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5章
ルーグとエナの心境
しおりを挟む~ルーグ視点~
俺はルーグ。
Sランク冒険者で、腕には結構自信がある。
依頼を受けようとボードを見ていると、ギルドのマドンナ『エナさん』から声をかけられた。
何でも、登録前の試験官を俺にしてほしいそうだ。
正直面倒だったが、まぁやることも無かったので承諾した。
だが、実際会ってみるとどうだ!
入ってきたのは小さな子供で、その上とてつもなく美少女だったのだ。
「アリスです!よろしくお願いします!」
と元気よく挨拶された。
思わず可愛さで情けない顔になりそうなのをグッとおさえ、俺も挨拶をした。
途中、アリスちゃんを応援する声の中に『あんなおっさん倒したれ~』という声が聞こえたので睨んでおく。
だが、アリスちゃんが手を振るとそいつは鼻血を出して倒れたので良い気味だった。
数分後、エナさんの説明が終わったようで、試合開始の合図が言い渡された。
俺はてっきり無闇に突っ込んでくるかと思ったが、アリスちゃんは歩いている。
それに子供だからか、非常に遅い。
俺は耐えていたが、アリスちゃんの方に走って行った。
十分に近付き剣を振りかぶると、俺は腹部に強い衝撃を受け、壁にめり込んだ。
次に気がついた時には、俺は救護室に寝ていた。
どうやら気を失ったようだ。
そして、俺は攻撃を受けたときの事を振り返る。
十分に近付いたといっても、数メートルは離れていたはずだ。
そこからあの子供が一瞬で攻撃できるのだろうか。
いや、無理だろう。
まず吹き飛ばすことも出来ないはずだ。
体重70㎏はある大人の男性を吹き飛ばすなんて不可能に等しい。
「はぁ・・・・何者なんだ?アリスちゃんは」
俺の呟きは、誰にも聞かれることなく消えていった。
~エナ視点~
「こちらが報酬になります。ありがとうございました」
今日もまた仕事をこなす。
私達、ギルド職員を騒がせるような強者は現れず、同じような作業を繰り返す。
何の変哲もない毎日。
はっきり言って退屈なのだ。
そんな時、一人の可愛らしい少女がギルドに入ってきた。
始めは依頼しに来たのかと思ったが、絡んでいるドゥルさんとの会話からそうでないと分かる。
ドゥルさんとの口喧嘩を終えた少女はカウンター前に来て「あの、登録したいのですが」と話しかけてきた。
まさか私のところに来るとは思っていなかったけど、凄く美少女だ。
先程は遠目だったのでそれほどでもなかったが、近くで見ると破壊力がすごい。
私はルーグさんに試験官を頼み、少女と闘技場へと向かった。
その時に知ったのだが、少女はアリスと言うらしい。
試験も無事?終わったが一瞬だった。
年相応に喜ぶアリスちゃんはとてつもなく可愛らしい。
思わず眼を疑いましたよ。えぇ。
その時本気で思いました。『アリスちゃんは天使ではなく幼女神なのか』と。
私はギルドマスターから連絡を受け、アリスちゃんをギルドマスターのところへ連れていくことになった。
大丈夫だろうか・・・・
ギルドマスターは相当なロリコンなのだけれど・・・
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