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第十話『僕はまだ、ここにいたい……中編』
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その日の夜。
僕はあの姉と二人っきりで話をしていた。
「突然つれていくってどういうこと! 僕は日本にいたいって言ったじゃん!」
「えー、でも……水紋ちゃんが心配だし? 私がお持ち帰りしたいっていうか~」
「だって! 僕が残ることはお父さんもお母さんも了承してくれているし、あの時だってお姉ちゃんだって納得してくれたじゃん!」
なんで今になってこういうこというのかな? 僕が高校に上がって一人暮らしすることを容認してくれていたのに。あの時は、「水紋ちゃんなら大丈夫よ」と言ってくれて……嬉しかったのに。
あの姉は、僕の気持ちなんか知らんぷりなのか、ずずずっとお茶を飲みながらホッとしている。
こ、このやろう……。
「だって……水紋ちゃんが一人暮らしをするってことだから認めていたんだよ。それが住み込みのアルバイトなんて……。真面目な水紋ちゃんだから、変な言葉に騙されたんでしょう、そうなんでしょ!」
「そんなことは……………な、い?」
そういえば、僕が住み込みアルバイトを始めたきっかけって、菜乃華が休んだからプリントを届けに行ったのが始まりだっけ。
裏ではうちのお父さんとお母さんが、菜乃華の両親と話をつけていたみたいだけど……あれは衝撃だった。
変なことされていない? って聞かれたら、間違いなく変な事をされている。だけど、僕だってここのアルバイトを楽しくやっているんだ。五人姉妹とも仲良くなれてきたのに……。
「その間は何? やっぱり無理やりやらされているんでしょう? 水紋ちゃんだけ働いて……それがいい証拠よ!」
「うぐぅ……」
それは正論だ。僕にだって反論できない。この店を運営しているのは夢乃家だ。僕はただの住み込みアルバイトに過ぎない。なのに店の仕事を僕が全てやっている。
だけど、それだって、僕が好きでやっていることなのに……。
今の姉の顔を見る。ほんわかしていて何も何も考えてなさそうだ。
でも僕は知っている。馬鹿だけど頭が回るこの姉は、真剣に考えているときよりも、何も考えてなさそうな時の方が、よっぽど真面目に考えているんだ。
真剣に考えると碌でもないことに繋がる……というのも理由の一つなんだけど。
「お姉ちゃんはね、心配なの。それはもう、心配で心配で……。だから様子を見に来たのに、これは何? こんなの、認められるわけないじゃない! 私の水紋ちゃんをなんだと思っているのよ!」
観察対象……とは言わないでおこう。話がこじれる。
でも……やっぱりここにいたい。僕はまだリーベルで働きたいんだ。五人姉妹と一緒に!
「お姉ちゃん……だったらちゃんと見せてあげる。お姉ちゃんを納得させるほど、ここはちゃんとしているんだってところを! お姉ちゃんも知っていると思うけど、夢乃家の五人姉妹はそれぞれ別の仕事を持っているんだ。今日だって締切を乗り切って疲れ果てているところなんだよ? 僕たちは一緒に住んでいるんだ。助け合って当然じゃないか!」
「ふ~ん、それで? 何を見せてくれるのさ。仕事っぷりならさっき見たけどーー」
「僕たちで、最高のおもてなしをしてやる!」
「……………………じゅるり」
ん? いま思ったのと反応が違ったような。え、何、じゅるりって聞こえたよ。僕の聞き間違いだといいけど。
でも僕は諦めない。この姉を認めさせてやる。
「……そ、水紋ちゃんがそこまで言うならもう一回チャンスをあげる。私はこの近くでホテルとっているから、今日は帰るわ。それじゃあまた明日……楽しみにしているわね」
目をらんらんと輝かせて、あの姉は帰っていった。何だろう、不安を感じる。僕は何か勘違いしている気がするんだけど……。
気のせいだよな?
◇
「というわけで、作戦会議をしましょう!」
「「「「「お………お~」」」」」
「やる気ないね、みんな!」
僕たちはあの姉をどうにかするための作戦会議を開こうとしたのだが、五人姉妹のやる気のなさときたら……、僕は所詮その程度にしか思われていなかったのか。
ちょっとだけ、寂しいな?
「ふあ、真麻眠い。ちっち~~~~」
「はいはい、おトイレに行きましょうね?」
「うん、お母さん…………すぴ~」
「ちょ、待って、ここで寝ないで! 漏らしたらどうするの!」
僕が真麻ちゃんをトイレに連れて行こうとすると、後ろからヒソヒソと声が聞こえてきた。なんかこう、不名誉なことを言われている気がする。
そんなことは気にせず、僕は真麻ちゃんを連れて行き、なんとかミッションコンプリート!
いや、連れて行ったところで百合さんにバトンタッチしたから犯罪的なことは起こっていないよ、ホントだよ?
百合さんには、「別に水紋ちゃんが全てお世話してもいいのに……女の子同士なんだから」なんて言われた。
忘れないで欲しい、僕は男だ。
真麻ちゃんは流石に限界らしく、寝かせることにした。
そして、僕たちの作戦会議が始まる。
「水紋がアメリカに行っちゃえばいいんじゃない?」
そして菜乃華に即刻捨てられた。いや待ってよ。僕は行きたくないのに!
そう思いながら菜乃華を睨むと、ぷいっとそっぽを向かれる。頬を膨らまさせてなんとも可愛らしい……ってそうじゃなくて!
「なんでみんな……そっか、みんなは僕にいなくなって欲しーー」
「「「「そんなわけ無い!」」」」
四人からそんな返事が帰ってきた。
「ねぇ、水紋ちゃん。正直に言って欲しいの」
「ど、どうしたんですか? 百合さん」
「水紋ちゃん、本当はどうしたいの?」
「僕は……」
僕の本当の気持ち? そんなの決まっている。僕はまだここにいたい。コーヒーの入れ方だって上手になってきたし、料理をして美味しいって言われてすごく嬉しかったんだ。
時間こそ短いけど、本当の家族のように過ごせていたところもある。
真麻ちゃんなんか、いつの間にかお母さんって呼ぶようになってたりさ。
百合さんだって、抜けている感じがするけど、やるときはやる人だ。なんたって、この店の裏方事情、主に経済関連や、食材などの発注、コーヒーの仕入れなどは全て百合さんがやってくれているんだ。
真麻ちゃんや花梨はしかたない部分があるけど、桜先輩や菜乃華はお店を手伝ってくれると気がある。学校に好きな仕事、家を守るためにみんな必死でやっているんだ。
確かにみんな大変だ。だけどそれを支えあってこその家族じゃないのか?
僕は、ここで住み込みバイトをやって、本当にあったかいと思った。
だからーー。
「まだ、ここにいたい……僕はみんなと一緒にここで働きたいんだ!」
「ふふ、そっか。そっか!」
百合さんが嬉しそうな笑みを浮かべながら僕に抱きついて来た。ちょ、胸! 胸に押しつぶされ、苦しい……。
「おーい、百合お姉ちゃん。水紋ちゃんが……死んじゃうよ?」
「え、嘘! わ! ホントだ!」
百合さんが慌てて離れた。そして菜乃華がぼそっと「不潔!」と呟いた。
それが聞こえたのか、百合さんの顔が真っ赤になっていく。急に抱きついて来たと思ったけど、やっぱり女の子扱いされていたのね。
わかっていた、わかっていたけど、これはこれでちょっとショック。
「それで? 水紋が私たちのことがだ~い好きだってことはわかったけど、具体的に何をすればここに残れるのよ?」
「ちょ! だ、大好きなんて……いやまぁ? 一緒に住んでいるんだから家族としては大好きだけど!」
ああ、なんか顔が真っ赤になっている気がする。胸の内をさらけ出すってこんなにも恥ずかしいのね。いやね、知ってた。知ってたんだけど……。
「ゴホン! 菜乃華。それに百合さん、桜先輩、花梨。僕がこの場に残れる条件として提示したのは、お姉ちゃんをお客として、精一杯働いているということを見てもらうの。重要なのは、お姉ちゃんをお客、つまりおもてなしをするんだよ!」
「「「「…………えっ?」」」」
みんながキョトンとした顔をした。口も開いてだらしない感じがする。
その瞳の奥は、「え、そんなんなの? 思っていたのとなんか違うんですけど~」と語っていた。
……ごめんね、期待はずれで!
でも、手伝ってくれるんだよね、ありがとう!
僕はあの姉と二人っきりで話をしていた。
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こ、このやろう……。
「だって……水紋ちゃんが一人暮らしをするってことだから認めていたんだよ。それが住み込みのアルバイトなんて……。真面目な水紋ちゃんだから、変な言葉に騙されたんでしょう、そうなんでしょ!」
「そんなことは……………な、い?」
そういえば、僕が住み込みアルバイトを始めたきっかけって、菜乃華が休んだからプリントを届けに行ったのが始まりだっけ。
裏ではうちのお父さんとお母さんが、菜乃華の両親と話をつけていたみたいだけど……あれは衝撃だった。
変なことされていない? って聞かれたら、間違いなく変な事をされている。だけど、僕だってここのアルバイトを楽しくやっているんだ。五人姉妹とも仲良くなれてきたのに……。
「その間は何? やっぱり無理やりやらされているんでしょう? 水紋ちゃんだけ働いて……それがいい証拠よ!」
「うぐぅ……」
それは正論だ。僕にだって反論できない。この店を運営しているのは夢乃家だ。僕はただの住み込みアルバイトに過ぎない。なのに店の仕事を僕が全てやっている。
だけど、それだって、僕が好きでやっていることなのに……。
今の姉の顔を見る。ほんわかしていて何も何も考えてなさそうだ。
でも僕は知っている。馬鹿だけど頭が回るこの姉は、真剣に考えているときよりも、何も考えてなさそうな時の方が、よっぽど真面目に考えているんだ。
真剣に考えると碌でもないことに繋がる……というのも理由の一つなんだけど。
「お姉ちゃんはね、心配なの。それはもう、心配で心配で……。だから様子を見に来たのに、これは何? こんなの、認められるわけないじゃない! 私の水紋ちゃんをなんだと思っているのよ!」
観察対象……とは言わないでおこう。話がこじれる。
でも……やっぱりここにいたい。僕はまだリーベルで働きたいんだ。五人姉妹と一緒に!
「お姉ちゃん……だったらちゃんと見せてあげる。お姉ちゃんを納得させるほど、ここはちゃんとしているんだってところを! お姉ちゃんも知っていると思うけど、夢乃家の五人姉妹はそれぞれ別の仕事を持っているんだ。今日だって締切を乗り切って疲れ果てているところなんだよ? 僕たちは一緒に住んでいるんだ。助け合って当然じゃないか!」
「ふ~ん、それで? 何を見せてくれるのさ。仕事っぷりならさっき見たけどーー」
「僕たちで、最高のおもてなしをしてやる!」
「……………………じゅるり」
ん? いま思ったのと反応が違ったような。え、何、じゅるりって聞こえたよ。僕の聞き間違いだといいけど。
でも僕は諦めない。この姉を認めさせてやる。
「……そ、水紋ちゃんがそこまで言うならもう一回チャンスをあげる。私はこの近くでホテルとっているから、今日は帰るわ。それじゃあまた明日……楽しみにしているわね」
目をらんらんと輝かせて、あの姉は帰っていった。何だろう、不安を感じる。僕は何か勘違いしている気がするんだけど……。
気のせいだよな?
◇
「というわけで、作戦会議をしましょう!」
「「「「「お………お~」」」」」
「やる気ないね、みんな!」
僕たちはあの姉をどうにかするための作戦会議を開こうとしたのだが、五人姉妹のやる気のなさときたら……、僕は所詮その程度にしか思われていなかったのか。
ちょっとだけ、寂しいな?
「ふあ、真麻眠い。ちっち~~~~」
「はいはい、おトイレに行きましょうね?」
「うん、お母さん…………すぴ~」
「ちょ、待って、ここで寝ないで! 漏らしたらどうするの!」
僕が真麻ちゃんをトイレに連れて行こうとすると、後ろからヒソヒソと声が聞こえてきた。なんかこう、不名誉なことを言われている気がする。
そんなことは気にせず、僕は真麻ちゃんを連れて行き、なんとかミッションコンプリート!
いや、連れて行ったところで百合さんにバトンタッチしたから犯罪的なことは起こっていないよ、ホントだよ?
百合さんには、「別に水紋ちゃんが全てお世話してもいいのに……女の子同士なんだから」なんて言われた。
忘れないで欲しい、僕は男だ。
真麻ちゃんは流石に限界らしく、寝かせることにした。
そして、僕たちの作戦会議が始まる。
「水紋がアメリカに行っちゃえばいいんじゃない?」
そして菜乃華に即刻捨てられた。いや待ってよ。僕は行きたくないのに!
そう思いながら菜乃華を睨むと、ぷいっとそっぽを向かれる。頬を膨らまさせてなんとも可愛らしい……ってそうじゃなくて!
「なんでみんな……そっか、みんなは僕にいなくなって欲しーー」
「「「「そんなわけ無い!」」」」
四人からそんな返事が帰ってきた。
「ねぇ、水紋ちゃん。正直に言って欲しいの」
「ど、どうしたんですか? 百合さん」
「水紋ちゃん、本当はどうしたいの?」
「僕は……」
僕の本当の気持ち? そんなの決まっている。僕はまだここにいたい。コーヒーの入れ方だって上手になってきたし、料理をして美味しいって言われてすごく嬉しかったんだ。
時間こそ短いけど、本当の家族のように過ごせていたところもある。
真麻ちゃんなんか、いつの間にかお母さんって呼ぶようになってたりさ。
百合さんだって、抜けている感じがするけど、やるときはやる人だ。なんたって、この店の裏方事情、主に経済関連や、食材などの発注、コーヒーの仕入れなどは全て百合さんがやってくれているんだ。
真麻ちゃんや花梨はしかたない部分があるけど、桜先輩や菜乃華はお店を手伝ってくれると気がある。学校に好きな仕事、家を守るためにみんな必死でやっているんだ。
確かにみんな大変だ。だけどそれを支えあってこその家族じゃないのか?
僕は、ここで住み込みバイトをやって、本当にあったかいと思った。
だからーー。
「まだ、ここにいたい……僕はみんなと一緒にここで働きたいんだ!」
「ふふ、そっか。そっか!」
百合さんが嬉しそうな笑みを浮かべながら僕に抱きついて来た。ちょ、胸! 胸に押しつぶされ、苦しい……。
「おーい、百合お姉ちゃん。水紋ちゃんが……死んじゃうよ?」
「え、嘘! わ! ホントだ!」
百合さんが慌てて離れた。そして菜乃華がぼそっと「不潔!」と呟いた。
それが聞こえたのか、百合さんの顔が真っ赤になっていく。急に抱きついて来たと思ったけど、やっぱり女の子扱いされていたのね。
わかっていた、わかっていたけど、これはこれでちょっとショック。
「それで? 水紋が私たちのことがだ~い好きだってことはわかったけど、具体的に何をすればここに残れるのよ?」
「ちょ! だ、大好きなんて……いやまぁ? 一緒に住んでいるんだから家族としては大好きだけど!」
ああ、なんか顔が真っ赤になっている気がする。胸の内をさらけ出すってこんなにも恥ずかしいのね。いやね、知ってた。知ってたんだけど……。
「ゴホン! 菜乃華。それに百合さん、桜先輩、花梨。僕がこの場に残れる条件として提示したのは、お姉ちゃんをお客として、精一杯働いているということを見てもらうの。重要なのは、お姉ちゃんをお客、つまりおもてなしをするんだよ!」
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