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番外編SS

薫風/ヴァンの秘密2

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その1 薫風

※しょーもない下ネタ

※なんでも許せる人向け

※2巻のあと辺り

====================================

 六月のある日。
 リュカは所用につき、護衛騎士団を連れてとある地方へやって来ていた。

 山にほど近いそこは果実農業が盛んらしく、馬車を降りたリュカたちは果樹園に挟まれた細い道を歩いて目的地へと向かった。

「なんの樹だろう、林檎かな」
「あれは桃ですよ」

「あっちが林檎かな」
「あれは胡桃だな」

 この地方は初めて訪れたうえ、リュカはあまり樹木に詳しくない。ヴァンやピートが教えてくれても、違いが今ひとつわからなかった。

 そんなふうに辺りを眺めながら歩いていたときだった。

「……ん?」

 生臭いような青臭いようなにおいがリュカの鼻を掠めた。いい香りとは言い難いそのにおいに、リュカはとても覚えがあった。

(え? このにおいって……え??? なんで? まさか誰か歩きながら射精ちゃったとか?)

 リュカは途端に顔を強張らせる。有り得ない状況に脳が混乱した。

 何故なら、さっきから辺りに漂う奇妙な香りは――精液のあの独特なにおいと酷似していたのだから。

 今現在、リュカは護衛騎士団に前後を挟まれて歩いている。前方に白銀魔女団、後方に黄金麦穂団、リュカの隣にそれぞれヴァンとピートだ。

 閑散とした道で他に人の姿はなく、村からも離れていて、あるのは果樹ばかりだ。

 だとすると、このにおいを発しているのは団員の誰かということになる。リュカは内心激しく動揺した。

(どっどうしよう。意図的に射精したんじゃないよね? 溜まりすぎてたとか、体の不調でうっかり射精ちゃったんだよね、きっと。そんなことある?? で、でも騒いだり犯人を見つけたらきっと傷ついちゃうよね。そっとしとくべき? いやでも周囲の人みんな気がついてるよね流石に? えっどうしよう。俺はこの世界の王として射精してしまった部下にどう接するのが正解なの?)

 答えを求め心の中のウルデウス様に問いかけてみるが、ウンともスンとも返ってこない。難題すぎて創造神もお手上げなのか。

 前代未聞の事態にリュカがダラダラと冷や汗をかきながら考えていると。

「この辺くせーな」

 そんな喋り声が前方から聞こえてきて、リュカは息をヒュッと呑む。

(駄目だよそんな責めるような言い方しちゃ! 射精ちゃった人が傷つくでしょ!)

 心の中で叱責し、ますます難易度の上がった状況にリュカの胃が痛み始める。しかし続いて聞こえてきたのは不穏なざわつきではなく、ケラケラと笑う明るい声だった。

「栗の花だろ? この時期はなあ」

「くり?」

 リュカは目をまん丸くして、思わず小声で反芻してしまった。そこでリュカは前世の漫画で知った『栗の花のにおいは精液くさい』という知識をようやく思い出したのであった。

「なっ……なんだぁ~~~~~~」

 安堵して大きく息を吐き出すと同時に思わず大きな声が出てしまった。唐突に盛大な安心感を吐露したリュカに、ヴァンとピートがビクッと驚く。

「どうしたのですか突然。なんの前触れもなく大声を出さないでください」

「『なんだ~』ってなんだよ? なんか問題でも抱えてたのか?」

 とても間抜けなことで悩んでいた自分が可笑しくなって、リュカは恥ずかしそうに笑いながら肩を竦めた。

「俺、初めて栗の花のにおい嗅いだから、ちょっと驚いちゃって」

 ヴァンとピートは一瞬キョトンとしたが、次の瞬間ヴァンは苦々しい表情を浮かべ、ピートは「あははっ!」と大口を開けて笑いだした。

「確かにそっくりだもんな、このにおい。俺も初めて嗅いだときはビックリしたぜ」

 同意してくれたピートにリュカは「だよね、だよね!」とブンブン頷く。

「もしかして誰か射精ちゃったのかと思ってハラハラしちゃったよ~」

「ぶはははは! んなワケあるかよ! 小便漏らすのとはワケが違うんだぞ! あはははは!」

 斜め上だったリュカの懸念に、ピートは大ウケである。確かに考えれば考えるほどそんなことはないと思い、リュカまで笑いが止まらなくなってくる。

「あははは、だ、だって、こんな道端で精液のにおいするなんてそれ以外考えられなくて……」

「歩きながら射精すってははははは、む、むちゃすぎんだろ、あ~おっかし~」

 ふたりが涙が滲むほど笑い転げていると、ヴァンがそれを遮るように「ぅおっほん!」と大きな咳払いをする。そして眉間に深い深い皺を刻み、リュカに小声で耳打ちした。

「天下の往来で下品な会話をするのはおやめください!! あなた国王なんですよ!? そこらへんの庶民のガキじゃないんですよ!」

 確かに少々品性がなかったかもしれないとリュカはすかさず反省する。しかし。

「いいじゃねーか、どうせ辺りには人はいねーんだし。聞いてるのは団員だけじゃねえか」

 ピートが呆れたように片手をひらひら振って言うと、ヴァンは蔑むような眼差しで彼を睨んだ。

「貴様の品性レベルにリュカ様を巻き込むな。それに貴様はリュカ様に対する危機感がなさすぎる。護衛騎士失格だな、今すぐ辞表を持ってこい」

 遠慮のないヴァンの毒舌にピートは「なんだと?」と喧嘩を買いそうになったが、ハッとすると横目で団員たちの様子を見た。

 団員たちのほとんどは特に変わったところはないが、稀に悶々とした表情で頬を赤らめている者がいた。その者らは時折チラリと盗み見るようにリュカに視線を向けている。

(……リュカ様って精液のにおい知ってるのか……。いやそりゃ成人男性なんだから知ってて当然なんだけど……なんか意外だな)

(精液のにおいがわかるってことは、精通されているんだな……。外見が少年のままだからてっきり精通もされていないのかと)

(リュカ様も自慰とかするのか~。いや待てよ、自分の精液のにおいとは限らないよな。両団長とアレな噂もあるし、もしかしたらそれでにおいを知ってるとか?)

(あのリュカ様が精液のにおいを知ってるって、なんかいやらしいな。……ちょっと興奮してきた)

 彼らの心の声が、ピートには手に取るようにわかる。

 見た目にオス臭さの全くないリュカが精液のにおいを知っていたという事実に、数人の者が妙な関心を抱いている。そのことに気づいたピートは顔を顰めると、悶々とした表情を浮かべている者たちを片っ端から睨んでいった。

「オオカミの言う通りだ、この話はやめ! リュカ様、なんか萎える話しようぜ。経済とか哲学とか」

「えっ? なんで?」

 突然態度を百八十度変えたピートに、リュカは目をまん丸くする。それを見たヴァンは「ふん、今さら気がついたか」と顎を上げてせせら笑った。

 そうしてリュカは栗の花の香る道を通りすぎるまで、どうしてかわからないまま近代レイナルド領における景気循環理論の講釈をさせられる羽目になったのであった。




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その2 ヴァンの秘密2

※甘くないエロネタ

※ちょい小スカ

※ヴァンがド変態

※なんでも許せる人向け

※リュカ・ヴァン共に17歳

===============================

 それは、ヴァンがリュカへの想いを拗らせに拗らせていた十七歳頃の話。

 冬のある日、リュカはレイナルド騎士団遠征軍の駐屯地へやって来ていた。先日、遠征軍が魔物の群れを撃退したので、レイナルド当主の名代としてその功績を称え叙勲するためにやって来たのだ。

「――レイナルド遠征軍、北方第六騎士団、団長ゼネーヴ・ド・ランパン」
「はい」

 駐屯地の広場では叙勲式が行われている。整列した団員の中から名を呼ばれた者が前へ出て、リュカはローレルの葉を模した勲章をその胸に付ける。

「ゼネーヴ団長。あなたのおかげで多くの民の命が救われました。その功績をここに称えます」

 厳かな式は粛々と続き、団長や大きな働きをした者らが受章していく。そして叙勲が終わるとリュカは遠征軍に労いの言葉を贈り、式典は幕を閉じた。その時間ざっと一時間半。

 まだ十七歳だというのに、リュカの立ち振る舞いは立派なものだった。小柄さと可愛らしさゆえ威厳はあまり感じられないが、式典の手順にミスはひとつもなく完璧な所作で、騎士たちを称える言葉にもソツがなかった。――しかし。

 ヴァンの金色の目は見逃していなかった。後半、リュカの手は汗びっちょりで、法衣の下で小刻みに足が動いていたことを。

「お疲れ様でした、リュカ様。それでは祝宴の支度が整うまで、どうぞ応接室でお寛ぎくださいませ」

 広場から退場し遠征軍の宿舎に向かったリュカは、遠征軍責任者の男がそばを離れヴァンしかいなくなった途端に顔色を変える。青くなった顔は冷や汗まみれだ。

「とっ……トトトトトトトトトトトイレどこっ!!?」

 さっきまでの凛とした立ち振る舞いはどこへやら、リュカは法衣の上から股間を押さえてジタバタと足踏みをする。ヴァンは「やっぱり」と思いながら溜息を吐いた。

「後半ずっとモジモジしてましたよね、私の目は誤魔化されませんよ。まったく、どうして式典の前にトイレを済ませておかなかったのですか」

「お、お説教はあと! トイレどっち!? 右!? 左!?」

 リュカは忙しいとき、ついトイレを後回ししてしまう癖がある。今日はそれが災いして長丁場になってしまった。膀胱はもう破裂寸前である。

「知りませんよ、初めて来た場所なんですから。普通建物の端にはどっちにもあるんじゃないですか? 適当に行ってみたらどうです」

 まるで幼児のようにジタバタするリュカの姿に呆れ、ヴァンは冷ややかに返す。リュカは返事をする余裕もなく宿舎の玄関に入ると猛ダッシュで右側の廊下を走っていった。

(まったく。私だからいいものの、小便の面倒など……)

 小さくなっていくリュカの後ろ姿を見ながら、ヴァンは微かにゾクリと背がざわつくのを感じた。それが何かわからず「……?」と不思議に思っていると、遠ざかったはずの足音がバタバタと再び近づいてくるのが聞こえた。

「ぅわぁぁぁああんん!! 右棟トイレなかったぁあ!! 漏れちゃうよお!」

 こちらへ向かって走ってくるリュカは涙目だ。尿意が限界のせいか真っ赤な顔をしている。ヴァンの背筋に、さっきよりも強烈な何かがゾクゾクと走り抜けた。

「リュカさ……」

 何かを考える前に、ヴァンは咄嗟にリュカの腕を掴み止めようとした。

 しかし全速力のリュカは思っていたよりも早く、ヴァンの手をすり抜けて行ってしまう。

「あった! トイレあったー!!」

 廊下を曲がった角からリュカの歓喜の声が聞こえた。バタンとドアの閉まる音を聞きながら、ヴァンは自分の手を眺め呆然とする。どうしてか心臓がバクバクと音を立てていて煩い。

(……? さっき私は何故リュカ様を止めようとした? あそこで腕を掴み止めたら、漏らしてしまいかねなかったというのに……)

 不可解な自分の行動に眉根を寄せる。理解できない――いや、したくないのかもしれない。

 頭によぎるのは、さっきのリュカの姿だ。顔を真っ赤にし目に涙を浮かべた、尿意の限界と羞恥が入り混じった姿。

 ……もしあのまま失禁してしまっていたら、リュカはどんな表情を浮かべたのだろうか。

 次期当主ともあろうものが十七歳にもなって大恥を掻いたという事態に、絶望の色を浮かべるのか。それとも幼子のように泣きじゃくるのか。羞恥に耐え切れず両手で顔を覆ってしまうかもしれない。

 そんなリュカの姿を想像して、ヴァンの全身が痺れるようにゾクゾクと震える。気がつくと己の性器が屹立しかけていた。

(……っ! 私は何を考えて……!)

 すぐさま自分を否め律しようとしたが、自覚してしまった欲望は簡単には収まらない。頭の中ではリュカの哀れな姿が渦巻く。

 失禁して愕然としているリュカに『次期当主失格だ、みっともない』と叱責したら彼はますます泣いてしまうだろうか。大きな目からポロポロと涙を流し『誰にも言わないで』と哀願して。

 濡らした脚衣と下着を脱がせ汚れた股間を拭きながら『従者に恥ずかしい場所の世話をされる気分はどうですか?』と問い詰めてやりたい。きっとリュカは真っ赤な顔でイヤイヤと首を横に振りながら『ごめんなさい……』と泣きじゃくるだろう。

 あの可愛い顔をひたすら羞恥に染め、誰にも言えない秘密を世界でひとり自分だけが知る。十七歳にもなったあるじの下半身を躾の名のもとに嬲り触れる。

 完全に卑猥な妄想に陥っていたヴァンは、バタンとドアの閉まる音が聞こえてハッと我に返った。リュカがトイレから出てきた音だ。

「は~危機一髪だったよ。ねえヴァン、ハンカチ持ってない?」

 廊下の角からリュカが洗った手をブラブラさせながら歩いてくる。ヴァンはさりげなく上着の裾で下腹部を隠すと足早にリュカの隣を通りすぎ、「私も用を足して参ります」とトイレに向かっていった。

「先に応接室行ってるね~」

 手を振って水滴を飛ばしながら歩いていくリュカの声が遠ざかっていく。

 ヴァンはトイレの個室に籠もるとすぐさま脚衣を下ろし、ガチガチに隆起している陰茎を激しく扱きだした。リュカの護衛中にすさまじく欲情したのも、ましてや自慰をしたのも初めてである。

 精を吐き出したあとヴァンはとてつもない自己嫌悪に陥った。

 任務中に止められない情欲を抱いたこともそうだが、リュカの失禁姿を想像して今までにないほど昂ってしまった自分が許せない。

 ただでさえ同性であるじであるリュカにただならぬ想いを抱いていることに、日々罪悪感を抱いているのだ。そのうえ自制の利かない異常性欲と、普通とは思えない変態的嗜好まで加わってしまったら、もはやどうしたらいいものやら。

 その日ヴァンは地の底まで落ち込み、リュカの顔が見られなかった。

 しかしどんなに自分を厳しく律し、邪念を払おうと剣の訓練を普段の三倍にしたとて、十七歳の性欲はマグマのように沸々と沸くのを止められないのである。



 数週間後のある日。執務室で書類仕事をしていたリュカはずっとモジモジしていたけれど、ついに「ちょっとお手洗い行ってくるね」と椅子から降りた。またもや尿意を我慢してしまっていたらしい。

 今までのヴァンなら「どうぞいってらっしゃいませ」と特に気にも留めなかっただろう。しかし。

「あと十数枚の決裁をすればおしまいでしょう? 大臣たちが書類が返ってくるのを待っています、先に済ませてしまってはいかがですか?」

 ツラツラともっともらしい理由を述べながら、ヴァンは部屋を出ようとするリュカの腕を掴み止めた。

「それはそうだけど~。すぐ行って帰ってくるからさあ」

 よほど我慢していたのか、リュカはモゾモゾと足を動かし続けている。

 頭の中で自分を叱咤する声が聞こえるのに、ヴァンは微かに口角が上がりそうになるのを止められない。

「そう言ってサボるつもりじゃないでしょうね。この間も手洗いに行ったまま帰ってこないと思ったら、廊下で従者と喋り込んでいて……」

「もうサボらないよ! ってかトイレ行かせて! 漏れちゃったらどうすんの!?」

「漏れたら私が拭いてさしあげます」

「やだ! そんなみっともないことになったら俺恥ずかしくて死んじゃう! ってか本当もう無理だから放して!!」

 リュカはそう叫ぶと力づくでヴァンの腕を振り切って駆け出していった。その横顔は我慢の限界が近づき赤く染まって汗まで掻いている。

 それを見てヴァンは己の仄暗い欲望が満たされていくのを感じた。と同時に決して満たされない何かが飢えていくのも感じる。

(またやってしまった……。私はリュカ様に何をさせようとしているんだ……)

 すぐさま我に返ったヴァンは自己嫌悪に落ち込む。

 ヴァンはすっかり〝尿意に耐えるリュカ〟に魅入られ〝失禁して羞恥で泣くリュカ〟の妄想に耽るようになってしまった。もはや言いわけのしようもない変態だと自覚する。

 叶うことも口に出すことも許されぬ恋心は拗れる。ましてや真面目一辺倒のヴァンは友人と戯れに下ネタで笑うこともない。内に閉じこめた恋と性欲は拗れに拗れ、まだ青いヴァンの性癖をおかしな方向へと導いた。

 ヴァンのこの歪んだ性癖が奇跡的に満たされるのは、数年後に恋人となったリュカの潮吹きを目の当たりにしたときである。

 そのときの彼の興奮は筆舌に尽くし難く、リュカをとことん抱き潰したのは言うまでもない。

※2巻第10章参照
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