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第2章 制服と征服
そして朝が来る
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翌日
いつものように瞬は目覚めると自分が衣服を身に着けている事に驚きを隠せなかった。
衣服と言っても、浴衣のようなパジャマのようなもので、病院などで検査の時に着るような簡単に脱ぎ着が出来るものだった。
だから榊がやって来てその腰に付いてる紐を引くとハラリと簡単に前がはだけてしまった。
やはりその中は素っ裸で、自分のぺったんこな胸やお腹が丸見えだった。
勿論、股間にある辛うじてついているかのようなおちんちんも全て丸見えだった。
今まで散々榊の前では裸で過ごしていたのに、こうして布キレ一枚のような服を与えられただけで、ちょっと安心してしまったところをまた裸にされると、やはり恥ずかしさが増してしまい、瞬は一気に耳まで赤くしてしまった。
榊はその姿を素直に可愛いと思う。
もう強制的に躾けをする時期は昨日までで終わったと主人堂島には報告した。
もうこれ以上精神的な圧力のある躾けをすれば逆に瞬の心が壊れてしまうかもしれないとも脅しておいた。
実際壊れかけた子供を榊は何人も見て来た。
その子達のリカバリー役をいつも押し付けられるのも榊だったのだった。
自分がここで躾けを受けた経験者である榊は躾けを受ける側の精神状態もよく分かっていた。
だから、飴と鞭の使い方が上手いのだった。
瞬は自分でも、何を今更裸を見られただけで赤くなってしまったのかと狼狽える。
だが、榊が朝食を持ってここに来たという事は、朝が来たのだと判断する。
だから瞬は痛む身体に鞭打って起き上がると朝の挨拶をした。
打たれたのはお尻だけのはずなのに、何故か全身が筋肉痛になってしまっていた。
でもそうと悟られないように笑顔を作ると榊に言った。
「おはようございます」
榊もおはようございますと返事を返してくれた。
いつもと変わらない優しい榊にホッとしてしまう。
だがその榊の押して来たワゴンは食事の他にも何やらまた得体の知れない箱やらがいっぱい乗せているのを見てしまい、また今日は違う躾けでもされるのかと一瞬だが瞬の顔が恐怖に引きつった。
昨日はお尻を50回パドルという小さな鞭で打たれたばかりだった。
まだお尻も腫れていたし、何故か全身が筋肉痛になっていて正直動かすとどこもかしこも軋むような痛みが走った。
瞬の身体は今筋肉を落としている最中だった。
部屋の中さえ自由に歩き回る事を禁じられていた。
そして寝ている間は点滴で様々な成長を抑える薬を投与されていた。
流石に点滴をしている事は瞬にも気付かれてしまったが、栄養をこれで補っていると説明してある。
太陽の光を浴びないと人間は自分で作れない物質があってそれを補わないと骨が曲がったり弱くなるからだと説明すると瞬はそれを信じて疑わなかった。
筋肉が萎えた瞬は昨日のお仕置きの最中、普段は使わない筋肉を使いずっと踏ん張って耐えていたのだった。
ただでさえ少ない子供の筋肉が更に小さくなっているところに、長時間立たされ緊張しながらのお仕置きは、全身の筋肉を振り絞らなければ受け止めきれなかったのだろう。
その頑張り屋の瞬でさえ、50回の鞭を受け止めたその後は、グッタリと気を失ってしまったのだった。
「お尻はどうですか?」
瞬に簡易的な検査着を着せたのはお尻の傷を気遣っての事だった。
腫れや裂傷に効く薬は身体を清めた後塗ってやった。
瞬が寝落ちている間、榊はずっと瞬の側で日報の作業をして主人への報告と、そして瞬のお尻を氷水を何度も変えては冷やしてやった。
夕飯は勿論食べられる状態では無かったので、点滴で済まさせ。眠る事に専念させてやった。
そうして明け方まで榊は瞬に寄り添ってくれていたのだった。
だが瞬は薬が効いていて朝までぐっすりのはずだったから、榊が付き添ってくれていた事など知る由もなかった。
榊にお尻の事を聞かれると瞬は一瞬返答に困ったようだった。
悪い事をした罰で与えられた傷を痛いなんて言っていいのだろうか?とそこまで考えてしまうのだった。
榊もそれに気付いたようで
「痛い事も恥ずかしい事も素直に言ってください。
あなたの健康に関わる事は正直に言ってくれないと困ります。
何かあったらあなたのお父様に申し訳がたちませんから」
「あのちょっと座るのが辛いです」
「それだけじゃないでしょう?
身体中が筋肉痛じゃないのですか?」
榊は全部お見通しのようで、瞬は思わず昨日の事を思い出すと急に何か熱いものが込み上げて来る。
思わず泣いてしまいそうだった。
「うぅっ…」
榊はそんな瞬の頭を抱き寄せ自分の胸に押し当てた。
今は鞭ではなく飴をあげるタイミングだと榊はそれを良く心得ているのであった。
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