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7つのくてくてと放浪の賢者
奴らの居場所を突き止めろ_3
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慌てふためくアティーラの背中を、ヴィスは優しく叩いた。
「よくやったアティーラ。混乱に乗じて侵入できた。あとはここのお偉いさんを拉致もといい、お話のできる場所に連れて行くだけだ。アティーラはこのままここを混乱の渦に陥れて惜しい。出来るか?」
「そんなことより服! 服頂戴! 私こんな格好でここにいることなんて出来ないよ。皆私のこと見て、チェリーとか言いながら鼻から血を流して倒れるの! いやよ、こんな変な場所にいるの! 私が原因みたいじゃない」
実際、事の原因はアティーラにあった。魔導ギルドの連中は全員女性に対する免疫がない。魔導の道を究めるために幼少期から厳しい修行を行っていた。その厳しい修行を行いながら、魔導の登竜門と言われる最高峰の学園に入り、修行と同時に研究を始める。この、魔導の登竜門と言われる学園が少し特殊であり、女性の合格率が0%なのだ。
これは別に差別があるとか、そういう理由ではない。ただ、魔導に触れた経験が幼少期から厳しい修行を行ってきたものたちに比べて圧倒的に劣るからである。
魔導の道を子供に極めさせたい親も、生まれてきた女の子には愛情を注いで普通に可愛がってごく普通の幸せを送ってほしいと思ってしまう。逆に男が生まれた場合、自分の夢を子に託したいと思う傾向があった。
そのため、女の子が魔導の道を進みたいと思うようになっても時すでに遅し。圧倒的な経験不足で最高峰の学園に入学するだけの実力を手に入れることが出来ないのだ。
そんなエリート中のエリートを集めた魔導ギルドの職員。彼らは全員、生まれてから家族以外の女性と話したりしたことがない。
遠目で見ても変態扱いされる可能性があるため、基本的には視線をそらしてみないようにする。そんな生き方をしてきた野郎どもには、アティーラの姿は刺激が強すぎた。
この惨状の原因がアティーラであることは間違いない。
「文句を言うな、そのボロボロの服も変え時だろう? ちゃんとこれが終わったら新しいのをやるから。ほら、また一人やってきたぞ」
顔を手で覆い、何とか刺激をこらえて、この悲劇的な惨状をどうにかしようとした勇敢な若者が一人、前に出た。
「そこの女性、あなたは我々には刺激が強すぎるのだ。どうかこの場を立ち去ってほしい……」
そんな言葉をアティーラに言うものだから、セーラがイラっとしてしまい、アティーラを後ろから蹴飛ばした。女神を蹴る皇女様と聞けば不敬な感じもするが、セーラも女の子なのだ。ボッキュボンなアティーラだけ。アティーラは刺激が強いからと言われ、見向きもされないセーラは女としてもプライドとでも言えばいいのだろうか、魔導ギルドの職員に見向きもされない今の状況にイライラを感じた。
蹴られたアティーラは、近づいて来た若者に抱き着く形で倒れる。
「や、柔らかい…………ぶはぁ」
そして盛大な鼻血を噴き出して倒れた。その表情はとても幸せそうだった。
ぷくぅとほっぺを膨らますセーラの頭をヴィスがそっと撫でると、セーラは気持ちよさそうに目を細めた。
「ほら、お前は俺と一緒にここのトップを捕まえて話を聞くぞ。お色気担当はロクデナシなあいつだけでいいんだよ。あいつには見た目しか取り柄がないからな」
誰も見向きもされなかったせいでイライラしていたセーラだったが、ヴィスが一言いうだけで「はい!」と元気よく返事をして機嫌をよくした。
ヴィスとセーラは、お色気担当女神であるアティーラを放置して、魔導ギルドの奥へと進む。
コツコツと、足の音が階段に響いた。ゆっくりと昇っていく階段の先は、光が閉ざされているのか、何も見えない。きっとヴィスのような頭のおかしい人間対策に、何かしらの魔法が欠けられているのだろう。
「セーラ、頼む。おれだとここを破壊してしまうからな」
「このぐらいならお安い御用です。後で人を殴らせてくださいね」
セーラがお得意とする聖の魔法を纏って拳を振るうと、真っ暗だった闇が打ち消され、窓から明かりが入ってきた。
先ほどまでの不健康そうな、雰囲気が一変して、明かりのしっかり入るように設計された、割と人気の住宅をイメージさせる素晴らしい階段が露わになる。それをみたセーラは、「わーお」とちょっと嬉しそうにした。年相応の子供みたいだ。
セーラを見て「まだまだだな」と何か、自分は分かってます的な雰囲気を出しており、誰もいないのにドヤ顔をしていた。最近のヴィスは、アティーラの残念さがちょっとだけ移っているようにも見える。そのことをヴィス自身も気が付いたのか、首を振って、何か自分に言い聞かせるように険しい顔つきになった。
「セーラ、今回は縛り上げとかはなしで用件をとっとと済ませてよう。この奥に、魔導ギルドの長がいる。行くぞ」
「はい! 戦闘準備ですね」
「よく分かってるじゃないか。行くぞ、カチコミだっ!」
「はい師匠!」
ヴィスは豪華そうな扉を思いっきり蹴っ飛ばした。蹴りの力に負けた金具は扉を開くだけにとどまらず、そのまま吹き飛んでしまう。
激しくとんだドアが部屋の奥の何かにぶつかり、その衝撃で舞った書類やらなんやらが視界を埋め尽くす。
そんな部屋の中にヴィスとセーラは堂々と入っていった。
「何じゃ一体……誰じゃこんなことをする奴は」
奥からそれなりに高齢であることを思わせる、少し独特な声が聞こえて来た。ゆっくりと視界が良好になり、見えてきたのは、防御魔法っぽいものを展開しているご老人だった。おそらくこれが魔導ギルドの長なのであろう。
「おい、じじぃ。てめぇに聞きたいことがある」
それはもうドスの効いた声でヴィスは魔導ギルド長でありそうなご老体の胸倉を掴む。
魔導ギルド長はそれに抵抗しようとしたが、ヴィスが全てをぶち壊して、問答無用と言わんばかりに押さえつけた。
「き、貴様は……ヴィス! お前、こんなことしてどうなるか分かっているのかっ」
魔導ギルド長はヴィスのことをよく知っている様子だったが、ヴィスは、こいつ誰だと言わんばかりに首を傾げる。それから気を取り直して魔導ギルド長を揺すった。揺れる視界に魔導ギルド長はなんだか苦しそうだ。
「お前のことなんて知らないんだよ。それよりも、お前が知っている放浪の叡智と賢者って呼ばれているじじいのことについて詳しく聞かせろ」
「っく、賢者、賢者だと! いったいどこでその情報を手に入れた! それに放浪の叡智……あの組織まだあったのか!」
「ほぅ、あいつらのこと知っているのか、知っているんだな。すべて吐け! 今すぐに!」
ここぞとばかりにご老体を揺らす揺らす。ヴィスにつかまった魔導ギルド長は、気持ち悪そうに口元を手で抑える。その仕草にアティーラの粗相を思い出したヴィスは、とっさに手を離した。揺らした勢いで魔導ギルド長は床を転がる。苦しそうにせき込みながら、魔導ギルド超は、キッと目を吊り上げてヴィスを睨んだ。
まるで乱暴されている乙女のようだ。でもここには助けてくれるヒーローはいない。
拳を鳴らしながらヴィスがゆっくりと近づく。その後ろをセーラがニコニコしながらついて来た。
魔導ギルド長はセーラの存在に気が付くと、最後の希望とばかりに声をかける。
「そこの嬢ちゃん。お願いだ。この乱暴者を止めてくれ!」
ご老体の潤んだ瞳に苛立ちを感じたのか、セーラはヴィスの目の前に立ち、ご老体の目の前の地面を殴った。魔法で強化された拳は、床に罅を入れ、建物全体を揺らす。
「ねえ、私の師匠を乱暴者扱いにしないでくれるかな。それよりも、犯罪者の情報が欲しいの。ねえ」
そう言って、ちらりと神聖セルーア帝国の皇女である証を見せる。
魔導ギルド長の顔はさらに青くなった。
「ね、知ってること、全部教えて」
「……………………はい」
圧倒的な力と権力に負けた魔導ギルド長は、肩を落としながら静かに返事をした。
「よくやったアティーラ。混乱に乗じて侵入できた。あとはここのお偉いさんを拉致もといい、お話のできる場所に連れて行くだけだ。アティーラはこのままここを混乱の渦に陥れて惜しい。出来るか?」
「そんなことより服! 服頂戴! 私こんな格好でここにいることなんて出来ないよ。皆私のこと見て、チェリーとか言いながら鼻から血を流して倒れるの! いやよ、こんな変な場所にいるの! 私が原因みたいじゃない」
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これは別に差別があるとか、そういう理由ではない。ただ、魔導に触れた経験が幼少期から厳しい修行を行ってきたものたちに比べて圧倒的に劣るからである。
魔導の道を子供に極めさせたい親も、生まれてきた女の子には愛情を注いで普通に可愛がってごく普通の幸せを送ってほしいと思ってしまう。逆に男が生まれた場合、自分の夢を子に託したいと思う傾向があった。
そのため、女の子が魔導の道を進みたいと思うようになっても時すでに遅し。圧倒的な経験不足で最高峰の学園に入学するだけの実力を手に入れることが出来ないのだ。
そんなエリート中のエリートを集めた魔導ギルドの職員。彼らは全員、生まれてから家族以外の女性と話したりしたことがない。
遠目で見ても変態扱いされる可能性があるため、基本的には視線をそらしてみないようにする。そんな生き方をしてきた野郎どもには、アティーラの姿は刺激が強すぎた。
この惨状の原因がアティーラであることは間違いない。
「文句を言うな、そのボロボロの服も変え時だろう? ちゃんとこれが終わったら新しいのをやるから。ほら、また一人やってきたぞ」
顔を手で覆い、何とか刺激をこらえて、この悲劇的な惨状をどうにかしようとした勇敢な若者が一人、前に出た。
「そこの女性、あなたは我々には刺激が強すぎるのだ。どうかこの場を立ち去ってほしい……」
そんな言葉をアティーラに言うものだから、セーラがイラっとしてしまい、アティーラを後ろから蹴飛ばした。女神を蹴る皇女様と聞けば不敬な感じもするが、セーラも女の子なのだ。ボッキュボンなアティーラだけ。アティーラは刺激が強いからと言われ、見向きもされないセーラは女としてもプライドとでも言えばいいのだろうか、魔導ギルドの職員に見向きもされない今の状況にイライラを感じた。
蹴られたアティーラは、近づいて来た若者に抱き着く形で倒れる。
「や、柔らかい…………ぶはぁ」
そして盛大な鼻血を噴き出して倒れた。その表情はとても幸せそうだった。
ぷくぅとほっぺを膨らますセーラの頭をヴィスがそっと撫でると、セーラは気持ちよさそうに目を細めた。
「ほら、お前は俺と一緒にここのトップを捕まえて話を聞くぞ。お色気担当はロクデナシなあいつだけでいいんだよ。あいつには見た目しか取り柄がないからな」
誰も見向きもされなかったせいでイライラしていたセーラだったが、ヴィスが一言いうだけで「はい!」と元気よく返事をして機嫌をよくした。
ヴィスとセーラは、お色気担当女神であるアティーラを放置して、魔導ギルドの奥へと進む。
コツコツと、足の音が階段に響いた。ゆっくりと昇っていく階段の先は、光が閉ざされているのか、何も見えない。きっとヴィスのような頭のおかしい人間対策に、何かしらの魔法が欠けられているのだろう。
「セーラ、頼む。おれだとここを破壊してしまうからな」
「このぐらいならお安い御用です。後で人を殴らせてくださいね」
セーラがお得意とする聖の魔法を纏って拳を振るうと、真っ暗だった闇が打ち消され、窓から明かりが入ってきた。
先ほどまでの不健康そうな、雰囲気が一変して、明かりのしっかり入るように設計された、割と人気の住宅をイメージさせる素晴らしい階段が露わになる。それをみたセーラは、「わーお」とちょっと嬉しそうにした。年相応の子供みたいだ。
セーラを見て「まだまだだな」と何か、自分は分かってます的な雰囲気を出しており、誰もいないのにドヤ顔をしていた。最近のヴィスは、アティーラの残念さがちょっとだけ移っているようにも見える。そのことをヴィス自身も気が付いたのか、首を振って、何か自分に言い聞かせるように険しい顔つきになった。
「セーラ、今回は縛り上げとかはなしで用件をとっとと済ませてよう。この奥に、魔導ギルドの長がいる。行くぞ」
「はい! 戦闘準備ですね」
「よく分かってるじゃないか。行くぞ、カチコミだっ!」
「はい師匠!」
ヴィスは豪華そうな扉を思いっきり蹴っ飛ばした。蹴りの力に負けた金具は扉を開くだけにとどまらず、そのまま吹き飛んでしまう。
激しくとんだドアが部屋の奥の何かにぶつかり、その衝撃で舞った書類やらなんやらが視界を埋め尽くす。
そんな部屋の中にヴィスとセーラは堂々と入っていった。
「何じゃ一体……誰じゃこんなことをする奴は」
奥からそれなりに高齢であることを思わせる、少し独特な声が聞こえて来た。ゆっくりと視界が良好になり、見えてきたのは、防御魔法っぽいものを展開しているご老人だった。おそらくこれが魔導ギルドの長なのであろう。
「おい、じじぃ。てめぇに聞きたいことがある」
それはもうドスの効いた声でヴィスは魔導ギルド長でありそうなご老体の胸倉を掴む。
魔導ギルド長はそれに抵抗しようとしたが、ヴィスが全てをぶち壊して、問答無用と言わんばかりに押さえつけた。
「き、貴様は……ヴィス! お前、こんなことしてどうなるか分かっているのかっ」
魔導ギルド長はヴィスのことをよく知っている様子だったが、ヴィスは、こいつ誰だと言わんばかりに首を傾げる。それから気を取り直して魔導ギルド長を揺すった。揺れる視界に魔導ギルド長はなんだか苦しそうだ。
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「ほぅ、あいつらのこと知っているのか、知っているんだな。すべて吐け! 今すぐに!」
ここぞとばかりにご老体を揺らす揺らす。ヴィスにつかまった魔導ギルド長は、気持ち悪そうに口元を手で抑える。その仕草にアティーラの粗相を思い出したヴィスは、とっさに手を離した。揺らした勢いで魔導ギルド長は床を転がる。苦しそうにせき込みながら、魔導ギルド超は、キッと目を吊り上げてヴィスを睨んだ。
まるで乱暴されている乙女のようだ。でもここには助けてくれるヒーローはいない。
拳を鳴らしながらヴィスがゆっくりと近づく。その後ろをセーラがニコニコしながらついて来た。
魔導ギルド長はセーラの存在に気が付くと、最後の希望とばかりに声をかける。
「そこの嬢ちゃん。お願いだ。この乱暴者を止めてくれ!」
ご老体の潤んだ瞳に苛立ちを感じたのか、セーラはヴィスの目の前に立ち、ご老体の目の前の地面を殴った。魔法で強化された拳は、床に罅を入れ、建物全体を揺らす。
「ねえ、私の師匠を乱暴者扱いにしないでくれるかな。それよりも、犯罪者の情報が欲しいの。ねえ」
そう言って、ちらりと神聖セルーア帝国の皇女である証を見せる。
魔導ギルド長の顔はさらに青くなった。
「ね、知ってること、全部教えて」
「……………………はい」
圧倒的な力と権力に負けた魔導ギルド長は、肩を落としながら静かに返事をした。
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