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彼女のトキメキ
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まどかは、自分でも驚いていた。
まさか、自分が男の人を映画に誘う事があるなんて……、夢にも思わなかった。
彼女は父親以外の男の人と二人で出かけるなんて、今まで経験したことがないのだ。
まさに彼女にとって、それは初体験なのである。
彼女はすでに、ストーカー男に襲われそうになった事を忘れているかのようだった。逆に、むしろあの男のお陰で睦樹とこんなに話せるようになった事を感謝するくらいだ。
「睦樹さんは、どんな服で来るんだろう……。どの服を着ていけばいいのだろうか……、制服はありえないし……」彼女は何を着て行くか迷っていた。異性の目を気にして服を選んだ事など今まで経験なかったのが本音だ。
「お母さん、この服おかしくない?」まどかは、母親に自分のコーディネートの批評をお願いした。
「うーん、ちょっとそれはスカート短くない?階段の下から下着が丸見えよ」白いフレアの可愛いスカート。
まどかのお気に入りなのだが、確かにそれは恥ずかしい。
今度は長めのスカート。
「うーん、それは逆に長すぎるかなぁ」頬杖をつきながら母は批評をつづける。
「あの膝下位のが、いいんじゃないの。ピンクのやつ」まどかの持っている服を、よく把握しているようだった。
「ピンクかぁ……、子供っぽくないかなぁ」まどかは、腕組をしながら呟いた。
「なに言ってるのよ。まどかは、可愛いピンクが似合うのよ。それから、このスカーフ巻いたほうが良くない?」母はタンスの中からスカーフを取り出すと、まどかの首元に巻き付けた。
「私、制服以外でスカーフなんて……、スカーフかぁ……、でも、おかしくない」言いながら、満更でもない様子であった。
「いきなりどうしたの?昌子ちゃんと出かけるの?」昌子とはまどかの友達の名前であった。
「昌子ちゃんは、急に都合が悪くなったから、他の人と行く事になったの……、そ、そういえば、お父さん今日は遅いねぇ……」まどかは言いながら、そそくさと部屋に逃げるように入っていった。
「これは、きっと男だね……」母の目がキラリと光った。
その風貌は、名探偵のように見えた。
まさか、自分が男の人を映画に誘う事があるなんて……、夢にも思わなかった。
彼女は父親以外の男の人と二人で出かけるなんて、今まで経験したことがないのだ。
まさに彼女にとって、それは初体験なのである。
彼女はすでに、ストーカー男に襲われそうになった事を忘れているかのようだった。逆に、むしろあの男のお陰で睦樹とこんなに話せるようになった事を感謝するくらいだ。
「睦樹さんは、どんな服で来るんだろう……。どの服を着ていけばいいのだろうか……、制服はありえないし……」彼女は何を着て行くか迷っていた。異性の目を気にして服を選んだ事など今まで経験なかったのが本音だ。
「お母さん、この服おかしくない?」まどかは、母親に自分のコーディネートの批評をお願いした。
「うーん、ちょっとそれはスカート短くない?階段の下から下着が丸見えよ」白いフレアの可愛いスカート。
まどかのお気に入りなのだが、確かにそれは恥ずかしい。
今度は長めのスカート。
「うーん、それは逆に長すぎるかなぁ」頬杖をつきながら母は批評をつづける。
「あの膝下位のが、いいんじゃないの。ピンクのやつ」まどかの持っている服を、よく把握しているようだった。
「ピンクかぁ……、子供っぽくないかなぁ」まどかは、腕組をしながら呟いた。
「なに言ってるのよ。まどかは、可愛いピンクが似合うのよ。それから、このスカーフ巻いたほうが良くない?」母はタンスの中からスカーフを取り出すと、まどかの首元に巻き付けた。
「私、制服以外でスカーフなんて……、スカーフかぁ……、でも、おかしくない」言いながら、満更でもない様子であった。
「いきなりどうしたの?昌子ちゃんと出かけるの?」昌子とはまどかの友達の名前であった。
「昌子ちゃんは、急に都合が悪くなったから、他の人と行く事になったの……、そ、そういえば、お父さん今日は遅いねぇ……」まどかは言いながら、そそくさと部屋に逃げるように入っていった。
「これは、きっと男だね……」母の目がキラリと光った。
その風貌は、名探偵のように見えた。
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