1 / 22
親友
しおりを挟む
小学4年でリトルリーグに7番で出場。最後の打席でホームランを放つ。
この日は、間壁真斗の最高の日になるはずだった。
試合後、病院からの連絡を受けた、真斗は病院に向かうも死に目に会うことが出来なかった。
遅れて、父親が駆けつけてきた。
妻を失った悲しみはあったが、覚悟はしていた為、息子程の落ち込みようは無かった。
「試合になんて行かなければ良かった。」
真斗は、ボソッともらした。
「母さんだって、楽しみにしていたんだ。」
息子が試合に選手として出るのを、母親は楽しみにしていた。
「ホームランを打ったんだ。」
「凄いじゃないか。」
「でも、母さんは、もういない・・・。」
「喜んでいるよ、母さんは・・・。」
そう言って、父親は、泣きじゃくる息子の頭を撫でた。
暫くして、真斗はリトルリーグをやめた。
野球が大好きだった元気な男の子は、別人のように大人しくなった。いずれ時間が解決してくれるだろう。父親はそう思うしかなかった。
暫くして父親が転勤になり、真斗は転校した。
転校先では、最初の挨拶から暗く、誰も真斗に話しかけようとする者が居ないように思われたが、ただ一人だけは違った。
「おい、転校生、一緒にあそぼうぜ。」
ショートカットの美少女に声を掛けられ、真斗はハッとなった。
「い、いやいい。」
「なんだ、付き合い悪いなあ。」
「女とは遊ばん。」
「はあ?何言ってんだよ。何処が女なんだよ!」
緑屋勇気は声を荒げながら言った。
ショートカットで短パンは履いてるが、見た目は活発な女の子に見える。しかも美人な。
「ほら、やっぱり勇気は女に見えるんじゃん。」
他のクラスメイトがちゃかした。
「何だと、泣かされたいのか?」
こんな可愛らしい見た目をしながらも、クラスのガキ大将的な男の子だった。
「お前が変な事言うから、おかしい事になっただろ?大人しくついて来いよ。」
そう言って、強引に転校生を運動場へ引っ張り出した。
それから、真壁真斗にとって、緑屋勇気が無二の親友となった。
「おい、ヤバいって勇気。真斗も呼んだ方が?」
中学2年になっても、勇気のガキ大将気分は抜けず、1年からカツアゲした3年の不良グループに突っかかって行った。
「なんだ、2年が何の用だ?」
不良のたまり場には、5人の3年生がたむろしていた。
「お前ら1年から金を巻き上げただろう。」
勇気が言った。
「女がしゃしゃり出てて来るんじゃねえよっ!」
「俺は男だっ!」
「はあ?」
「こいつあれだ、2年の男女だ。」
「ああ、性同一とかいう?」
「違うっ!正真正銘の男だっ!」
「どっちでもいいが、2年が3年に口ごたえすんじゃねえよ。さっさと、どっかへ行け。」
「金を返せって言ってるだろ。」
「そんなもん、とっくに使ったわ。」
そう言って、3年達は笑った。
「痛い目見ないとわからないのか?」
「何言ってんだこいつ、たった二人でよ。彼氏は震えてんぞ。」
勇気に引っ張ってこられた港浩一は震えていた。
「お前らなんか、俺一人で十分だ。」
「このアマあっ!」
「男だって言ってんだろ!」
5人相手に、突っかかって行ってはみたものの、浩一と二人、フルボッコにされた。
「たく、手間取らせやがって。」
「なあ、こいつ顔は可愛いんだからよ。フェラって貰わねえか?」
「問題になったらどうすんだよ。」
「手を出してきたのは、こいつ等だし。」
「女を回したら、大問題だけど、こいつは男だからいいんじゃねえか?」
「なるほどなあ。」
「でも、男だからなあ。」
そう言って、殴られ倒れている、勇気の顔を覗き込んだ。
「アリだな。」
「よし、順番決めようぜ。」
盛り上がる3年の不良たち。
「何やってんだ、お前ら。」
そう言って、姿を現したのは、170後半はある筋肉質の男だった。
「や、やばい、2年の真壁だ。」
学校で、一番背が高く、学校で一番恐れられていて、女子からの人気も高い。
「な、何の用だ、2年が。」
真斗は、倒れている勇気の姿を目に止めた後、正気を失った。
倒れていた浩一が、焦って勇気を起こす。
「お、おい、勇気。起きろ、起きろって。」
「もう・・・食べれまひぇん・・・。むにゃむにゃ。」
幼馴染で男と言うことを一番よく知っている浩一でさえドキッとしてしまったが。
「起きろって!」
無理やり起こした。
「な、なんだよ?」
「やばいんだ、早く止めないと3年が死ぬ。」
「はあ?」
勇気が見てみると、5人の3年生を殴り殺そうとしている真斗の姿があった。
勇気は焦って、浩一と共に、真斗を止めた。
「お、おい、真斗。やめろ!」
何とか止めた頃には、3年生は全員気を失っていた。
「どうすんだよ・・・この惨劇。」
浩一が言った。
「た、多分、死なないだろ。保健室行こうぜ。」
勇気が言った。
「3年はどうすんだよ?」
「ほっとけばいいさ。真斗、保健室行こうぜ。」
そう言って、勇気は真斗を保健室へ連れて行った。
この日は、間壁真斗の最高の日になるはずだった。
試合後、病院からの連絡を受けた、真斗は病院に向かうも死に目に会うことが出来なかった。
遅れて、父親が駆けつけてきた。
妻を失った悲しみはあったが、覚悟はしていた為、息子程の落ち込みようは無かった。
「試合になんて行かなければ良かった。」
真斗は、ボソッともらした。
「母さんだって、楽しみにしていたんだ。」
息子が試合に選手として出るのを、母親は楽しみにしていた。
「ホームランを打ったんだ。」
「凄いじゃないか。」
「でも、母さんは、もういない・・・。」
「喜んでいるよ、母さんは・・・。」
そう言って、父親は、泣きじゃくる息子の頭を撫でた。
暫くして、真斗はリトルリーグをやめた。
野球が大好きだった元気な男の子は、別人のように大人しくなった。いずれ時間が解決してくれるだろう。父親はそう思うしかなかった。
暫くして父親が転勤になり、真斗は転校した。
転校先では、最初の挨拶から暗く、誰も真斗に話しかけようとする者が居ないように思われたが、ただ一人だけは違った。
「おい、転校生、一緒にあそぼうぜ。」
ショートカットの美少女に声を掛けられ、真斗はハッとなった。
「い、いやいい。」
「なんだ、付き合い悪いなあ。」
「女とは遊ばん。」
「はあ?何言ってんだよ。何処が女なんだよ!」
緑屋勇気は声を荒げながら言った。
ショートカットで短パンは履いてるが、見た目は活発な女の子に見える。しかも美人な。
「ほら、やっぱり勇気は女に見えるんじゃん。」
他のクラスメイトがちゃかした。
「何だと、泣かされたいのか?」
こんな可愛らしい見た目をしながらも、クラスのガキ大将的な男の子だった。
「お前が変な事言うから、おかしい事になっただろ?大人しくついて来いよ。」
そう言って、強引に転校生を運動場へ引っ張り出した。
それから、真壁真斗にとって、緑屋勇気が無二の親友となった。
「おい、ヤバいって勇気。真斗も呼んだ方が?」
中学2年になっても、勇気のガキ大将気分は抜けず、1年からカツアゲした3年の不良グループに突っかかって行った。
「なんだ、2年が何の用だ?」
不良のたまり場には、5人の3年生がたむろしていた。
「お前ら1年から金を巻き上げただろう。」
勇気が言った。
「女がしゃしゃり出てて来るんじゃねえよっ!」
「俺は男だっ!」
「はあ?」
「こいつあれだ、2年の男女だ。」
「ああ、性同一とかいう?」
「違うっ!正真正銘の男だっ!」
「どっちでもいいが、2年が3年に口ごたえすんじゃねえよ。さっさと、どっかへ行け。」
「金を返せって言ってるだろ。」
「そんなもん、とっくに使ったわ。」
そう言って、3年達は笑った。
「痛い目見ないとわからないのか?」
「何言ってんだこいつ、たった二人でよ。彼氏は震えてんぞ。」
勇気に引っ張ってこられた港浩一は震えていた。
「お前らなんか、俺一人で十分だ。」
「このアマあっ!」
「男だって言ってんだろ!」
5人相手に、突っかかって行ってはみたものの、浩一と二人、フルボッコにされた。
「たく、手間取らせやがって。」
「なあ、こいつ顔は可愛いんだからよ。フェラって貰わねえか?」
「問題になったらどうすんだよ。」
「手を出してきたのは、こいつ等だし。」
「女を回したら、大問題だけど、こいつは男だからいいんじゃねえか?」
「なるほどなあ。」
「でも、男だからなあ。」
そう言って、殴られ倒れている、勇気の顔を覗き込んだ。
「アリだな。」
「よし、順番決めようぜ。」
盛り上がる3年の不良たち。
「何やってんだ、お前ら。」
そう言って、姿を現したのは、170後半はある筋肉質の男だった。
「や、やばい、2年の真壁だ。」
学校で、一番背が高く、学校で一番恐れられていて、女子からの人気も高い。
「な、何の用だ、2年が。」
真斗は、倒れている勇気の姿を目に止めた後、正気を失った。
倒れていた浩一が、焦って勇気を起こす。
「お、おい、勇気。起きろ、起きろって。」
「もう・・・食べれまひぇん・・・。むにゃむにゃ。」
幼馴染で男と言うことを一番よく知っている浩一でさえドキッとしてしまったが。
「起きろって!」
無理やり起こした。
「な、なんだよ?」
「やばいんだ、早く止めないと3年が死ぬ。」
「はあ?」
勇気が見てみると、5人の3年生を殴り殺そうとしている真斗の姿があった。
勇気は焦って、浩一と共に、真斗を止めた。
「お、おい、真斗。やめろ!」
何とか止めた頃には、3年生は全員気を失っていた。
「どうすんだよ・・・この惨劇。」
浩一が言った。
「た、多分、死なないだろ。保健室行こうぜ。」
勇気が言った。
「3年はどうすんだよ?」
「ほっとけばいいさ。真斗、保健室行こうぜ。」
そう言って、勇気は真斗を保健室へ連れて行った。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!
気にしないで。邪魔はしないから
村人F
BL
健気な可愛い男の子のお話
,
,
,
,
王道学園であんなことやこんなことが!?
王道転校生がみんなから愛される物語〈ストーリー〉
まぁ僕には関係ないんだけどね。
嫌われて
いじめられて
必要ない存在な僕
会長
すきです。
ごめんなさい
好きでいるだけだから
許してください
お願いします。
アルファポリスで書くのめっちゃ緊張します!!!(え)
うぉぉぉぉぉ!!(このようにテンションくそ高作者が送るシリアスストーリー💞)
それはきっと、気の迷い。
葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ?
主人公→睦実(ムツミ)
王道転入生→珠紀(タマキ)
全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?
[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます
はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。
果たして恋人とはどうなるのか?
主人公 佐藤雪…高校2年生
攻め1 西山慎二…高校2年生
攻め2 七瀬亮…高校2年生
攻め3 西山健斗…中学2年生
初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる