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第三章 偽聖女の初陣
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エレノアが目を覚ましたのは、寝泊まりに借りていた村長宅の部屋だった。
ゆっくりとベッドから上体を起こし記憶を辿ると、爆心地でグレイに会い、そう経たない内に意識が途絶えた事を思い出した。
身に付けていたのは、泥だらけになった術師服ではなく、寝間着に借りていた白無地のゆったりとしたワンピース。顔にかかった長い黒髪を撫でると泥汚れは綺麗に落とされているのが分かる。
ベッドのすぐ近くでは小さな丸椅子に座り、うつらうつらとしているリリアの姿。衣服の着替えや身体中の泥汚れを落としてくれたのは彼女かもしれない。
「ああ……エレノアさん、良かった」
エレノアの覚醒に気付いたリリアの瞳には涙が溜まっていた。そして、そのままエレノアの胸に縋りつくようにした。
「リリア。貴女が私の身なりのお世話をしてくれたの?」
「はい。身体の汚れはグレイさんが水魔法で」
「そう……ありがとう。本当にごめんなさい。私が悪かったわ」
エレノアはリリアの頭をあやすように撫でながら優しい声で囁いた。慌てて飛び出した結果、彼女に心配をかけてしまい、そしてまたもや世話を焼いてもらってしまったようだ。本当に感謝してもしきれない。
「あっ、喉が渇いていますよね。……お水、飲んでください」
リリアは傍らの机に置いてあった水差しから水を注ぐと、両手でコップを差し出した。
エレノアはコップに注がれた水をゆっくりと飲むと、寝起きのぼやけた頭が少しずつ覚醒していくのがわかった。口の端から僅かに溢れた雫を、リリアが丁寧に口拭きで拭った。
「お腹は空いていませんか?」
「大丈夫……今、何時かしら」
「今は夜明け前です。窓開けますね。朝食は胃に優しいものにしますから」
リリアが席を立ち、窓を半分開けると空が白んでいた。作戦決行が昼過ぎと考えると、かなり長い時間寝ていた事になる。
魔法力が枯渇寸前だった事を考えると無理もないかもしれない。
「エレノアさん」
ノックの音と共に優しげな声が聞こえた。三秒ほどのちに扉が開く。
姿を現したのは私服姿のグレイだった。どうやら部屋の前の廊下で待機していて、声の様子からエレノアが目覚めた事を察したらしい。
「あっ……私、失礼しますね。二人でゆっくりお話してください!」
二人に気を使ってか、リリアは慌てた様子で外に出てしまった。それはそれで気まずい思いがあったが、強く引き留める理由も思い付かず、そのまま見送った。
リリアが退出し、空いた椅子に座ったグレイがエレノアを見つめた。エレノアも自ら話題を切り出す事はなく、じっとグレイの言葉を待っていた。
「エレノアさん。作戦が上手くいったのは貴女のお陰だ。ありがとう。……そして僕の行動で危険な目に遭わせてしまった。本当に済まない」
グレイの第一声は、お礼と謝罪だった。
単独行動によりエレノアを巻き込む形になって申し訳ないと思っているのだろう。だが、エレノアとしても、すんなりと謝罪を受け入れられない理由があった。
民兵団を勝利に導いた戦術は、強引なものだったが成功に終わったので素直に称賛を受け取れた。だが、エレノアが慌ててグレイの元に向かった事は、結果論ではあるが蛇足だったのである。
「いいえ。貴方は自力で生き延びていた。私が駆けつけた意味はなかったみたいね。……グレイを信じて村で待っていれば、スマートな形で万事解決だったって事みたいだし」
「意味はあったよ」
グレイは、エレノアの言葉を否定するように強い一言を告げたが、どんな意味があったかは口にしなかった。
救出に向かったエレノアは、ミイラ取りがミイラになる形で小鬼の集団にあわやという処を、間一髪のタイミングで駆け付けたグレイによって救出された。
その後は、念願かどうかは分からないお姫様だっこされる形でグレイに運んで貰った事を、朦朧とした意識の中でうっすらと覚えている。
生まれて始めて抱えられる側になったという事になるが、全身雨水で重さが増した上に泥化粧で、色気もロマンスの欠片もない、あんまりな状態だったのは想像に難くない。さらに、すぐさま意識を失ってしまい、それなりに距離のある村まで運ばせて、グレイにかなりしんどい思いをさせた筈である。ただ彼は移動をサポートする風魔法を使えるはずなので、その辺りは何とか出来たかもしれない。
「助けてくれてありがとう。村まで運んでくれた事も。泥まみれな上に無駄に重くて大変だったでしょう。私はお姫様なんて柄じゃないのよ」
「……本当に取り返しが付かない処だった。君に対し、どのような償いもするつもりだ」
感謝を伝えてもグレイは謝る一方で、落ち着いた碧眼の瞳が微かに揺れ動いているようにも見えた。ちくちくと胸が痛む。エレノアは彼の気落ちした表情を、これ以上見ていたいとは思わなかった。
「キリがないから、お互い様という事にしましょう。私も急に飛び出したせいで皆に迷惑をかけてしまったわ。……状況から察するに小鬼王が自爆したみたいね。貴方は火魔法を使えないと言っていたから」
「ああ。だけど小鬼王の意思ではない」
「そうなの。……よく生きてたわね。水魔法か風魔法で爆発から難を逃れられた感じかしら」
「風魔法の加速化で緊急退避してから、飛んできた爆風の前面に水魔法の水障壁を張って何とかね」
「……両方の魔法を使えたとしても、咄嗟に判断して行動に移すのは簡単ではないと思うけど。凄い才能だわ」
「紙一重だよ。……それに生き残れはしたが、しくじったと言っていい。僕の詰めが甘かったせいだ。すぐ戻れなかったのは、山火事にならないよう水魔法で消火活動をしていた。……急に降って来た強い雨に救われたよ」
「……殊勝な事だわ。火事は怖いものね」
生き延びたにも関わらずグレイは随分と落胆した様子だった。結果として小鬼王を仕留める事には成功したが、仕留める事が目的ではなかったのだろう。彼曰く、小鬼王は自らの意思ではない自爆を強いられている。エレノアも、そこから何かを察する事が出来た。
「……貴方の剣と外套が落ちていたから驚いたわ。もう駄目なのかと思ったの」
「外套は炎が燃え移って破棄するしかなかった。魔法を使う為に手放したロングソードは高熱を帯びていて、すぐに回収出来る状態ではなかった」
「……なるほど。理詰めで考えれば推測できなくはなかったわね」
エレノアは一拍置き、さらに続ける。
「今、どうして小鬼王がああなったのかは何となく想像が付いたわ。……きっと人間の協力者が居たのね。そして、情報を漏洩したら発火するような火魔法の呪縛が施されてた。主犯は……憶測になるからこれ以上は言わないけど」
エレノアの呟きに対し、グレイがゆっくりと頷いた。
「流石エレノアさん。……先の事はどう転ぶか分からないが、真相が明るみになれば、長年続いた三国協定に亀裂が入るかもしれない。君の出身地である聖王国はこの件に一切関係ないが、心の内に留めて置いて欲しい」
聖王国はこの件に関係ないと言いつつ、三国協定に亀裂が入るというグレイの物言いは、消去法で暗に砂王国が主犯である事を匂わせていた。
エレノアは顎に手を当てて思考を廻らせる。
(小鬼は熱砂に適応できないから砂王国には攻め入れない。砂王国も三国協定でノーラス山岳地帯には表立って干渉できない。……そう仮定すると、御互い協力関係を築ける関係ではあるわね)
そんな構想がエレノアの頭に浮かんだが、グレイが直接的な物言いを避けたという事は、今は掘り下げて欲しい話題では無いのだろう。
エレノアは別の話題を用意していた。グレイと出会いを果たしてからずっと気になっていた事である。
「グレイ、どんな償いでもすると言ったわね」
「ああ」
「じゃあ貴方の正体を教えて。気になるの」
「エレノアさん……それは」
「私の正体は薄々気付いているのでしょう? ……ただとは言わない。知った事に対し責任を負うわ」
エレノアはグレイに強い眼差しを向けた。暫しの沈黙。
やがて、グレイが久しぶりに微笑みを見せた。
「……わかった。まず、本名から。グレイシャルというのが僕の本当の名だ」
「グレイシャル? それじゃあグレイって偽名じゃなくて、殆どあだ名じゃないの」
「そうだね。以前エレノアさんが、良い術師は初めの名前を大切にすると言っていただろう。……半分残したのは僕も半分は術師だからかな。いや、こじつけか」
グレイが冗談っぽく笑った。そして続けて出てきた言葉は、エレノアを驚かすものだった。
「剣王国、現剣王ファルクⅦ世。僕の実父に当たる人だ」
ゆっくりとベッドから上体を起こし記憶を辿ると、爆心地でグレイに会い、そう経たない内に意識が途絶えた事を思い出した。
身に付けていたのは、泥だらけになった術師服ではなく、寝間着に借りていた白無地のゆったりとしたワンピース。顔にかかった長い黒髪を撫でると泥汚れは綺麗に落とされているのが分かる。
ベッドのすぐ近くでは小さな丸椅子に座り、うつらうつらとしているリリアの姿。衣服の着替えや身体中の泥汚れを落としてくれたのは彼女かもしれない。
「ああ……エレノアさん、良かった」
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「リリア。貴女が私の身なりのお世話をしてくれたの?」
「はい。身体の汚れはグレイさんが水魔法で」
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「お腹は空いていませんか?」
「大丈夫……今、何時かしら」
「今は夜明け前です。窓開けますね。朝食は胃に優しいものにしますから」
リリアが席を立ち、窓を半分開けると空が白んでいた。作戦決行が昼過ぎと考えると、かなり長い時間寝ていた事になる。
魔法力が枯渇寸前だった事を考えると無理もないかもしれない。
「エレノアさん」
ノックの音と共に優しげな声が聞こえた。三秒ほどのちに扉が開く。
姿を現したのは私服姿のグレイだった。どうやら部屋の前の廊下で待機していて、声の様子からエレノアが目覚めた事を察したらしい。
「あっ……私、失礼しますね。二人でゆっくりお話してください!」
二人に気を使ってか、リリアは慌てた様子で外に出てしまった。それはそれで気まずい思いがあったが、強く引き留める理由も思い付かず、そのまま見送った。
リリアが退出し、空いた椅子に座ったグレイがエレノアを見つめた。エレノアも自ら話題を切り出す事はなく、じっとグレイの言葉を待っていた。
「エレノアさん。作戦が上手くいったのは貴女のお陰だ。ありがとう。……そして僕の行動で危険な目に遭わせてしまった。本当に済まない」
グレイの第一声は、お礼と謝罪だった。
単独行動によりエレノアを巻き込む形になって申し訳ないと思っているのだろう。だが、エレノアとしても、すんなりと謝罪を受け入れられない理由があった。
民兵団を勝利に導いた戦術は、強引なものだったが成功に終わったので素直に称賛を受け取れた。だが、エレノアが慌ててグレイの元に向かった事は、結果論ではあるが蛇足だったのである。
「いいえ。貴方は自力で生き延びていた。私が駆けつけた意味はなかったみたいね。……グレイを信じて村で待っていれば、スマートな形で万事解決だったって事みたいだし」
「意味はあったよ」
グレイは、エレノアの言葉を否定するように強い一言を告げたが、どんな意味があったかは口にしなかった。
救出に向かったエレノアは、ミイラ取りがミイラになる形で小鬼の集団にあわやという処を、間一髪のタイミングで駆け付けたグレイによって救出された。
その後は、念願かどうかは分からないお姫様だっこされる形でグレイに運んで貰った事を、朦朧とした意識の中でうっすらと覚えている。
生まれて始めて抱えられる側になったという事になるが、全身雨水で重さが増した上に泥化粧で、色気もロマンスの欠片もない、あんまりな状態だったのは想像に難くない。さらに、すぐさま意識を失ってしまい、それなりに距離のある村まで運ばせて、グレイにかなりしんどい思いをさせた筈である。ただ彼は移動をサポートする風魔法を使えるはずなので、その辺りは何とか出来たかもしれない。
「助けてくれてありがとう。村まで運んでくれた事も。泥まみれな上に無駄に重くて大変だったでしょう。私はお姫様なんて柄じゃないのよ」
「……本当に取り返しが付かない処だった。君に対し、どのような償いもするつもりだ」
感謝を伝えてもグレイは謝る一方で、落ち着いた碧眼の瞳が微かに揺れ動いているようにも見えた。ちくちくと胸が痛む。エレノアは彼の気落ちした表情を、これ以上見ていたいとは思わなかった。
「キリがないから、お互い様という事にしましょう。私も急に飛び出したせいで皆に迷惑をかけてしまったわ。……状況から察するに小鬼王が自爆したみたいね。貴方は火魔法を使えないと言っていたから」
「ああ。だけど小鬼王の意思ではない」
「そうなの。……よく生きてたわね。水魔法か風魔法で爆発から難を逃れられた感じかしら」
「風魔法の加速化で緊急退避してから、飛んできた爆風の前面に水魔法の水障壁を張って何とかね」
「……両方の魔法を使えたとしても、咄嗟に判断して行動に移すのは簡単ではないと思うけど。凄い才能だわ」
「紙一重だよ。……それに生き残れはしたが、しくじったと言っていい。僕の詰めが甘かったせいだ。すぐ戻れなかったのは、山火事にならないよう水魔法で消火活動をしていた。……急に降って来た強い雨に救われたよ」
「……殊勝な事だわ。火事は怖いものね」
生き延びたにも関わらずグレイは随分と落胆した様子だった。結果として小鬼王を仕留める事には成功したが、仕留める事が目的ではなかったのだろう。彼曰く、小鬼王は自らの意思ではない自爆を強いられている。エレノアも、そこから何かを察する事が出来た。
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「流石エレノアさん。……先の事はどう転ぶか分からないが、真相が明るみになれば、長年続いた三国協定に亀裂が入るかもしれない。君の出身地である聖王国はこの件に一切関係ないが、心の内に留めて置いて欲しい」
聖王国はこの件に関係ないと言いつつ、三国協定に亀裂が入るというグレイの物言いは、消去法で暗に砂王国が主犯である事を匂わせていた。
エレノアは顎に手を当てて思考を廻らせる。
(小鬼は熱砂に適応できないから砂王国には攻め入れない。砂王国も三国協定でノーラス山岳地帯には表立って干渉できない。……そう仮定すると、御互い協力関係を築ける関係ではあるわね)
そんな構想がエレノアの頭に浮かんだが、グレイが直接的な物言いを避けたという事は、今は掘り下げて欲しい話題では無いのだろう。
エレノアは別の話題を用意していた。グレイと出会いを果たしてからずっと気になっていた事である。
「グレイ、どんな償いでもすると言ったわね」
「ああ」
「じゃあ貴方の正体を教えて。気になるの」
「エレノアさん……それは」
「私の正体は薄々気付いているのでしょう? ……ただとは言わない。知った事に対し責任を負うわ」
エレノアはグレイに強い眼差しを向けた。暫しの沈黙。
やがて、グレイが久しぶりに微笑みを見せた。
「……わかった。まず、本名から。グレイシャルというのが僕の本当の名だ」
「グレイシャル? それじゃあグレイって偽名じゃなくて、殆どあだ名じゃないの」
「そうだね。以前エレノアさんが、良い術師は初めの名前を大切にすると言っていただろう。……半分残したのは僕も半分は術師だからかな。いや、こじつけか」
グレイが冗談っぽく笑った。そして続けて出てきた言葉は、エレノアを驚かすものだった。
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