8 / 64
吼えろ!バーニング・エンジェルズ (ヒロイン編)
バーニ!出陣!!
しおりを挟む
ナオミは黒いヘルメット、そして全身黒色のライダースーツを身に纏い、真っ赤な大型のオートバイで指定された場所へと向かっていた。
防高では、取得可能な年齢に達すると乗り物の資格は取得するように奨励すいしょうされている。自動二輪の免許に関しては同学年以上の生徒達は、ほぼ全員が取得済みである。
本日、北島教官よりナオミへ新たな指令が言い渡された。都心の中心部で不可思議な振動が計測されており、国の重要施設が倒壊の危険があるそうだ。
自衛隊と警察が現場に向かい調査・救助活動をしているのだが、念の為に現場近くで待機。
そんな指示が出ていた。ただし、極力ほかの人に姿を見せないように行動しろとのおまけも付いていた。
現場から少し離れた小高い場所に到着すると、フルフェイスのヘルメットのシールドを上げて現場の様子を窺うかがう為に目を凝らした。
ジーという音と共にピントが調整されて遠くの様子が確認できるようになった。視力検査をするともしかして5.0とかの数値が出るのかもしれない。
大きな塀に囲まれた建物の周りには、消防車・救急車・パトカーなど数え切れないほどの緊急車両がサイレンを輝かせながら集結している。
建物のまわりは、今も不気味な地響きが響き渡る。
「一体、なにが起こっているの・・・・・・?」ナオミは今にも倒壊しそうな建築物に目をやった。人影の姿が確認できる。
(あっ、あれは!)
見覚えのある男性の姿が目に映った。
(純一さん!)ナオミの視線の先には狩屋淳一刑事の姿が映っていた。
狩屋達は建物の正面玄関前に待機していた。
所轄内で不可思議な現象が起こっているとの連絡があった。本来であれば、狩屋は仕事を終えて帰宅の徒についていた筈である。文句をいう後輩達と共に、車に乗り込み現場へと駆けつけた。
狩屋達が、現場に到着するとそこには目を疑う光景が現れた。地震が発生したという情報は一切無いのだが、この建物だけが激しく振動しているのだ。それも継続的に震えているようである。建物は今にも、倒壊しそうな状況であった。
「もう中には人はいないのか!」狩屋は少し厳しい口調で状況を確認した。
「はい、一応確認しましたが、全員避難したようです」巡査が敬礼をしながら狩屋に返答した。
「一応って、本当に確認したのか?」更に狩屋の口調が厳しさを増した。
「あっ・・・・・・えっ・・・・・・それは・・・・・・」確証はないようだ。キチンとした報告が来ない事で、狩屋は少し苛立ちを感じていた。
「まったく・・・・・あっ、おい、あれは!」狩屋が指差した建物の中に人が横切るような影が見えた。
「まだ、中に人がいるじゃないか・・・・・・!」そう呟くと狩屋は数人の巡査と供に正面玄関へ向かった。
ナオミは両目の視力をもう一度、調整し様子を確認した。
建物の中に、数人の男たちが突入していく。
「あれは、・・・・・・純一さん!」突入する男たちの中に、狩屋の姿を見つけた。
突入と同時に狩屋達が飛び込んだ建物の入り口が倒壊した。倒壊した辺りに激しく動く人影のようなものが見えた。
普通の人間の肉眼ではその状況を確認することは困難であったであろう。
(あれは・・・・・・人!)
「純一さん・・・・・・助けなきゃ!」バイクの飛び乗りキックでエンジンをかけ、スロットルを全開してから、地面を蹴りバイクを急発進させる。発進した後には、凄いほこりが巻き上がった。ナオミはハンドルを持ち上げて、バイクをウィリーさせた。
真っ赤なバイクは、停止しているパトカーの屋根を踏み台にして空中を舞った。
野次馬達が気づいた時には、ライダーナオミの姿は消え、ただ、無人のバイクが建物に衝突しただけのようだった。野次馬達は目の前の状況を理解することは不可能であった。
ナオミは既に建物の三階の窓から内部に侵入していた。
姿を見せないようにという教官の指示は出来る限り守るつもりだ。
(出来るだけ目立たないように行動しなくちゃ!)ナオミは自分に言い聞かせるように念じた。
防高では、取得可能な年齢に達すると乗り物の資格は取得するように奨励すいしょうされている。自動二輪の免許に関しては同学年以上の生徒達は、ほぼ全員が取得済みである。
本日、北島教官よりナオミへ新たな指令が言い渡された。都心の中心部で不可思議な振動が計測されており、国の重要施設が倒壊の危険があるそうだ。
自衛隊と警察が現場に向かい調査・救助活動をしているのだが、念の為に現場近くで待機。
そんな指示が出ていた。ただし、極力ほかの人に姿を見せないように行動しろとのおまけも付いていた。
現場から少し離れた小高い場所に到着すると、フルフェイスのヘルメットのシールドを上げて現場の様子を窺うかがう為に目を凝らした。
ジーという音と共にピントが調整されて遠くの様子が確認できるようになった。視力検査をするともしかして5.0とかの数値が出るのかもしれない。
大きな塀に囲まれた建物の周りには、消防車・救急車・パトカーなど数え切れないほどの緊急車両がサイレンを輝かせながら集結している。
建物のまわりは、今も不気味な地響きが響き渡る。
「一体、なにが起こっているの・・・・・・?」ナオミは今にも倒壊しそうな建築物に目をやった。人影の姿が確認できる。
(あっ、あれは!)
見覚えのある男性の姿が目に映った。
(純一さん!)ナオミの視線の先には狩屋淳一刑事の姿が映っていた。
狩屋達は建物の正面玄関前に待機していた。
所轄内で不可思議な現象が起こっているとの連絡があった。本来であれば、狩屋は仕事を終えて帰宅の徒についていた筈である。文句をいう後輩達と共に、車に乗り込み現場へと駆けつけた。
狩屋達が、現場に到着するとそこには目を疑う光景が現れた。地震が発生したという情報は一切無いのだが、この建物だけが激しく振動しているのだ。それも継続的に震えているようである。建物は今にも、倒壊しそうな状況であった。
「もう中には人はいないのか!」狩屋は少し厳しい口調で状況を確認した。
「はい、一応確認しましたが、全員避難したようです」巡査が敬礼をしながら狩屋に返答した。
「一応って、本当に確認したのか?」更に狩屋の口調が厳しさを増した。
「あっ・・・・・・えっ・・・・・・それは・・・・・・」確証はないようだ。キチンとした報告が来ない事で、狩屋は少し苛立ちを感じていた。
「まったく・・・・・あっ、おい、あれは!」狩屋が指差した建物の中に人が横切るような影が見えた。
「まだ、中に人がいるじゃないか・・・・・・!」そう呟くと狩屋は数人の巡査と供に正面玄関へ向かった。
ナオミは両目の視力をもう一度、調整し様子を確認した。
建物の中に、数人の男たちが突入していく。
「あれは、・・・・・・純一さん!」突入する男たちの中に、狩屋の姿を見つけた。
突入と同時に狩屋達が飛び込んだ建物の入り口が倒壊した。倒壊した辺りに激しく動く人影のようなものが見えた。
普通の人間の肉眼ではその状況を確認することは困難であったであろう。
(あれは・・・・・・人!)
「純一さん・・・・・・助けなきゃ!」バイクの飛び乗りキックでエンジンをかけ、スロットルを全開してから、地面を蹴りバイクを急発進させる。発進した後には、凄いほこりが巻き上がった。ナオミはハンドルを持ち上げて、バイクをウィリーさせた。
真っ赤なバイクは、停止しているパトカーの屋根を踏み台にして空中を舞った。
野次馬達が気づいた時には、ライダーナオミの姿は消え、ただ、無人のバイクが建物に衝突しただけのようだった。野次馬達は目の前の状況を理解することは不可能であった。
ナオミは既に建物の三階の窓から内部に侵入していた。
姿を見せないようにという教官の指示は出来る限り守るつもりだ。
(出来るだけ目立たないように行動しなくちゃ!)ナオミは自分に言い聞かせるように念じた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。

ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
3024年宇宙のスズキ
神谷モロ
SF
俺の名はイチロー・スズキ。
もちろんベースボールとは無関係な一般人だ。
21世紀に生きていた普通の日本人。
ひょんな事故から冷凍睡眠されていたが1000年後の未来に蘇った現代の浦島太郎である。
今は福祉事業団体フリーボートの社員で、福祉船アマテラスの船長だ。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
異世界で農業を -異世界編-
半道海豚
SF
地球温暖化が進んだ近未来のお話しです。世界は食糧難に陥っていますが、日本はどうにか食糧の確保に成功しています。しかし、その裏で、食糧マフィアが暗躍。誰もが食費の高騰に悩み、危機に陥っています。
そんな世界で自給自足で乗り越えようとした男性がいました。彼は農地を作るため、祖先が残した管理されていない荒れた山に戻ります。そして、異世界への通路を発見するのです。異常気象の元世界ではなく、気候が安定した異世界での農業に活路を見出そうとしますが、異世界は理不尽な封建制社会でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる