闘え！オルナス・バトルカーニバル！

一番弟子！？

「結構やられてるな……」リンのボディカバーを外して調整をする。先程の戦いで受け止めたモンキーバーストのせいで、肩に強烈な衝撃を受けたらしい。

「リン、大丈夫かな……」美鈴は不安そうな顔を見せる。

「ああ、予備のサスペンションを用意していたから……」ドライバーで部品を外して取り替える。

「あの……ビューティーはん……」振り返ると猿田の姿があった。

「なに、文句でも言いに来たの！？」美鈴は少しキツい口調で睨み付ける。

「いや……、さっきは熱くなってもうて、酷いことを言って申し訳ありませんでした」試合前の態度と違い、謙虚な感じであった。

「別に気にしてないから、もういいわよ」彼の態度の急変に、美鈴は驚いたようであったが、笑顔で返答した。

「あの……、それから、ワシ、いや僕、ビューティーはんに惚れ込みました。弟子にしてください！」土下座しそうな勢いである。

「弟子！？」美鈴は身を見開いた。

「僕、パンモンキーの出来と、操作には絶対の自信があったんです。関西の大会でも負けたことなかったし、ホンマに井の中の蛙でしたわ。それでビューティーはんと戦って、目が覚めましたんや！お願いします」もう土下座状態であった。

「そんな、私は……、リンの調整だって、彼が……」彼女は俺の顔を見る。突然の展開に、俺は口が空いたままになっている。

「そうですか、二番でもええんで、この通りお願いします！」今度は手を合わせて懇願する。

「二番って！？」一番はもしかして……、俺の事か？

「アキトは弟子じゃなくて友達よ……。そうね、それじゃあ、お友達になりましょう。駄目かな」猿田には、美鈴の姿が女神のように見えたであろう。

「ホンマですか！？ありがとうございます！」立ち上がると猿田は美鈴に抱きついた。

「きゃ！」

「ちょっと……」俺は猿田の肩を叩きなから咳払いをする。

「なんや、アンタはビューティーはんの恋人なんか？」猿田は半開きの目で俺を睨み付ける。

「いや……、それは……」そう言いたいところではあるが……。

「アキトもお友達よ。仲良くしましょう」美鈴は微笑んだ。

「はい、ビューティーはん！」猿田は絶対服従の顔を見せる。

「全く……！」俺は色々不満があったが、それを口にせず、リンの調整に集中する事にした。