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お父様が王宮から戻ると応接間には一族が勢ぞろいした。
ピザート家は、ビルを含む4人全員とアーマード家の3人。
「で、シェリル。何の販売許可が必要なんだい?」
「はい、閣下。こちらの子供のおもちゃです。」
こ、こいつ、子供のおもちゃで通す気か?
「どういう風に使うんだい?」
「はい、数を数える為に使います。」
「ふむ。」
「アリスお嬢様、問題を出しますね。」
「はい、お願い。」
お父様が戻る前に、アリスは練習していたので、ゆっくりなら、算盤を使えるようになっていた。
「ちょっ、リリアーヌさん。余計な事はしないで下さい。」
「使い方がわかって丁度いいじゃないか?」
お父様の言葉で、シェリルは押し黙った。
「では、いきます。8、9、3、5、7。」
リリアーヌがゆっくりと数字を言う。
アリスが一生懸命、算盤を使う。
かわええ。
「えっとぉー、32っ。」
「お嬢様、正解は?」
おいっ、自分で暗算しろよっ。
「アリス、正解よ。」
そう言って、私はアリスの頭を撫でた。
「えっ、どういう事?」
叔母様が、何が何やらと判っていないようで。
「今、私が言った数字を全て足したのです。」
リリアーヌが答えた。
お父様が、頭を抱えた。
やっぱり、そうだよね。
「こ、子供の教育用のおもちゃです。販売許可をお願いします。」
「却下だ。」
「ぐはっ・・・。」
「姉さん、それ僕も欲しい。」
ふむ、ビルにあってもいいかもね。
とりあえず私のをあげようかな。
「お、お嬢様、私にも下さいっ!」
そう言って、家令のコットンが土下座した。
お、大人の土下座って、怖いな・・・。
てか、あんた貴族でしょ?
何してんの?
「シェリル、とりあえず子供用を2つ追加ね。」
「は、はい・・・。」
販売許可が却下され、シェリルは消沈していた。
「ビル、少しだけ待ってね。」
「うん、待つよ、姉さん。」
物分かりがいい可愛い弟だ。
弟に癒され、醜い大人の方を向く。
「はい、コットン。使い方はアリスに習いなさい。」
「はっ!ありがとうございます。」
人に教えることは、自分にとってもプラスになる。
何せ、アリスは覚えたてほやほやだ。
教えることは、いい復習になるだろう。
コットンは、さっそくアリスに算盤の使い方を習っていた。
「シェリル。」
「は、はい。」
「子供用と言ったが、大人用もあるのかい?」
「大人用は、まだ出来ておりません。お嬢様から細かい指示がある為、時間が掛かります。」
「では、子供用は、どれ位作れる?」
「今ある材料ですと5個ほど。」
「直ぐに出来るのかい?」
「1日あれば、作れます。」
「それは何人で作っているんだい?」
「組み立ては私が。」
って、あんたが組み立てしてたんかいっ!
あまりの事に、私は内心、関西弁で突っ込んでしまった。
「では、5つ作成して、3つほど私に渡してくれるかい?」
「了解しました。」
夕食後、お父様に呼ばれて二人で話すことになってしまった。
「アウエリア、君は何がしたいんだい?」
「何と言われても・・・。」
「そろばんと言うんだっけ?これは何処で?」
「何となく思いつきました・・・。」
「はあ・・・。」
深いため息をつかれた。
「二人きりで何の話かしら。」
お母様が、談話室へ入ってきた。
「今はアウエリアと二人で話しているんだ、遠慮してくれるかい?」
「アウエリアは、私の娘です。遠慮する理由がありまして?」
「はあ・・・。」
再び深いため息をつく、お父様。
「それで、何のお話かしら?」
「アーマード家へ行く話ではないから安心してほしい。」
「他に二人きりで話す事があるんですか?」
「そろばんという物の事だよ。」
「そんな事で?」
「そんな事というが、これは簡単な話ではないよ。」
「アウエリアは、アリスの為に、考えたんでしょ?アリスが算術を出来るようになったといって、ユリアナが喜んでいたわ。」
そう言って、お母様は私の頭を優しく撫でてくれた。
「子供の学習用で済む問題ならいいのだけどね。」
「それこそ、アウエリアには関係ないことでは?こういうものは王族に丸投げすればいいのです。王族なんですもの、それ位の仕事はしてもいいでしょう?」
「王家にお願いするつもりでは、あるけどね。」
「なら、それでいいではないですか?このそろばんという物は、誰でも作れるものでしょ?重要なのは使い方でしょ?その辺は、国で管理すればいいでしょ。」
「まあ、そうだけどね。アウエリア、今後、何か思いついた時は、まず私に相談して欲しい。」
「物がなければ、説明も難しいでしょうに。」
「・・・。」
「今回、アウエリアは、シェリルにあなたの許可を求める様に伝えたのでしょ?それで十分だわ。」
「はあ・・・。」
完全に私の味方のお母様に、お父様は深いため息を吐いた。
「少し、アウエリアに肩入れが過ぎるんじゃないのかい?」
「こんなに仲が良い母娘ですもの。仕方ないでしょ?」
お母様は、そう言いながら私の頭を優しく撫でる。
というか、ずっと撫でっぱなしだ。
「それを引き離そうとする、あなたは、情というものがあるのかしら?」
「今は、その話じゃないだろう?アウエリア、陛下へ説明に行くときは一緒に行ってもらうよ。」
「えっと、アリスは?」
「陛下への謁見だからね。人は少ない方がいい。」
「了解しました。」
私が自分の部屋に戻るとアリスが一生懸命、そろばんを練習していた。
ふふふ。
この可愛い妹の為なら、後悔はないっ!
翌朝、珍しく執事長のモーゼスに声を掛けられた。
「お嬢様、できれば私(わたくし)にも、そろばんというものを頂けないでしょうか?」
宰相の補佐をしているコットンにしろ、屋敷の予算を管理しているモーゼスにしても、そろばんは是が非でも欲しいだろう。
「シェリルに言っておくわ。」
「ありがとうございます。」
「ちなみに何桁あった方がいい?」
「私の方は8桁もあれば十分です。」
「わかったわ。」
とりあえず10桁にしておくか、コットンのも交換してあげないとね。
珍しくシェリルが居なかったので、今頃、組み立てしてるんだろうか?
女中の一人に、アーマード商会への言伝をお願いした。
そして、午前の授業は・・・。
剣術だった。
あったわあああ・・・。
そういやあ、これがあったわああああ。
完全に頭の中から消していた。
私とビルが剣術を習うため、アリスも見学だ。
「凄い、凄い、お姉さま、凄い。」
珍しく私のやる気が漲る。
「今日はやる気が違いますね。お嬢様。」
脳筋が、言う。
「お嬢様の凄い所はやる気があろうとなかろうと剣筋に一切影響がない所です。」
褒めてるのか、それ?
「あ、そうだ。の・・・、先生、護衛をする時の対処方法を教えてくれませんか?」
危ない、脳筋って言っちゃいそうだった。
「護衛ですか?お嬢様には必要ないのでは?」
「今度、アリスと平民街に行くから、その為よ。」
「護衛の兵士は、当然いるでしょう?」
「ええ、もちろん。」
「ピザート家の兵士は優秀ですし、お嬢様が気を張らずとも問題ないのでは?」
「備えあれば憂いなしっていうでしょ?」
「確かに。では、簡単な対処法を。お嬢様は、受けに関しては、申し分ないのですが、お嬢様の受け流しは、後方へ下がるのが殆どですよね?」
「まあ、受けきるだけの力もないし。」
「まずはやってみましょう。ビル様よろしいですか?」
「はい。」
ビルがアリス役だ。
本人のアリスは居るものの、危険が100%無いとは言い切れない。
私は、ビルを後ろにして、1m程前に出た。
「では行きます。」
脳筋の強烈な一撃が入る。
私は半歩後ろに下がり、木剣を受け流す。
「この時、お嬢様はビル様に指示を出してください。」
「ビル、一歩下がって。」
ビルは、私に言われた通り一歩下がった。
「これで終了です。」
「はい?」
「万が一、一撃が届いたとしても、二撃目が、届くことはありませんよ。」
「そもそも、私が盾となりますし、一撃が届くこともありません。」
そうリリアーヌが言った。
「盾は不要だから、やめて頂戴。」
「お嬢様の為なら、この命っ!」
「あー、リリアーヌ殿だったかな。」
「何でしょうか?」
「その精神は、買うが、お嬢様の邪魔になるので、盾になるような事はしないで欲しい。」
「邪魔ですって?」
「あなたに何かあれば、お嬢様が動揺するし、お嬢様には対処できるだけの技がある。護衛の兵士の邪魔にもなるので、そういった行為は、辞めてもらいたい。」
「・・・。」
脳筋にズバッと言われて、リリアーヌは押し黙った。
ピザート家は、ビルを含む4人全員とアーマード家の3人。
「で、シェリル。何の販売許可が必要なんだい?」
「はい、閣下。こちらの子供のおもちゃです。」
こ、こいつ、子供のおもちゃで通す気か?
「どういう風に使うんだい?」
「はい、数を数える為に使います。」
「ふむ。」
「アリスお嬢様、問題を出しますね。」
「はい、お願い。」
お父様が戻る前に、アリスは練習していたので、ゆっくりなら、算盤を使えるようになっていた。
「ちょっ、リリアーヌさん。余計な事はしないで下さい。」
「使い方がわかって丁度いいじゃないか?」
お父様の言葉で、シェリルは押し黙った。
「では、いきます。8、9、3、5、7。」
リリアーヌがゆっくりと数字を言う。
アリスが一生懸命、算盤を使う。
かわええ。
「えっとぉー、32っ。」
「お嬢様、正解は?」
おいっ、自分で暗算しろよっ。
「アリス、正解よ。」
そう言って、私はアリスの頭を撫でた。
「えっ、どういう事?」
叔母様が、何が何やらと判っていないようで。
「今、私が言った数字を全て足したのです。」
リリアーヌが答えた。
お父様が、頭を抱えた。
やっぱり、そうだよね。
「こ、子供の教育用のおもちゃです。販売許可をお願いします。」
「却下だ。」
「ぐはっ・・・。」
「姉さん、それ僕も欲しい。」
ふむ、ビルにあってもいいかもね。
とりあえず私のをあげようかな。
「お、お嬢様、私にも下さいっ!」
そう言って、家令のコットンが土下座した。
お、大人の土下座って、怖いな・・・。
てか、あんた貴族でしょ?
何してんの?
「シェリル、とりあえず子供用を2つ追加ね。」
「は、はい・・・。」
販売許可が却下され、シェリルは消沈していた。
「ビル、少しだけ待ってね。」
「うん、待つよ、姉さん。」
物分かりがいい可愛い弟だ。
弟に癒され、醜い大人の方を向く。
「はい、コットン。使い方はアリスに習いなさい。」
「はっ!ありがとうございます。」
人に教えることは、自分にとってもプラスになる。
何せ、アリスは覚えたてほやほやだ。
教えることは、いい復習になるだろう。
コットンは、さっそくアリスに算盤の使い方を習っていた。
「シェリル。」
「は、はい。」
「子供用と言ったが、大人用もあるのかい?」
「大人用は、まだ出来ておりません。お嬢様から細かい指示がある為、時間が掛かります。」
「では、子供用は、どれ位作れる?」
「今ある材料ですと5個ほど。」
「直ぐに出来るのかい?」
「1日あれば、作れます。」
「それは何人で作っているんだい?」
「組み立ては私が。」
って、あんたが組み立てしてたんかいっ!
あまりの事に、私は内心、関西弁で突っ込んでしまった。
「では、5つ作成して、3つほど私に渡してくれるかい?」
「了解しました。」
夕食後、お父様に呼ばれて二人で話すことになってしまった。
「アウエリア、君は何がしたいんだい?」
「何と言われても・・・。」
「そろばんと言うんだっけ?これは何処で?」
「何となく思いつきました・・・。」
「はあ・・・。」
深いため息をつかれた。
「二人きりで何の話かしら。」
お母様が、談話室へ入ってきた。
「今はアウエリアと二人で話しているんだ、遠慮してくれるかい?」
「アウエリアは、私の娘です。遠慮する理由がありまして?」
「はあ・・・。」
再び深いため息をつく、お父様。
「それで、何のお話かしら?」
「アーマード家へ行く話ではないから安心してほしい。」
「他に二人きりで話す事があるんですか?」
「そろばんという物の事だよ。」
「そんな事で?」
「そんな事というが、これは簡単な話ではないよ。」
「アウエリアは、アリスの為に、考えたんでしょ?アリスが算術を出来るようになったといって、ユリアナが喜んでいたわ。」
そう言って、お母様は私の頭を優しく撫でてくれた。
「子供の学習用で済む問題ならいいのだけどね。」
「それこそ、アウエリアには関係ないことでは?こういうものは王族に丸投げすればいいのです。王族なんですもの、それ位の仕事はしてもいいでしょう?」
「王家にお願いするつもりでは、あるけどね。」
「なら、それでいいではないですか?このそろばんという物は、誰でも作れるものでしょ?重要なのは使い方でしょ?その辺は、国で管理すればいいでしょ。」
「まあ、そうだけどね。アウエリア、今後、何か思いついた時は、まず私に相談して欲しい。」
「物がなければ、説明も難しいでしょうに。」
「・・・。」
「今回、アウエリアは、シェリルにあなたの許可を求める様に伝えたのでしょ?それで十分だわ。」
「はあ・・・。」
完全に私の味方のお母様に、お父様は深いため息を吐いた。
「少し、アウエリアに肩入れが過ぎるんじゃないのかい?」
「こんなに仲が良い母娘ですもの。仕方ないでしょ?」
お母様は、そう言いながら私の頭を優しく撫でる。
というか、ずっと撫でっぱなしだ。
「それを引き離そうとする、あなたは、情というものがあるのかしら?」
「今は、その話じゃないだろう?アウエリア、陛下へ説明に行くときは一緒に行ってもらうよ。」
「えっと、アリスは?」
「陛下への謁見だからね。人は少ない方がいい。」
「了解しました。」
私が自分の部屋に戻るとアリスが一生懸命、そろばんを練習していた。
ふふふ。
この可愛い妹の為なら、後悔はないっ!
翌朝、珍しく執事長のモーゼスに声を掛けられた。
「お嬢様、できれば私(わたくし)にも、そろばんというものを頂けないでしょうか?」
宰相の補佐をしているコットンにしろ、屋敷の予算を管理しているモーゼスにしても、そろばんは是が非でも欲しいだろう。
「シェリルに言っておくわ。」
「ありがとうございます。」
「ちなみに何桁あった方がいい?」
「私の方は8桁もあれば十分です。」
「わかったわ。」
とりあえず10桁にしておくか、コットンのも交換してあげないとね。
珍しくシェリルが居なかったので、今頃、組み立てしてるんだろうか?
女中の一人に、アーマード商会への言伝をお願いした。
そして、午前の授業は・・・。
剣術だった。
あったわあああ・・・。
そういやあ、これがあったわああああ。
完全に頭の中から消していた。
私とビルが剣術を習うため、アリスも見学だ。
「凄い、凄い、お姉さま、凄い。」
珍しく私のやる気が漲る。
「今日はやる気が違いますね。お嬢様。」
脳筋が、言う。
「お嬢様の凄い所はやる気があろうとなかろうと剣筋に一切影響がない所です。」
褒めてるのか、それ?
「あ、そうだ。の・・・、先生、護衛をする時の対処方法を教えてくれませんか?」
危ない、脳筋って言っちゃいそうだった。
「護衛ですか?お嬢様には必要ないのでは?」
「今度、アリスと平民街に行くから、その為よ。」
「護衛の兵士は、当然いるでしょう?」
「ええ、もちろん。」
「ピザート家の兵士は優秀ですし、お嬢様が気を張らずとも問題ないのでは?」
「備えあれば憂いなしっていうでしょ?」
「確かに。では、簡単な対処法を。お嬢様は、受けに関しては、申し分ないのですが、お嬢様の受け流しは、後方へ下がるのが殆どですよね?」
「まあ、受けきるだけの力もないし。」
「まずはやってみましょう。ビル様よろしいですか?」
「はい。」
ビルがアリス役だ。
本人のアリスは居るものの、危険が100%無いとは言い切れない。
私は、ビルを後ろにして、1m程前に出た。
「では行きます。」
脳筋の強烈な一撃が入る。
私は半歩後ろに下がり、木剣を受け流す。
「この時、お嬢様はビル様に指示を出してください。」
「ビル、一歩下がって。」
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「これで終了です。」
「はい?」
「万が一、一撃が届いたとしても、二撃目が、届くことはありませんよ。」
「そもそも、私が盾となりますし、一撃が届くこともありません。」
そうリリアーヌが言った。
「盾は不要だから、やめて頂戴。」
「お嬢様の為なら、この命っ!」
「あー、リリアーヌ殿だったかな。」
「何でしょうか?」
「その精神は、買うが、お嬢様の邪魔になるので、盾になるような事はしないで欲しい。」
「邪魔ですって?」
「あなたに何かあれば、お嬢様が動揺するし、お嬢様には対処できるだけの技がある。護衛の兵士の邪魔にもなるので、そういった行為は、辞めてもらいたい。」
「・・・。」
脳筋にズバッと言われて、リリアーヌは押し黙った。
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