鈍感王女は狂犬騎士を従わせる

りりっと

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05-09 慰め(一)**

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「嫌なことがあったらいつでも俺を呼んでいいんですよ」


 服の上からでも分かるほど熱を持ったそれが露わになる。それを見たセーリスが欲に塗れた目をしているのに気付いて、ヘニルは蕩けるように笑った。


「何度だって俺が、忘れさせてあげます。姫様のためなら」
「……ただヤりたいだけのくせに」
「なら誓いでも立てましょうか?」


 指が愛液でしとどに濡れるほどになって、彼はそれをゆっくりと引き抜いた。彼女が舐め、彼女の中の液体で汚れたそれを、今度は自分の口に含んで、ちゅうっと音を立てて啜る。


「誓って、俺は王国に来てから一度も姫様以外の女を抱いてません」
「うそつけ」
「嘘じゃないですほんとですー。ちなみに、今までヤった数も姫様が一番多いですー」
「事実だったとしても嬉しくないわ」


 そう憎まれ口を叩きながらもセーリスは笑っていて、ヘニルは安堵する。

 嘘などではない、どれも本当のことだった。といっても、セーリスは冗談のように思っているのだろうが。
 雄を求めてひくつくそこに、だらだらと先走りを垂れ流す鈴口を寄せる。ちゅ、とそこに押し付けて、焦らすように、そして愛液を被せるようにすりすりと竿を滑らせる。


「はぁ、……姫様、挿れてって言ってくれません?」


 何言ってるんだこいつは、という視線を向けてくるも、挿入の直前で止まっているヘニルに痺れを切らしたのか、恥じらいながらも自分の手で足を大きく開かせる。僅かに陰唇が広げられ、そこはぱくりと口を開けている。


「……挿れて、ヘニル」
「っ、はぁあ……、いいっ、姫様は何しても可愛らしいですね……!」
「なにいっ、んぅっ、ひゃぁっ」


 ずちゅっと一気に最奥まで貫かれ、セーリスは身体を震わせる。中がぴくぴくと痙攣し、既に絶頂に近い快感を吐き出している。


「イっちゃったんですか? 挿れられただけで……、姫様も溜まってたんですねぇ」
「ち、ちがうっ、そんなんじゃないっ」
「ほら、今日は淫乱っぽくいきましょ、姫様」
「んあっ、やっ」


 しっかりと彼女の膝裏を掴み足を開かせ、無防備にも思えるそこに腰を打ち付ける。口では否定しながらも彼女の身体は欲求不満だったのか、ようやく訪れた男根をきゅうきゅうと締め付け、激しく絡みついてくる。


「姫様の中、俺のすっごい欲しがって、はは、っく、認めた方が、気持ちいですよ姫様、俺とえっちしたかったんだって」
「んぅっ、あんっ、なんで、いつもより、これ……っ」
「きもちいいですか? 俺も、姫様のこと考えて自慰はしましたけど、それでも溜まってたんで、すっごくイイですよっ」
「なっ何してるのよ……! あ、またイっちゃ、あぁっ!」
「く、あぁ……っ、……はぁ、やっぱ姫様にシてもらうのが、一番ですよ……」


 久しく女体に愛でられていなかった剛直はすぐに限界に達する。どくり、どくりと大きく脈動して、小さな胎がすぐに満たされてしまいそうなほどの精液が注がれる。


「ん、まだ、でてる……」
「どろどろで、尿道で引っかかりますねぇ……」


 そう言いながらヘニルは引っかかるものを吐き出そうとぐいぐい腰を揺らし、最奥に突き立てた鈴口をゴリゴリと抉るように押し付けてくる。それに彼女はびくびくと震え、中が蠢く。


「このまま、もう一回イきましょ? まだ濃いやつ出し切ってないんで」
「う、そ……んんっ、この、性欲おばけ……っ」
「姫様にそういうこと言われるともっと元気になりますよ?」
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