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公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
14.近々演習があるらしい
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うるさい奴らと離れた後、俺はシンシアにこれからどうするかを相談した。
俺はこの学園に来たばかりだ。よく分からないことだって多い。剣術でも料理でも勉学でも、学ぶためには順番という物がある。まずかこれから目指すべきものを確認しないとな。
「私は、悪役令嬢にならないといけないんですっ! そのための修行をっ!」
「いや、その悪役令嬢については分かった。だけどそれだけじゃないだろう。ここは学園だ。演習場があるってことは実技面のこともあるだろう。それに」
俺はそっとシンシアの耳元に近づいて囁く。
「何かしらのイベントごとで悪役令嬢っぽいことをするために今から作戦を考える必要があると思わないか?」
その言葉を聞いたシンシアが、はっと何か閃いた表情を浮かばせる。
「そういえば、今度お外で演習があるんです。貴族たるもの、民を護るために戦えなくてはならない。指揮官としてということもありますが、国民の為に戦えるすべを持たないと誰もついてきてくれません。そのための演習だと聞いています」
「よし、じゃあそこで格の違いを見せてやろう。そうすれば少しは悪役令嬢っぽく見えるんじゃないか?」
ゲームによってはどうしようもないダメな女で成績が悪く、突っかかっては文句を言うぐらいしかできないダメな悪役令嬢だっている。だけどそれが全てじゃない。天才的で模範的な令嬢だけど、情熱的過ぎて主人公に正論を言って、婚約者に嫌われる可哀そうな令嬢だって世の中の作品にはいるのだ。たぶん。
シンシアはかなり優秀だし、後者的な悪役令嬢を目指し、ハッピーエンドを迎えてほしい。
「そうと決まれば、まずは演習でうまく動けるようにしましょうっ! そして実力の違いを見せつけてドヤ顔をしてやるんです。そうすれば少しは悪役令嬢っぽく見えるんじゃないかなっ!」
「悪役令嬢っぽくってどんな風にドヤ顔を見せるの」
「私の方がすごいでしょ、むふー」
すごく可愛らしいドヤ顔だった。ゼイゴなんて顔を手で覆い、ぽたぽたと鼻血を垂らしている。そのうえで顔を赤くしてぷるぷると震えていた。かなり鼻血を出しているが、大丈夫だろうか?
「まあ、いいでしょう。とりあえずその言葉が言えるように頑張ろう」
「はいっ! まずは何をすればいいんでしょうか?」
「逃げるための体力作りかな? 魔法も大事だけど、俺みたいに魔法無効化体質が敵にいると蹂躙されるだけだからな」
「「は、はい?」」
ゼイゴとシンシアが驚きの声を上げる。だけど俺は淡々と説明する。
「俺はこの体質のせいで魔法が仕えないからな。もしそういった敵と出会った時や、知っている魔法で対応できなかった時の対処法を教えてやる。あとはそうだな。実践的な闘い方を教えられるかも」
俺には魔法が使えない。これは紛れもない事実だ。だけどそのせいで劣っていると言われれば、俺はそうでもないと思っている。この世界の主流は魔法だけど、俺の鬼月流剣術はこの世界での強敵と対等に渡り合えるとアッシュとの戦いで実感している。
あいつもちょっと特殊な部類に入っていたけどな……。
だけど、すごく珍しいかと言うと、実はそうでもないんじゃないかなって思う。だって俺とアッシュがいるわけだし、魔法に耐性を持つ敵がいるのもこういった世界では当たり前にいるだろう。魔法が全てではない。
生き残るためには魔法以外のすべを知ることも必要だろう。
「あ、あの、先生がかなり特殊だということがわかりました。まずは何をすればいいんでしょうか?」
「まずは現状の確認かな? と言うか、ゼイゴ、教えるのってこんな感じでいいのか?」
学園で決まっている授業計画書があればいいんだけど、そんなもの手元にないし、どうしたものか。
「だったら授業計画書いります? 別に必要なことはたいして書いてありませんよ。勉学についてはキッチリ書いてありますが、実技面は担当することになった先生の裁量に任せられます。実技演習までに演習内容に適した行動がとれるようになっていればとりあえず大丈夫かと……」
計画書を見せてもらうと、そこには今度行われる実技演習についてが書かれていた。
小さなダンジョンでチームを組みながら疑似的な魔物を退治をするそうだ。指揮官云々は後々やっていくけど、まずは戦いというものを知らなければならない的なことだろう。後はチームで行なうというのが重要なポイントだと思う。
人の戦いは集団でおこなうのが基本だ。俺達鬼狩りのように単騎で戦うのはあまり一般的じゃない。
集団で戦うということは、それなりにコミュニケーションを取ってしっかりとした連携ができなければならない。誰がリーダーになるかも評価につながるだろう。実技演習とはそういうものだ。
となると、まずは一通り動けて、それなりに指揮することが出来るようにしなければならない。そのうえで悪役令嬢っぽさを出す。結構無理難題じゃね、と少し思った。
ひとまず悪役令嬢っぽいことは置いておこう。最終的にドヤ顔でも見せれば大丈夫……と言うことにしておけば大丈夫だろう。
「じゃあまずは基礎体力がどれぐらいかを確認しよう。聞いたところ、シンシアはずっと座学をしていたんだろう」
「多少の運動と魔法の練習はしていましたが、座学が中心ですね」
「戦場では体力ってかなり重要なんだ。長い道のり、過酷な環境の移動、状況に応じた行動、臨機応変に動くためには、実行できる行動力と行動するための体力が必要なんだ。だからまずはどれだけ体力があるかを確認して、それから必要なことを身につけられるようにメニューを作っていくぞ」
「はい、先生」
俺が説明をしていると、後ろが少し騒がしくなった。急に感じた不穏な気配。俺はとっさにのじゃロリを構えると、奴がいきなり襲ってきた。
「諸刃っ! 隙あり、だよっ!」
襲ってきたのは飛鳥だった。俺はのじゃロリで飛鳥の攻撃を受け止める。
「お前、いきなり何しやがる。というかリセとイリーナは……」
飛鳥はそっと視線をそらした。俺も同じように視線を移動させると、「はぁはぁ」と艶めかしい息を吐く二人がいた。こう、なんていうか、ぐったりとしていて、すべてを出し切った後みたいなことになっている。大量の汗を流しており、どれだけ大変なことがあったのかなんとなく伝わってきた。
「やっと会えたのに無視ってどういうことよ。私には諸刃しかいないんだよっ!」
「紛らわしいこと言うなよっ」
「紛らわしくなんてない。この学園の生徒で剣術やってるの誰もいないの。誰も体動かさない。魔法ばっかり、もううんざりよっ!」
その気持ちはなんとなくわかる。けどその気持ちを俺にぶつけないでほしい。シンシアだって呆然としているじゃないか。ゼイゴは……口をおっきく開けて固まっている。ちょっと女性として終わってるな。
「だからって俺に八つ当たりするなよ」
「八つ当たりじゃない。これは……実戦形式の訓練よっ!」
そう言って再び飛鳥が襲い掛かってきた。鋭い攻撃だが、アッシュに比べたらお粗末なモノ。俺は簡単に攻撃を受け流す。
「そうよ、諸刃は強いんだから。私が全力でアタックしてもいいよねっ」
鬼月流、まあ飛鳥が使っているのは鬼を狩るための本物ではなく、道場で教えていた一般向けの剣術だ。鬼を相手にすることを想定しているわけじゃない。けど、他の流派にも後れを取らないほど洗礼されていると自負している。
言い方は悪いが、金儲けのために改良された鬼月流、その真骨頂は技をつなげ合わせた無限につながる連撃にあった。
そしてふと思う。コレ、訓練に使えるんじゃね、と。
「シンシア、まずはよく見ておけ。これが魔法が使えない状況になった時の戦い方だっ!」
そう言って、俺は飛鳥の攻撃を受け流し、体制を整える。
そういえば、飛鳥と真面目に戦うの、これが初めてかもしれない。
俺はこの学園に来たばかりだ。よく分からないことだって多い。剣術でも料理でも勉学でも、学ぶためには順番という物がある。まずかこれから目指すべきものを確認しないとな。
「私は、悪役令嬢にならないといけないんですっ! そのための修行をっ!」
「いや、その悪役令嬢については分かった。だけどそれだけじゃないだろう。ここは学園だ。演習場があるってことは実技面のこともあるだろう。それに」
俺はそっとシンシアの耳元に近づいて囁く。
「何かしらのイベントごとで悪役令嬢っぽいことをするために今から作戦を考える必要があると思わないか?」
その言葉を聞いたシンシアが、はっと何か閃いた表情を浮かばせる。
「そういえば、今度お外で演習があるんです。貴族たるもの、民を護るために戦えなくてはならない。指揮官としてということもありますが、国民の為に戦えるすべを持たないと誰もついてきてくれません。そのための演習だと聞いています」
「よし、じゃあそこで格の違いを見せてやろう。そうすれば少しは悪役令嬢っぽく見えるんじゃないか?」
ゲームによってはどうしようもないダメな女で成績が悪く、突っかかっては文句を言うぐらいしかできないダメな悪役令嬢だっている。だけどそれが全てじゃない。天才的で模範的な令嬢だけど、情熱的過ぎて主人公に正論を言って、婚約者に嫌われる可哀そうな令嬢だって世の中の作品にはいるのだ。たぶん。
シンシアはかなり優秀だし、後者的な悪役令嬢を目指し、ハッピーエンドを迎えてほしい。
「そうと決まれば、まずは演習でうまく動けるようにしましょうっ! そして実力の違いを見せつけてドヤ顔をしてやるんです。そうすれば少しは悪役令嬢っぽく見えるんじゃないかなっ!」
「悪役令嬢っぽくってどんな風にドヤ顔を見せるの」
「私の方がすごいでしょ、むふー」
すごく可愛らしいドヤ顔だった。ゼイゴなんて顔を手で覆い、ぽたぽたと鼻血を垂らしている。そのうえで顔を赤くしてぷるぷると震えていた。かなり鼻血を出しているが、大丈夫だろうか?
「まあ、いいでしょう。とりあえずその言葉が言えるように頑張ろう」
「はいっ! まずは何をすればいいんでしょうか?」
「逃げるための体力作りかな? 魔法も大事だけど、俺みたいに魔法無効化体質が敵にいると蹂躙されるだけだからな」
「「は、はい?」」
ゼイゴとシンシアが驚きの声を上げる。だけど俺は淡々と説明する。
「俺はこの体質のせいで魔法が仕えないからな。もしそういった敵と出会った時や、知っている魔法で対応できなかった時の対処法を教えてやる。あとはそうだな。実践的な闘い方を教えられるかも」
俺には魔法が使えない。これは紛れもない事実だ。だけどそのせいで劣っていると言われれば、俺はそうでもないと思っている。この世界の主流は魔法だけど、俺の鬼月流剣術はこの世界での強敵と対等に渡り合えるとアッシュとの戦いで実感している。
あいつもちょっと特殊な部類に入っていたけどな……。
だけど、すごく珍しいかと言うと、実はそうでもないんじゃないかなって思う。だって俺とアッシュがいるわけだし、魔法に耐性を持つ敵がいるのもこういった世界では当たり前にいるだろう。魔法が全てではない。
生き残るためには魔法以外のすべを知ることも必要だろう。
「あ、あの、先生がかなり特殊だということがわかりました。まずは何をすればいいんでしょうか?」
「まずは現状の確認かな? と言うか、ゼイゴ、教えるのってこんな感じでいいのか?」
学園で決まっている授業計画書があればいいんだけど、そんなもの手元にないし、どうしたものか。
「だったら授業計画書いります? 別に必要なことはたいして書いてありませんよ。勉学についてはキッチリ書いてありますが、実技面は担当することになった先生の裁量に任せられます。実技演習までに演習内容に適した行動がとれるようになっていればとりあえず大丈夫かと……」
計画書を見せてもらうと、そこには今度行われる実技演習についてが書かれていた。
小さなダンジョンでチームを組みながら疑似的な魔物を退治をするそうだ。指揮官云々は後々やっていくけど、まずは戦いというものを知らなければならない的なことだろう。後はチームで行なうというのが重要なポイントだと思う。
人の戦いは集団でおこなうのが基本だ。俺達鬼狩りのように単騎で戦うのはあまり一般的じゃない。
集団で戦うということは、それなりにコミュニケーションを取ってしっかりとした連携ができなければならない。誰がリーダーになるかも評価につながるだろう。実技演習とはそういうものだ。
となると、まずは一通り動けて、それなりに指揮することが出来るようにしなければならない。そのうえで悪役令嬢っぽさを出す。結構無理難題じゃね、と少し思った。
ひとまず悪役令嬢っぽいことは置いておこう。最終的にドヤ顔でも見せれば大丈夫……と言うことにしておけば大丈夫だろう。
「じゃあまずは基礎体力がどれぐらいかを確認しよう。聞いたところ、シンシアはずっと座学をしていたんだろう」
「多少の運動と魔法の練習はしていましたが、座学が中心ですね」
「戦場では体力ってかなり重要なんだ。長い道のり、過酷な環境の移動、状況に応じた行動、臨機応変に動くためには、実行できる行動力と行動するための体力が必要なんだ。だからまずはどれだけ体力があるかを確認して、それから必要なことを身につけられるようにメニューを作っていくぞ」
「はい、先生」
俺が説明をしていると、後ろが少し騒がしくなった。急に感じた不穏な気配。俺はとっさにのじゃロリを構えると、奴がいきなり襲ってきた。
「諸刃っ! 隙あり、だよっ!」
襲ってきたのは飛鳥だった。俺はのじゃロリで飛鳥の攻撃を受け止める。
「お前、いきなり何しやがる。というかリセとイリーナは……」
飛鳥はそっと視線をそらした。俺も同じように視線を移動させると、「はぁはぁ」と艶めかしい息を吐く二人がいた。こう、なんていうか、ぐったりとしていて、すべてを出し切った後みたいなことになっている。大量の汗を流しており、どれだけ大変なことがあったのかなんとなく伝わってきた。
「やっと会えたのに無視ってどういうことよ。私には諸刃しかいないんだよっ!」
「紛らわしいこと言うなよっ」
「紛らわしくなんてない。この学園の生徒で剣術やってるの誰もいないの。誰も体動かさない。魔法ばっかり、もううんざりよっ!」
その気持ちはなんとなくわかる。けどその気持ちを俺にぶつけないでほしい。シンシアだって呆然としているじゃないか。ゼイゴは……口をおっきく開けて固まっている。ちょっと女性として終わってるな。
「だからって俺に八つ当たりするなよ」
「八つ当たりじゃない。これは……実戦形式の訓練よっ!」
そう言って再び飛鳥が襲い掛かってきた。鋭い攻撃だが、アッシュに比べたらお粗末なモノ。俺は簡単に攻撃を受け流す。
「そうよ、諸刃は強いんだから。私が全力でアタックしてもいいよねっ」
鬼月流、まあ飛鳥が使っているのは鬼を狩るための本物ではなく、道場で教えていた一般向けの剣術だ。鬼を相手にすることを想定しているわけじゃない。けど、他の流派にも後れを取らないほど洗礼されていると自負している。
言い方は悪いが、金儲けのために改良された鬼月流、その真骨頂は技をつなげ合わせた無限につながる連撃にあった。
そしてふと思う。コレ、訓練に使えるんじゃね、と。
「シンシア、まずはよく見ておけ。これが魔法が使えない状況になった時の戦い方だっ!」
そう言って、俺は飛鳥の攻撃を受け流し、体制を整える。
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