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番外編SS
こまかいおはなし色々
しおりを挟むルーチェ2歳編
その1・隠したい年頃らしい
【悲報】退屈していたルーチェ、書類仕事をしているリュカ様の体によじ登り、耳に積み木を入れようとする。
リュカ「ちょ、ルーチェやめ……やめて、やめなさい。ルーチェ、ルーチェ!」
その後ヴァンに「おいたが過ぎますルーチェ様」と引き剥がされた模様。
【悲報】庭で遊んできたルーチェ、書類仕事をしているリュカの尻尾に拾ってきたダンゴムシたちをそっと隠す。のちに執務室からヴァンの絶叫が聞こえたとかなんとか。
その2・夏の夜
夏になると暑がって寝間着の裾をズボンに入れるのを嫌がるルーチェ。
ルーチェ「おにゃか、しまわないで!」
リュカ「駄目だよ、お腹しまわないと冷えて痛くなっちゃうよ」
ルーチェ「や! ルーおにゃかだすの!」
リュカ「いい子だから、しまおう? ね?」
ルーチェ「いや! しまわにゃい!」
リュカ「も~お腹痛くなったらバナナ食べられなくなっちゃうよ」
ルーチェ「いや!! バニャニャたべう! たべうます!(地団駄、半べそ付加)」
リュカ「wwwフフッww」←突然の敬語に思わず笑ってしまったリュカ様。
ルーチェ「なんでわらうの!!!」
リュカ「ごめん、ルーチェが可愛かったから……ごめんって」
ルーチェ「あ゛ーーーーーーーーっっっ(手に負えない号泣)」
なお敬語はヴァンや周囲の大人から覚えた模様。
その3・ルーチェの発音遍歴
リュカ
「ュア」
「ュカッ」←なんか歯切れがいい
「ニュカ」←リュの難易度が高い
「ルカ」←あとちょっと!
「リュカ」←よくできました
ヴァン
「ァン」
「プァン」←ピートが爆笑した
「ヴァン」←わりと発音しやすいらしい
ピート
「ィーオ」
「ィートッ」←やっぱり歯切れがいい
「ピーオ」←なぜかトが消える
「ピート」←ピのときちょっと声が高くなる
バナナ
「アニャ」
「バニャニャ」
「バニャナ」
「バヤナ」
「バナナ」
日常編
その1・バニーの日(8月2日)
バニーの日なのでウサ耳をつけてみるリュカ様。
「何故リュカ様は時々耳をよっつに増やすのですか」冷静に突っ込むヴァン。
「なんとなく、やらなくちゃいけない気がして……」謎の使命感に襲われるリュカ様。
その2・蜂蜜の日(8月3日)
ゾーイ「リュカ様さあ蜂蜜をお召し上がりくださいませ! 蜂蜜はビタミンアミノ酸ポリフェノールなどなど栄養豊富で腸内環境を整え免疫向上の効果もある世界で一番メロい食材ですぞ!! おっと拙者の指に蜂蜜がついてしまいました! せっかくですのでどうぞ拙者の指ごとお舐めください!! さあ、さあさあさあさあハァハァハァハァひと息にペロペロと! ペロンチョとおおおおおおおお!!!」(息継ぎなし)
リュカ「いやぁあああああ助けてええええええええええええ!!!!!」
その3・リュカの寝言
リュカの就寝は基本おとなしい。いびきもかかなければ歯ぎしりもしない。
しかし極々稀に寝言を発して、夜警をしているヴァンやピートを驚かせることがあるのだ。
「う~ん、やめてぇ!」
ある日の深夜。リュカの寝室で書類仕事をしていたヴァンは、主の突然の叫び声にビクッと肩を跳ねさせた。
慌てて椅子から立ち上がり振り返ったが部屋は何の変哲もない。どうやらリュカが寝言で叫んだようだ。
人騒がせな、と思いつつヴァンはベッド脇まで歩いていく。リュカはぐっすり眠ったまま、眉根を寄せてうなされていた。どうやら悪夢を見ているようだ。
(いったいどんな夢を見てるんだ。あまりうなされるようなら起こしたほうがいいか……?)
ヴァンがそう考えたときだった。
「やめてぇ…………俺のファミチキ食べないでぇ……」
とても悲しそうにリュカが言った。寝言で。
(ファミチキ?)
聞いたことのないものの名前にヴァンも眉根を寄せた。『食べないで』ということは食べ物なのだろうが。
すると目尻に涙まで浮かべて悲しそうに寝ていたリュカの顔が、突然和らいだ。
「なんだ、ナナチキかぁ……」
(ナナチキ?)
やっぱりよくわからないが、リュカは安心したような顔でスヤスヤ寝ている。どうやら夢の中で悲しい出来事は解決したらしい。
解決したのならよかったと思い机に戻ったヴァンなのであった。
ちなみに翌朝リュカに尋ねてみたところ、うなされたこともどんな夢を見たかも全く覚えていないとのことだった。
またとある日の深夜。
夜警のピートはリュカの寝室で書類仕事をしつつ食事を摂っていた。深夜二時は夜勤の昼食時間なのである。
(これは……ガルドマン領の内部抗争問題の稟議書か。あそこはいっつも問題ばっかだな。リュカも心労が絶えないぜ、可哀想に)
書類に目を通し、代理の決裁のサインをする。主の気苦労を案じながら、ピートがトマトスープの匙を口に運んだときだった。
「あははははははははは!! ルーチェの錫杖ちんちんみたい!」
「ブォッフォ!!!!!」
ベッドから突然どうかしている笑い声が響き、ピートは盛大にトマトスープを噴き出した。
完全に虚を突かれたピートは気管にスープが入ってしまい、激しくむせる。
「ゲホゲホゲホゲホゲホッ!!エホッ、ゲホッ、ゲェッホ!」
危うく死にそうになりながら振り返れば、リュカはベッドでスヤスヤと寝ていた。なんの変哲もない。どうやら寝言だったようだ。
ハァハァと息を乱しながら机を見ると、書類にトマトスープが飛び散り大惨事だった。
(なんだったんだよ!)
リュカでなければひっぱたいて起こしてやるところだが、リュカなのでそれはしない。この夜ピートは理不尽な虚しさに襲われながら、汚れた書類の後始末に追われたのだった。
ちなみに翌朝、やっぱりリュカは突然笑いだしたことも夢の内容も覚えていなかった。
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