鈍感王女は狂犬騎士を従わせる

りりっと

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07-02 喧嘩防止代(二)**

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「これ、あっ、すごい恥ずかし、んんっ、あぁ、なのにっ、きもち……ひゃっ、止まらないのっ」
「かわ……可愛い、エロすぎでしょ、んっ……」
「んぅっ、どうしよう、ヘニル……ぁ、もうだめ、もうっ……んんぅ……!」


 腰を下ろした際にぐりっと胎の口を抉り、彼女はびくびくと身体を震わせて果ててしまう。ずっと待ち望んでいた激しい快楽にぎゅうっと中が締まって、恍惚とした表情で熱い息を吐き出す。


「くっ、締め過ぎ……っ、はぁ……っ」


 繋いでいた手を離してヘニルは彼女の腰を掴んで深く押さえ込むと、そのままずっと堪えていた精を胎へと注ぎ込む。その余韻に浸りながら上半身を起こして、きつくセーリスを抱きしめると深く唇を合わせた。

「ん、ぁ、んん……はっ、ん……」
「姫様、っ……ん、可愛い、ほんとに可愛くて、困りますよ……」


 優しくベッドに押し倒し、けれど唐突に激しく抽挿を始めて執拗に彼女の身体の奥を穿っていく。


「やっ、だめ、まって、んぅっ、あぁっ」
「またやってください、ね……っ、俺の上でやらしく腰振って、はぁ……、思い出しただけで、勃起が止まらなくて……しばらく自慰のネタにゃ困りませんよ、ありがとうございます……!」
「やぅ、奥がんがんしちゃだめっ、まだいってるから、あんっ、んんっ」
「無理ですっ、もうナニが爆発しそうなくらい、ガッチガチで……はぁっ、もっと姫様の中に出したくて、我慢できないんです」


 果てたばかりの膣内を嬲られ、荒々しい彼の動きに彼女は喘ぎ続ける。背に爪を立てて、それにも愛おしそうに微笑むその顔を見ては分からなくなる。


「まだ二回だけだし、姫様の中は、いつももっと俺の精子、飲んでるでしょぉ……? 掻き出す必要が無いくらい、小さな子宮を満たして、ふっ……、あんたの全部俺の、俺のものに……」
「ん、ぇえっ、は……んんっ」


 逞しい腕に抱え込まれ、身動き一つ許されない体勢のまま力強い責めを受け続ける。奥まで一気に犯される度にびくりと宙に浮いた足が揺れて、荒っぽく抜き去られるほどに縋るようにそれを彼の腰に絡み付けてしまう。

 ぬるぬると唾液で滑る舌を交わらせていれば思考が覚束なくなって、頭と身体が分離したような気がする。蕩けた脳内で口付けに酔って、腕をしっかりと彼の首に回して抱きついた。


「んぁ、あ、ふっ……んん、む……あっん、んっ」


 気持ちいい。気持ちよくて、もう何も考えられなくなる。
 ああけれど、溺れてしまってはいけないのだと、すぐに冷静な自分が言うのだ。彼の熱に呑み込まれて、それに依存してはいけないのと、そう囁く。


「ひめさま、可愛いです……っ、姫様、もっと俺と、気持ちよくなりましょう……」
「も、もう……あぁ、おわりっ、ひぁ……っん、うぅっ」
「そんなつれないこと、言わないで、んっ、受け止めて、全然足りません、姫様の愛情不足ですっ」
「なに、それ……ひゃんっ、あっ、ほんとにもう、っむり、むりなのっ」


 何度目かの限界が近くて無意識に足で彼の腰を抑え込もうとする。精を強請るようなその仕草にヘニルは荒々しく息を吐き出すと、少し上半身を起こして彼女の腰をしっかりと掴んだ。

 がつがつとその身体を深く貪って、ここに吐き出すと伝えるかのように何度も何度も胎の口を嬲る。それの律動で簡単に果ててしまうセーリスにも構わず、剛直から精液を搾り取ろうと激しく収縮する膣内を押し退け、迫り上がってくるものを堪えながらそれでも彼女を愛で続ける。


「んっんぁ、へにる、あぁっ」
「出しますよ、姫様……!」
「っ、んんぅ……っ、はぁ……」


 隙間なく重なった中で、びくびくとまた彼の雄が震えている。どぷどぷと熱を持った白濁で胎が満たされていくのを感じて、セーリスは小さく身震いした。


「はぁ……姫様の中、必死になって俺の精液、絞り出そうと絞まって……いじらしくて、可愛らしいですねぇ……もうここは、んっ、完全にお互い愛し合ってると思いません?」
「うー……もう終わり、十分でしょ……」


 ぐいぐいと小刻みに腰を揺すって精を吐き出し切ろうとするヘニルに、彼女は疲れ切ったように眉を寄せた。それは“愛し合っている”などという彼の表現に納得してしまうほど、彼女もまた自分の身体が彼を求めているというのが分かっていて、けれどそれを認めたくなかったからだ。


「カアス様とは喧嘩しない、威圧したりとかもだめ、分かった?」
「はいはい」
「んぁ、あと、この関係がバレそうなこと言わないで。その、惚れたとかなんとかいうやつ」


 それにヘニルはふっと笑みを消す。何だその反応は、と思っていると、彼はまたセーリスの上に覆いかぶさるように倒れてくる。


「分かりました、姫様の命に従いましょう」


 真顔で発せられた言葉に、ベッドとヘニルに挟まれたセーリスは熱い息を吐き出しながら安堵する。この似合わない敬語にも随分と慣れてきたものだと、なんとなくそう思った。


「でも今日のことは腹に据えかねるので、姫様に八つ当たりしてもいいですか」
「え?」


 既に事は始まり、終わったはず。だというのに、八つ当たりとは一体なんだというのか。そう問いかけるよりも先に噛みつくような口付けが降ってきて、彼女はなすすべなく彼の欲望に呑み込まれていく。

 彼の手綱を握っているようで、これでは自分は彼に捧げられた生贄なのではないのだろうか。そう茫然と、セーリスは思ったのだった。

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