鈍感王女は狂犬騎士を従わせる

りりっと

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03-07 訓練代(三)**

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 まだ硬さを残したそれを抜き出し、ヘニルは息をつく。疲労感かぐったりしてしまっているセーリスを抱き上げ、今度はテーブルの上に座らせる。足を開かせれば、相当量吐き出したと思われる精液が充血した膣口から流れ出してきている。粘性も強く、かなり濃そうなそれを見つめ、ヘニルの剛直はまた質量を最大まで取り戻していく。


「まだ、するの……」


 不安そうなその目にヘニルは口を噤む。けれどすぐにいつもの笑みを浮かべ、彼女の頬を撫でた。


「俺に言うこと聞かせたいですよね」


 鈍く頷く彼女の秘裂に、再度自身を押し込んでいく。あれだけ愛でてやったというのにまだ足りないのだと、そう思わせるほど執拗に内壁が絡みつく感触に、ただ甘くため息をつく。


「何も心配しなくてもいいんです。全部俺に任せてください」


 触れるだけのキスを何度もして、ゆっくりとした動きで抽挿を再開する。


「姫様がこうしてくれる限り、俺は絶対にあんたの命令に従います。決して、……ん、違えることなどあり得ない、父の名に懸けて、約束しますよ」
「ぜ、ぜったい、絶対だか、らっ」
「はい。姫様は俺にデルメルと争って欲しくないみたいですから……今後もっと注意しますよ。明日から真面目に訓練もしましょう」


 だから、と続けて深く口付けを交わす。がたがたと揺れる机にも構わず彼女の腰を押し込んで、またその胎の中に精を吐き出そうと執拗に中を侵し尽くす。


「俺の全部、受け止めてください、姫様……」


 ヘニルが誓いを口にしたからか、セーリスは快楽に耐えながら彼の両頬に触れる。それを了承と捉えた彼は幸せそうに笑う。
 酒の効果か、挿入前に自分から腰を揺らしねだったように、セーリスは思考が覚束ないようで気持ちよさに従順だった。


「姫様、っ、おねだりしてください、もっと突いて、とか……っ」


 恍惚とした表情で気持ち良さに浮かされる彼女は、お願い、というヘニルの声を聞いてそれをそのまま口に出す。


「あんっ、へにる、は、ぁっ、おく、もっと、奥ついてっ、ひゃっ」
「はぁっ……その言葉だけであと三回はイけそうです、姫様っ、あぁ……姫様にえっちなお誘い、されてぇな……」
「や、あぁっ、まだ、っんぅ、いきそう……っんぁあっ」
「一回イくと次が、早いですね……っ、でも俺は、もっと姫様のここで扱いて、もらわないと……ふふ、まだイけませんよ……」
「とまって、いってるのっ、いまおくついちゃだめっ」


 激しい収縮を続ける中を構わず剛直で穿てば、セーリスは涙目になりながらよがってしまう。その様をうっとりとした顔で見つめながら、ヘニルは何度も何度も深く口付ける。


「ほら、お待ちかねの……は、中出し……姫様の中、俺のでいっぱいに、しましょ……!」
「あぁう、んんぁっ、ぁああ……っ」


 勢いの衰えぬ吐精をまた最奥で受けて、セーリスは涎を垂らしながら身体を震わせる。ヘニルに縋って茫然と呼吸をしていれば、また彼の腕で軽々と持ち上げられる。
 ヘニルは椅子に座り込むと、対面の形で膝に座ったセーリスの背を撫でる。そしてそのまま、至近距離で顔を合わせながらゆさゆさと腰を揺らしていく。


「も、もう、あっ、むりぃっ」
「ん……ヤってるうちに、姫様の体力も、付きますかねぇ……良い運動じゃないですか」
「んぅ、あ、ぁんっ」
「いつか俺とぶっ通しでヤっても、平気になるくらい……やっぱ人間には無理、ですかね」


 二度も精を受け入れたそこは酷くぬかるみ、二人の肌が離れそしてまた触れ合う度にぐちゅん、ばちゅん、と艶かしい音を立てる。

 彼の腰あたりに座り込んでいるため、すぐに最奥を押し上げられる感触に、彼女は壊れたように口から喘ぎ声を漏らす。汗にまみれた頬を真っ赤にして、水気のある赤い口内が見え隠れして、悩ましげに寄せられた眉根を目で追って、ヘニルは堪らないといった様子で彼女を強く抱きしめる。


「姫様、姫様……っ」
「はぅ、あぁあ、はやく、っん、だして、終わらせてっ」
「そんなに俺を欲しがって……姫様、んっ、もっといっぱい、俺とシましょうよ……っ」


 その言葉に反射的にかセーリスは首を横に振る。もう飲んでから時間が経つからか、酔いが覚めてきたのかもしれない。


「はぁ……、辛いなら」


 ちゅ、と音を立てて唇を合わせる。涙に濡れた瞳を覗き込んで、笑みなど浮かんでいない真剣そうな顔でヘニルは言う。


「俺が、攫ってあげますよ、王城に居るのが苦しいのなら……」
「んぅっ、なん、で……」
「だって、馬鹿らしいじゃないですか、あんたを先に見限ったのは国なのに、なぜそんなものに尽くすんですか? 気楽に生きたって、いいでしょ」


 嫌なら逃げ出してしまえと、そう囁く声に、セーリスは目を伏せる。そうできたらきっと、自分は楽になれるのかもしれない。

 けれど。


「ヘニル……、んっ、わたしは、王族よ」
「…………」
「馬鹿なことを、言わないで、んぁっ、私は王族であることを、嫌だなんて、思ったことないっ」


 ぎゅうっとその手で彼の肩に縋る。けれど意思ははっきりとしていて、揺るがない言葉を吐き出す。


「私は、王族として、胸を張って誇れる、私になりたい……っ、だから絶対、逃げたり、しない……!」


 そう吐き出してセーリスは、伏せていた視線を上げる。
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