5 / 31
第一章:幼少期編~悪役令嬢と破滅イベント~
第五話~破滅回避の力を手に入れました~
しおりを挟む
出汁をしっぽり取られたムーちゃんの遺骨を庭に埋めてあげてお墓を作ってあげた。
あの時流していた涙を私は忘れない。
きっと迷子になっちゃって寂しかったんだよね。家の庭は広いから、きっと怖くて寂しくて、私を見つけられたときは本当にうれしかったんだろう。
それなのに胃袋に入れちゃって……。ムーちゃん、ごめんなさい。いいお味でした。
ムーちゃんのお墓の前で祈りをささげていると、後ろからガサゴソと音が聞こえた。
振り返ってみると、庭の手入れに使いそうな道具を担いだおじさんがいた。
「やあお嬢様、そんなところでどうしましたか」
この人はポルチオ。ブスガルト家の専属庭師。ピンクのお花とかが大好きで心も優しいおじいちゃん。
最近は年のせいか体が痛いとよく呟いているが、バリバリで働く62歳だったりする。
ちなみに、弟子募集中らしい。年なのに広い庭を一人で手入れするのも大変だよね。どうにかしてあげたいけど、子供の私には何もできない。ちょっともどかしい。
そんなポルチオは優し気な笑みを浮かべながらこちらに近づいてきた。
私はその笑顔に答えてあげたかったけど、ムーちゃんのことがあったせいでそこまで笑えなかった。
「ムーちゃんのお墓を作ってあげたんです」
「お嬢様は優しいですな。殺されかけたというのにお墓まで作ってあげて」
「ムーちゃんは私に危害を加えようとしていたわけではないと思うのです。きっと寂しかっただけ。それなのに食べてしまって……」
「おいしかったですか?」
「はいっ! それはもう素晴らしいお味でした」
っは! つい笑顔で答えてしまった。おいしかったのも食べたのも事実だけど、それを喜ぶのはなんかすごく不謹慎な気がする。
それに、なんでみんなおいしかったか聞くのかな? やっぱり、生まれた国の法律が当たり前だからおかしいと疑問に思うことがないのかな?
「ほっほっほ。それはようございました」
いやいや、よくないよ。ムーちゃん死んじゃったよ。
「いくらペットといえど、ワシらは人間でムーはウリボウ。つまり食材です。おいしく食べていただけたのならあやつも本望ですよ」
「本当にそうかな……」
食べるために飼っているのと愛玩動物として飼っているのは意味が違う。でもこの世界はそのあたりがごちゃ混ぜになっているのかな。考え方によってはポルチオの考えも納得できそうな気がする。
「でもお嬢様にはまだ早いようですな。複雑そうな顔をしていますぞ。きっと大人になったらわかる時が来ます」
一生わかりたくないなー。
「祈りを捧げているところ邪魔してすいません。ワシは他のところの手入れに行きますので」
「なんかごめんなさいね、お仕事の邪魔をしてしまって」
「いえいえ。それに祈りを捧げられているムーも喜んでいるでしょう。ではこれで」
「お仕事頑張ってください」
ポルチオが行ってしまうのを見送った後、私は再びムーちゃんのお墓に祈りを捧げる。
感傷に浸っていると、またしてもガサゴソと音が聞こえた。
また誰か来たのかと思って後ろを振り返ったが誰もいない。
でも音が聞こえる。
も、もしかして幽霊? 実はムーちゃんは怒っていて化けて出てきたとか? どどど、どうしよう。
私はびくびくしながらあたりを見渡した。怯えすぎてどこから音が聞こえてくるのかを気にせず周りをきょろきょろとしていて全く気が付かなかった。
数十秒して音が上から聞こえてくることに気が付いた私はガバッと上を見上げる。
すると、木が激しく揺れていた。
なにあれ怖っ!
鳥が止まったとかそういう揺れじゃない。何がいるのっ!
それに、なんか声が聞こえる。女の子の声?
人の声だと分かった瞬間、恐怖心が引いていった。それと同時にちょっとだけほっとした。
ムーちゃんが化けて出てきたわけじゃないんだ。よかった。
じゃああれはいったい何だろう。
「ねぇ、そこに誰かいるの?」
「あひゃい、ば、ばれてしまったでござる」
ん? ござる? なぜに語尾がござるなの。ここって中世ヨーロッパ風の世界観なんだよね。
そう思って首をかしげていると、木の上から私と同い年ぐらいの女の子がシュパッと降りてきた。
その女の子は俗にいう忍びのような恰好をしていた。
待って、ここは日本じゃないんだよ。なぜに忍びがいるのっ!
「うう、見つかってしまうとは修行不足でござる。でも、あなたがかわいすぎるからいけないのでござるよ」
え、誰? 家で働いている子じゃないし、ほんと誰? もしかして、不審者。でもかわいい女の子の声なんだけど。
「ねぇ、あなたは誰?」
「むむ、自己紹介すらしていなかったでござるな。拙者は服部半蔵と申す。いがしのびしゅうのりーだーをやっているでござる」
どうしよう、ツッコミどころの多い子が現れた。
ここは乙女ゲーム『恋愛は破滅の後で』の世界。つまり中世ヨーロッパ風の世界観だ。
なのに忍びってどういうこと?
それに伊賀の忍び集って。伊賀って三重県の伊賀市あたりだよね。昔はそこに忍びの里があったとかなかったとか。
そして今は観光名所として忍び博物館みたいなものもあったり……。
昔はかなり人でなしな忍びを輩出していたところだったらしいけど、まさかそこの出身っ!
ほんと、世界観がぶち壊しなキャラが来たね。
「ここら辺に伊賀って場所があるのかしら」
「いがはこのあたりにある隠里の名称でござる。たまに伊賀の里と間違える不届きものがおるでござるが」
ん? まったく意味が分からなかった。どういうこと。
「なにやら不思議に思って居るようなのでしっかり説明するでござるよ。紙とペンはあるでござるか」
「はいこれ」
ポケットに入れっぱなしにしていた紙とペンを半蔵に渡す。
何かゲーム情報を思い出したときにメモをとれるように持っておいたんだけど役にたったよ。
「えっと、拙者の里の名称は『いががのさと
』と書くでござるがたまに『伊賀の里』と勘違いする輩がおるのでござる」
「え、同じじゃないの」
私的にはひらがなで書かれているか漢字で書かれているかの違いにしか見えないんだけど、一体何が違うのだろう。
「全然違うでござる。『伊賀の里』には人の首を刈り取ることに快楽を覚える犯罪者の里であり、拙者たちの『いがのさと』は正真正銘の忍びの里でござる。昔『伊賀の里』には首狩りシルフィーと恐れられていた者がおり、そのせいでヤバイ噂が広まったのでござる。読み方が同じせいで拙者たちの里も犯罪者のように思われてしまい……うぅ」
「それは災難だったね」
首狩りシルフィー。お母さんと同じ名前だけど……まさかね。そんなわけないよね。だってお母さんは公爵夫人だし、すごく優雅でのほほんとしているし、違うよね。まあいいや。
「それであなたは何をしていたの。まさか、不審者」
「そそそ、そんなんじゃないでござる! 拙者はただあなたを見ていただけでござる」
それを俗にストーカーという。こいつは犯罪者だ。警察に突き出さないと。この国に警察っているの?
「おお、その冷めたような視線。ご褒美でござる」
「しかも変態かよ。どうしようもないな」
「拙者、決めたでござるっ!」
「え、何を? このまま警察に突き出すから最後の言葉になるけど聞いてあげる」
「け、警察に突き出すのは…………」
この国に警察はいるんだ。なんか世界観ごちゃごちゃ。憲兵じゃなく警察かー。不思議だー。
「んで、言い残すことは」
「拙者と結婚を前提に付き合って欲しいでござるっ!」
「ごめん、無理」
私にはそんな反応しかできなかった。いきなり求婚とかないわ。しかも女の子同士って、この子の頭はどうなっているんだろう。
いや、ほんとないわー。
「あぁ……その冷めた視線。最高でござるっ! あとごめんなさい」
「求婚されて振られたっ! なんだろう。かなり悲しいような気がする。傷ついたっ!」
「違うでござる。そうじゃないでござるよ」
「何が違うっていうのよ。とっとと警察に突き出してやるぅ!」
「ちょっと本音が漏れてしまっただけでござる。いきなりけけけ、結婚なんて、はぅ」
なんだろう。この子かわいいな。
「なのでおそばに仕えさせてほしいでござるっ!」
仕える? それってつまり、私の部下になるってことだよね。
この子のような忍びが仕えてくれたら、破滅の運命が待っている私にとって強力な力になるんじゃないだろうか。
地球でも情報は協力な武器となっていた。情報を制する者が戦争に勝利できる。
だけどお高いんじゃないの?
人を雇うんだよ? そこそこのお金がいるはずだ。こりゃ無理だな。
「ごめんなさい、私はお金を持っていないの。人は雇えないわ」
「いえいえ、ご褒美になでなでしてくれたらそれでいいでござる」
「安いのね君っ! 安すぎるよっ!」
という訳で、私は半蔵を雇うことになりました。ご褒美のなでなでって、それで暮らしていけるのか不安なんだけど。たまに差し入れしてあげよう。うん、それがいい。
これで、破滅回避に向けた力を手に入れることができたっ!
よしよし、順調だ。絶対に破滅を回避してやるんだからっ!
あの時流していた涙を私は忘れない。
きっと迷子になっちゃって寂しかったんだよね。家の庭は広いから、きっと怖くて寂しくて、私を見つけられたときは本当にうれしかったんだろう。
それなのに胃袋に入れちゃって……。ムーちゃん、ごめんなさい。いいお味でした。
ムーちゃんのお墓の前で祈りをささげていると、後ろからガサゴソと音が聞こえた。
振り返ってみると、庭の手入れに使いそうな道具を担いだおじさんがいた。
「やあお嬢様、そんなところでどうしましたか」
この人はポルチオ。ブスガルト家の専属庭師。ピンクのお花とかが大好きで心も優しいおじいちゃん。
最近は年のせいか体が痛いとよく呟いているが、バリバリで働く62歳だったりする。
ちなみに、弟子募集中らしい。年なのに広い庭を一人で手入れするのも大変だよね。どうにかしてあげたいけど、子供の私には何もできない。ちょっともどかしい。
そんなポルチオは優し気な笑みを浮かべながらこちらに近づいてきた。
私はその笑顔に答えてあげたかったけど、ムーちゃんのことがあったせいでそこまで笑えなかった。
「ムーちゃんのお墓を作ってあげたんです」
「お嬢様は優しいですな。殺されかけたというのにお墓まで作ってあげて」
「ムーちゃんは私に危害を加えようとしていたわけではないと思うのです。きっと寂しかっただけ。それなのに食べてしまって……」
「おいしかったですか?」
「はいっ! それはもう素晴らしいお味でした」
っは! つい笑顔で答えてしまった。おいしかったのも食べたのも事実だけど、それを喜ぶのはなんかすごく不謹慎な気がする。
それに、なんでみんなおいしかったか聞くのかな? やっぱり、生まれた国の法律が当たり前だからおかしいと疑問に思うことがないのかな?
「ほっほっほ。それはようございました」
いやいや、よくないよ。ムーちゃん死んじゃったよ。
「いくらペットといえど、ワシらは人間でムーはウリボウ。つまり食材です。おいしく食べていただけたのならあやつも本望ですよ」
「本当にそうかな……」
食べるために飼っているのと愛玩動物として飼っているのは意味が違う。でもこの世界はそのあたりがごちゃ混ぜになっているのかな。考え方によってはポルチオの考えも納得できそうな気がする。
「でもお嬢様にはまだ早いようですな。複雑そうな顔をしていますぞ。きっと大人になったらわかる時が来ます」
一生わかりたくないなー。
「祈りを捧げているところ邪魔してすいません。ワシは他のところの手入れに行きますので」
「なんかごめんなさいね、お仕事の邪魔をしてしまって」
「いえいえ。それに祈りを捧げられているムーも喜んでいるでしょう。ではこれで」
「お仕事頑張ってください」
ポルチオが行ってしまうのを見送った後、私は再びムーちゃんのお墓に祈りを捧げる。
感傷に浸っていると、またしてもガサゴソと音が聞こえた。
また誰か来たのかと思って後ろを振り返ったが誰もいない。
でも音が聞こえる。
も、もしかして幽霊? 実はムーちゃんは怒っていて化けて出てきたとか? どどど、どうしよう。
私はびくびくしながらあたりを見渡した。怯えすぎてどこから音が聞こえてくるのかを気にせず周りをきょろきょろとしていて全く気が付かなかった。
数十秒して音が上から聞こえてくることに気が付いた私はガバッと上を見上げる。
すると、木が激しく揺れていた。
なにあれ怖っ!
鳥が止まったとかそういう揺れじゃない。何がいるのっ!
それに、なんか声が聞こえる。女の子の声?
人の声だと分かった瞬間、恐怖心が引いていった。それと同時にちょっとだけほっとした。
ムーちゃんが化けて出てきたわけじゃないんだ。よかった。
じゃああれはいったい何だろう。
「ねぇ、そこに誰かいるの?」
「あひゃい、ば、ばれてしまったでござる」
ん? ござる? なぜに語尾がござるなの。ここって中世ヨーロッパ風の世界観なんだよね。
そう思って首をかしげていると、木の上から私と同い年ぐらいの女の子がシュパッと降りてきた。
その女の子は俗にいう忍びのような恰好をしていた。
待って、ここは日本じゃないんだよ。なぜに忍びがいるのっ!
「うう、見つかってしまうとは修行不足でござる。でも、あなたがかわいすぎるからいけないのでござるよ」
え、誰? 家で働いている子じゃないし、ほんと誰? もしかして、不審者。でもかわいい女の子の声なんだけど。
「ねぇ、あなたは誰?」
「むむ、自己紹介すらしていなかったでござるな。拙者は服部半蔵と申す。いがしのびしゅうのりーだーをやっているでござる」
どうしよう、ツッコミどころの多い子が現れた。
ここは乙女ゲーム『恋愛は破滅の後で』の世界。つまり中世ヨーロッパ風の世界観だ。
なのに忍びってどういうこと?
それに伊賀の忍び集って。伊賀って三重県の伊賀市あたりだよね。昔はそこに忍びの里があったとかなかったとか。
そして今は観光名所として忍び博物館みたいなものもあったり……。
昔はかなり人でなしな忍びを輩出していたところだったらしいけど、まさかそこの出身っ!
ほんと、世界観がぶち壊しなキャラが来たね。
「ここら辺に伊賀って場所があるのかしら」
「いがはこのあたりにある隠里の名称でござる。たまに伊賀の里と間違える不届きものがおるでござるが」
ん? まったく意味が分からなかった。どういうこと。
「なにやら不思議に思って居るようなのでしっかり説明するでござるよ。紙とペンはあるでござるか」
「はいこれ」
ポケットに入れっぱなしにしていた紙とペンを半蔵に渡す。
何かゲーム情報を思い出したときにメモをとれるように持っておいたんだけど役にたったよ。
「えっと、拙者の里の名称は『いががのさと
』と書くでござるがたまに『伊賀の里』と勘違いする輩がおるのでござる」
「え、同じじゃないの」
私的にはひらがなで書かれているか漢字で書かれているかの違いにしか見えないんだけど、一体何が違うのだろう。
「全然違うでござる。『伊賀の里』には人の首を刈り取ることに快楽を覚える犯罪者の里であり、拙者たちの『いがのさと』は正真正銘の忍びの里でござる。昔『伊賀の里』には首狩りシルフィーと恐れられていた者がおり、そのせいでヤバイ噂が広まったのでござる。読み方が同じせいで拙者たちの里も犯罪者のように思われてしまい……うぅ」
「それは災難だったね」
首狩りシルフィー。お母さんと同じ名前だけど……まさかね。そんなわけないよね。だってお母さんは公爵夫人だし、すごく優雅でのほほんとしているし、違うよね。まあいいや。
「それであなたは何をしていたの。まさか、不審者」
「そそそ、そんなんじゃないでござる! 拙者はただあなたを見ていただけでござる」
それを俗にストーカーという。こいつは犯罪者だ。警察に突き出さないと。この国に警察っているの?
「おお、その冷めたような視線。ご褒美でござる」
「しかも変態かよ。どうしようもないな」
「拙者、決めたでござるっ!」
「え、何を? このまま警察に突き出すから最後の言葉になるけど聞いてあげる」
「け、警察に突き出すのは…………」
この国に警察はいるんだ。なんか世界観ごちゃごちゃ。憲兵じゃなく警察かー。不思議だー。
「んで、言い残すことは」
「拙者と結婚を前提に付き合って欲しいでござるっ!」
「ごめん、無理」
私にはそんな反応しかできなかった。いきなり求婚とかないわ。しかも女の子同士って、この子の頭はどうなっているんだろう。
いや、ほんとないわー。
「あぁ……その冷めた視線。最高でござるっ! あとごめんなさい」
「求婚されて振られたっ! なんだろう。かなり悲しいような気がする。傷ついたっ!」
「違うでござる。そうじゃないでござるよ」
「何が違うっていうのよ。とっとと警察に突き出してやるぅ!」
「ちょっと本音が漏れてしまっただけでござる。いきなりけけけ、結婚なんて、はぅ」
なんだろう。この子かわいいな。
「なのでおそばに仕えさせてほしいでござるっ!」
仕える? それってつまり、私の部下になるってことだよね。
この子のような忍びが仕えてくれたら、破滅の運命が待っている私にとって強力な力になるんじゃないだろうか。
地球でも情報は協力な武器となっていた。情報を制する者が戦争に勝利できる。
だけどお高いんじゃないの?
人を雇うんだよ? そこそこのお金がいるはずだ。こりゃ無理だな。
「ごめんなさい、私はお金を持っていないの。人は雇えないわ」
「いえいえ、ご褒美になでなでしてくれたらそれでいいでござる」
「安いのね君っ! 安すぎるよっ!」
という訳で、私は半蔵を雇うことになりました。ご褒美のなでなでって、それで暮らしていけるのか不安なんだけど。たまに差し入れしてあげよう。うん、それがいい。
これで、破滅回避に向けた力を手に入れることができたっ!
よしよし、順調だ。絶対に破滅を回避してやるんだからっ!
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる