鈍感王女は狂犬騎士を従わせる

りりっと

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02-06 パワハラ代(一)**

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 拒否する理由など無い。処女を差し出したあの日に、既にセーリスはヘニルという男に自分の存在の全てを賭けてしまったといっても過言では無いのだから。

 簡単に夜着は脱がされ、ちゅくちゅくと音を立てているのは自分の身体の奥だった。あんなことを言われてしまえば彼に抱かれた日のことを思い出すのは当然で、あの熱と快楽を想像すれば中は密かに濡れて男の愛撫を喜んで受け入れた。


「ん、っ……ぁ、んんっ」


 口元を必死になって手で抑える。ここは一応城内で、もしかしたら情事の声が外まで響いてしまう可能性もある。そう思えば場所を変えることを考えるべきだと思ったが、今すぐにと言うヘニルの言葉を拒否できなかった。


「こんなに濡らしちゃって、準備万端ってやつですか?」


 囁くように意地の悪い言葉が耳元に降ってくる。ぺろりと舌が耳の輪郭をなぞっていくのを感じては、ぞわぞわと肌が粟立っていく。


「パワハラ代ですからね、何回戦かさせてもらいますよ?」
「んぅっ!」


 陰核を撫で回していた指がきゅうっとそれを摘み、セーリスは声を上げる。ぐいぐいと中に入り込んだ指が刺激する場所が、同じように痺れにも似た気持ち良さを吐き出し始め、蕩けるような感覚のままゆっくりと絶頂まで上がっていく。


「前回はすっごく優しく抱きましたけど、あんなの普通途中で飽きますよ。まぁ、前は姫様の不意打ち喰らって楽しめましたけどね」


 中を弄る指がばらばらと執拗に内壁を抉り、びくりびくりと腰が波打つように跳ねる。這い上がってきたものがもうすぐそこにあって、一瞬のうちに呑み込まれてしまうのを唇を噛んで耐える。


「あーあー、噛んじゃ駄目ですよ、ほんとに手のかかる姫様ですね」


 ずるっと指を引き抜き、半端に服を脱ぎ散らかしながらヘニルは言う。下衣をはだけさせ、熱り勃った自身を秘裂に摺り寄せながら、指でセーリスの唇をなぞった。そのまま舌で舐め回し、口を開けろとでも言うかのように隙間に先端をねじ込んでくる。

 観念し口を開け、獰猛なその舌を受け入れれば、すぐさま舌を絡めとられる。受け身でいることを嫌がるかと思い、セーリスもまた彼の舌に吸い付けば、ふふ、と彼の口の端から笑い声が漏れた。


「いじらしいですね姫様、んっ……はは、いいですよ、俄然その気になってきました……」


 ぬるりと秘裂を剛直の先端が滑っていく。思わず身体が強張ってしまうのも構わず、彼はそこへと狙いを定めて押し込もうとする。


「これからは俺の全部、受け止めてくださいね」


 もう後戻りはできない、そう言われたセーリスも覚悟を決める。
 どんなに怪しくても、どんなに胡散臭くても、自分だけは何があっても彼を信じよう。

 裏切られたときこそ、本当に“自分”が死ぬ時だと。


「……、来て、ヘニル」


 伸ばされた手を取ってセーリスは言う。それにヘニルは笑みを浮かべ、彼女の手の甲に再度口付けを落とした。
 ぐんと、荒々しくそれが入り込んでくる。


「ぁ……っ」
「はぁ、きっつ……」


 そう言いながらもずるずると剛直は中に入り込む。男性器を見たのはあの時が初めてだったが、彼のものはその美しい身体付きに見劣りしないサイズだろう。奥深くまで入り込んだそれは一度止まったかと思うと、すぐに舐るように彼女の中を暴れ回り始める。

 硬く熱いそれが良い場所を無茶苦茶に抉ってしまう。また痛いかもしれないなどという予想は大きく裏切られ、激しい快楽に彼女は悶え、必死で声を押し殺しながら喘いだ。


「ん、んぅっ、ぁ、ひっ、んんっ」
「あー、最高ですね、んっ、もうそんなに良さそうにして」


 片手でセーリスの腰を固定し、彼は遠慮することなくがつがつとその華奢な身体を貪る。初体験では無いとはいえ、敏感に反応するセーリスに熱が更に増していく。
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