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第2章 制服と征服
汚れても天使は天使
しおりを挟む「さあ、これが最後です。
心を込めて唱えてください」
榊の落ち着いた声が辛うじて意識を繋いでいた瞬の耳にも届いていた。
ゆっくりと余韻を引くように繰り出されるスパンキングの回数は五十回だった。
だが榊のそれは多少ゆっくり目で一回一回の鞭の味が染み渡るのを心得ている打ち方だった。
だから一回はさほど強くもなく痛くもない筈なのに、それが蓄積されて行くと瞬には絶大な衝撃を誘発していく。
身体中にびっしりと汗を滴らせ、目も口も鼻もそこから流れ出る体液でぐしょぐしょになってしまっていた。
いかに天使のような子供であろうと、汚く汚れてしまってはその容姿は最悪になって いる筈だった。
だが主人の許しを請う為に甘んじて受け入れている罰を、瞬はどこか恍惚な顔をして受け止めていた。
その顔はやはり涙に濡れ涎を垂らしていようと榊の心を惹き付けてやまない。
支配しようとする側がやがては虜にされる、まさに天使に他ならなかった。
どんなに穢され痛めつけられようと、瞬の内から滲み出る神聖なオーラは消え失せることは無い。
それは多分、瞬自身がその全てを信じて受け入れようとしているからだった。
堂島の愛は榊を通して伝えられていると信じ、疑わない瞬だからこそ、辛い仕打ちも躾けも黙って従っているのだった。
信頼して身を任せているからこそ、その清らかさは損なわれない。
瞬の腫れ上がったお尻に、榊の最後のパドルが容赦なく打ち込まれる。
瞬の細い身体がしなり、胸に抱えていた枕に指を食い込ませて最後のそれに必死に耐えた。
「ごじゅう…うっ…ありがとうございます…」
そう言うと瞬の差し出されたお尻がぶるっと震えたかと思うと、それを支えていた細い内腿を黄色い液体がツーッと伝い流れていった。
やがてそれは床に水溜りを作ってしまったが、当の本人はグッタリとしたまま動かなくなってしまった。
今まで必死に堪えていたのが奇跡のように、とうとう瞬は気を失ってしまったのだった。
身体の力が抜け筋肉が弛緩して、思わず失禁してしまったのだろう。
意識を失うのが先か?失禁したのが先かはもう分からないが、良くここまで健気に耐えていたとは思う。
利尿剤が入った水をしこたま飲まされた後に時間をかけてじっくりとお尻を叩かれていたのである。
お漏らししても当然の事だった。
だがせっかくの革で作らせた瞬の股間を戒めている貞操帯はメンテナンスが必要になってしまった。
柔らかく質の良い革ほどその手入れが必要だった。
スパンキングが終わり安心して気を失ってしまった瞬は、その机に突っ伏したまま今にも床に崩れ落ちそうになっていた。
瞬を抱き上げると、榊は鏡の向こうの堂島に報告する事もせず、その傷ついた身体をベッドに横たえた。
まだ汗や涎などあらゆる体液にまみれた瞬の身体を温かい濡れタオルで清めてやる。
そしてよく似合っていた取るのは惜しいと思う可愛いらしい子供用の貞操帯を今は一旦外してやる。
そして瞬はいつものように無垢な生まれたままの姿に戻った。
可愛らしい乳首もう興奮は覚めてしまったらしく、勃つどころかむしろ陥没してしまっていた。
それすら可愛いと思ってしまう自分は馬鹿な躾係だと思った。
だがこの躾を他人に任せるつもりは毛頭なかった。
今更ここまで躾けたのにそれを横取りされたら嫉妬にかられて自分でも何をするかわからない。
いっそのことしばらくの間は瞬のこういった躾けは辞めて、学業に専念させてはどうかとも思う。
瞬は絶対頭が良い。
今から教えればすぐに中学の勉強など終わってしまうだろうと思う。
もっとうまくすれば高校課程もクリアできてしまうかもしれなかった。
そうすれば瞬を外の学校に入れる事もなく、大学だけに絞ってやる事ができる。
そしてその数年は主人に取っても瞬とのゆっくりと優しく、愛を育む時間が取れるというものだった。
それなら主人が反対するとも思えなかった。
今日の主人への日報報告では、瞬に行う躾けに対してではなく、学業についてを提案していこうと思う榊だった。
嫌という程勉強をしていれば、余計な事など考えずにも済む。
そしてしばらくは、瞬にも榊にも果ては主人にも、静寂が訪れる事になるのではないかとそう思うのだった。
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