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第四章 見えざる糸のロンド
〈5〉
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夜が来てしまった。あかりのいる、夜が。
『今日ね、本屋に行って、絵の教本を買ってきたんだ』
あかりは、僕の近くで、ゆっくりと手を動かしてくれていた。
そうしてくれなければ、僕は彼女のお手話べりに答える以前に、読みとる事すらできなかったんだ。
あかりの姿は見える。柔らかそうな髪も、華奢な体も。ぼやけながらも輪郭は見えている。暗闇に灯した蝋燭のように、そこに温もりがあることがわかる。
眼鏡をかけている人が裸眼で見る世界はこんな感じなんだろうか。そう考えると、眼鏡を見失って必死に探す姿はコメディとして見られないかもしれない。
あかりが病室に来るまで、母さんとは普通に話せていた。でも今は、母さんが隣でフォローしてくれないと、挨拶を読み取る事すらおぼつかない。
手話をするうえでの視力の重要さを痛感した。例えば手が止まっている時には、まだその指が何本立っているかが見て取れる。それがちょっと動くだけで、途端に指が複数にぶれて見えた。表情も、目や鼻や口や耳……パーツの大体の場所は分かる。でもそれが笑っているのか怒っているのか、あるいは悲しんでいるのかが読み取れないんだ。
こうしたニュアンスを掴みそびれると、言葉の脳内補完もままならない。
部屋の蛍光灯が目に染みる。ぼうん、と遠くの待合室の時計の音が聞こえた。よく、五感のどれかを失った人の、それ以外の感覚が鋭くなるという話を聞くけれど、慣れの問題なんだろう。
聾者ならば、聴覚の代わりに他のものをフル活動させているんだ。手話で話せば視覚を活用するし、料理が焦げたりした時の危機管理は嗅覚でするだろう。
『あかり、話があるんだ』
『ん? なあに?』
そして、こと聴覚障害と視覚障害の相性は最悪だと思う。
聾者のあかりが話すための手段は、手話にしろ筆談にしろ視覚を中心としている。一方、盲となることを予言された僕は、聴覚に頼らなければならない。他にどうしろというのだろう。
『僕はもうすぐ目が見えなくなるって、言ったよね?』
あかりの返事はなかった。皮肉にも、沈黙という意志表示ははっきりと分かる。
『僕が話す分には、今憶えている手話を使えば済むことだけど。もう、あかりの手話が聴こえなくなるんだ。僕は光と同時に、あかりの声も失うんだよ』
ああ、また視界がぼやけてしまう。
「今はまだ、聴こえてる?」
あかりが滲んで見えない僕の代わりに、母さんが手話を受け取り、伝えてくれる。
僕は首を振った。
『実は今も、ほとんどぼやけてる。あかりがいるのは分かるよ? でも手話は、手のひらの向きとか動かし方で、勘で受け取っているだけなんだ』
こんなにも視界が滲んでいるのに、涙は頬を伝ってくれない。目が見えなくなることは、こんなにも怖いというのに。
ふと、頭の中に紫さんの言葉が過った。
――あなたが少しでも負担だと思ったら、離れてやってくださいませんか?
あの時、僕は何て答えたんだっけ。負担って、なんだろう。
母さんもあかりも何も言わないけれど、僕が視力を失えば、間違いなく接することが難しくなる。まして、持ってしまったものの相性が悪いあかりなら尚更だと思う。
二人にとって僕は、重荷になるんだ。
それなら、僕にとっては? これもやっぱり負担だ。
見えなくなることが判っていて、でもまだ見えるうちに目に焼き付けておきたいのに、肝心の一番見たいものが見えないんだ。目を凝らしても。どれだけ凝らしても。
負担なんだ。願う程に、胸がぎゅっと握り締められる。
だからさ。
『僕たち「普通に」過ごそう?』
出会う前のように。もう、何にもなかったみたいに忘れてさ。
たった二週間のことだよ。忘れてしまえば、こんな風に面倒なことを考えなくてもいいんだ。
そんな、簡単なことなのに。そうすることができたら、楽になれるはずなのに。
僕は、激しく言い返してくるあかりから顔を背けてしまっていた。
あかりが手話と共に発している吃音が、はっきりとした怒りの槍として僕に突き刺さる。ぎゅっと目を瞑る。ほらまた逃げた。
でも、仕方ないよ。どう足掻いても、僕は視覚障害者予備軍で、あかりは聴覚障害者なんだから。
差別をしないとか。思いやりだとか。愛の手だとか。馬鹿みたいだと思わない?
だって、どれだけご立派でお綺麗な思想を謳い上げても、実際に自分が障害となろうとしている今が、こんなに怖くて仕方がないんだよ?
なんで僕が。どうしてこんな目に。この考え以上の差別の言葉があるのかな。
ガラッ、バタン。と病室のドアが物凄い勢いで開け閉めされた音がした。
蝋燭の温もりは消えてしまっていた。それでも顔を上げられなかった。
「冬彦。あかりちゃんだって心配してくれているのよ」
母さんの言葉に、僕はシーツを頭まで被る。
「……苦しんでるのは僕だけじゃないって?」
「そうじゃなくて。言い方ってものを考えなさいってこと」
心配の色が濃い、それでも毅然とした声だった。
「言いたいことが一緒なんだから、言い方なんてどうでもいいよ」
聾者もつんぼも、障がい者もかたわも、構わないでくれも「普通」に過ごそうも。
同じだ。
「そんなの、どうでも……」
いっそのこと、このままシーツに包まって全てが終わって欲しかった。眠ればそのまま、明けない夜に落ちてくれればいい。
心残りがあるとすれば、それは。
「あかりは、なんて?」
おそるおそると聞くと、母さんが何かをまさぐる音がした。小声で「ああ、ここじゃ吸えないんだったわ」とぼやいている。
母さんは諦めたようにため息を吐くと、
「『普通って、何?』、『冬彦がこんなに泣いていることが普通なの?』って」
困ったように乾いた声で「怒ってたわよ」と笑った。
「ねえ母さん。普通って、何?」
一般的に、障害者に対して健常者という言葉を使う。普通というものが「常」ならば、見える人、聞こえる人こそが「普通」。
僕があかりに言った「普通に過ごす」ということの意味だってそう。「普通」に過ごしていれば、障害と接する機会はほとんどない。僕が普通じゃないから、下手に齧っただけの手話を使ってしまったから、今日この日がある。
そして、欠陥を負ってしまった僕は、「普通」から見れば「異常」なんだ。
「僕は普通じゃない! 普通じゃないんだよ!」
シーツを引き込み、さらに体をベッドに埋める。沈もうとする僕を、母さんの手がシーツ越しに叩いて引き留めた。
「まだ診断されて二日だから、疲れと動揺のせいで混乱が増しているだけよ。もっと、ゆっくり考えてみてもいいの」
母さんは手を離すと「タバコ吸ってくるわね」と病室を出て行った。
足音が去ってから、もぞりとベッドから抜け出して窓際へと移る。
けれど、窓に部屋の明かりが反射して煩わしい。苛々しながら、部屋の電気を消すために病室の入り口までを往復した。
今の僕は、どんな顔をしているんだろう。
――ねえ冬彦。世界共通で伝えられるものって、知ってる?
窓に映っている自分の姿を指でなぞってみても、ちっとも微笑みかけてはくれなかった。
「……笑えない人もいるんだよ」
あかりの顔が見えなくても零さなかったくせに。自分の顔は見えるはず、という堰が切れた瞬間に溢れ出した。
冬の夜には、彦星なんていなかった。
『今日ね、本屋に行って、絵の教本を買ってきたんだ』
あかりは、僕の近くで、ゆっくりと手を動かしてくれていた。
そうしてくれなければ、僕は彼女のお手話べりに答える以前に、読みとる事すらできなかったんだ。
あかりの姿は見える。柔らかそうな髪も、華奢な体も。ぼやけながらも輪郭は見えている。暗闇に灯した蝋燭のように、そこに温もりがあることがわかる。
眼鏡をかけている人が裸眼で見る世界はこんな感じなんだろうか。そう考えると、眼鏡を見失って必死に探す姿はコメディとして見られないかもしれない。
あかりが病室に来るまで、母さんとは普通に話せていた。でも今は、母さんが隣でフォローしてくれないと、挨拶を読み取る事すらおぼつかない。
手話をするうえでの視力の重要さを痛感した。例えば手が止まっている時には、まだその指が何本立っているかが見て取れる。それがちょっと動くだけで、途端に指が複数にぶれて見えた。表情も、目や鼻や口や耳……パーツの大体の場所は分かる。でもそれが笑っているのか怒っているのか、あるいは悲しんでいるのかが読み取れないんだ。
こうしたニュアンスを掴みそびれると、言葉の脳内補完もままならない。
部屋の蛍光灯が目に染みる。ぼうん、と遠くの待合室の時計の音が聞こえた。よく、五感のどれかを失った人の、それ以外の感覚が鋭くなるという話を聞くけれど、慣れの問題なんだろう。
聾者ならば、聴覚の代わりに他のものをフル活動させているんだ。手話で話せば視覚を活用するし、料理が焦げたりした時の危機管理は嗅覚でするだろう。
『あかり、話があるんだ』
『ん? なあに?』
そして、こと聴覚障害と視覚障害の相性は最悪だと思う。
聾者のあかりが話すための手段は、手話にしろ筆談にしろ視覚を中心としている。一方、盲となることを予言された僕は、聴覚に頼らなければならない。他にどうしろというのだろう。
『僕はもうすぐ目が見えなくなるって、言ったよね?』
あかりの返事はなかった。皮肉にも、沈黙という意志表示ははっきりと分かる。
『僕が話す分には、今憶えている手話を使えば済むことだけど。もう、あかりの手話が聴こえなくなるんだ。僕は光と同時に、あかりの声も失うんだよ』
ああ、また視界がぼやけてしまう。
「今はまだ、聴こえてる?」
あかりが滲んで見えない僕の代わりに、母さんが手話を受け取り、伝えてくれる。
僕は首を振った。
『実は今も、ほとんどぼやけてる。あかりがいるのは分かるよ? でも手話は、手のひらの向きとか動かし方で、勘で受け取っているだけなんだ』
こんなにも視界が滲んでいるのに、涙は頬を伝ってくれない。目が見えなくなることは、こんなにも怖いというのに。
ふと、頭の中に紫さんの言葉が過った。
――あなたが少しでも負担だと思ったら、離れてやってくださいませんか?
あの時、僕は何て答えたんだっけ。負担って、なんだろう。
母さんもあかりも何も言わないけれど、僕が視力を失えば、間違いなく接することが難しくなる。まして、持ってしまったものの相性が悪いあかりなら尚更だと思う。
二人にとって僕は、重荷になるんだ。
それなら、僕にとっては? これもやっぱり負担だ。
見えなくなることが判っていて、でもまだ見えるうちに目に焼き付けておきたいのに、肝心の一番見たいものが見えないんだ。目を凝らしても。どれだけ凝らしても。
負担なんだ。願う程に、胸がぎゅっと握り締められる。
だからさ。
『僕たち「普通に」過ごそう?』
出会う前のように。もう、何にもなかったみたいに忘れてさ。
たった二週間のことだよ。忘れてしまえば、こんな風に面倒なことを考えなくてもいいんだ。
そんな、簡単なことなのに。そうすることができたら、楽になれるはずなのに。
僕は、激しく言い返してくるあかりから顔を背けてしまっていた。
あかりが手話と共に発している吃音が、はっきりとした怒りの槍として僕に突き刺さる。ぎゅっと目を瞑る。ほらまた逃げた。
でも、仕方ないよ。どう足掻いても、僕は視覚障害者予備軍で、あかりは聴覚障害者なんだから。
差別をしないとか。思いやりだとか。愛の手だとか。馬鹿みたいだと思わない?
だって、どれだけご立派でお綺麗な思想を謳い上げても、実際に自分が障害となろうとしている今が、こんなに怖くて仕方がないんだよ?
なんで僕が。どうしてこんな目に。この考え以上の差別の言葉があるのかな。
ガラッ、バタン。と病室のドアが物凄い勢いで開け閉めされた音がした。
蝋燭の温もりは消えてしまっていた。それでも顔を上げられなかった。
「冬彦。あかりちゃんだって心配してくれているのよ」
母さんの言葉に、僕はシーツを頭まで被る。
「……苦しんでるのは僕だけじゃないって?」
「そうじゃなくて。言い方ってものを考えなさいってこと」
心配の色が濃い、それでも毅然とした声だった。
「言いたいことが一緒なんだから、言い方なんてどうでもいいよ」
聾者もつんぼも、障がい者もかたわも、構わないでくれも「普通」に過ごそうも。
同じだ。
「そんなの、どうでも……」
いっそのこと、このままシーツに包まって全てが終わって欲しかった。眠ればそのまま、明けない夜に落ちてくれればいい。
心残りがあるとすれば、それは。
「あかりは、なんて?」
おそるおそると聞くと、母さんが何かをまさぐる音がした。小声で「ああ、ここじゃ吸えないんだったわ」とぼやいている。
母さんは諦めたようにため息を吐くと、
「『普通って、何?』、『冬彦がこんなに泣いていることが普通なの?』って」
困ったように乾いた声で「怒ってたわよ」と笑った。
「ねえ母さん。普通って、何?」
一般的に、障害者に対して健常者という言葉を使う。普通というものが「常」ならば、見える人、聞こえる人こそが「普通」。
僕があかりに言った「普通に過ごす」ということの意味だってそう。「普通」に過ごしていれば、障害と接する機会はほとんどない。僕が普通じゃないから、下手に齧っただけの手話を使ってしまったから、今日この日がある。
そして、欠陥を負ってしまった僕は、「普通」から見れば「異常」なんだ。
「僕は普通じゃない! 普通じゃないんだよ!」
シーツを引き込み、さらに体をベッドに埋める。沈もうとする僕を、母さんの手がシーツ越しに叩いて引き留めた。
「まだ診断されて二日だから、疲れと動揺のせいで混乱が増しているだけよ。もっと、ゆっくり考えてみてもいいの」
母さんは手を離すと「タバコ吸ってくるわね」と病室を出て行った。
足音が去ってから、もぞりとベッドから抜け出して窓際へと移る。
けれど、窓に部屋の明かりが反射して煩わしい。苛々しながら、部屋の電気を消すために病室の入り口までを往復した。
今の僕は、どんな顔をしているんだろう。
――ねえ冬彦。世界共通で伝えられるものって、知ってる?
窓に映っている自分の姿を指でなぞってみても、ちっとも微笑みかけてはくれなかった。
「……笑えない人もいるんだよ」
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