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「アウエリア様、もしよろしければ宝石(いし)拾いに一緒に行きませんか?」

「石拾い?」

石拾って、何が楽しいんだ?
子供の遊びやんっ。
って、私は子供だった・・・。

「いしと言っても宝石の事です。」

「えっ、宝石って拾うの?採掘するんじゃないの?」

「宝石の採掘は禁止されています。採掘されるのは、鉄鉱石や金や銀ですね。」

「ふーん、で、何処で拾うの?」

「国が管理している鉱山で拾います。」

「鉱山に入って拾うだけ?」

「はい、落ちている物を拾うだけです。採掘道具は使えません。」

「へえ。」

面白そうではあるけど。

「私の師匠が採掘で、鉱山に入りますので、同じ宿をとる予定です。」

なんだとっ!
ドワーフに会えるっ!!

「行くわっ!」

私は即答した。

「駄目です。」

即座にリリアーヌに否定された・・・。

「な、なんで?」

「奥様から許可が出るとでも?」

「うっ・・・。」

「鉱山と言っても場所は王都内です。入鉱料を払って入りますから、ある程度の整備はされています。」

そう、丁寧に説明はしてくれたが。

お母様の説得か・・・、難問だ。
石拾いもやってみたいし、ドワーフにも会ってみたい。
しかしなあ・・・。

「いつ行くの?」

「2週間後になります。」

「わかったわ、家の許可が出れば、同行するわ。」

「楽しみにお待ちしております。」

私は、難問を抱えたまま、レントン商会を後にした。




「さて、メイン通りでも行ってみますか?」

ヒャッハーなボスが私に提案してきた。

「特に用はないんだけど?」

「屋台も出ていて楽しいですよ?」

「お金も無いし、普段からメイン通りは避けてるわ。」

「お嬢様、お金でしたらリリアーヌが持っていますよ?」

兵士な人が言った。

「えっ?」

「側仕えなら当然ですよ。だろ?リリアーヌ。」

「ええ、お金なら持っています。」

「ちょっ、今まで、そんな事言わなかったでしょ?」

「お嬢様、太りたいのですか?」

「うっ・・・。」

「教会でおやつを食べて、更に買い食いまでしたいと?」

「い、いえ・・・。」

私はリリアーヌに何も言えなくなった。

「今日は教会に行ったわけでないし、いいんじゃないか?」

兵士な人がリリアーヌに提案してくれた。

「まあ、いいでしょう。」

という事で、メイン通りに行く事になった。

一度、チラ見はした事はあったが、金がないと思っていたし、目の毒だからと近づかないようにしていた。

メイン通りには多くの人が居た。
まるで、祭りの様だ。
屋台も凄く出ている。
異世界で料理の道を極めるなら、ここに屋台を出せば儲かりそうだ。

「凄い人ね。何か催し物でもあるの?」

「いえ、これが王都の街の日常です。」

ヒャッハーなボスが答えてくれた。

すげえな、王都。

「お嬢様、何か買われますか?」

リリアーヌが聞いてきた。

「そうねえ、何かお薦めはあるかしら?」

ヒャッハーなボスに聞いてみた。

「そうですねえ、最近、人気なのはタコ焼きですかね。」

な、なんですとっ!
た、たこ焼きっ!!
まさか、異世界に存在するのか?まじでっ!?

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