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百年の恋

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「ねえ、お兄ちゃん! もう一度、チューして!」華麗が可愛い唇を響樹に突き出してきた。 いつの間にか、響樹はお兄ちゃんに昇格したようだ。

「か、華麗はさっき変身したろう! 今度は私の番だ!」静香が華麗の体を押しのけてアピールする。

「ちょ、ちょっと待ってくれ! それよりも勇希先輩を探さないと!」主旨を見失った二人を響樹は軌道修正した。

「静香、さっきの詩織って女は一体誰なの?」シンディが先ほど襲ってきた、詩織のことを静香に尋ねた。 その名前を聞いた静香の表情が一変した。

「詩織は、私の幼馴染だ。 私は貧しい侍の娘、詩織はある財閥の娘であった。 身分の差を越えて詩織は私に対等に接してくれた数少ない友だった・・・・・・・」静香は空を見上げる。

「ある日、私達の前に、響助という男が現れた。私達二人は彼に恋をした。・・・・・・・だが、それは報われない恋であった。詩織には素質が無かったのだ。 彼女は平凡な幸せを手に入れていると思っていたのだが・・・・・・・・」静香の目が悲しそうに、その時の気持ちを語っていた。

「でも、あの姿はとても百歳以上には見えないぞ」響樹は皆が感じた疑問を口にした。

「それは、・・・・・・・私にも解らない」一同に沈黙が流れる。
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