鈍感王女は狂犬騎士を従わせる

りりっと

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06-07 実験協力代(二)**

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「可愛い、とってもそそりますよ、姫様……」
「うぅ、違う、そんなんじゃ……ひゃう」


 ふ、と獣耳に息を吹き掛ければ、びくりとそれが震えてぺったりと倒れる。


「んぅ……っ! ちょっとこれ破壊力高すぎません……!?」
「やだ、そっちの耳に変なことしないで、すごい変な感じ……」
「じゃあこっちは?」


 ぱくりといつも責めている方の耳に甘噛みすれば、彼女は身体を震わせきゅっと目を閉じる。敏感な場所を責めたせいか指を挿し込んだ中がきつく締まり、ヘニルは唾を飲む。


「どろどろですね……ん、早く姫様が鳴いてるとこ見たいんで、もう挿れますね」


 指を引き抜き、今度は全て服を脱ぎ捨てる。いい加減期待と興奮でどうにかなってしまいそうな剛直を、ようやく彼女の中へと挿入していく。


「んやぁ……っ」


 切なそうに獣耳を下げ、悩ましげに尾をぴんと上に逸らしながら、セーリスは甘い声を漏らす。ずぶずぶと押し入ってくるその感触に、はっきりと自分の身体が喜んでいるのが分かってしまう。
 奥まで収まり、ヘニルは大きく息をつく。思った以上に視覚的な暴力であるその光景に、興奮がどんどん増していく。


「は、かわいい、姫様かわいいですっ」
「やっ、みみやだっ」


 ゆさゆさと腰を揺らしながら、彼は敏感な二対の耳をそれぞれ弄る。獣耳は指で内側と外側を挟むように毛を撫で、もう片方は執拗に舌と唇で愛撫していく。


「いつも以上に、耳責めると中締まって……っ、はぁ、やばい、かわいいしエロいし、身体も最高とか、んんっ、もう無敵ですね……」
「うぅ、あんっ、やだぁ、ヘニル、おねがい、もうやめて……」
「くっ……無理です、痛いわけじゃないですよね? なら諦めて、もっと蕩けてください……!」


 髪を撫でながら獣耳の裏側の付け根辺りを指でなぞる。細かい毛がとても手触りが良く、ヘニルは夢中になってそこを触りまくる。が、その触り方もセーリスからしたら堪らないのだろう。尻尾が彼の太腿にすりすりと擦り寄る。


「きもちいんですね、はは、尻尾をすり寄せて、本当の雌猫みたいですよ、姫様」


 可愛らしいその仕草に燃え上がって、彼は一気に腰遣いを激しくしていく。彼女の好きなように最奥をねちねちと責めれば、甘くなごなごと鳴いて、その様が本物の猫のように思えた。


「んやぅっ、ぁあっ、んぅ、むりっ、とけちゃうっ」
「もっと溶けて、はぁっ、もっとぎゅってしてください……」


 潤んだ目でヘニルを見遣り、無意識の内に背に縋っていた手に力を入れる。密着する身体に熱が篭って、燃えるような心地だった。


「あぁ、んんっ、ん、ぁああ……っ」


 蕩けた声がどんどん口から漏れていく。下半身だけでなく身体中がもどかしい感触に支配されて、それを逃そうとヘニルの頬に自分の頬を寄せる。すりすりと擦り寄れば、少しもどかしさから解放される気がした。


「は……!?」


 恋しそうにすり寄ってくるセーリスに驚き、ヘニルは一瞬戸惑う。しかしセーリスにそんなことをされて平常心を保てる彼ではなく、貪欲に自身でその身を侵しながら、噛み付くように唇を奪う。


「んむっ、んぁ……っ、んんっ」
「はっ、ん……姫様っ、かわいすぎる、でしょう……! あぁもう!」


 少し上半身を起こせば、セーリスの目が悲しげに細められる。華奢な両腕が伸びてきて、彼の首の後ろに回される。ぎゅっと抱き寄せられ、ヘニルは困ったように顔を歪めた。


「んやっ、離れないで、あぅっ、ぎゅってしてぇ……」
「なんですかそれっ、だめです、ほんと……っ、勘違いしますよ……!」


 せがまれるままセーリスをきつく抱き寄せ、彼はそろそろ我慢の限界にある怒張を大きな動きで埋めていく。


「んーっ、あんっ、もういく、いく……っ!」
「ひめさまっ、は、うっ……!」


 ぐっと最奥を押し上げ、絶頂を迎えた膣内で吐精する。甘い余韻に浸っているのか、蕩けた表情で尻尾をすり寄せてくるセーリスに、彼はすぐに熱が上がっていくのを感じる。

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