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第二章 オイカゼヨウイ
(2)冗談なんかじゃないんだけどな
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「気持ちいい?」
伝わっているか教えてほしくって、訊いてしまう。量には自信があるけれど、質にはまだちょっと、ないから。彼の前だと、臆病な自分を隠すので精いっぱいだから。
栄助さんは、真剣な眼差しを宙に彷徨わせてから、視線をくれた。
「よくわからないな、傷口は」
「むう。そこは雰囲気で、頷いてくれてもいいんじゃないの」
「俺はマゾではないつもりなんだが」
うん、それはさっき知った。
「けれど、敏感な粘膜なのは同じでしょう」
「どこで覚えてくるんだ、そんな言葉」
「んー。今、かな」
これまで誰かと付き合ったこともないのだから、使ったこともないし、そもそもこんな言葉を使うかどうかも知らない。そりゃあ、ネットでそういうの、見たことあるけれど。記憶にある限り、そういうところからの出自ではない。
だから、言うなれば、これは貴方のために生まれた言葉。貴方の前で使う、私の裸の顔。きっと、こんな臆病な心は見抜かれているのかもしれない。だって、彼もおんなじだから。
何でもしようと言ってくれたあの日が、栄助さんとのはじめましてだった。最初は驚いてカッターを手放せなかったけれど、彼の瞳は、どこかこの世のものではないような気がした。
光の届かない深い海の底で見る宝石。綺麗なのに、輝くことを忘れている、生きた屍。
一目惚れって本当にあるんだと、分かった。
デートをして、より理解した。彼と私は、似ているようで真逆だった。誰かを愛せるはずがないと、仮面を被り続ける彼。誰にも愛されるはずがないと、仮面を被ることさえやめた私。臆病になっている対象は同じなのに、こうも違う。
だから、ちょっとだけ頑張って、背伸びをしてみてる。気づいているかな。貴方のことを知りたくて、貴方にもっと近づきたくて、そろそろ私、地に足がつかなくなりそう。
知れば知るほど、その高さが分かる。深さと一緒に倍速で拡がっていく。今まで知らなかった世界。カッター片手にアブダクションと唱えたら、心がキャトルミューティレーションされてしまった。次は一体どうなってしまうのかと、ドキドキが止まらない。解剖台の上で、栄助さんを、大人の恋を。教え込まれるのを期待してる。
再び腕に口づけをしたとき、不意に頭を引き寄せられた。
左の耳を胸に押し当てた体勢のまま、右の耳をそっと、耳たぶを折り込まれるように、彼の手のひらで塞がれる。
「せっかくの『食事』なんだ。集中しろ」
湯舟に潜りながら発した声みたいに、骨と皮膚を通して、声が直に伝わる。全身が繋がってしまったような気がして、その接着面である耳は、溶接でもされたみたいに熱を持って、じんじんと腫れた。
耳たぶを血液が流れる音のリズムが、徐々に彼の鼓動へ引き寄せられていく。よく、女の子の間で、仲が良い子や同じ部活の仲間の生理が感染る、なんて言い方をするけれど。きっとこれもそう。強い引力を持つ方へシンクロしていくんだ。
浸ってしまいたかったけれど、こんなところで狼狽えて固まってしまっては、せっかく握った主導権をふいにしてしまう。意地っ張りな舌使いで仕返しをする。
血を啜る音が口の中で反響した。耳を塞がれているせいで、逃げ場もない。
キスもこんな感じなのだろうか。私がまだ、したことのないキス。
本当のところが知りたくなって、口を離した。限界まで走ったあとのように息をしながら、栄助さんという酸素を求めて首をもたげる。彼はちゃんと迎えてくれて、私は人工呼吸で一命を取り留めた。
両耳を抱き締めてくれた栄助さんは、上の唇と下の唇を交互に挟むように優しく慣らしてから、一歩ずつ侵入してきた。初めてのディープキスは、奇妙な感覚。彼にエスコートをされて、しっとりとホールドで馴染まされてから、ボールルームダンスを踊るように舌がうねる。体が浮くようなターンを決めて、裏側をとん、とんとタッピング。されるがままの私の舌は、まるで自分のものではないみたいに動き、その度に、ステップの靴音が脳に響く。目を閉じれば、もう彼の中に入ってしまったようで、今にも溺れてしまいそう。
息継ぎをする度に感じる、レモンの匂いと、鉄臭い血の後味。その奥に、栄助さんのタバコの香りがした。これらすべてが彼の中にあった、彼を形作るものなのだと思うと、のぼせてしまう。
唇を離すと、彼の唇にうっすらと、くすんだ赤色のキスマークがついていた。
「この間と、違うタバコの匂いがする」
「ああ、あの時はピースを吸っていたからな。普段吸いはマルボロだ」
「へえ、いいね」
「いいねって、お前。まさか煙草は吸ってないだろうな」
一瞬しゃしゃり出てきた長谷堂先生を追い返すために、むっとした顔をしてやる。
「吸わないよ。でも興味はあったから、色々調べてる。マルボロは名前の由来が素敵だよね」
「気にしたことがなかったな。どういう意味なんだ」
呆れてしまう。知ったかぶりをされるよりはマシだけれど。そういうところ、ほんと男の人ってロマンに欠けている。こちらとしては、貴方に近づきたい一心だっていうのに。
「名前の由来は『Man always remember love because of romance only』の頭文字。『人は本当の愛を見つけるために恋をする』、なんだって」
私たちみたいだね、と笑って、ブラウスのボタンに指をかける。さっきから、ポリエステル越しに触れているところがじれったい。
袖を抜くと、栄助さんが息を呑むのが分かった。
「この間くれたもの、着てみたのだけれど。どうかな」
「よく似合っているよ」
「む、なんか淡白。せっかくお披露目したのに」
「悪かったな。朝から透けて見えていたから、この瞬間が待ち遠しかったよ」
そう言って、助平な手が伸びてきた。おへその隣あたりから指先でつうっと辿り、肋骨を越えそうになったところで身を捩る。
「だめ、待って――」
「待たない」
「や、ほんと。無理だから、待って」
パッと飛び退くと、栄助さんはお預けをくらった犬のような目で抗議してきた。可愛らしいから、しばらく放置してみたいところだけれど、こればかりは、私が悪いので補足する。
鞄から包帯を取り出すと、彼は納得してくれたのか、ほうっと息を吐いた。
「今日は、先に手当をするのか」
「だって、この間は気になって仕方なかったんだもの」
視界にちらつく罪悪感は塞ぐに限る。ロールの留め金を外して腕に巻いていると、栄助さんはポケットからハンカチを取り出し、口元を拭ってくれた。
「あら紳士。やっぱり、けっこう付いてたんだね」
「ああ。気になって仕方なかったよ」
そんなイジワルを言ってから、彼は「やっぱりということは」とぼやきながら、自分の口を拭いてしまった。それも、ハンカチの折り目を返して。やっぱりイジワルだ。
だから、意地でも困らせたくなる。
「処女を喪失したみたいで、興奮するでしょう」
「しないな。口紅が滲んだようで、せいぜい、地味に怖いくらいだ」
むう、強敵。
「けれど、男の人って、相手が初めてだと嬉しいものだと聞いたよ」
「初体験の相手を務めさせてもらうことが光栄であるだけで、別に悦楽を見出しているわけじゃあないな」
「へえ、そうなんだ」
耳よりだ。なるほど、それならば、純潔を奉げる甲斐もあるというもの。
「栄助さんがその気なら、私の全てを奉げるのだけれど」
囁くと、栄助さんは露骨に厄介そうな顔をしてくれた。
「冗談はよせ」
「冗談なんかじゃないんだけどな」
長谷堂先生はお呼びではないというだけ。あくまで肩書は肩書。社会的な何かを測る目安とはなっても、心を量るものとは全く別の器なのだから。
それにしても、ほんと、強情。どうやら彼にとっては、私の血への欲求に対して身を差し出しているだけで、それがイコール愛している、ということにはならないらしい。
クラスの男子なんて、女子からのちょっとしたボディータッチ一つでだらしない顔をするっていうのに。それがどうだ。ここでは男女の形勢が逆転して、少し濃厚なキスを教えられたくらいでクラクラきちゃっているのは、恥ずかしながら私の方。
それとも。やっぱり栄助さんは失恋がきっかけで、そういった関係になることを拒んでいるのかもしれない。肉体的には許すけれど、精神的にはプラトニック、ってやつ。そういえば、クラスの遊んでいるタイプの子が、体は許してもキスはNG、なんて話していたっけ。それに近いのかな。
こちらとしては、栄助さんの想いの多寡はこちらで量るから、私から近づくための抜け道くらいは残しておいて欲しいものなのだけれど。
そうでないと、彼は愛することだけではなく、愛されることまでできなくなってしまうから。
「こっちは、気持ちいいんでしょう」
努めて色っぽい女性を演じて微笑む。イメージは、オトナな感じの有名女優さん。
スラックスを脱がす手に、彼が抵抗しなかったことは一安心。まだ抜け道はギリギリ通れそう。細く淡い光を手繰っていく。その先にあるのは、禁断の果実。齧って傷を付けてしまわないように、渋い香りのする皮に、唇で挨拶をする。
「くっ……ふ……」
栄助さんが歯を食いしばった。私には、声を聴かせろなんて言っておいて。ずるい人。そんなところで発揮されるプライドなんて、なんにもカッコよくないのだけれど。そんなメッキを剥がすために、かぷっと頬張ってやる。
ふと、彼の元カノの話が過った。一層、モヤモヤした。こっちの味を知っているのは自分だけではないのだ。なんて、顔も名前も知らない女性に嫉妬する。
どうやら私は、自分で思っていた以上に、欲深いみたいだ。
伝わっているか教えてほしくって、訊いてしまう。量には自信があるけれど、質にはまだちょっと、ないから。彼の前だと、臆病な自分を隠すので精いっぱいだから。
栄助さんは、真剣な眼差しを宙に彷徨わせてから、視線をくれた。
「よくわからないな、傷口は」
「むう。そこは雰囲気で、頷いてくれてもいいんじゃないの」
「俺はマゾではないつもりなんだが」
うん、それはさっき知った。
「けれど、敏感な粘膜なのは同じでしょう」
「どこで覚えてくるんだ、そんな言葉」
「んー。今、かな」
これまで誰かと付き合ったこともないのだから、使ったこともないし、そもそもこんな言葉を使うかどうかも知らない。そりゃあ、ネットでそういうの、見たことあるけれど。記憶にある限り、そういうところからの出自ではない。
だから、言うなれば、これは貴方のために生まれた言葉。貴方の前で使う、私の裸の顔。きっと、こんな臆病な心は見抜かれているのかもしれない。だって、彼もおんなじだから。
何でもしようと言ってくれたあの日が、栄助さんとのはじめましてだった。最初は驚いてカッターを手放せなかったけれど、彼の瞳は、どこかこの世のものではないような気がした。
光の届かない深い海の底で見る宝石。綺麗なのに、輝くことを忘れている、生きた屍。
一目惚れって本当にあるんだと、分かった。
デートをして、より理解した。彼と私は、似ているようで真逆だった。誰かを愛せるはずがないと、仮面を被り続ける彼。誰にも愛されるはずがないと、仮面を被ることさえやめた私。臆病になっている対象は同じなのに、こうも違う。
だから、ちょっとだけ頑張って、背伸びをしてみてる。気づいているかな。貴方のことを知りたくて、貴方にもっと近づきたくて、そろそろ私、地に足がつかなくなりそう。
知れば知るほど、その高さが分かる。深さと一緒に倍速で拡がっていく。今まで知らなかった世界。カッター片手にアブダクションと唱えたら、心がキャトルミューティレーションされてしまった。次は一体どうなってしまうのかと、ドキドキが止まらない。解剖台の上で、栄助さんを、大人の恋を。教え込まれるのを期待してる。
再び腕に口づけをしたとき、不意に頭を引き寄せられた。
左の耳を胸に押し当てた体勢のまま、右の耳をそっと、耳たぶを折り込まれるように、彼の手のひらで塞がれる。
「せっかくの『食事』なんだ。集中しろ」
湯舟に潜りながら発した声みたいに、骨と皮膚を通して、声が直に伝わる。全身が繋がってしまったような気がして、その接着面である耳は、溶接でもされたみたいに熱を持って、じんじんと腫れた。
耳たぶを血液が流れる音のリズムが、徐々に彼の鼓動へ引き寄せられていく。よく、女の子の間で、仲が良い子や同じ部活の仲間の生理が感染る、なんて言い方をするけれど。きっとこれもそう。強い引力を持つ方へシンクロしていくんだ。
浸ってしまいたかったけれど、こんなところで狼狽えて固まってしまっては、せっかく握った主導権をふいにしてしまう。意地っ張りな舌使いで仕返しをする。
血を啜る音が口の中で反響した。耳を塞がれているせいで、逃げ場もない。
キスもこんな感じなのだろうか。私がまだ、したことのないキス。
本当のところが知りたくなって、口を離した。限界まで走ったあとのように息をしながら、栄助さんという酸素を求めて首をもたげる。彼はちゃんと迎えてくれて、私は人工呼吸で一命を取り留めた。
両耳を抱き締めてくれた栄助さんは、上の唇と下の唇を交互に挟むように優しく慣らしてから、一歩ずつ侵入してきた。初めてのディープキスは、奇妙な感覚。彼にエスコートをされて、しっとりとホールドで馴染まされてから、ボールルームダンスを踊るように舌がうねる。体が浮くようなターンを決めて、裏側をとん、とんとタッピング。されるがままの私の舌は、まるで自分のものではないみたいに動き、その度に、ステップの靴音が脳に響く。目を閉じれば、もう彼の中に入ってしまったようで、今にも溺れてしまいそう。
息継ぎをする度に感じる、レモンの匂いと、鉄臭い血の後味。その奥に、栄助さんのタバコの香りがした。これらすべてが彼の中にあった、彼を形作るものなのだと思うと、のぼせてしまう。
唇を離すと、彼の唇にうっすらと、くすんだ赤色のキスマークがついていた。
「この間と、違うタバコの匂いがする」
「ああ、あの時はピースを吸っていたからな。普段吸いはマルボロだ」
「へえ、いいね」
「いいねって、お前。まさか煙草は吸ってないだろうな」
一瞬しゃしゃり出てきた長谷堂先生を追い返すために、むっとした顔をしてやる。
「吸わないよ。でも興味はあったから、色々調べてる。マルボロは名前の由来が素敵だよね」
「気にしたことがなかったな。どういう意味なんだ」
呆れてしまう。知ったかぶりをされるよりはマシだけれど。そういうところ、ほんと男の人ってロマンに欠けている。こちらとしては、貴方に近づきたい一心だっていうのに。
「名前の由来は『Man always remember love because of romance only』の頭文字。『人は本当の愛を見つけるために恋をする』、なんだって」
私たちみたいだね、と笑って、ブラウスのボタンに指をかける。さっきから、ポリエステル越しに触れているところがじれったい。
袖を抜くと、栄助さんが息を呑むのが分かった。
「この間くれたもの、着てみたのだけれど。どうかな」
「よく似合っているよ」
「む、なんか淡白。せっかくお披露目したのに」
「悪かったな。朝から透けて見えていたから、この瞬間が待ち遠しかったよ」
そう言って、助平な手が伸びてきた。おへその隣あたりから指先でつうっと辿り、肋骨を越えそうになったところで身を捩る。
「だめ、待って――」
「待たない」
「や、ほんと。無理だから、待って」
パッと飛び退くと、栄助さんはお預けをくらった犬のような目で抗議してきた。可愛らしいから、しばらく放置してみたいところだけれど、こればかりは、私が悪いので補足する。
鞄から包帯を取り出すと、彼は納得してくれたのか、ほうっと息を吐いた。
「今日は、先に手当をするのか」
「だって、この間は気になって仕方なかったんだもの」
視界にちらつく罪悪感は塞ぐに限る。ロールの留め金を外して腕に巻いていると、栄助さんはポケットからハンカチを取り出し、口元を拭ってくれた。
「あら紳士。やっぱり、けっこう付いてたんだね」
「ああ。気になって仕方なかったよ」
そんなイジワルを言ってから、彼は「やっぱりということは」とぼやきながら、自分の口を拭いてしまった。それも、ハンカチの折り目を返して。やっぱりイジワルだ。
だから、意地でも困らせたくなる。
「処女を喪失したみたいで、興奮するでしょう」
「しないな。口紅が滲んだようで、せいぜい、地味に怖いくらいだ」
むう、強敵。
「けれど、男の人って、相手が初めてだと嬉しいものだと聞いたよ」
「初体験の相手を務めさせてもらうことが光栄であるだけで、別に悦楽を見出しているわけじゃあないな」
「へえ、そうなんだ」
耳よりだ。なるほど、それならば、純潔を奉げる甲斐もあるというもの。
「栄助さんがその気なら、私の全てを奉げるのだけれど」
囁くと、栄助さんは露骨に厄介そうな顔をしてくれた。
「冗談はよせ」
「冗談なんかじゃないんだけどな」
長谷堂先生はお呼びではないというだけ。あくまで肩書は肩書。社会的な何かを測る目安とはなっても、心を量るものとは全く別の器なのだから。
それにしても、ほんと、強情。どうやら彼にとっては、私の血への欲求に対して身を差し出しているだけで、それがイコール愛している、ということにはならないらしい。
クラスの男子なんて、女子からのちょっとしたボディータッチ一つでだらしない顔をするっていうのに。それがどうだ。ここでは男女の形勢が逆転して、少し濃厚なキスを教えられたくらいでクラクラきちゃっているのは、恥ずかしながら私の方。
それとも。やっぱり栄助さんは失恋がきっかけで、そういった関係になることを拒んでいるのかもしれない。肉体的には許すけれど、精神的にはプラトニック、ってやつ。そういえば、クラスの遊んでいるタイプの子が、体は許してもキスはNG、なんて話していたっけ。それに近いのかな。
こちらとしては、栄助さんの想いの多寡はこちらで量るから、私から近づくための抜け道くらいは残しておいて欲しいものなのだけれど。
そうでないと、彼は愛することだけではなく、愛されることまでできなくなってしまうから。
「こっちは、気持ちいいんでしょう」
努めて色っぽい女性を演じて微笑む。イメージは、オトナな感じの有名女優さん。
スラックスを脱がす手に、彼が抵抗しなかったことは一安心。まだ抜け道はギリギリ通れそう。細く淡い光を手繰っていく。その先にあるのは、禁断の果実。齧って傷を付けてしまわないように、渋い香りのする皮に、唇で挨拶をする。
「くっ……ふ……」
栄助さんが歯を食いしばった。私には、声を聴かせろなんて言っておいて。ずるい人。そんなところで発揮されるプライドなんて、なんにもカッコよくないのだけれど。そんなメッキを剥がすために、かぷっと頬張ってやる。
ふと、彼の元カノの話が過った。一層、モヤモヤした。こっちの味を知っているのは自分だけではないのだ。なんて、顔も名前も知らない女性に嫉妬する。
どうやら私は、自分で思っていた以上に、欲深いみたいだ。
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