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商人
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ジロワらによる、盗賊の根城への奇襲は、九割方の成功を納めた。
フランスの地形というのは、おおざっぱに言うと、東と南が山脈、西と北は海で囲まれただだっ広い平野である。山、といってもせいぜいなだらかな起伏の丘陵程度で、所々に大きな森が存在し、大小さまざまな河川が葉脈の様に広がっている。
その様な地形であるため、盗賊の根城となるのは、森の奥か、廃れた古城や教会・修道院の廃墟などの遺跡である。
ヴァイキングの襲撃が激しかった頃に、多くの教会が略奪を受けて破壊され、廃墟となっていた。そうした放棄された教会の廃墟の一つが、この度の盗賊団の根城であった。
現時点で生存する二十人ほどの人質は全て救出、貯めこまれた財貨も押収した。多少、衰弱しているものの、ル・グロが解放を求めた商人一家と乳児も無事であった。
ただ、盗賊の首領『赤口のラウル』を逃してしまった。
どうやら、首領はとっくにこの盗賊団を見限っていたらしい。人質たちの証言によると、三人の手下を監視役に送り出したあと、集めた財貨の内で最も高価で嵩張らない宝石類や香辛料ばかりをまとめて抱え込み、とっとと逃げ出したという。
あんな杜撰な計略しか出来ない様な手下であれば、見捨てたくもなるか……。邪魔になった手下どもの処分を押し付けられた格好なのは面白くない。
一人で二十人も殺害するのは、手間がかかり過ぎて現実的では無かったからなのか、人質たちが口封じのため皆殺しにされることは無かった。ただし、誰もが縄で縛り上げられていたので、救出が遅れれば乳幼児の生命には深刻な事態となった可能性はある。
人質たちは、一旦領主館へ移送し、食事を与えて休ませた後、ロジェが中心となって出身地などの聞き取り調査を行った。
ジロワの様な地方の小領主では奴隷取引を行う様な大商人に伝手はないし、その様な取引を行うつもりもなかった。捕えられていた者たちの多くは近隣領地の領民農民のため、元の領主と身柄取引の交渉を行うのだ。
西ヨーロッパ全体で四千万人程度の人口しかなかった時代である。
戦場の捕虜としては、管理確保の手間とリスク(それを抱えたまま戦闘するには見合わない)により、見向きされずに皆殺しの憂き目にも遭う農民たち。
だが平時であれば、土地よりも、土地を利用して生産を行う人手の方が重要な時代であった。
奪い合いになる領地というのは既に開発済みで生産性の高い(人も十分に居る)街や村、農地である。
未開発の荒れ地は多く存在し、人手があれば開墾もできるが、土地だけあって人手が無いと生産は行えない。土地は余っているが、人手は不足していたのだ。後に人口が増加し、農地が不足し始め余った人手は商人や傭兵などの職業へと移っていった。だが、それはまだ後の時代のことだ。
交渉がまとまらなかったり、本人が帰還を望まない(そういう者もいた)場合は、そのままクルスロー領の新住民として受け入れた。
問題になったのは、捕えられた行商人などの旅人と、財貨の扱いであった。
前述の通り、奴隷取引を行うつもりのなかったジロワとしては、とりあえず身寄り(所属商会、組合など)へ、助けを求めに行ける程度の路銀を持たせて解放するのが基本線だった。
つまり、ル・グロがわざわざ条件交渉を行わずとも、ジロワとしてはそうするつもりであったのだ。
だが、ジロワの事を知らない、あの時点のル・グロとしては、必要な交渉であった。後に、「あるじ殿には、まんまとやられた。もう少し見る目があれば、もっと吹っ掛けられたのに」と口惜しがるル・グロであったが。
さて、残る問題は回収された財貨の方である。
もとより台帳などあるわけもなく、どれが誰の物だったかなど分からない。そもそも、元の持ち主が生存しているかどうか。
ここで、捕えられていた者たちに聞き取りなどしても、これ幸い、主張が通ればめっけもの、とばかりにアレもコレも自分の物、と言い出すのは目に見えている。ここでは、ジロワは一切の妥協なしに、すべて領主が没収する旨を宣言した。
商人たちはダメ元で抗議したものの、ジロワ(実際に交渉したのはロジェ)は一歩も引かず、どうしても聞けぬというなら仕方ない、奴隷として売り捌くぞ、と脅されるに至って諦めた。
ただ、ル・グロが解放を要望した商人であるベルネーのピエールだけは、諦めようとしなかった。
「私は商会に属せず、一匹狼で商売を行ってきました。今更頼れるところなどありません。ここで荷を失えば一家三人路頭に迷うしかない。それならどのみち奴隷に落とされるのも一緒です」
様々な危険と隣り合わせの交易という生業に就きながら、万一の備えがそんなに疎かでいいのか。そう問われれば、
「私は流浪民の出自で所属できる商会がないのです。備えとして彼(ル・グロ)の様な用心棒を連れていたのですが、今回は女子供を人質に取られてしまったため、こんな次第になってしまったのです……」
ここで例外を認めてしまえば、またぞろ騒ぎ出す者が出てくる。さてさて、どうしたものか。
「僭越ながら……」
と、マルコ修道士が一案を示した。
荷を返してやる訳にはいかない、が、この荷をピエールに「委託」し、ピエールがその荷を売り捌いて得た代金の内から手数料を取る形にしてはどうだろうか?
いずれにせよ、クルスロー側でも荷は処分しなければならない。それならば商売に長じたこの男に任せてしまえばよいだろう。
また、最初の元手となる売却代金の引き渡しを分割制にし、その売却代金を元手に、新たな取引を行うことも許す。新たな商売で発生した利益から一定割合を領地に分配させる。
そして、分割・分配の支払いのため、定期的にクルスローを訪問する義務を課す。
要するに、投資と収益分配という形である。
ピエールは、本来、自分の物であった売り上げを、分割で支払うことになるが、断れば全てを失う事になるので、否を言いようがない。
また、少しでも高く売り抜け、余計に利益を出せば、その分は自分の取り分増加になる。
そして、定期的にクルスローを訪れなければならない、という義務は、見方を変えるとクルスロー領を新たな得意先商圏とする機会となる。
これは交渉次第だが、クルスロー卿『御用達商人』、一匹狼で大商会の隙間を縫うように商売をしてきたピエールにとって、その響きは甘美な夢だった。
一方でクルスロー領側としては、当然荷の処分について丸投げできるのはありがたい。彼らは商人ではないのだから、一口に処分する、といっても何をどうしたらいいのやら、である。
零細領地のクルスローにはなかなか行商人が立ち寄らない。たまに寄ることがあっても、足下を見られて割高な取引を強いられる。
定期的に来てくれる商人は大歓迎だし、競争相手の出現は他の商人に対する牽制にもなる。今はしょぼい規模でしかない市も、商品の幅を増やして活気を出せるかも……。
損得の勘定と、皮算用に忙しい両者だが、大事な問題がある。
ピエールは信用できるのか。
荷をそのまま持ち逃げされれば、それまでだ。また、取引で大損をする無能なら、まさしく皮算用に終わってしまう。
妻子を人質として領地に残させるか? いやいや、それでは……。
あれこれ議論するジロワとロジェを、マルコ修道士が窘めた。
「あまり欲をかかれますな。もともと無かったものと考えればご領地に損はありますまい。それに、あの商人にとっても利の有る話です。懸念すべきは取引の失敗でしょうが、取り扱っている品から見るに、堅実な商売をする者の様です。信用してもよろしいでしょう」
ピエールが取り扱ったのは、ワインや羊毛など、利幅は薄いが安定して需要のある物ばかりだった。香辛料や絹織物などの高価な輸入品の取り扱いには参入できなかった、という事情もある。
マルコの意見具申により、ジロワも腹を据え、ピエールに賭けることとなった。早速ロジェとピエールの間で、任せる荷の評価額や、新たな取引により得られた収益からの分配額などの交渉が始まる。
「高い」「安い」「御用達」「領地の産品は……」「それは実績を積んでから……」「特許状は……」「市で売れる品は……」と、なにやら話が広がって丁々発止のやり取りになっている。なるほど、あの様子なら大丈夫そうだ。
そして、最後に残ったのがル・グロの身柄の扱いについて、である。
ただし、これは問題というわけではなかった。この男の身柄については、「どうなろうと、領主殿の好きにしてくれ」という言質を取っている。
「条件がある」
またか。
「前にも言ったが、お前の側に交渉の材料になるものがあると思っているのか?」
「あるな」
「何? なんだそれは?」
「この条件を容れてくれるなら、儂ほどの剛の者が、粉骨砕身誠心誠意仕える様になる」
ニヤリ。
「お前……」
条件を受け入れなければサボりまくるぞ、と言っているようなものだ。呆れてジロワが溜息をつくと、
「なんじゃ、あるじ殿は誠実で屈強な戦士に忠誠を尽くされるのが嫌いか?」
誠実な戦士は、追加条件の諾否で手を抜いたりしないわ!
「ちなみにお前の条件とやらは何なんだ?」
そうジロワが問うと、ル・グロは表情と態度、さらに声音まで改めて言った。
「儂の恩人の子、ワセリンを長じて騎士とすべく、ご助力いただきたい」
フランスの地形というのは、おおざっぱに言うと、東と南が山脈、西と北は海で囲まれただだっ広い平野である。山、といってもせいぜいなだらかな起伏の丘陵程度で、所々に大きな森が存在し、大小さまざまな河川が葉脈の様に広がっている。
その様な地形であるため、盗賊の根城となるのは、森の奥か、廃れた古城や教会・修道院の廃墟などの遺跡である。
ヴァイキングの襲撃が激しかった頃に、多くの教会が略奪を受けて破壊され、廃墟となっていた。そうした放棄された教会の廃墟の一つが、この度の盗賊団の根城であった。
現時点で生存する二十人ほどの人質は全て救出、貯めこまれた財貨も押収した。多少、衰弱しているものの、ル・グロが解放を求めた商人一家と乳児も無事であった。
ただ、盗賊の首領『赤口のラウル』を逃してしまった。
どうやら、首領はとっくにこの盗賊団を見限っていたらしい。人質たちの証言によると、三人の手下を監視役に送り出したあと、集めた財貨の内で最も高価で嵩張らない宝石類や香辛料ばかりをまとめて抱え込み、とっとと逃げ出したという。
あんな杜撰な計略しか出来ない様な手下であれば、見捨てたくもなるか……。邪魔になった手下どもの処分を押し付けられた格好なのは面白くない。
一人で二十人も殺害するのは、手間がかかり過ぎて現実的では無かったからなのか、人質たちが口封じのため皆殺しにされることは無かった。ただし、誰もが縄で縛り上げられていたので、救出が遅れれば乳幼児の生命には深刻な事態となった可能性はある。
人質たちは、一旦領主館へ移送し、食事を与えて休ませた後、ロジェが中心となって出身地などの聞き取り調査を行った。
ジロワの様な地方の小領主では奴隷取引を行う様な大商人に伝手はないし、その様な取引を行うつもりもなかった。捕えられていた者たちの多くは近隣領地の領民農民のため、元の領主と身柄取引の交渉を行うのだ。
西ヨーロッパ全体で四千万人程度の人口しかなかった時代である。
戦場の捕虜としては、管理確保の手間とリスク(それを抱えたまま戦闘するには見合わない)により、見向きされずに皆殺しの憂き目にも遭う農民たち。
だが平時であれば、土地よりも、土地を利用して生産を行う人手の方が重要な時代であった。
奪い合いになる領地というのは既に開発済みで生産性の高い(人も十分に居る)街や村、農地である。
未開発の荒れ地は多く存在し、人手があれば開墾もできるが、土地だけあって人手が無いと生産は行えない。土地は余っているが、人手は不足していたのだ。後に人口が増加し、農地が不足し始め余った人手は商人や傭兵などの職業へと移っていった。だが、それはまだ後の時代のことだ。
交渉がまとまらなかったり、本人が帰還を望まない(そういう者もいた)場合は、そのままクルスロー領の新住民として受け入れた。
問題になったのは、捕えられた行商人などの旅人と、財貨の扱いであった。
前述の通り、奴隷取引を行うつもりのなかったジロワとしては、とりあえず身寄り(所属商会、組合など)へ、助けを求めに行ける程度の路銀を持たせて解放するのが基本線だった。
つまり、ル・グロがわざわざ条件交渉を行わずとも、ジロワとしてはそうするつもりであったのだ。
だが、ジロワの事を知らない、あの時点のル・グロとしては、必要な交渉であった。後に、「あるじ殿には、まんまとやられた。もう少し見る目があれば、もっと吹っ掛けられたのに」と口惜しがるル・グロであったが。
さて、残る問題は回収された財貨の方である。
もとより台帳などあるわけもなく、どれが誰の物だったかなど分からない。そもそも、元の持ち主が生存しているかどうか。
ここで、捕えられていた者たちに聞き取りなどしても、これ幸い、主張が通ればめっけもの、とばかりにアレもコレも自分の物、と言い出すのは目に見えている。ここでは、ジロワは一切の妥協なしに、すべて領主が没収する旨を宣言した。
商人たちはダメ元で抗議したものの、ジロワ(実際に交渉したのはロジェ)は一歩も引かず、どうしても聞けぬというなら仕方ない、奴隷として売り捌くぞ、と脅されるに至って諦めた。
ただ、ル・グロが解放を要望した商人であるベルネーのピエールだけは、諦めようとしなかった。
「私は商会に属せず、一匹狼で商売を行ってきました。今更頼れるところなどありません。ここで荷を失えば一家三人路頭に迷うしかない。それならどのみち奴隷に落とされるのも一緒です」
様々な危険と隣り合わせの交易という生業に就きながら、万一の備えがそんなに疎かでいいのか。そう問われれば、
「私は流浪民の出自で所属できる商会がないのです。備えとして彼(ル・グロ)の様な用心棒を連れていたのですが、今回は女子供を人質に取られてしまったため、こんな次第になってしまったのです……」
ここで例外を認めてしまえば、またぞろ騒ぎ出す者が出てくる。さてさて、どうしたものか。
「僭越ながら……」
と、マルコ修道士が一案を示した。
荷を返してやる訳にはいかない、が、この荷をピエールに「委託」し、ピエールがその荷を売り捌いて得た代金の内から手数料を取る形にしてはどうだろうか?
いずれにせよ、クルスロー側でも荷は処分しなければならない。それならば商売に長じたこの男に任せてしまえばよいだろう。
また、最初の元手となる売却代金の引き渡しを分割制にし、その売却代金を元手に、新たな取引を行うことも許す。新たな商売で発生した利益から一定割合を領地に分配させる。
そして、分割・分配の支払いのため、定期的にクルスローを訪問する義務を課す。
要するに、投資と収益分配という形である。
ピエールは、本来、自分の物であった売り上げを、分割で支払うことになるが、断れば全てを失う事になるので、否を言いようがない。
また、少しでも高く売り抜け、余計に利益を出せば、その分は自分の取り分増加になる。
そして、定期的にクルスローを訪れなければならない、という義務は、見方を変えるとクルスロー領を新たな得意先商圏とする機会となる。
これは交渉次第だが、クルスロー卿『御用達商人』、一匹狼で大商会の隙間を縫うように商売をしてきたピエールにとって、その響きは甘美な夢だった。
一方でクルスロー領側としては、当然荷の処分について丸投げできるのはありがたい。彼らは商人ではないのだから、一口に処分する、といっても何をどうしたらいいのやら、である。
零細領地のクルスローにはなかなか行商人が立ち寄らない。たまに寄ることがあっても、足下を見られて割高な取引を強いられる。
定期的に来てくれる商人は大歓迎だし、競争相手の出現は他の商人に対する牽制にもなる。今はしょぼい規模でしかない市も、商品の幅を増やして活気を出せるかも……。
損得の勘定と、皮算用に忙しい両者だが、大事な問題がある。
ピエールは信用できるのか。
荷をそのまま持ち逃げされれば、それまでだ。また、取引で大損をする無能なら、まさしく皮算用に終わってしまう。
妻子を人質として領地に残させるか? いやいや、それでは……。
あれこれ議論するジロワとロジェを、マルコ修道士が窘めた。
「あまり欲をかかれますな。もともと無かったものと考えればご領地に損はありますまい。それに、あの商人にとっても利の有る話です。懸念すべきは取引の失敗でしょうが、取り扱っている品から見るに、堅実な商売をする者の様です。信用してもよろしいでしょう」
ピエールが取り扱ったのは、ワインや羊毛など、利幅は薄いが安定して需要のある物ばかりだった。香辛料や絹織物などの高価な輸入品の取り扱いには参入できなかった、という事情もある。
マルコの意見具申により、ジロワも腹を据え、ピエールに賭けることとなった。早速ロジェとピエールの間で、任せる荷の評価額や、新たな取引により得られた収益からの分配額などの交渉が始まる。
「高い」「安い」「御用達」「領地の産品は……」「それは実績を積んでから……」「特許状は……」「市で売れる品は……」と、なにやら話が広がって丁々発止のやり取りになっている。なるほど、あの様子なら大丈夫そうだ。
そして、最後に残ったのがル・グロの身柄の扱いについて、である。
ただし、これは問題というわけではなかった。この男の身柄については、「どうなろうと、領主殿の好きにしてくれ」という言質を取っている。
「条件がある」
またか。
「前にも言ったが、お前の側に交渉の材料になるものがあると思っているのか?」
「あるな」
「何? なんだそれは?」
「この条件を容れてくれるなら、儂ほどの剛の者が、粉骨砕身誠心誠意仕える様になる」
ニヤリ。
「お前……」
条件を受け入れなければサボりまくるぞ、と言っているようなものだ。呆れてジロワが溜息をつくと、
「なんじゃ、あるじ殿は誠実で屈強な戦士に忠誠を尽くされるのが嫌いか?」
誠実な戦士は、追加条件の諾否で手を抜いたりしないわ!
「ちなみにお前の条件とやらは何なんだ?」
そうジロワが問うと、ル・グロは表情と態度、さらに声音まで改めて言った。
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