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第3章 ゆるやかな流れの中で
瞬の不安
しおりを挟む股間の昂りはこうして気を紛らわせていれば次第に緩やかに収まっていく。
ただそこから先のことは全くわからない。
それから先にある事はまだ一度も経験もなく、榊からも何も教えられていないのだから、それ以上を聞かれても今の瞬には判断つかなかった。
それがこの股間の重苦しい痛みを解放するものだと言われれば、きっとそうなのだろう。
だが榊が教えてくれないのなら、確かに主人に委ねる他なかった。
ここで一度でも放つ事を覚えてしまったら、自分でももう取り返しがつかなくなる事だけは容易に想像できた。
だったら知らないなら、知らない方がいいのだと思う。
知らなければ返って耐えられるというものだった。
でもどうして主人はそこまで瞬に天使であり続けて欲しいのだろうか?と思うのだった。
ただ射精を禁じられているだけならまだ頑張れるかもしれない。
だが他の子達のように後ろで主人を迎え入れる時、それを禁じられたらその堰は切れるかも知れない不安はある。
何故なら瞬が一番どうしようもなくなるのは、榊が後ろの孔を解す時だからだった。
瞬が昇りつめないように気を遣いながら解されているのだとは思う。
ただそれでも時折、もっと違うところを擦って欲しくて仕方がない時がある。
勿論、それがどこかもわからない、それはきっと毎日そこをマッサージしている榊の方がよく知っているのだろうと思う。
そこはいつか主人を迎え入れる場所だと言葉で言われなくても、瞬にだってわかっていた。
ここで躾けられていた少年達はもっと具体的そこへの躾けを受けていたからだった。
ニアミスなんだろうとは思うが、余り他の子達と出くわさないようにされているらしいこの施設で、何度か他の少年が躾けられているシーン出くわした事がある。
その時その少年は自分のチューターのモノに中を突かれ悲鳴をあげていた。
苦しそうで大丈夫なのかと瞬は心配にもなってしまった。
その頃はまだ榊の指でも苦しいと思う時であった瞬には、そんな狭いところに大人の性器を迎え入れたら、それだけでそこが破裂してしまうんじゃないかと不安に思ったのだった。
だがそれは瞬の杞憂だった事が後に分かる。
彼らはそれを悦んでいると気付いたのだった。
声だけ聞いていると辛そうでも、彼らの顔は主人を受け入れるという崇高な行為に悦びの表情を浮かべていたのだった。
そう思うとその声すら違って聴こえて来るようになってしまった。
榊はここでは瞬には必要がない事だと言った。
それを躾ける権限榊には無いが、いずれは主人が望めば主人の手によって躾けられるかもしれなのだった。
だからその時粗相をしない為に、今から慣らしておく必要があると、そこを解す施術だけは受けていた。
榊がそこを優しくマッサージしながら解してくれる。
しかし、その時こそ瞬はどうしていいか分からなくなるのだった。
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