうだとも、違うとも言わなかったということだ。
「お前がいつ、俺や兄の事情を知ったかは聞かん。しかしこっちはそういう事情であるから、この政略結婚はネザリアにとって失敗だ。このままお前がこの国に居てもカイリュは死なないし、お前が俺の妻でいてもカイリュの望むものも手に入らない」
ひとりで酷いことを告げた。エセルは多分言いたいことが無いのだと割り切って、俺は背を向けて道を引き返して歩き出した。途中で佇むエセルを振り返る。
「付いて来ないのか?」
聞くとエセルはハッとしたようだ。
「……そ、そうだ。荷物を置かないと」
独り言でそう言い、エセルは駆け足でやって来た。
彼女は間を空けて俺の後ろを歩き、俺は一度も振り返らず進んで行く。このまま何事も無く城に着いた。別れの挨拶もなしに俺は書斎へ、彼女は自分の部屋へと自然に離れて行ったのである。
「催しでもあるのでしょうか?」
人々の手で飾られていく町の雰囲気につられてエセルは嬉しそうに言った。
俺もそろそろかと思いながら近くの様子を眺めている。
金銀の飾りがぶら下がる針葉樹がある。その傍で大量の風船を膨らます人物がいた。
また、家々の景観も夏の頃と違い、花かごは仕舞われて代わりに木の実のリースを吊るし、軒の下には根菜でこしらえた人形などが置いてあった。
「皆、収穫祭の準備をしている。今日まで食べて生きられた”実り”への感謝と共に、これから冬を無事に越せるよう神に祈る行事だ」
へえ、と感心するエセルには悪いが「それは形式だけで」と続けることになる。
「これから雪が積もれば、しばらくは広場に人が集まることも無いからな。この祭のうちに今年の揉め事は酒を飲んで帳消しにする。これが一番大事な目的だったりするな」
つまりは神に感謝するよりも、人間らの娯楽を優先した行事だということである。
改めて口に出してみると、なかなか罰当たりなことを集団で行っているのではないかと思った。
「へえ! なんだか楽しそうですね!」
しかし素直なエセルは感心したようである。ならばそれで良いか、と思考をしまう俺も罰当たりの一人だ。
エセルが飾った町を見物をしている間に、俺はさっそく仕事に取り掛かるとする。
まずはそこで風船を膨らませている若者に声をかけに行った。彼は酸欠でふらついていたから第一声は「大丈夫か?」から始まった。
この時期の人の集まりは忙しいはずであるが、逆に仕事をしない輩も出てくる。
「だからな? 婆さん。ここの蝋燭の売上額がなぁ? おかしいんじゃねえのって王子は聞いてんだ」
この威勢の良い男は魚屋の長男であった。やや煽りのような口調で老婆に言い聞かせている。
そんな彼のことを老婆は、寝ているのか起きているのか分からんくらい重くなった瞼で見上げていた。
「ちょっとどきなさい。」
躍起になっている彼の肩を押しのけて今度は違う男が顔を出した。金融関係の羽振りの良さそうな男である。
ちなみに彼は、今年の売上を若干偽っていたので、さっき高そうな壺をひとつ押収させてもらったところだ。
「商売しているんだから数字が分からないわけじゃないだろう? ひとつの蝋燭にこんな高い金を付けているのか? 糸に蝋を塗っただけのただの蝋燭だ。この額じゃ一本で一食分食えるんだぞ」
「ほぁ……そうだかねえ」
老婆は困りながら、自身で制作し値付けた蝋燭を眺めていた。
金融の男はめげずに、もう一度さっきのと同じ言葉を頭から始めて言い聞かせた。そして老婆もさっきと同じような言葉を返し、どっち付かずの態度で変わらなかった。
「バル様、これはきっとお婆の間違いです。多分桁をひとつ間違えているんじゃないだろうか。なあ、お婆?」
最後はこの老婆のひ孫にあたる男の言葉で締めくくられた。この男の足には幼い双子の姉妹がくっついていた。つまり老婆の玄孫というわけだ。ではこの老婆はいったい何歳になるというのだ。
ひ孫の男は、俺の手にある資料に指を伸ばし、おかしいとされている数字をひとつ隠して桁を変えた。
「多分こうです。もうそれで通して下さい。必要なら我が家の花瓶でも押収してもらってかまいませんから」
しかしこれに魚屋の長男が黙っていない。
「おいおい。それじゃあ何の解決にもなってねえじゃねえか。おめえはこんな小せえ娘を育ててよう、母ちゃんも身籠ってんのに、そんなのあんまりだぜ……」
怒っているのかと思ったら、最後には涙を拭っていた。その肩を金融の男が叩いてやっている。その純真な心に打たれたようだ。
「分かった。じゃあ私が彼の肩代わりをするよ。花瓶でも絵画でも何でもくれてやる。バル殿、それで手を打ってくれるだろうか」
突然こちらに振られ、ハッとなった。途中で俺はたぶん老婆と同じ顔をしていただろう。
「え。で、何だって?」
こんなやりとりばかりだ。まったく骨が折れる。
むちゃくちゃのようだが話はまとまったのか。ぼんやりする俺に、金融の男が話をまた頭から熱弁してくれた。それを新鮮な気持ちで聞き、とりあえず聞いたままに資料へ書き綴っておいた。
男三人は不思議な友情が生まれたらしく、熱い抱擁の末、祭で飲み明かそうと約束までして別々に去っていった。老婆は終始そこに立っていただけであるが、用事を思い出したと言って店の中に戻った。
すっかり放置気味になってしまったエセルを探す。広場に人だかりが出来ていた。思った通りその中心にエセルの後ろ姿を見つける。
町の人と会話が弾んでいるようであった。時々盛大な笑い声がこちらまで届いてきた。
初めは物珍しさに集まった人だかりだろうが、エセルの物腰の柔らかさに友達のような感覚で話の輪が出来ている。
「エセル。そろそろ移動するぞ」
その輪に声をかけると、エセルが笑顔のままで振り返った。あのシンプルさを買っているエセルだが、振り返ったエセルは頭に帽子と花とを乗せ、飾りを巻いた腕にぬいぐるみを抱いている。
「こんなに頂いてしまいました」
困りながら笑うエセルの元に、子供の団体が走って押しかけてきた。もう手の空いていないエセルに菓子と花を渡したがっている。
いったいどうなるのだろうと見守っていると、子供は嬉しそうにエセルの周りをぐるぐる回って、最後にはポケットの中へお菓子を詰めだした。
俺はその光景を、珍しく純粋に微笑ましい気持ちで眺めていた。
のどかな田舎風景を横に見ながら、俺たちは川の横をゆっくりと歩いていた。浅瀬では釣りを楽しむ親子がおり、こちらに気付いて手を振ってくれている。
「王子は人気なんですね」
俺とエセルは手を振り返していた。
「なあに、お前ほどでは無い」
エセルは苦笑で返した。先程の貰い物は大きな袋に入り膨れ上がっている。
「みんないい人ですね。こんなに良くしてもらえるなんて思いませんでした」
エセルはしみじみと言うのであった。
この頃は日が短く、時間のわりに空は暗くなりかけている。あと少し離れたところの家をふたつほど訪ねるつもりでいたのだが、俺はここで腹をくくることに決めた。
「話したいことがある」
俺は足を止めて告げる。先に行こうとする背中が振り返りエセルは立ち止まった。しばしせせらぎの音が間を持ってくれる。この間をエセルは沈黙して待った。おそらく、今から俺がしようとする話が分かっているからだ。
深呼吸をした。水の匂いがすると共に、鼻の奥がツンと痛むほどに冷たい。ゆっくりと口を開いた。
「王は二年前に戦で死没した。最高権力は王の妻であり、俺の母である王妃の手に渡っている。俺は後にこの権力を継がない。次に王座に座るのは俺じゃなく兄なんだ」
「でもお兄様は失踪中なのだと」
「シャーロットから聞いたか」
言うとエセルは慌てて口をつぐんだ。別に兄の事は俺にとって秘密でも何でも無い。
「兄は必ず戻ってくる。あの人は俺が優位なのが気に食わない性分だからな。これは必ずだと断言しても良い」
エセルは黙ったまま地面に目を伏せていた。だらりと下ろしたその髪が風になびいているのを、今は何とも思わないようにし、俺は詰まる胸を抑えながら続けた。
「カイリュがお前に取らせようとするのは、俺の心臓なんかでは無いだろう。この国の権力を。そして国そのものを我が物にするために、お前に最高権力を持つ俺の命を取らせるのだ」
「分かっています。分かっていますが、私はそんなことをしたく無い」
「なら自分の決心に従ったらどうなんだ。俺はお前の決心を覚えている。父であるカイリュを討ちたいのだろう」
エセルは返す言葉を詰まらせた。そうだとも、違うとも言わなかったということだ。
「お前がいつ、俺や兄の事情を知ったかは聞かん。しかしこっちはそういう事情であるから、この政略結婚はネザリアにとって失敗だ。このままお前がこの国に居てもカイリュは死なないし、お前が俺の妻でいてもカイリュの望むものも手に入らない」
ひとりで酷いことを告げた。エセルは多分言いたいことが無いのだと割り切って、俺は背を向けて道を引き返して歩き出した。途中で佇むエセルを振り返る。
「付いて来ないのか?」
聞くとエセルはハッとしたようだ。
「……そ、そうだ。荷物を置かないと」
独り言でそう言い、エセルは駆け足でやって来た。
彼女は間を空けて俺の後ろを歩き、俺は一度も振り返らず進んで行く。このまま何事も無く城に着いた。別れの挨拶もなしに俺は書斎へ、彼女は自分の部屋へと自然に離れて行ったのである。
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