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君と黒猫
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また、美桜のラジオ収録の付き添いにきている。彼女の送り迎えが俺の役目のようになってきた。
放送局に到着し彼女を見送ってから、ZX10Rを移動させる。局の中に入ろうとするとしゃがんで黒猫と笑顔で戯れる桃子の姿があった。
「よっ……」なぜか声をかけてしまった。
「あっ、リア充……」ミニスカートで座り込む彼女白い太ももが露になっている。自然とそこに視線がいってしまった事を気づかれたようだ。
「ちっ!あんまり、ジロジロ見んなよ……」覚めた口調でまた舌打ちをした。本当に表裏の激しい奴だ。見られる事には慣れっこなのか、恥じらいの仕草は見られなかった。しかし、いつの間にか俺の名前はリア充になっていたのか。
「なんだ、お前猫好きなのか?」半分誤魔化すように聞いてみた。しかし、彼女にあんな笑顔が出来るのだと驚く。正直、美桜とラジオとの収録の時に見せた笑顔よりずっと可愛らしい顔であった。
「な、な、違うよ、たまたまいたから……」恥ずかしそうに立ち上がった。そういうところを人には見せたくないのかなと勝手に想像する。
「今日は仕事かい?」まあ、その姿を見れば仕事であることは一目瞭然なのであるが一応聞いてみる。
「当たり前だろ。仕事以外で来るかよ、こんな所……」いや、本当に口が悪いなコイツ。「あんたはまたMIONの……」珍しく桃子のほうから問いかけがあった。
「ああ、体のいいタクシーみたいなもんだよ」このままでは、毎週の送り迎えは当たり前になってしまうのだろう。
「いつも一緒だけど付き合ってんの?」不思議そうな顔をしている。そりゃ、アイドルが男連れでやってきたら、そう思うわな。マネージャーか付き人にしてもらったほうが無難かもしれない。小野寺社長にバイト代でないか今度きいてみよう。
「違うよ。たまたま俺の家にシェアハウスしてるから」たまたまと云うのは少し語弊があるが。
「なに、あんた達一緒に住んでるの?信じられないわ……」アイドル事務所によっては恋愛禁止って処もあるようだから、同じ屋根のしたに男が住んでいるなど信じられなくて当然のだわな。まあ、事務所の社長も最近越してきたし、なにより俺達は別に恋人ではないし、美桜もそんな感情などないであろう。
「俺達、別にそんなんじゃねえし……」
「ふーん……そうなんだ」質問しておいて、結局はあまり俺には興味は無い様子であった。
「おーい!桃子!そろそろスタンバイしろ!」彼女の関係者らしい男の声がする。
「あーい」かなり怠そうに手を挙げると彼女は局の中に入っていた。
放送局に到着し彼女を見送ってから、ZX10Rを移動させる。局の中に入ろうとするとしゃがんで黒猫と笑顔で戯れる桃子の姿があった。
「よっ……」なぜか声をかけてしまった。
「あっ、リア充……」ミニスカートで座り込む彼女白い太ももが露になっている。自然とそこに視線がいってしまった事を気づかれたようだ。
「ちっ!あんまり、ジロジロ見んなよ……」覚めた口調でまた舌打ちをした。本当に表裏の激しい奴だ。見られる事には慣れっこなのか、恥じらいの仕草は見られなかった。しかし、いつの間にか俺の名前はリア充になっていたのか。
「なんだ、お前猫好きなのか?」半分誤魔化すように聞いてみた。しかし、彼女にあんな笑顔が出来るのだと驚く。正直、美桜とラジオとの収録の時に見せた笑顔よりずっと可愛らしい顔であった。
「な、な、違うよ、たまたまいたから……」恥ずかしそうに立ち上がった。そういうところを人には見せたくないのかなと勝手に想像する。
「今日は仕事かい?」まあ、その姿を見れば仕事であることは一目瞭然なのであるが一応聞いてみる。
「当たり前だろ。仕事以外で来るかよ、こんな所……」いや、本当に口が悪いなコイツ。「あんたはまたMIONの……」珍しく桃子のほうから問いかけがあった。
「ああ、体のいいタクシーみたいなもんだよ」このままでは、毎週の送り迎えは当たり前になってしまうのだろう。
「いつも一緒だけど付き合ってんの?」不思議そうな顔をしている。そりゃ、アイドルが男連れでやってきたら、そう思うわな。マネージャーか付き人にしてもらったほうが無難かもしれない。小野寺社長にバイト代でないか今度きいてみよう。
「違うよ。たまたま俺の家にシェアハウスしてるから」たまたまと云うのは少し語弊があるが。
「なに、あんた達一緒に住んでるの?信じられないわ……」アイドル事務所によっては恋愛禁止って処もあるようだから、同じ屋根のしたに男が住んでいるなど信じられなくて当然のだわな。まあ、事務所の社長も最近越してきたし、なにより俺達は別に恋人ではないし、美桜もそんな感情などないであろう。
「俺達、別にそんなんじゃねえし……」
「ふーん……そうなんだ」質問しておいて、結局はあまり俺には興味は無い様子であった。
「おーい!桃子!そろそろスタンバイしろ!」彼女の関係者らしい男の声がする。
「あーい」かなり怠そうに手を挙げると彼女は局の中に入っていた。
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