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初恋の君……、俺のリベンジ物語

初恋の君……、俺のリベンジ物語 ⑥

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「な、なんだって!?」生川が仰天する。

「おい、あんまり大きな声を出すなよ!」彼の口を手で押さえる。

「ふがふふ……」生川は息苦しそうに抵抗する。

「いいか、大きな声を出すなよ!」俺は念を押しながら彼の口から手を離す。

「で、でも本当なのか天野と篠原とダブルデートって!二人共学内で付き合いたい奴がわんさかいるぞ!お前、そんな二人を独占してるなんて知れたら……、これもんだぜ」言いながら彼は自分の首の辺りを手刀で横に切るような振りをした。実際にする奴を俺は初めて見たが……。

「いや、そこでお願いがあるんだけど、一緒に付き合ってくれないか?」

「えっ!!!!」また大声をあげるので口を塞ぐ。周りの生徒達が訝しげに俺達を見る。俺は誤魔化すように愛想笑いを振り撒いた。

「だから大声出すなって、篠原がもう一人連れてこいって言うのだけれど、俺お前以外知らなくってさ」転校初日にどっと囲んだ生徒達も今は俺への興味は失せたらしい。どちらかというと人付き合いが苦手な俺は生川ぐらいとしか会話をしない。

「マ、マジ!俺も行ってもいいの!?」かなり興奮気味である。鼻から荒い息が出ているような気がする。

「嫌ならいいけれど、他に頼める奴が……」

「行く!行く!死んでも行く!あー心の友よ!」言いながら俺のを力一杯抱き締めてきた。

「ちょ、ちょっと止めろよ!」俺は周りの目を気にして抵抗する。ただでさえ先日の件で少しおかしな奴のレッテルを貼られているのに、これ以上クラスで浮く事はゴメンである。

「お前の目当ては天野だから、俺の相手は……、篠原昌子か……。あのオッパイが俺の俺のもの……」なにやらイヤらしい手つきで空中にある架空の胸をまさぐっている。イヤイヤお前の物ではないよ。
「じゃあ、今度の休み空けておいてくれよ」俺は手を上げて立ち去ろうとする。

「なあ、山本よ……」生川の声が俺を引き留める。

「なんだよ」

「やっぱり、綺麗なパンツ履いていったほうが良いよな」遠くを見つめる目で呟いた。

「知らんがな!!」
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