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第三章 偽聖女の初陣
翌朝
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早起き鳥の鳴き声と共に、エレノアは五日ぶりの熟睡から目を覚ました。
上体を起こすと両腕を伸ばし、部屋に誰も居ない事を確認し、大きく欠伸をする。
リリアから借りた薄手の白無地のワンピースはさらっとした着心地が快適で、人目さえ気にしなければ一日着通してもよいと思えるくらいだった。
(……久々にとても良く眠れたわ。……爽やかな朝ね。まあ、のんびりって訳にはいかなさそうだけど)
ここに来るまでの四日間は、獣や怪物に襲われることが不安でロクに寝付けなかった事もあり久々の熟睡である。
だからといって、ここが安全な場所という訳ではない。今、ノーラス村が籠城という戦時下にある事を思い出しつつ、今日は少し忙しくなるかもしれないと漠然と考えていた。
体調はかなり改善されている。魔法力は全快まではいかなかったが、かなり満たされてはいるのが体感できた。もう一泊でもすれば全快になるかもしれない。
聖王国に居た頃の夢を見た気がしたが、その内容ははっきりと覚えていなかった。ほとんどが辛い聖女としての修練と学習の日々である。はっきりと思い出さないように頭が働きかけているのかもしれない。
エレノアはぼんやりした面持ちで、道中ほとんど考える事のなかった、聖都エリングラードの知人たちの事を思い出していた。
村長の孫リリアの小柄でふわっとした髪を見て、ふとライバルだった聖女カレンの事を思い出し、昨夜から記憶にひっかかっていた。
今思えば、エリン大聖堂の壇上で顔を合わせたのが最後というのは、どうしても心残りである。こんな事なら聖都エリングラードを離れる前に、無理矢理にでも会うべきだったかもしれない。
良いライバルだったと今でも思っている。実力差がどうこうは問わない。孤高の中に居た青春時代のエレノアにとって、エリングラード魔法院においては唯一の学友と呼べる稀有な存在だった。
聖女としての重務を果たせているのだろうか。ああいった形で極光の書と契約する資格を失い、偽聖女のレッテルを貼られた事に悔しさがないわけではなかったが、誰よりも努力を重ねていた彼女が抱いていたはずの夢。それが叶った事を祝福したい気持ちも嘘ではなかった。
ランスはきっと大丈夫だろう。強く、明るく、社交的、交友はエレノアに限らず友人は沢山いた。先輩後輩問わず好かれている青年、齢二〇を待たずして聖騎士になった逸材である。
偉大な父と比べると、正義感が走り実直過ぎるとは思ったが、若い内は、それが好感に繋がるはずである。彼ほどの才能があれば開けた未来が広がっているだろう。
ただ、長年親切にしてくれた事に対するお別れが、あのような形になった事に後悔がないわけではない。突き放して、決別の言葉を送ったのは正解だったと思っている。それでも、あの正義漢を二度と見られないと思うと、一抹の寂しさを感じずにはいられない。
そして聖王アレクシス。何も聖王国に実りを残す事が出来なかった事の悔しさは、この恩人に対する申し訳無さという部分が大きい。
魔力喪失は光魔法による治療は不可能である。だが、本当に治癒する方法がこの世に存在しないのだろうか。もし存在するのであれば、あらゆる手段を使ってでも治したいとも思った。
聖王国の事を思い返しても残るのは後悔ばかりで、良い思い出とするには、あまりにも中途半端な幕切れだった。
それでも新たな一歩を踏み出す必要がある。まずはノーラス村の籠城の事。この差し迫った問題を解決した後、次の事、グレイとの約束の事などをゆっくりと考えればいい。
救国の聖女にはなれなかった。しかし、そんな偽聖女でも、山村一つの危機なら救える気がする。エレノアはそう意気込むと、ベッドから降りて窓を半分開け、新鮮な空気を吸い込んだ。
◇
「エレノアさん、おはようございます。リリアです」
しばらくすると、リリアがエレノアの衣類の山の入った籠を手に部屋に訪れた。
彼女は既に身なりを整え、メイド服にも似た可愛らしいファンシーな服を着ていた。やはり良く似合っていて、山村の少女にしては垢抜けている印象がある。自分に似合う服装を選ぶセンスがあるのは間違いなさそうだ。
「おはよう、リリア。……ありがとう。ちゃんと仕上げてくれたのね。ごめんなさい、貴女に借りた可愛らしいのは合わなかったみたい」
「……あの、なかなか似合ってたと思います。ですが、窮屈だったら申し訳ありません。エレノアさんの身体に合わせたサイズで見てみたいです」
「本当? ……似合ってたかしら?」
エレノアが聞くと、リリアはこくりと頷いた。
「……でも、グレイに笑われてた気がするし」
「グレイさんは笑ったりしないと思いますよ。少なくとも女性の見た目をからかったりはしないと思います」
(……じゃあ光翼を見て美しいと言ったのも、からかったつもりはないって事かしら)
そんな疑問がエレノアに浮かんだが口にはしなかった。
「……それならいいけど。もう少し可愛らしい姿をしてたら良かったって時々思うのよ。私って冷たい顔をしてるでしょう? よく言われたのよ」
その問いかけに対してはリリアは頷く事はなかった。
「……エレノアさんは自己評価が低いと思います。私からしたら、とても理想的で……羨ましいです」
リリアが全身を見渡すように視線を送るので、恥ずかしさを感じたエレノアは、受け取った術師服に袖を通す事にした。
リリアに預けていた術師服は、丁寧にほつれのお直しがされ、泥や埃で全体的に薄汚れていた生地も綺麗にクリーニングされていた。昨夜借りていたリリアの私服と比べると身体に馴染み着心地は良い。とても幸せな気分である。
エレノアは着替えによって乱れた長い黒髪を手櫛で整えた。とても癖のないストレートだったので、お手軽なものである。
「あっ、わたしが髪を整えますね。綺麗な黒髪も羨ましいです」
◇
鏡面の前でエレノアはリリアに髪を梳いて貰っていた。他人に手入れして貰うのは自分で行う時にはない何とも言えない心地良さがあった。
「服の事ありがとう。本当に良く出来てるわ。貴女にはずっとお世話になりたいくらい」
「褒めて頂いて嬉しいです。……わたしもエレノアさんのお世話をしたいですね」
「……ふふ、本当かしら? もし、剣王国で良い仕事先が見つかったら、リリアを呼んでもいいのよ」
「是非呼んでください。その時は精一杯、エレノアさんに尽くしたいと思います」
割と気軽に口約束を交わしてしまったが、どこまで本気だろうか。術師に憧れのある娘とグレイが言っていたので割と本気なのかもしれない。
しかし彼女みたいな世話役なら手元に置いておきたいとも思った。
「……まあ、そんな上手く仕事が見つかるかはわからないけど。それに、まずはこの村の包囲をなんとかしないとね。……そういえば、この屋敷では何人で生活しているのかしら」
「……私と、お爺ちゃん、お婆ちゃんの三人ですね」
ふと、エレノアはもしリリアを連れていくとしたら両親への許可がいるのではないかと頭に浮かんだ。同時に本人ではなく村長に聞いてみた方がいいかもという直感が働いたが、その時には既に口にし終えた後だった。
「ソーン村長は貴女の祖父なのよね。ご両親は?」
「……お母さんは私を生んですぐに亡くなりました。お父さんは五年ほど前に怪物に」
リリアは淡々と呟いた。何気なく聞いてしまったが重い話だったので、エレノアは申し訳ない気持ちになった。
「リリア、ごめんなさい。悪い事を聞いてしまって」
「いいえ。この村では、ままある事ですから……きゃっ」
エレノアはリリアをそっと抱き寄せた。三歳という年齢差を考えると失礼かもしれないが、何となく、そうしたくなるような愛くるしさが彼女にはあった。
「エレノアさん……」
「ごめんなさい。貴女を侮っている訳ではないわ。ただ私が貴女を愛でたいという欲求を満たしたいだけ。少しの間だけ、わがままさせてね」
抱き寄せたリリアの頭を撫で続けると、彼女は大人しく、そして心地良さそうに、されるがままになっていた。
「リリア。籠城戦の事は私に任せて。何とかなると思うわ」
上体を起こすと両腕を伸ばし、部屋に誰も居ない事を確認し、大きく欠伸をする。
リリアから借りた薄手の白無地のワンピースはさらっとした着心地が快適で、人目さえ気にしなければ一日着通してもよいと思えるくらいだった。
(……久々にとても良く眠れたわ。……爽やかな朝ね。まあ、のんびりって訳にはいかなさそうだけど)
ここに来るまでの四日間は、獣や怪物に襲われることが不安でロクに寝付けなかった事もあり久々の熟睡である。
だからといって、ここが安全な場所という訳ではない。今、ノーラス村が籠城という戦時下にある事を思い出しつつ、今日は少し忙しくなるかもしれないと漠然と考えていた。
体調はかなり改善されている。魔法力は全快まではいかなかったが、かなり満たされてはいるのが体感できた。もう一泊でもすれば全快になるかもしれない。
聖王国に居た頃の夢を見た気がしたが、その内容ははっきりと覚えていなかった。ほとんどが辛い聖女としての修練と学習の日々である。はっきりと思い出さないように頭が働きかけているのかもしれない。
エレノアはぼんやりした面持ちで、道中ほとんど考える事のなかった、聖都エリングラードの知人たちの事を思い出していた。
村長の孫リリアの小柄でふわっとした髪を見て、ふとライバルだった聖女カレンの事を思い出し、昨夜から記憶にひっかかっていた。
今思えば、エリン大聖堂の壇上で顔を合わせたのが最後というのは、どうしても心残りである。こんな事なら聖都エリングラードを離れる前に、無理矢理にでも会うべきだったかもしれない。
良いライバルだったと今でも思っている。実力差がどうこうは問わない。孤高の中に居た青春時代のエレノアにとって、エリングラード魔法院においては唯一の学友と呼べる稀有な存在だった。
聖女としての重務を果たせているのだろうか。ああいった形で極光の書と契約する資格を失い、偽聖女のレッテルを貼られた事に悔しさがないわけではなかったが、誰よりも努力を重ねていた彼女が抱いていたはずの夢。それが叶った事を祝福したい気持ちも嘘ではなかった。
ランスはきっと大丈夫だろう。強く、明るく、社交的、交友はエレノアに限らず友人は沢山いた。先輩後輩問わず好かれている青年、齢二〇を待たずして聖騎士になった逸材である。
偉大な父と比べると、正義感が走り実直過ぎるとは思ったが、若い内は、それが好感に繋がるはずである。彼ほどの才能があれば開けた未来が広がっているだろう。
ただ、長年親切にしてくれた事に対するお別れが、あのような形になった事に後悔がないわけではない。突き放して、決別の言葉を送ったのは正解だったと思っている。それでも、あの正義漢を二度と見られないと思うと、一抹の寂しさを感じずにはいられない。
そして聖王アレクシス。何も聖王国に実りを残す事が出来なかった事の悔しさは、この恩人に対する申し訳無さという部分が大きい。
魔力喪失は光魔法による治療は不可能である。だが、本当に治癒する方法がこの世に存在しないのだろうか。もし存在するのであれば、あらゆる手段を使ってでも治したいとも思った。
聖王国の事を思い返しても残るのは後悔ばかりで、良い思い出とするには、あまりにも中途半端な幕切れだった。
それでも新たな一歩を踏み出す必要がある。まずはノーラス村の籠城の事。この差し迫った問題を解決した後、次の事、グレイとの約束の事などをゆっくりと考えればいい。
救国の聖女にはなれなかった。しかし、そんな偽聖女でも、山村一つの危機なら救える気がする。エレノアはそう意気込むと、ベッドから降りて窓を半分開け、新鮮な空気を吸い込んだ。
◇
「エレノアさん、おはようございます。リリアです」
しばらくすると、リリアがエレノアの衣類の山の入った籠を手に部屋に訪れた。
彼女は既に身なりを整え、メイド服にも似た可愛らしいファンシーな服を着ていた。やはり良く似合っていて、山村の少女にしては垢抜けている印象がある。自分に似合う服装を選ぶセンスがあるのは間違いなさそうだ。
「おはよう、リリア。……ありがとう。ちゃんと仕上げてくれたのね。ごめんなさい、貴女に借りた可愛らしいのは合わなかったみたい」
「……あの、なかなか似合ってたと思います。ですが、窮屈だったら申し訳ありません。エレノアさんの身体に合わせたサイズで見てみたいです」
「本当? ……似合ってたかしら?」
エレノアが聞くと、リリアはこくりと頷いた。
「……でも、グレイに笑われてた気がするし」
「グレイさんは笑ったりしないと思いますよ。少なくとも女性の見た目をからかったりはしないと思います」
(……じゃあ光翼を見て美しいと言ったのも、からかったつもりはないって事かしら)
そんな疑問がエレノアに浮かんだが口にはしなかった。
「……それならいいけど。もう少し可愛らしい姿をしてたら良かったって時々思うのよ。私って冷たい顔をしてるでしょう? よく言われたのよ」
その問いかけに対してはリリアは頷く事はなかった。
「……エレノアさんは自己評価が低いと思います。私からしたら、とても理想的で……羨ましいです」
リリアが全身を見渡すように視線を送るので、恥ずかしさを感じたエレノアは、受け取った術師服に袖を通す事にした。
リリアに預けていた術師服は、丁寧にほつれのお直しがされ、泥や埃で全体的に薄汚れていた生地も綺麗にクリーニングされていた。昨夜借りていたリリアの私服と比べると身体に馴染み着心地は良い。とても幸せな気分である。
エレノアは着替えによって乱れた長い黒髪を手櫛で整えた。とても癖のないストレートだったので、お手軽なものである。
「あっ、わたしが髪を整えますね。綺麗な黒髪も羨ましいです」
◇
鏡面の前でエレノアはリリアに髪を梳いて貰っていた。他人に手入れして貰うのは自分で行う時にはない何とも言えない心地良さがあった。
「服の事ありがとう。本当に良く出来てるわ。貴女にはずっとお世話になりたいくらい」
「褒めて頂いて嬉しいです。……わたしもエレノアさんのお世話をしたいですね」
「……ふふ、本当かしら? もし、剣王国で良い仕事先が見つかったら、リリアを呼んでもいいのよ」
「是非呼んでください。その時は精一杯、エレノアさんに尽くしたいと思います」
割と気軽に口約束を交わしてしまったが、どこまで本気だろうか。術師に憧れのある娘とグレイが言っていたので割と本気なのかもしれない。
しかし彼女みたいな世話役なら手元に置いておきたいとも思った。
「……まあ、そんな上手く仕事が見つかるかはわからないけど。それに、まずはこの村の包囲をなんとかしないとね。……そういえば、この屋敷では何人で生活しているのかしら」
「……私と、お爺ちゃん、お婆ちゃんの三人ですね」
ふと、エレノアはもしリリアを連れていくとしたら両親への許可がいるのではないかと頭に浮かんだ。同時に本人ではなく村長に聞いてみた方がいいかもという直感が働いたが、その時には既に口にし終えた後だった。
「ソーン村長は貴女の祖父なのよね。ご両親は?」
「……お母さんは私を生んですぐに亡くなりました。お父さんは五年ほど前に怪物に」
リリアは淡々と呟いた。何気なく聞いてしまったが重い話だったので、エレノアは申し訳ない気持ちになった。
「リリア、ごめんなさい。悪い事を聞いてしまって」
「いいえ。この村では、ままある事ですから……きゃっ」
エレノアはリリアをそっと抱き寄せた。三歳という年齢差を考えると失礼かもしれないが、何となく、そうしたくなるような愛くるしさが彼女にはあった。
「エレノアさん……」
「ごめんなさい。貴女を侮っている訳ではないわ。ただ私が貴女を愛でたいという欲求を満たしたいだけ。少しの間だけ、わがままさせてね」
抱き寄せたリリアの頭を撫で続けると、彼女は大人しく、そして心地良さそうに、されるがままになっていた。
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