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バーニング・エンジェルズ・アライブ(ヒーロー編)
ナオミのお誘い
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銀行の襲撃事件から一日明けた。
新聞でも、事件のことが取り上げられていた。 銃を持った犯人の襲撃によるものであるのに、取り上げられ方は極めて小さい。テレビでは全く事件に触れられることはなかった。
俺は、イツミという少女に事件現場から離れた場所に放置された為、警察の事情聴取等に応じる事無く、家に帰宅した。肩に負った傷もたいした事が無かったようで、一晩すると全く気にならなくなっていた。
「おはよう!榊」村上の声がした。「おう、オッス!」俺は元気に返答した。
「昨日、二丁目の銀行が強盗に襲われたんだってさ、知ってた?」村上はまるで自慢するかのように語りかけてきた。
「ああ、俺もATMで預金下ろしていたら、巻き込まれて大変だったよ」俺は背中の骨を軽く鳴らした。ボキッと心地の良い音が響く。
「えっ! 本当かよ・・・・・・」村上は驚嘆の声をあげた。事件現場に俺が居た事が不満のようであった。
「あの、すいません・・・・・・・ 岬樹さんですか?」後ろから、素晴らしく綺麗な声が聞こえる。
「ん?」俺は声のする方向に目を向ける。それは、目を疑う光景であった。 そこには、まさか・・・・・・、憧れの麗しき総持寺 直美様の姿があった。
「岬樹・・・・・・ 榊 岬樹さんですよね・・・・・・」直美様が再確認する。
「・・・・・・・ふぁい、そうれす!」緊張のあまり、返事にならない声をあげた。 村上がその様子を呆然と眺めている。
「あの・・・・・・、お話があるのですが、放課後にお付き合いいただけますか?」直美様の美しい声が聞こえる。
「えっ、どういうことですか?」彼女の言っている意味が理解出来なくて確認した。
「放課後に、お時間をいただきたいのです」直美様が返答された。
「ぼっ、俺で宜しければ、いつでも・・・・・・ 大丈夫です!」俺は精一杯大きな声で返答した。
「有難うございます。 それでは夕方4時頃に西高の校門前までお迎えに行きます」そういうと、直美様は微笑みながら会釈をして覇王女学院に向かって小走りでかけていった。
「おい、一体どういうことだよ!」村上が俺の襟首を掴んだ。
「ボクニモワカリマセン」大きく開いた鼻の穴で息をしながら俺はコンピュータのような声で返答した。
「お前に、覇王エンジェルズの直美様からお声がかかるなんて脅迫かなんかしたんだろう! どんな弱みを握ったんだ! 教えろ! 直美様のホクロの場所か! それとも、まさか・・・・・・脅迫か! 」村上のこめかみに漫画でよく見る、十字型の血管が浮き上がっている。
この麗しき 直美様を含めて、数人の覇王女学園のお嬢様達が『覇王エンジェルズ』と呼ばれているそうだ。
「君、何を言っているんだい? 俺はそんなことしていないよ」何故か心に余裕が出来て、村上を見下したような言葉が口から出た。
「お前・・・・・・ ジュースおごれよ」村上は俺の襟首から手を離した。
「それで君の気が済むのなら、何本でも、おごってあげるよ。 村上君」俺の心は既に大気圏近くまで舞い上がっていた。
新聞でも、事件のことが取り上げられていた。 銃を持った犯人の襲撃によるものであるのに、取り上げられ方は極めて小さい。テレビでは全く事件に触れられることはなかった。
俺は、イツミという少女に事件現場から離れた場所に放置された為、警察の事情聴取等に応じる事無く、家に帰宅した。肩に負った傷もたいした事が無かったようで、一晩すると全く気にならなくなっていた。
「おはよう!榊」村上の声がした。「おう、オッス!」俺は元気に返答した。
「昨日、二丁目の銀行が強盗に襲われたんだってさ、知ってた?」村上はまるで自慢するかのように語りかけてきた。
「ああ、俺もATMで預金下ろしていたら、巻き込まれて大変だったよ」俺は背中の骨を軽く鳴らした。ボキッと心地の良い音が響く。
「えっ! 本当かよ・・・・・・」村上は驚嘆の声をあげた。事件現場に俺が居た事が不満のようであった。
「あの、すいません・・・・・・・ 岬樹さんですか?」後ろから、素晴らしく綺麗な声が聞こえる。
「ん?」俺は声のする方向に目を向ける。それは、目を疑う光景であった。 そこには、まさか・・・・・・、憧れの麗しき総持寺 直美様の姿があった。
「岬樹・・・・・・ 榊 岬樹さんですよね・・・・・・」直美様が再確認する。
「・・・・・・・ふぁい、そうれす!」緊張のあまり、返事にならない声をあげた。 村上がその様子を呆然と眺めている。
「あの・・・・・・、お話があるのですが、放課後にお付き合いいただけますか?」直美様の美しい声が聞こえる。
「えっ、どういうことですか?」彼女の言っている意味が理解出来なくて確認した。
「放課後に、お時間をいただきたいのです」直美様が返答された。
「ぼっ、俺で宜しければ、いつでも・・・・・・ 大丈夫です!」俺は精一杯大きな声で返答した。
「有難うございます。 それでは夕方4時頃に西高の校門前までお迎えに行きます」そういうと、直美様は微笑みながら会釈をして覇王女学院に向かって小走りでかけていった。
「おい、一体どういうことだよ!」村上が俺の襟首を掴んだ。
「ボクニモワカリマセン」大きく開いた鼻の穴で息をしながら俺はコンピュータのような声で返答した。
「お前に、覇王エンジェルズの直美様からお声がかかるなんて脅迫かなんかしたんだろう! どんな弱みを握ったんだ! 教えろ! 直美様のホクロの場所か! それとも、まさか・・・・・・脅迫か! 」村上のこめかみに漫画でよく見る、十字型の血管が浮き上がっている。
この麗しき 直美様を含めて、数人の覇王女学園のお嬢様達が『覇王エンジェルズ』と呼ばれているそうだ。
「君、何を言っているんだい? 俺はそんなことしていないよ」何故か心に余裕が出来て、村上を見下したような言葉が口から出た。
「お前・・・・・・ ジュースおごれよ」村上は俺の襟首から手を離した。
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