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女王の命は誰の手に?
ニューリアン王国とその女王
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右の手のひらをぼんやりと眺めている。そうしているうちに人の声が聞こえてきた。薄い壁が向こうから人の声を通すから、何気ない世間話や痴話話がここにも届いてくる。
カーテンを閉めなかった窓はすでに明るく、夜明けを迎えてからかなり時間が経ったみたいだ。この部屋の雰囲気は昨夜のパーティーとは一転。表向きには来賓用の部屋と言われて用意されたが。金が無いのが露骨に出てるな。
骨董品の良し悪しが分からない俺なんで、余計に古めかしさばかり目についた。椅子も足がすり減って傾いているし。何より壁が薄いんで客を寝かせる部屋じゃないだろ。
「特急で通った方が良いぞ?」そう同期に笑われたのを思い出したくらいだ。来賓の部屋に泊まらずに貴族たちが夜中の送迎で帰っていく理由が分かった。
初めての滞在。ニューリアン王国……王家メアネルの古屋敷。『古屋敷』という呼び名は同期が笑い話にしていたものだが。今度からは俺も一緒になって笑えそうだ。
せっかく明るくなったから外でも覗いてみようと窓際に立つ。すると俺は驚いた。古屋敷の麓は緑の芝生で、その先は民間の国道と繋がっているじゃないか。
芝生と国道の境目。いや、むしろ王族領地の芝生の上にベンチがあり、王族とはかけ離れていそうな老人が何食わぬ顔で腰掛けている……。
「まさか、スパイなのか……?」
通りすがりの子連れの家族が老人に近づいて行った。話が聞こえないだろうかと思って俺は窓を開けた。その施錠の鍵は錆びついていてちょっとの衝撃で取れてしまいそうなほどだった。
まさか彼らの声は聞こえない。しかし穏やかな日差しの下でにこやかに挨拶を交わしていそうだ。
それよりも別の声なら聞こえてきた。同一人物か分からないが、さっき薄い壁を通って聞こえていた下働きたちの声だ。
「うーん。やっぱり取れてない。新しいものと交換した方が良いかなぁ」
「全然! 前のはもっと黒ずんでても使ってたもの! 煮沸させれば平気よ!」
そう話す者は真下にいた。洗濯物を干しているみたいだから、その関係の話をしていたんだろう。それにやっぱり、この部屋は客に過ごさせるところじゃないと思う。
「なんだこれは……」
俺は全く知らない世界にでも来てしまったのかと疑った。
ニューリアン王国とは粗末な国で、昔ながらの生活を続けるあまり貧乏国となり、傾きかけているとは聞いていたが。
窓から見えたのは平和ボケした風景だ。要塞を守る城壁も無いし、防弾ガラスの窓でもない。下働きは煮沸でやり過ごせると思っていて、老人が王族領地で居眠りをしている。
「……奇妙な国だ」
ここでは鳥も自由に声を鳴らしている。
そこへノックが鳴った。俺が返事をしなくても木ドアが廊下から開けられた。そして下働きの女が顔を出した。
「おはようございます。女王から朝食のお誘いでございます」
「朝食?」
「はい。メアネル家は親しい人を朝食に誘う習わしがございますので。是非あなた様にもご一緒に。とのことです」
……その習わしがあるっていうのは分かるが。俺をその親しい人として呼ぶのはどうかと思ってる。するとこの女には、俺が戸惑っているようならこう言えと仰せつかった文言があったんだろう。
「昨夜の件について詳細をお話しするべきだと女王は考えていらっしゃいます。あなた様にも悪いお話では無いかと。ご興味がありましたらご案内したします」
扉は開けたまま。女は去った。俺が着いてくると確信でもしているのか。
窓の外に目をやると、老人はまだそこで眠っていた。下働きの者は居なくなって、白いシーツが風に吹かれている。
こんなに穏やかな日常を眺めたことはあったっけな……。俺の国ではまずあり得ない。禁止令の出ている教会の鐘がこの国では普通に鳴らせる。俺はここで初めて鐘の音を聞いた。十回鳴るのを聞き届けた。
とりあえず居座るつもりもないから、窓と鍵とカーテンを閉めて部屋を出た。すると、道案内をすると言ってしばらく前に出た女がまだその廊下に立っていた。しかも目が合ってしまう。
「ご案内します」
「……ははは。どうも」
苦笑いが勝手に出てしまい、俺は女の後ろをついて行く。
朝食を食べる場所と聞いていたのに、どうもさっきから歩かされているのは芝生の上で青空の下なんだが。まさかどこかのレストランにでも連れて行かれるのか? と、思っていた頃、目先の遠い場所に白いパラソルが見えてきた。
季節の花で彩られた庭があって、その一角で王族は優雅に朝食を取っているらしい。鮮やかな派手色の花を背景に、薄付き色の女王も見えた。女王は俺の登場に顔を上げずに、もくもくと朝食を食っている。
「どうぞ」
ボーイが椅子を引き、俺は座った。テーブルの上にはパンとスープと果物と野菜とで、いかにも健康的かつ見た目にも気遣った料理が置かれている。
それらを食べる気にならない俺は、カラトリーを握らずに女王ばかりを眺めた。
細い髪が黄金色に輝き、そのまま下へと流されている。服装も質素なものにカーディガンを羽織っているだけ。アクセサリーも無しで、まるで全体が透けて消えてしまうんじゃないかと思えるくらい地味で存在感の無い女性だ。
もっと威圧的になって周りに威厳を振りかざす王しか俺は見てこなかった。文句も垂れずに、小さく切った料理を黙々と口に運ぶ王はなんだか新鮮だ。
「……」
「……」
しかも静か。俺が同席したっていうのに何も話しかけてこない。実は目が悪くて俺のことが見えていなかったりするのか?
花の香りと蝶が飛ぶ。朝の微風でクロスがなびくテーブルセット。新鮮な野菜の咀嚼音をそっと聞くだけの時間が流れている。
ようやく女王から話しかけてもらえたのは、彼女がひと通りの食事を済ませてから。
「お嫌いな食材がありましたか?」
ナフキンで口を拭いながら合間で言った一言だった。そこから女王は片付けを指示する片手間で、俺に言葉を続ける。
「ひと口も召し上がらないではありませんか。衛兵から聞いたところによれば、お部屋の灯りも付けられたままで夜中でも影が動いていたとのこと。眠らず食べずでは倒れてしまいますわよ」
そんな他人の心配ができる女王を気に入れない。
「気遣い、どうも。そっちは随分元気なようで良かったです。昨日のことで寝込まれてしまったら俺の背徳感が薄まっちゃう」
「まだわたくしを殺す気でいるのですね」
「もちろん。仕事なんで」
女王の後ろに控えていた護衛兵が少し動いた。それを女王が手の甲をかざすことで止めている。
「命を落とすことに恐怖は抱きませんわ。むしろ、死んだ方が幸せになれると断言してくださるなら、今すぐにでもそうしたいくらいです。想像を超える人数が、わたくしの存在を邪魔と感じているようでもありますし」
女王のもとへ小さなケーキが運ばれてきた。食後のワインも一緒にだ。
そのケーキをスプーンで掬ってひと口をじっくりじっくりと噛み締めている。こんな余裕ぶりは、確かに口だけじゃないなと思う。命や王座を脅かされていても、よっぽどの自信があるのか相手にしていない風にも感じた。
「ふっ……ははは」
笑いが込み上げる。気に入らないと思っていたが、どうやら見方を間違っていたみたいだ。
「テレシア女王は強いんですね。いや、強がらないとやっていけない……その方が正しいでしょうか? 早逝した王に変わって、ひとりで国をまとめるのは大変でしょう……」
二口目のスプーンは寸前のところで俺が手を伸ばしてそっと取り上げた。そして、女王の小さな口に食べさせてあげる。
未亡人でも、女王だったとしても、女であることは変わらないし特別じゃない。こうやって小さなサプライズに驚いて目を丸くするところはちょっと可愛いじゃない。
「俺が支えてあげますよ? 若い男は頼りないですか?」
驚いて見つめてくる女王の手に「どうぞ」と言ってスプーンを返した。「美味しい?」と尋ねて微笑んでも見せた。王族の女も貴族の女もロマンスを夢見るのがブームだ。幾つになってもな。
「女を見下さないで」
「……」
女王は素顔のまま、口の中に入ったものをナフキンに吐き出して、そのナフキンを皿の下に隠した。
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カーテンを閉めなかった窓はすでに明るく、夜明けを迎えてからかなり時間が経ったみたいだ。この部屋の雰囲気は昨夜のパーティーとは一転。表向きには来賓用の部屋と言われて用意されたが。金が無いのが露骨に出てるな。
骨董品の良し悪しが分からない俺なんで、余計に古めかしさばかり目についた。椅子も足がすり減って傾いているし。何より壁が薄いんで客を寝かせる部屋じゃないだろ。
「特急で通った方が良いぞ?」そう同期に笑われたのを思い出したくらいだ。来賓の部屋に泊まらずに貴族たちが夜中の送迎で帰っていく理由が分かった。
初めての滞在。ニューリアン王国……王家メアネルの古屋敷。『古屋敷』という呼び名は同期が笑い話にしていたものだが。今度からは俺も一緒になって笑えそうだ。
せっかく明るくなったから外でも覗いてみようと窓際に立つ。すると俺は驚いた。古屋敷の麓は緑の芝生で、その先は民間の国道と繋がっているじゃないか。
芝生と国道の境目。いや、むしろ王族領地の芝生の上にベンチがあり、王族とはかけ離れていそうな老人が何食わぬ顔で腰掛けている……。
「まさか、スパイなのか……?」
通りすがりの子連れの家族が老人に近づいて行った。話が聞こえないだろうかと思って俺は窓を開けた。その施錠の鍵は錆びついていてちょっとの衝撃で取れてしまいそうなほどだった。
まさか彼らの声は聞こえない。しかし穏やかな日差しの下でにこやかに挨拶を交わしていそうだ。
それよりも別の声なら聞こえてきた。同一人物か分からないが、さっき薄い壁を通って聞こえていた下働きたちの声だ。
「うーん。やっぱり取れてない。新しいものと交換した方が良いかなぁ」
「全然! 前のはもっと黒ずんでても使ってたもの! 煮沸させれば平気よ!」
そう話す者は真下にいた。洗濯物を干しているみたいだから、その関係の話をしていたんだろう。それにやっぱり、この部屋は客に過ごさせるところじゃないと思う。
「なんだこれは……」
俺は全く知らない世界にでも来てしまったのかと疑った。
ニューリアン王国とは粗末な国で、昔ながらの生活を続けるあまり貧乏国となり、傾きかけているとは聞いていたが。
窓から見えたのは平和ボケした風景だ。要塞を守る城壁も無いし、防弾ガラスの窓でもない。下働きは煮沸でやり過ごせると思っていて、老人が王族領地で居眠りをしている。
「……奇妙な国だ」
ここでは鳥も自由に声を鳴らしている。
そこへノックが鳴った。俺が返事をしなくても木ドアが廊下から開けられた。そして下働きの女が顔を出した。
「おはようございます。女王から朝食のお誘いでございます」
「朝食?」
「はい。メアネル家は親しい人を朝食に誘う習わしがございますので。是非あなた様にもご一緒に。とのことです」
……その習わしがあるっていうのは分かるが。俺をその親しい人として呼ぶのはどうかと思ってる。するとこの女には、俺が戸惑っているようならこう言えと仰せつかった文言があったんだろう。
「昨夜の件について詳細をお話しするべきだと女王は考えていらっしゃいます。あなた様にも悪いお話では無いかと。ご興味がありましたらご案内したします」
扉は開けたまま。女は去った。俺が着いてくると確信でもしているのか。
窓の外に目をやると、老人はまだそこで眠っていた。下働きの者は居なくなって、白いシーツが風に吹かれている。
こんなに穏やかな日常を眺めたことはあったっけな……。俺の国ではまずあり得ない。禁止令の出ている教会の鐘がこの国では普通に鳴らせる。俺はここで初めて鐘の音を聞いた。十回鳴るのを聞き届けた。
とりあえず居座るつもりもないから、窓と鍵とカーテンを閉めて部屋を出た。すると、道案内をすると言ってしばらく前に出た女がまだその廊下に立っていた。しかも目が合ってしまう。
「ご案内します」
「……ははは。どうも」
苦笑いが勝手に出てしまい、俺は女の後ろをついて行く。
朝食を食べる場所と聞いていたのに、どうもさっきから歩かされているのは芝生の上で青空の下なんだが。まさかどこかのレストランにでも連れて行かれるのか? と、思っていた頃、目先の遠い場所に白いパラソルが見えてきた。
季節の花で彩られた庭があって、その一角で王族は優雅に朝食を取っているらしい。鮮やかな派手色の花を背景に、薄付き色の女王も見えた。女王は俺の登場に顔を上げずに、もくもくと朝食を食っている。
「どうぞ」
ボーイが椅子を引き、俺は座った。テーブルの上にはパンとスープと果物と野菜とで、いかにも健康的かつ見た目にも気遣った料理が置かれている。
それらを食べる気にならない俺は、カラトリーを握らずに女王ばかりを眺めた。
細い髪が黄金色に輝き、そのまま下へと流されている。服装も質素なものにカーディガンを羽織っているだけ。アクセサリーも無しで、まるで全体が透けて消えてしまうんじゃないかと思えるくらい地味で存在感の無い女性だ。
もっと威圧的になって周りに威厳を振りかざす王しか俺は見てこなかった。文句も垂れずに、小さく切った料理を黙々と口に運ぶ王はなんだか新鮮だ。
「……」
「……」
しかも静か。俺が同席したっていうのに何も話しかけてこない。実は目が悪くて俺のことが見えていなかったりするのか?
花の香りと蝶が飛ぶ。朝の微風でクロスがなびくテーブルセット。新鮮な野菜の咀嚼音をそっと聞くだけの時間が流れている。
ようやく女王から話しかけてもらえたのは、彼女がひと通りの食事を済ませてから。
「お嫌いな食材がありましたか?」
ナフキンで口を拭いながら合間で言った一言だった。そこから女王は片付けを指示する片手間で、俺に言葉を続ける。
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「もちろん。仕事なんで」
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「命を落とすことに恐怖は抱きませんわ。むしろ、死んだ方が幸せになれると断言してくださるなら、今すぐにでもそうしたいくらいです。想像を超える人数が、わたくしの存在を邪魔と感じているようでもありますし」
女王のもとへ小さなケーキが運ばれてきた。食後のワインも一緒にだ。
そのケーキをスプーンで掬ってひと口をじっくりじっくりと噛み締めている。こんな余裕ぶりは、確かに口だけじゃないなと思う。命や王座を脅かされていても、よっぽどの自信があるのか相手にしていない風にも感じた。
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二口目のスプーンは寸前のところで俺が手を伸ばしてそっと取り上げた。そして、女王の小さな口に食べさせてあげる。
未亡人でも、女王だったとしても、女であることは変わらないし特別じゃない。こうやって小さなサプライズに驚いて目を丸くするところはちょっと可愛いじゃない。
「俺が支えてあげますよ? 若い男は頼りないですか?」
驚いて見つめてくる女王の手に「どうぞ」と言ってスプーンを返した。「美味しい?」と尋ねて微笑んでも見せた。王族の女も貴族の女もロマンスを夢見るのがブームだ。幾つになってもな。
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