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第二章:スイーツ王子と盗難事件
第八話~王城の人たちは禄でもない!~
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私は一刻も早く逃げたかった。
聞きたくもないことを聞かされて、私はリズミカルに「うん、うん、それで、それで」と相槌を打つ。私が話を聞いてくれるのがそんなにうれしかったのか、クリスティラの話は止まらない。
ベルトリオのあれやこれやの私生活や、ホモかするための計画書の詳細、受けと攻め、どちらに育成するべきか、ほんとどうでもいい内容を聞かされ続ける。
なんでこうなるんだろう、誰か助けて、そう思った時、小説とか漫画なら助けが来るのだろう。だけどさ、ここはバカゲーの世界なんだよ。あの『恋愛は破滅の後で』の世界なんだよ? 絶対に碌なことにならない。
こうなったらリズムゲーみたいなっている相槌をフルコンボで終わらせて、満足していただくしかない。というか私にはその道しか残されていないんだ。
どうせあれだろ、失敗したりフルコンボできなかったりすると破滅イベントが起こるんでしょ。私は知っているんだからなっ! 運命の奴が仕組んだ策略なんかにはまってやるかってんだ。
そんなことを考えていた時期もありました。
リズムよく頷いていると、人の頭からなっちゃいけないような鈍い音が響いた。それと同時に、クリスティラは白目を向いて、床に倒れこむ。クリスティラの後ろには、まるでゴミムシでも見ているような目でクリスティラを見下ろす、現役を彷彿とさせる肉体とオールバックの髪型が特徴の厳ついオジサンが立っていた。
一応執事服を着ているので、王家に仕える使用人なんだろうということはわかった。
だけど、執事服を着ていても分かってしまう、近衛騎士団もびっくりの筋肉のせいでどうやっても執事には見えなかった。
あとはオールバックの髪型と執事服のせいで、どこぞの組に所属している幹部か何かに見えた。ただ、組長には見えんな。厳ついだけでオーラが足りん。
「この愚か者が、また仕事をサボりおってからに」
「だ、だからっていきなり殴らなくても、いいじゃないですか、バハム執事長」
「っけ、これだから最近の若者は………………」
なるほど、この人があの名高き執事長のバハムさんでしたか。
この人は『恋愛は破滅の後で』というゲームの中でかなり人気のあるキャラクターだ。
攻略対象ではないのだが、ベルトリオを支える姿や、荒い言葉遣いを使いながらも部下を励ましてあげる姿がかっこいいと人気になっていたっけ。
特に新卒の社会人に人気だとかなんとか。
私もその気持ちすごく分かる。バハム執事長の口癖は「最近の若者は……」から始まってすっごくいいこと言ってくれるんだ。まるであの漫画に出てくる課長さんみたいだった。
もしかするとパクリで作ったキャラクターなのかもしれないけどね。『恋愛は破滅の後で』の制作人は碌な人いないし。
「んで、そこのお嬢様は一人で何しているのだ」
「えっと、お城を探検しているだけど」
「確か、今はブスガルト家の方々がいらっしゃっていたはずだから、お嬢さんはブスガルト家のヘンリー嬢か」
「うん、暇になっちゃって」
「ベルトリオ様と一緒に遊んであげてはくれないので」
「あいつ、ブヒィィィィィィィって叫びながら触手すすってたから、ちょっと……」
「…………はあ~、あの坊ちゃんは。ですが勝手にうろつくのは感心しませんね」
「でもやることないし、あの場所にいたら殺されるかもしれないし」
「まさか、怪しい人物でも」
「お母様と王妃様」
「…………納得しました。あの二人ならいつものことですからね。そろそろ公爵夫人、そして王妃としての自覚を持っていただきたいところです」
「私もそう思うよ。ナイフもってヒャーハーするお母さんなんて怖すぎて怖すぎて……夜もぐっすり眠れちゃうわ」
「そこはぐっすり眠れないでは」
「だってお母さんだもの、私にナイフは向けないでしょう」
「なるほど……」
バハムは何か納得したように何回か頷いた後、考え込む。多分私のことについて考えているんだろうと直感で分かった。
いくら公爵令嬢とは言え、王城を勝手に歩き回るのはダメだろう。王族の血を引いているとしてもお父様は公爵家、つまり王家を抜けた元王族の家なのだ。そこの一人娘だからと言って自由にお城を探検したら無礼に当たるのだろう。
もしかしたら、断頭台に連れてかれる。絞首台より怖いんだけどっ!
なんて考えていたのだが、どうやら違うようだ。
「お嬢さんは、こうオーラがお嬢様じゃないから、もしかしたら捕まるかもしれないな。そうなったら最悪電気椅子に座らされる」
で、電気椅子っ! 何がどうなったら電気椅子が出てくんのよ。あれって処刑道具だよね。私、処刑されるのっ! え、えっ?
「これを首にかけて探検するんだよ。ほかの人は仕事をしているから邪魔しないようにね」
そう言ってバハムはクリスティラに蹴りを入れた後、私にペンダントのようなものを首にかけてくれた。企業とかによくある入館証のようなものなのだろうか。
とりあえず、これさえあれば自由に王城内を探検できるという訳だ。
むふふ、どこを探検しようか迷っちゃう。
それはそうとして、ちゃんとお礼を言わないと失礼ってもんだよね。
「バハムさん、ありがとうございます」
「お、きちんとお礼が言えるのはいいことだ。ちゃんと礼儀を大切にしない奴はすぐ処刑されるからな」
うわ、あっぶねー。お偉いさんの子供ってお礼が言えない我儘な子供が多いイメージがあるんだけど。もしかして、この国の子供ってぽんぽん処刑されてたりするのだろうか。
考えるだけで怖い。
私は考えるのをやめて、バハムにもう一度お礼を言った。そして手を振ってバハムとついでにクリスティラと別れた。
そういえば、バハムが現れてから何もしゃべってなかったなーと思っていたんだけど、よく見るとクリスティラの口がうねうねしている何かでふさがれている。
なるほど、話始めるとうるさいから黙らされたな、あいつ。やっぱりうちのアンと似ているんだよなー。
もしかして姉妹だったりするのだろうか。
そんなんだったらやだなー。
心の中でもやもやが広がる。そういう時程周りが見えなくなるのが人間という生物だったりする。
当然私も人間であるわけで、周りが見えなくなっていた私は壁に頭をぶつけた。
鼻の奥から何かが垂れてくる感触があったので、慌てて手で押さえた。すると、ぽたりと真っ赤な鼻血が落ちてきた。
思ったよりもつよく打ったのかな。通りでズギズギと響くような痛みがするわけだ。
「うぅ、痛い」
鼻を抑えながら、鼻血が垂れないように必死に抑えた。半蔵が来てくれたら、ティシュか何か持ってきてもらえるんだろう。だけど、半蔵が来る気配がない。もしかしたら、ここは半蔵が出れない場所なのかもしれない。
そう思うと、今の状態がすごく危機的状況に感じられた。
壁にぶつかって鼻血を出したところまでは問題ないとしよう。
でもここは王城なわけで、そんな場所に鼻血を垂らして汚したなんてことになれば、この国なら処刑される可能性すらある。
やべー、どうしようー、私、死んじゃうのかな?
はは、鼻血出して処刑とか、マジ泣けてくる。
なんて現実逃避していると、私がいる場所から少し離れた場所のドアが開いた。
そこから出てきたのは、なんというか、ひょろっちい男だった。
歩き方がなよなよしていて、挙動不審、自身のなさが表に浮き出ているかのようだ。
そんな男が私に気が付いて、近くにやってきた。
「あわわ、鼻血が出てる。きみ、大丈夫?」
そう言って、どこからかティッシュを取り出して、私の鼻血を拭いてくれた。
なんだろう、このシチュ好きかもしれない。
聞きたくもないことを聞かされて、私はリズミカルに「うん、うん、それで、それで」と相槌を打つ。私が話を聞いてくれるのがそんなにうれしかったのか、クリスティラの話は止まらない。
ベルトリオのあれやこれやの私生活や、ホモかするための計画書の詳細、受けと攻め、どちらに育成するべきか、ほんとどうでもいい内容を聞かされ続ける。
なんでこうなるんだろう、誰か助けて、そう思った時、小説とか漫画なら助けが来るのだろう。だけどさ、ここはバカゲーの世界なんだよ。あの『恋愛は破滅の後で』の世界なんだよ? 絶対に碌なことにならない。
こうなったらリズムゲーみたいなっている相槌をフルコンボで終わらせて、満足していただくしかない。というか私にはその道しか残されていないんだ。
どうせあれだろ、失敗したりフルコンボできなかったりすると破滅イベントが起こるんでしょ。私は知っているんだからなっ! 運命の奴が仕組んだ策略なんかにはまってやるかってんだ。
そんなことを考えていた時期もありました。
リズムよく頷いていると、人の頭からなっちゃいけないような鈍い音が響いた。それと同時に、クリスティラは白目を向いて、床に倒れこむ。クリスティラの後ろには、まるでゴミムシでも見ているような目でクリスティラを見下ろす、現役を彷彿とさせる肉体とオールバックの髪型が特徴の厳ついオジサンが立っていた。
一応執事服を着ているので、王家に仕える使用人なんだろうということはわかった。
だけど、執事服を着ていても分かってしまう、近衛騎士団もびっくりの筋肉のせいでどうやっても執事には見えなかった。
あとはオールバックの髪型と執事服のせいで、どこぞの組に所属している幹部か何かに見えた。ただ、組長には見えんな。厳ついだけでオーラが足りん。
「この愚か者が、また仕事をサボりおってからに」
「だ、だからっていきなり殴らなくても、いいじゃないですか、バハム執事長」
「っけ、これだから最近の若者は………………」
なるほど、この人があの名高き執事長のバハムさんでしたか。
この人は『恋愛は破滅の後で』というゲームの中でかなり人気のあるキャラクターだ。
攻略対象ではないのだが、ベルトリオを支える姿や、荒い言葉遣いを使いながらも部下を励ましてあげる姿がかっこいいと人気になっていたっけ。
特に新卒の社会人に人気だとかなんとか。
私もその気持ちすごく分かる。バハム執事長の口癖は「最近の若者は……」から始まってすっごくいいこと言ってくれるんだ。まるであの漫画に出てくる課長さんみたいだった。
もしかするとパクリで作ったキャラクターなのかもしれないけどね。『恋愛は破滅の後で』の制作人は碌な人いないし。
「んで、そこのお嬢様は一人で何しているのだ」
「えっと、お城を探検しているだけど」
「確か、今はブスガルト家の方々がいらっしゃっていたはずだから、お嬢さんはブスガルト家のヘンリー嬢か」
「うん、暇になっちゃって」
「ベルトリオ様と一緒に遊んであげてはくれないので」
「あいつ、ブヒィィィィィィィって叫びながら触手すすってたから、ちょっと……」
「…………はあ~、あの坊ちゃんは。ですが勝手にうろつくのは感心しませんね」
「でもやることないし、あの場所にいたら殺されるかもしれないし」
「まさか、怪しい人物でも」
「お母様と王妃様」
「…………納得しました。あの二人ならいつものことですからね。そろそろ公爵夫人、そして王妃としての自覚を持っていただきたいところです」
「私もそう思うよ。ナイフもってヒャーハーするお母さんなんて怖すぎて怖すぎて……夜もぐっすり眠れちゃうわ」
「そこはぐっすり眠れないでは」
「だってお母さんだもの、私にナイフは向けないでしょう」
「なるほど……」
バハムは何か納得したように何回か頷いた後、考え込む。多分私のことについて考えているんだろうと直感で分かった。
いくら公爵令嬢とは言え、王城を勝手に歩き回るのはダメだろう。王族の血を引いているとしてもお父様は公爵家、つまり王家を抜けた元王族の家なのだ。そこの一人娘だからと言って自由にお城を探検したら無礼に当たるのだろう。
もしかしたら、断頭台に連れてかれる。絞首台より怖いんだけどっ!
なんて考えていたのだが、どうやら違うようだ。
「お嬢さんは、こうオーラがお嬢様じゃないから、もしかしたら捕まるかもしれないな。そうなったら最悪電気椅子に座らされる」
で、電気椅子っ! 何がどうなったら電気椅子が出てくんのよ。あれって処刑道具だよね。私、処刑されるのっ! え、えっ?
「これを首にかけて探検するんだよ。ほかの人は仕事をしているから邪魔しないようにね」
そう言ってバハムはクリスティラに蹴りを入れた後、私にペンダントのようなものを首にかけてくれた。企業とかによくある入館証のようなものなのだろうか。
とりあえず、これさえあれば自由に王城内を探検できるという訳だ。
むふふ、どこを探検しようか迷っちゃう。
それはそうとして、ちゃんとお礼を言わないと失礼ってもんだよね。
「バハムさん、ありがとうございます」
「お、きちんとお礼が言えるのはいいことだ。ちゃんと礼儀を大切にしない奴はすぐ処刑されるからな」
うわ、あっぶねー。お偉いさんの子供ってお礼が言えない我儘な子供が多いイメージがあるんだけど。もしかして、この国の子供ってぽんぽん処刑されてたりするのだろうか。
考えるだけで怖い。
私は考えるのをやめて、バハムにもう一度お礼を言った。そして手を振ってバハムとついでにクリスティラと別れた。
そういえば、バハムが現れてから何もしゃべってなかったなーと思っていたんだけど、よく見るとクリスティラの口がうねうねしている何かでふさがれている。
なるほど、話始めるとうるさいから黙らされたな、あいつ。やっぱりうちのアンと似ているんだよなー。
もしかして姉妹だったりするのだろうか。
そんなんだったらやだなー。
心の中でもやもやが広がる。そういう時程周りが見えなくなるのが人間という生物だったりする。
当然私も人間であるわけで、周りが見えなくなっていた私は壁に頭をぶつけた。
鼻の奥から何かが垂れてくる感触があったので、慌てて手で押さえた。すると、ぽたりと真っ赤な鼻血が落ちてきた。
思ったよりもつよく打ったのかな。通りでズギズギと響くような痛みがするわけだ。
「うぅ、痛い」
鼻を抑えながら、鼻血が垂れないように必死に抑えた。半蔵が来てくれたら、ティシュか何か持ってきてもらえるんだろう。だけど、半蔵が来る気配がない。もしかしたら、ここは半蔵が出れない場所なのかもしれない。
そう思うと、今の状態がすごく危機的状況に感じられた。
壁にぶつかって鼻血を出したところまでは問題ないとしよう。
でもここは王城なわけで、そんな場所に鼻血を垂らして汚したなんてことになれば、この国なら処刑される可能性すらある。
やべー、どうしようー、私、死んじゃうのかな?
はは、鼻血出して処刑とか、マジ泣けてくる。
なんて現実逃避していると、私がいる場所から少し離れた場所のドアが開いた。
そこから出てきたのは、なんというか、ひょろっちい男だった。
歩き方がなよなよしていて、挙動不審、自身のなさが表に浮き出ているかのようだ。
そんな男が私に気が付いて、近くにやってきた。
「あわわ、鼻血が出てる。きみ、大丈夫?」
そう言って、どこからかティッシュを取り出して、私の鼻血を拭いてくれた。
なんだろう、このシチュ好きかもしれない。
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