33 / 64
バーニング・エンジェルズ・アライブ(ヒーロー編)
ナオミのお誘い
しおりを挟む
銀行の襲撃事件から一日明けた。
新聞でも、事件のことが取り上げられていた。 銃を持った犯人の襲撃によるものであるのに、取り上げられ方は極めて小さい。テレビでは全く事件に触れられることはなかった。
俺は、イツミという少女に事件現場から離れた場所に放置された為、警察の事情聴取等に応じる事無く、家に帰宅した。肩に負った傷もたいした事が無かったようで、一晩すると全く気にならなくなっていた。
「おはよう!榊」村上の声がした。「おう、オッス!」俺は元気に返答した。
「昨日、二丁目の銀行が強盗に襲われたんだってさ、知ってた?」村上はまるで自慢するかのように語りかけてきた。
「ああ、俺もATMで預金下ろしていたら、巻き込まれて大変だったよ」俺は背中の骨を軽く鳴らした。ボキッと心地の良い音が響く。
「えっ! 本当かよ・・・・・・」村上は驚嘆の声をあげた。事件現場に俺が居た事が不満のようであった。
「あの、すいません・・・・・・・ 岬樹さんですか?」後ろから、素晴らしく綺麗な声が聞こえる。
「ん?」俺は声のする方向に目を向ける。それは、目を疑う光景であった。 そこには、まさか・・・・・・、憧れの麗しき総持寺 直美様の姿があった。
「岬樹・・・・・・ 榊 岬樹さんですよね・・・・・・」直美様が再確認する。
「・・・・・・・ふぁい、そうれす!」緊張のあまり、返事にならない声をあげた。 村上がその様子を呆然と眺めている。
「あの・・・・・・、お話があるのですが、放課後にお付き合いいただけますか?」直美様の美しい声が聞こえる。
「えっ、どういうことですか?」彼女の言っている意味が理解出来なくて確認した。
「放課後に、お時間をいただきたいのです」直美様が返答された。
「ぼっ、俺で宜しければ、いつでも・・・・・・ 大丈夫です!」俺は精一杯大きな声で返答した。
「有難うございます。 それでは夕方4時頃に西高の校門前までお迎えに行きます」そういうと、直美様は微笑みながら会釈をして覇王女学院に向かって小走りでかけていった。
「おい、一体どういうことだよ!」村上が俺の襟首を掴んだ。
「ボクニモワカリマセン」大きく開いた鼻の穴で息をしながら俺はコンピュータのような声で返答した。
「お前に、覇王エンジェルズの直美様からお声がかかるなんて脅迫かなんかしたんだろう! どんな弱みを握ったんだ! 教えろ! 直美様のホクロの場所か! それとも、まさか・・・・・・脅迫か! 」村上のこめかみに漫画でよく見る、十字型の血管が浮き上がっている。
この麗しき 直美様を含めて、数人の覇王女学園のお嬢様達が『覇王エンジェルズ』と呼ばれているそうだ。
「君、何を言っているんだい? 俺はそんなことしていないよ」何故か心に余裕が出来て、村上を見下したような言葉が口から出た。
「お前・・・・・・ ジュースおごれよ」村上は俺の襟首から手を離した。
「それで君の気が済むのなら、何本でも、おごってあげるよ。 村上君」俺の心は既に大気圏近くまで舞い上がっていた。
新聞でも、事件のことが取り上げられていた。 銃を持った犯人の襲撃によるものであるのに、取り上げられ方は極めて小さい。テレビでは全く事件に触れられることはなかった。
俺は、イツミという少女に事件現場から離れた場所に放置された為、警察の事情聴取等に応じる事無く、家に帰宅した。肩に負った傷もたいした事が無かったようで、一晩すると全く気にならなくなっていた。
「おはよう!榊」村上の声がした。「おう、オッス!」俺は元気に返答した。
「昨日、二丁目の銀行が強盗に襲われたんだってさ、知ってた?」村上はまるで自慢するかのように語りかけてきた。
「ああ、俺もATMで預金下ろしていたら、巻き込まれて大変だったよ」俺は背中の骨を軽く鳴らした。ボキッと心地の良い音が響く。
「えっ! 本当かよ・・・・・・」村上は驚嘆の声をあげた。事件現場に俺が居た事が不満のようであった。
「あの、すいません・・・・・・・ 岬樹さんですか?」後ろから、素晴らしく綺麗な声が聞こえる。
「ん?」俺は声のする方向に目を向ける。それは、目を疑う光景であった。 そこには、まさか・・・・・・、憧れの麗しき総持寺 直美様の姿があった。
「岬樹・・・・・・ 榊 岬樹さんですよね・・・・・・」直美様が再確認する。
「・・・・・・・ふぁい、そうれす!」緊張のあまり、返事にならない声をあげた。 村上がその様子を呆然と眺めている。
「あの・・・・・・、お話があるのですが、放課後にお付き合いいただけますか?」直美様の美しい声が聞こえる。
「えっ、どういうことですか?」彼女の言っている意味が理解出来なくて確認した。
「放課後に、お時間をいただきたいのです」直美様が返答された。
「ぼっ、俺で宜しければ、いつでも・・・・・・ 大丈夫です!」俺は精一杯大きな声で返答した。
「有難うございます。 それでは夕方4時頃に西高の校門前までお迎えに行きます」そういうと、直美様は微笑みながら会釈をして覇王女学院に向かって小走りでかけていった。
「おい、一体どういうことだよ!」村上が俺の襟首を掴んだ。
「ボクニモワカリマセン」大きく開いた鼻の穴で息をしながら俺はコンピュータのような声で返答した。
「お前に、覇王エンジェルズの直美様からお声がかかるなんて脅迫かなんかしたんだろう! どんな弱みを握ったんだ! 教えろ! 直美様のホクロの場所か! それとも、まさか・・・・・・脅迫か! 」村上のこめかみに漫画でよく見る、十字型の血管が浮き上がっている。
この麗しき 直美様を含めて、数人の覇王女学園のお嬢様達が『覇王エンジェルズ』と呼ばれているそうだ。
「君、何を言っているんだい? 俺はそんなことしていないよ」何故か心に余裕が出来て、村上を見下したような言葉が口から出た。
「お前・・・・・・ ジュースおごれよ」村上は俺の襟首から手を離した。
「それで君の気が済むのなら、何本でも、おごってあげるよ。 村上君」俺の心は既に大気圏近くまで舞い上がっていた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
隻腕のミーク ※近未来サイボーグ、SF技術を駆使し異世界のトラブルに立ち向かう
やまたけ
ファンタジー
左腕と左目に最先端の技術を組み込まれたサイボーグ、彼女の名は大島美玖。その下の名から親しい友人からは「ミーク」というあだ名で呼ばれていた。
彼女は西暦3000年は経過した地球にて、人類の愚かな所業により、破滅まで後一歩のところまで来ていた中、自身に備え付けられた最新鋭の武器を用いながら必死に抗い生き延びていた。だがその抵抗虚しく、大量の自動攻撃型ドローンの一斉攻撃に遭い絶命してしまう。
しかし死んだ筈の彼女は目を覚ます。するとそこは、これまで見た事の無い、魔法や魔物が存在する世界だった。
近未来サイボーグが異世界で様々なトラブルに巻き込まれながら、とある想いを捨てきれずも精一杯生きていく物語。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

愛、信じますか?
椿紅颯
SF
人間型アンドロイドの『リサ』。
彼女には自らの意思はなく、所有者からの指示でしか行動できない。
そんなアンドロイドと二人で生活する『文哉』。
彼はそんな彼女と二人暮らしをしている。そして、実はもう一人(?)彼女と同名の『リサ』が居る。
文哉はそのリサを現実のリサに重ねていた。
文哉は引っ越しを明日に控えた夜、ある計画を実行する。
その計画は思いもよらぬ方向へ傾き進み始めた――。
魔法大全 最強魔法師は無自覚
yahimoti
ファンタジー
鑑定の儀で魔法の才能がなかったので伯爵家を勘当されてしまう。
ところが停止した時間と老化しない空間に入れるのをいいことに100年単位で無自覚に努力する。
いつのまにか魔法のマスターになっているのだけど魔法以外の事には無関心。
無自覚でコミュ障の主人公をほっとけない婚約者。
見え隠れする神『ジュ』と『使徒』は敵なのか味方なのか?のほほんとしたコメディです。

アシュターからの伝言
あーす。
SF
プレアデス星人アシュターに依頼を受けたアースルーリンドの面々が、地球に降り立つお話。
なんだけど、まだ出せない情報が含まれてるためと、パーラーにこっそり、メモ投稿してたのにパーラーが使えないので、それまで現実レベルで、聞いたり見たりした事のメモを書いています。
テレパシー、ビジョン等、現実に即した事柄を書き留め、どこまで合ってるかの検証となります。
その他、王様の耳はロバの耳。
そこらで言えない事をこっそりと。
あくまで小説枠なのに、検閲が入るとか理解不能。
なので届くべき人に届けばそれでいいお話。
にして置きます。
分かる人には分かる。
響く人には響く。
何かの気づきになれば幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる