聖女の私は妹に裏切られ、国を追放することになりましたがあなたは聖女の力を持っていないですよ?〜国を追放され、劣悪な環境の国に来た聖女の物語〜

 アデリーナ・ハートフィールドはシライアという国で聖女をしていた。

 ある日のこと、アデリーナは婚約者であり、この国の最高権力者ローラン・ベイヤー公爵に呼び出される。その場には妹であるグロウィンの姿もあった。

「お前に代わってグロウィンがこの国の聖女となることになった」

 公爵はそう言う。アデリーナにとってそれは衝撃的なことであった。グロウィンは聖女の力を持っていないことを彼女は知っているし、その力が後天性のものではなく、先天性のものであることも知っている。しかし、彼に逆らうことも出来ずに彼女はこの国から追放された。

 彼女が行かされたのは、貧困で生活が苦しい国のデラートであった。

 突然の裏切りに彼女はどうにかなってしまいそうだったが、ここでただ死ぬのを待つわけにもいかずに彼女はこの地で『何でも屋』として暮らすことになった。

 『何でも屋』を始めてから何日か経ったある日、彼女は平和に過ごせるようになっていたが、その生活も突然の終わりを迎える。
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