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待望の第2話
リュウノシン てっぺいは好きか?
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1.はじまりの歌
雨がふったら、アイツに会えるチャンス!
水たまりを見つけたら、のぞいてごらん。
一度じゃアイツは見つからない。二度見てみなよ。
運がよければ、見つかるかも!三度目はくっきり。
あの世界が見えるはず。リュウノシンが住む魔法の世界。ほらっ、雨の日が楽しみになるだろう。出かけよう、ぴっちゃん、ゴロゴロ~。
2.てっぺい、やっちまった!
ちゅんちゅんチュン。スズメが鳴いている。ニワトリは黙っているけど、もう朝だ!布団にうずくまっていた、てっぺい。目が覚めた!ちゅんちゅん、が気になったーわけじゃない。なんだか、ひゃーっとしたんだ、お尻のうしろ。触っちまった、見ちまった!ビショビショ、おねしょ。美女じゃないよ、お兄さん。布団がビショビショ、ウェットだ。
どうしよう、てっぺい、キョロキョロ。見つからないように、コソッと起き上がる。布団をひょいと持ち上げようとした途端、やってきました、鬼ママ。いやった、優しい母さん。おはよーと近寄った途端、見つけたのは布団に広がる世界地図!
「てっぺいー、またやったね!おねしょ!」
そりゃそうだ、隠せるわけはないんだ!なんでかって?てっぺいの布団の世界地図、アングルを変えてみると、広くて深い世界地図。6歳のおねしょとは思えない大作!よっ、巨匠。
3.リュウノシン登場
てっぺい、困ると黙るほう。母さんに何も言えず、じっと黙って下を向いていた。布団の上に広がる世界地図の横で。アングルを変えてみよう。世界地図を下、深く、深く、おりていくと、いました水玉リュウノシン。本物の世界地図を広げている。
「ルナちゃん、エロマンガ島に行きたいなー」
ニャー、三毛猫になったルナちゃん。すっかりリュウノシンの肩の上でゴロゴロ。ルナちゃん、リュウノシンを許していいの?込み入った話はまた今度。
「どうやら、また水たまり、できたようだな。行ってみるかー」
誰も呼んでくれないから、またもや行きます。あっちの世界。呼ばれないけど、出かけよう、ぴっちゃん、ゴロゴロ~。
4.てっぺいは好きか?
飛び出て、じゃっじゃーん。黙ってうつむく、てっぺいの横に突如、現れたのが、水玉リュウノシン。
「おまえさん、どうして呼べたんだい?」
尋ねても無口なてっぺいの代わりに答えたのは近くにたまたまいたコオロギ。ベンベンと羽根を鳴らして語るには、兄さん、見てみろ、布団の上の世界地図。やっちまったのさ、てっぺいは。
さすがのリュウノシンもガッテンした。内緒にしたい大事件。おれっちも、やったことがあるから分かるおまえさんの気持ち。あいにく今日は雨降りだ。布団も干せないほどの雨。行ってみるか、あの世の世界。過去におまえさんを連れていってやろう。
無口なてっぺいの肩を寄せ、おねしょの世界に飛び込んだ!バッチィ、バッチィ、思うことなかれ。だって大丈夫。登場したのは卵型のカプセル。ぱかっと開いたらふかふかの椅子に座ってひとっ飛び。ムラサキの光の世界に飛び込んだ。
5.てっぺいの過去
たどり着いたのは、さっき、てっぺいがおねしょをした、あの部屋。でも、でーも、母さんの横に誰かがいる。てっぺいはビックリ。会ったこともない人、でも見たことはある、だって、きっと、あれは僕の父さん!てっぺいの父さん、てっぺいが生まれる前にいなくなった。マグロ漁船の船長だったテツオさん。てっぺいが生まれる前に帰ってくると、約束したのに、舟ごと丸ごと消えたのが5年前。
「あなた、名前どうしよう?」
「ワガママ言うけどさ、テツオから1文字入れたい。でさ、強くて平和を生み出す男に育ってほしい。」
「てっぺい、ね。」
いつもガミガミ母さん。あんなに優しい顔を見たことない。無口なてっぺい、涙がポロポロ。静かに、ホロリ。
6.リュウノシンとの別れ
一言も話さなかったリュウノシンとてっぺい。肩を寄せ合って、こっちの世界に戻ってきた。しびれを切らしたリュウノシン、思わず聞いちまった。感想を。
「おまえさんの過去はどうだった?」
無言で30秒、そのあと一言。
「強く、なる」
気づけば世界地図が消えかかり、早く戻らなきゃ、リュウノシン。ルナちゃんが早く早くと地図の奥から泣いている。戻りますよ、ルナちゃん。土産はイワシの乾いたの。気に入ってくれますか?
7.てっぺい、好きか?
水玉リュウノシン、今回なにをした?
テツオ父さんにあった、てっぺい、あれからおねしょはなくなった。ガミガミ母さん、すっかり優しくなって、父さんの想い出話を始めちゃった。母さん、てっぺい、涙がポロポロ、またもや水たまり。
「水玉リュウノシン!もう一度連れていって、あっちの世界に!」
呼ばれたけれどリュウノシン、おあいにくさま。今は晴れているから過去にはいけない。それに、シャワーだってあびたいんだ。耳栓をして、聞こえないふり。
「てっぺいが好きか、嫌いかって?そんなの知らねー。だって、アイツと話していないから。」
8.しめの歌
水玉リュウノシンと仲良くなりたいなら話せばいい
黙っていたら分からない 話さなければ始まらない
だってそうだろ さらけ出すんだ ちょっと素直になれば大丈夫 さぁさぁ話してキミのこと
雨がふったら、アイツに会えるチャンス!
水たまりを見つけたら、のぞいてごらん。
一度じゃアイツは見つからない。二度見てみなよ。
運がよければ、見つかるかも!三度目はくっきり。
あの世界が見えるはず。リュウノシンが住む魔法の世界。ほらっ、雨の日が楽しみになるだろう。出かけよう、ぴっちゃん、ゴロゴロ~。
2.てっぺい、やっちまった!
ちゅんちゅんチュン。スズメが鳴いている。ニワトリは黙っているけど、もう朝だ!布団にうずくまっていた、てっぺい。目が覚めた!ちゅんちゅん、が気になったーわけじゃない。なんだか、ひゃーっとしたんだ、お尻のうしろ。触っちまった、見ちまった!ビショビショ、おねしょ。美女じゃないよ、お兄さん。布団がビショビショ、ウェットだ。
どうしよう、てっぺい、キョロキョロ。見つからないように、コソッと起き上がる。布団をひょいと持ち上げようとした途端、やってきました、鬼ママ。いやった、優しい母さん。おはよーと近寄った途端、見つけたのは布団に広がる世界地図!
「てっぺいー、またやったね!おねしょ!」
そりゃそうだ、隠せるわけはないんだ!なんでかって?てっぺいの布団の世界地図、アングルを変えてみると、広くて深い世界地図。6歳のおねしょとは思えない大作!よっ、巨匠。
3.リュウノシン登場
てっぺい、困ると黙るほう。母さんに何も言えず、じっと黙って下を向いていた。布団の上に広がる世界地図の横で。アングルを変えてみよう。世界地図を下、深く、深く、おりていくと、いました水玉リュウノシン。本物の世界地図を広げている。
「ルナちゃん、エロマンガ島に行きたいなー」
ニャー、三毛猫になったルナちゃん。すっかりリュウノシンの肩の上でゴロゴロ。ルナちゃん、リュウノシンを許していいの?込み入った話はまた今度。
「どうやら、また水たまり、できたようだな。行ってみるかー」
誰も呼んでくれないから、またもや行きます。あっちの世界。呼ばれないけど、出かけよう、ぴっちゃん、ゴロゴロ~。
4.てっぺいは好きか?
飛び出て、じゃっじゃーん。黙ってうつむく、てっぺいの横に突如、現れたのが、水玉リュウノシン。
「おまえさん、どうして呼べたんだい?」
尋ねても無口なてっぺいの代わりに答えたのは近くにたまたまいたコオロギ。ベンベンと羽根を鳴らして語るには、兄さん、見てみろ、布団の上の世界地図。やっちまったのさ、てっぺいは。
さすがのリュウノシンもガッテンした。内緒にしたい大事件。おれっちも、やったことがあるから分かるおまえさんの気持ち。あいにく今日は雨降りだ。布団も干せないほどの雨。行ってみるか、あの世の世界。過去におまえさんを連れていってやろう。
無口なてっぺいの肩を寄せ、おねしょの世界に飛び込んだ!バッチィ、バッチィ、思うことなかれ。だって大丈夫。登場したのは卵型のカプセル。ぱかっと開いたらふかふかの椅子に座ってひとっ飛び。ムラサキの光の世界に飛び込んだ。
5.てっぺいの過去
たどり着いたのは、さっき、てっぺいがおねしょをした、あの部屋。でも、でーも、母さんの横に誰かがいる。てっぺいはビックリ。会ったこともない人、でも見たことはある、だって、きっと、あれは僕の父さん!てっぺいの父さん、てっぺいが生まれる前にいなくなった。マグロ漁船の船長だったテツオさん。てっぺいが生まれる前に帰ってくると、約束したのに、舟ごと丸ごと消えたのが5年前。
「あなた、名前どうしよう?」
「ワガママ言うけどさ、テツオから1文字入れたい。でさ、強くて平和を生み出す男に育ってほしい。」
「てっぺい、ね。」
いつもガミガミ母さん。あんなに優しい顔を見たことない。無口なてっぺい、涙がポロポロ。静かに、ホロリ。
6.リュウノシンとの別れ
一言も話さなかったリュウノシンとてっぺい。肩を寄せ合って、こっちの世界に戻ってきた。しびれを切らしたリュウノシン、思わず聞いちまった。感想を。
「おまえさんの過去はどうだった?」
無言で30秒、そのあと一言。
「強く、なる」
気づけば世界地図が消えかかり、早く戻らなきゃ、リュウノシン。ルナちゃんが早く早くと地図の奥から泣いている。戻りますよ、ルナちゃん。土産はイワシの乾いたの。気に入ってくれますか?
7.てっぺい、好きか?
水玉リュウノシン、今回なにをした?
テツオ父さんにあった、てっぺい、あれからおねしょはなくなった。ガミガミ母さん、すっかり優しくなって、父さんの想い出話を始めちゃった。母さん、てっぺい、涙がポロポロ、またもや水たまり。
「水玉リュウノシン!もう一度連れていって、あっちの世界に!」
呼ばれたけれどリュウノシン、おあいにくさま。今は晴れているから過去にはいけない。それに、シャワーだってあびたいんだ。耳栓をして、聞こえないふり。
「てっぺいが好きか、嫌いかって?そんなの知らねー。だって、アイツと話していないから。」
8.しめの歌
水玉リュウノシンと仲良くなりたいなら話せばいい
黙っていたら分からない 話さなければ始まらない
だってそうだろ さらけ出すんだ ちょっと素直になれば大丈夫 さぁさぁ話してキミのこと
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展開早く読み聞かせで子供が着いてこれるかな?と思うところもあります。
リューノシン、過去へ未来へ何処に連れてってくれるんだい、私も連れてって欲しいな。