あの瞬く星のような君の心音が、燃え尽きてしまったとしても

人の一生における心拍数が決まっているといわれるように、夢にも熱量の拍数があるらしい。

夢拍症候群――別名『ハートビート・シンドローム』。
十代の少年少女が発症し、夢へ打ち込めば打ち込むほど昂った鼓動を鎮めるように揺り戻され、体が思うように動かなくなってしまう病。
症状に抗えば命を落とすこともある理不尽な足枷は、5年前に確認されてから今日まで、若者たちの未来を蝕み続けてきた。

イラストレーターを目指す一ノ瀬凪は、画題とした人の姿が歪んで見えてしまう現象に襲われ、夢拍症候群と診断されてしまう。
SNSで絵師としての活動停止を報告した凪に、よく依頼をくれる常連さんから一通のメールが届く。
それは、夢拍症候群を患った者たちを支援する特殊学校の存在を報せるものだった。

どうせ死ぬのならと転入を決めた凪は、そこで、かつて大切な約束を交わした歌手志望の少女・風吹乙花と再会することになる――

懸命に今を戦うすべての人たちへ捧ぐスターライトステージが、今始まる。

※タイトルは『あの瞬く星のような君の心音(うた)が、燃え尽きてしまったとしても』と読みます※
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