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カーニバルが始まる
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大会当日の控え室。
周りは沢山の机が並べられ、その上で各々自分のオルナスの調整をしている。
他のオルナスの風貌はそれぞれのオーナーが自作して変えている物が多く、販売されているオルナスの風貌からはほど遠いものも多い。皆さん強そうに見える。
俺達も、リンの調整をメインに行う。どちらかといえば、ギルとリンの姿はまともなほうであろう。
「しかし…、美鈴ちゃんはどうして、そんな格好してるの…」俺は美鈴の姿を見て深い溜息をつく。
「どう、私もリンに合わせてコスプレ作ったんだ。アキトその格好は、ギルとお揃いなんでしょう」たしかに、お祭りのように参加者はそれぞれ思い思いの衣装を着用してきているようである。俺の場合は極力、素性かばれないように黒いマスクにフードという出で立ちであった。それはギルの提案によるものであった。
「でも、さすがにそれは…」ピンクの短いスカートが絶妙の長さで彼女の下着が見えないようにガードしている。へそ丸出しで下乳が少し見えている。階段の下から見上げた物なら鼻血が止まらなくなるのは必然である。目の当たりは濃い緑のゴーグルで覆われているので、如月美鈴だとは誰も逆に思わないかもしれない。ただ、俺の意図とは逆に、彼女の側に居るだけで会場の注目の的であった。
「始まるわよ!」モニターに映る会場のライトが消えてスタジアムにスポットライトが当たる。
戦いの場所は二面用意された六角形の舞台。
ルールは至って簡単だ。六分間の間に相手を戦闘不能にするか、舞台から落とすかである。第二回大会より、武器の使用が認められるようになった。人間では実現不可能な異種格闘技大会が売りなのだそうだ。
会場に大きな音でミュージックが響く。「さあ、皆様!お待たせ致しました!第二回 オルナス バトルカーニバル開催です!!」手慣れた感じの司会者の声で大会ははじまった。
「今回の大会は、総勢57体のオルナスによる無差別トーナメントになります。優勝賞金はなんと500万円!手にする勝者はだれか!?なお、この大会はインターネットでリアルタイム放送をされます!」
「凄い演出だな…前回は、小さな体育館で観客もそんなに居なかったのに…」ここは、中規模なイベントが行われる会場で、5000人ほど収容出来るスペースがあった。その席はほぼ、満席でダフ屋行為も見られた。
「第一回の時よりもオルナスの認知度が上がったから、今回成功したら第三回はもっと凄くなるんじゃない。賞金も一億円とか」美鈴は解説者のように話しニコリと笑った。
「い、一億円!?」俺は腰が抜けそうになつた。
「もしかしたらよ、もしかしたら」
「参加人数も、前は10人くらいだったのに…」周りを見ると、鬼気迫る表情でメンテナンスに熱中するマスター達の姿が目に入る。俺達のようにお喋りする暇などないかのようであった。
「君は…、第一回大会のチャンピオンだよね」急に声をかけられ振り向くと、キリッとした大学生らしき男の姿。その肩には金色の楕円形に体を覆われたオルナスが立っている。
「あっ、はい、まぐれですけど…」彼の差し出してきた手に握手する。
「まぐれでもチャンピオンは、チャンピオンさ。僕の名前は光明寺輝彦だ」爽やかに微笑む、その白い歯が輝いたように見えた。
「ありがとうございます。僕は…アキトです。」俺は軽く会釈する。
「アキト君か。でも、今回はそのまぐれは通用しないよ。今回の優勝は、このキングフェニックスに決まっているんだからね」光明寺がそう言うと、彼の肩からキングフェニックスが飛び降りて、ギルの前にたった。何やら、品定めでもしているようであった。
「凄い、なんだか本当に生きてるみたいね」美鈴が、興味津々でその様子を見ている。
「そうさ、フェニックスは普通のオルナスとは違うんだ。それじゃあ失礼するよ」光明寺の肩にキングフェニックスが戻ると、彼は振り返って自分の控え場所に移動していった。
「なんだか感じ悪い人ね」美鈴は軽く舌を出した。
「そうだね…」何か胸に不安な気持ちが湧き起こってきた。
周りは沢山の机が並べられ、その上で各々自分のオルナスの調整をしている。
他のオルナスの風貌はそれぞれのオーナーが自作して変えている物が多く、販売されているオルナスの風貌からはほど遠いものも多い。皆さん強そうに見える。
俺達も、リンの調整をメインに行う。どちらかといえば、ギルとリンの姿はまともなほうであろう。
「しかし…、美鈴ちゃんはどうして、そんな格好してるの…」俺は美鈴の姿を見て深い溜息をつく。
「どう、私もリンに合わせてコスプレ作ったんだ。アキトその格好は、ギルとお揃いなんでしょう」たしかに、お祭りのように参加者はそれぞれ思い思いの衣装を着用してきているようである。俺の場合は極力、素性かばれないように黒いマスクにフードという出で立ちであった。それはギルの提案によるものであった。
「でも、さすがにそれは…」ピンクの短いスカートが絶妙の長さで彼女の下着が見えないようにガードしている。へそ丸出しで下乳が少し見えている。階段の下から見上げた物なら鼻血が止まらなくなるのは必然である。目の当たりは濃い緑のゴーグルで覆われているので、如月美鈴だとは誰も逆に思わないかもしれない。ただ、俺の意図とは逆に、彼女の側に居るだけで会場の注目の的であった。
「始まるわよ!」モニターに映る会場のライトが消えてスタジアムにスポットライトが当たる。
戦いの場所は二面用意された六角形の舞台。
ルールは至って簡単だ。六分間の間に相手を戦闘不能にするか、舞台から落とすかである。第二回大会より、武器の使用が認められるようになった。人間では実現不可能な異種格闘技大会が売りなのだそうだ。
会場に大きな音でミュージックが響く。「さあ、皆様!お待たせ致しました!第二回 オルナス バトルカーニバル開催です!!」手慣れた感じの司会者の声で大会ははじまった。
「今回の大会は、総勢57体のオルナスによる無差別トーナメントになります。優勝賞金はなんと500万円!手にする勝者はだれか!?なお、この大会はインターネットでリアルタイム放送をされます!」
「凄い演出だな…前回は、小さな体育館で観客もそんなに居なかったのに…」ここは、中規模なイベントが行われる会場で、5000人ほど収容出来るスペースがあった。その席はほぼ、満席でダフ屋行為も見られた。
「第一回の時よりもオルナスの認知度が上がったから、今回成功したら第三回はもっと凄くなるんじゃない。賞金も一億円とか」美鈴は解説者のように話しニコリと笑った。
「い、一億円!?」俺は腰が抜けそうになつた。
「もしかしたらよ、もしかしたら」
「参加人数も、前は10人くらいだったのに…」周りを見ると、鬼気迫る表情でメンテナンスに熱中するマスター達の姿が目に入る。俺達のようにお喋りする暇などないかのようであった。
「君は…、第一回大会のチャンピオンだよね」急に声をかけられ振り向くと、キリッとした大学生らしき男の姿。その肩には金色の楕円形に体を覆われたオルナスが立っている。
「あっ、はい、まぐれですけど…」彼の差し出してきた手に握手する。
「まぐれでもチャンピオンは、チャンピオンさ。僕の名前は光明寺輝彦だ」爽やかに微笑む、その白い歯が輝いたように見えた。
「ありがとうございます。僕は…アキトです。」俺は軽く会釈する。
「アキト君か。でも、今回はそのまぐれは通用しないよ。今回の優勝は、このキングフェニックスに決まっているんだからね」光明寺がそう言うと、彼の肩からキングフェニックスが飛び降りて、ギルの前にたった。何やら、品定めでもしているようであった。
「凄い、なんだか本当に生きてるみたいね」美鈴が、興味津々でその様子を見ている。
「そうさ、フェニックスは普通のオルナスとは違うんだ。それじゃあ失礼するよ」光明寺の肩にキングフェニックスが戻ると、彼は振り返って自分の控え場所に移動していった。
「なんだか感じ悪い人ね」美鈴は軽く舌を出した。
「そうだね…」何か胸に不安な気持ちが湧き起こってきた。
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