24 / 40
親 友
しおりを挟む
まどかは、放課後の体操クラブの練習が終わり帰宅しようとする。
「まーどかー」昌子が、まどかの体に飛びつく。
「きゃー、驚いた!」突然の出来事にまどかは驚く。とは言っても、これは毎日繰り返されている儀式のような物なのだが……。
「昌子ちゃん、どうしたの?」こんなクラブ活動の終わる時間まで、自分を待っていた昌子の行動を不思議に思った。
「うーん、ちょっと話があるんだけど……」昌子が改まって、少しだけ真面目な顔をする。
「なに?」まどかは、何の事なのか見当がつかなかった。
「この前あった……、近藤せ、近藤さんって人の事なんだけど……」昌子の口から、その名前を聞いたまどかは少し頬を赤らめた。
「む、睦樹さんの事を、昌子ちゃん知っているの?」まどかが、睦樹を下の名前で呼ぶ事に、少しだけ嫉妬する自分が要ることを昌子は自覚している。
しかし、今の自分は、睦樹と恋人同士だった時の自分とは違うと自ら言い聞かせる。
「あの人……、あまり歳が離れ過ぎている人と付き合っているまどかを見ると、大丈夫かなと思って……」昌子はうまく自分の気持ちを伝える事が出来ないでヤキモキしている。
「睦樹さんはね、なんて言うのかな……、他の男の人と違うっていうか……、私も解らないのだけど、落ち着くのよ」まどかは、好きと言う言葉を使わずに、睦樹の存在を説明しようと試みているようであった。
「でも、あの人と一緒に居ると、まどかが辛い思いをするかもしれないのよ」昌子にとって、それは確信に近いものであった。きっと、まどかはこのままでは、不幸になる。彼女にそんな思いをさせたくない、それが昌子の気持ちであった。
「ありがとう、昌子ちゃん。でも、大丈夫だよ、私はあの人といると、ほっとするの。今は、ずっと睦樹さんの事だけ……、彼の事だけ、見ていたい」その言葉を聞いて、昌子は何も言い返せなくなった。
「そうか……、じゃあ仕方ないな。俺のまどかを他の男に取られたく無かったんだけどなぁ」昌子は、先程までとは全く別人のような雰囲気で喋りだした。
「大丈夫だよ。私、昌子ちゃんの事も大好きだよ」まどかは、頭を少しだけ傾けて、その言葉を言った。
昌子は、そのまどかの姿を見て、更に彼女の事が心配になった。
「でもね、でもね……、なにかエッチな事とか変な事とかされたら、すぐに言うんだよ。私がボコボコにしてやるから!」言いながら、昌子は指をボキボキ鳴らした。
「うん、解った!」二人は手を繋ぎ学校を後にした。
「まーどかー」昌子が、まどかの体に飛びつく。
「きゃー、驚いた!」突然の出来事にまどかは驚く。とは言っても、これは毎日繰り返されている儀式のような物なのだが……。
「昌子ちゃん、どうしたの?」こんなクラブ活動の終わる時間まで、自分を待っていた昌子の行動を不思議に思った。
「うーん、ちょっと話があるんだけど……」昌子が改まって、少しだけ真面目な顔をする。
「なに?」まどかは、何の事なのか見当がつかなかった。
「この前あった……、近藤せ、近藤さんって人の事なんだけど……」昌子の口から、その名前を聞いたまどかは少し頬を赤らめた。
「む、睦樹さんの事を、昌子ちゃん知っているの?」まどかが、睦樹を下の名前で呼ぶ事に、少しだけ嫉妬する自分が要ることを昌子は自覚している。
しかし、今の自分は、睦樹と恋人同士だった時の自分とは違うと自ら言い聞かせる。
「あの人……、あまり歳が離れ過ぎている人と付き合っているまどかを見ると、大丈夫かなと思って……」昌子はうまく自分の気持ちを伝える事が出来ないでヤキモキしている。
「睦樹さんはね、なんて言うのかな……、他の男の人と違うっていうか……、私も解らないのだけど、落ち着くのよ」まどかは、好きと言う言葉を使わずに、睦樹の存在を説明しようと試みているようであった。
「でも、あの人と一緒に居ると、まどかが辛い思いをするかもしれないのよ」昌子にとって、それは確信に近いものであった。きっと、まどかはこのままでは、不幸になる。彼女にそんな思いをさせたくない、それが昌子の気持ちであった。
「ありがとう、昌子ちゃん。でも、大丈夫だよ、私はあの人といると、ほっとするの。今は、ずっと睦樹さんの事だけ……、彼の事だけ、見ていたい」その言葉を聞いて、昌子は何も言い返せなくなった。
「そうか……、じゃあ仕方ないな。俺のまどかを他の男に取られたく無かったんだけどなぁ」昌子は、先程までとは全く別人のような雰囲気で喋りだした。
「大丈夫だよ。私、昌子ちゃんの事も大好きだよ」まどかは、頭を少しだけ傾けて、その言葉を言った。
昌子は、そのまどかの姿を見て、更に彼女の事が心配になった。
「でもね、でもね……、なにかエッチな事とか変な事とかされたら、すぐに言うんだよ。私がボコボコにしてやるから!」言いながら、昌子は指をボキボキ鳴らした。
「うん、解った!」二人は手を繋ぎ学校を後にした。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定

【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる